ブカヨ・サカ驚愕の一貫性
今回トロサールのゴールをまたしてもサカがアシストしたことで、ふたりのパートナーシップが称賛されているが、サカは毎回これだけのGA生産性なら、そういう選手が出てきてもおかしくないというのはある。
サカは、今回のアシストで、PLで対戦したことのある全チーム(24)で、ゴールかアシストを決めたことになるという。この少年、まだ22才ですぜ?
100% – Players to have scored or assisted against every team they have faced in the Premier League:
32/32 – Harry Kane
24/24 – Bukayo Saka
1/1 – 9 playersCompletionists. pic.twitter.com/o0Ds2PAmKh
— OptaJoe (@OptaJoe) November 12, 2023
なんという安定した生産力。工場か。産業革命か。
あとは、彼がシリアスなケガをしないことだけ祈りたい。
サカはこの試合は、攻撃が左偏重だったという理由もあったろうが、後半はほとんど試合から消えていて、彼の不完全なフィットネスも理由だっただろうと思われる。この試合だって、もし彼がベンチでも驚きはなかった。それだけ毎試合で消耗し、傷つけられている。
アルテタが彼をトッププレイヤー認定して、あえて連戦で起用するという試練を与える気持ちも理解できるが、無理をしてケガをすれば苦しむのは自分たちである。
Someone joked recently that Arteta’s favoured replacement for an injured Bukayo Saka is Bukayo Saka and I’m not so sure it’s a joke anymore.
— Dan Critchlow (@afcDW) November 11, 2023
ブカヨがケガをしたとき、アルテタが指名するリプレイスメントはブカヨ。笑えるようで笑えない。
今週のハヴァーツウォッチ
アルテタは、ハヴァーツについてはつねに「(ゴール前以外)全体的な貢献がすばらしい」と述べている。この試合前には、彼には(ゴール前)そこに改善の余地があるとも述べた。
だから、ボスだってハヴァーツにゴールを取ってもらいたいと強く願ってる。そうなれば、誰からも文句は云われない。彼も自分に自信が持てる。
だとすれば、彼のマインドにもっと働きかけるべき部分があるんじゃないかなあと、今回も思ってしまったのは35分。
ライスの粘ってこいディフェンスから高い位置でボールを奪うと、ボールはハヴァーツへ。こういう相手が引く試合ではレアなピッチ中央エリアからのショートカウンターになって、とてもよきチャンスに思えたが、ボールを持って前進するハヴァーツながら、そのままゴールを目指そうとせず、パス先を探して、結局チャンスはふいになってしまったという。
おお、なんというシュートへの消極性でしょう。
ちょうどTV中継のカメラアングルで、彼の背後からの視点でもゴールまで前方があいている様子がわかったので、ゴールにハングリーなストライカーなら十中八九、自分でそのままねらうだろう場面だと感じた。
ぼくは、彼のドイツ時代はまったく知らないのだけど、彼はNo.10/セカンドストライカーとしてシーズン20ゴール取ったシーズンがあって、それで世界的に注目された選手だったはず。そんなときとくらべたら、やっぱりいまのゴールへ向かう積極性とは、だいぶ差があるんじゃないか。
つまり、いま彼には心理的な障壁がどっかにある。そして、ゴール/アシストの結果が出ないことで疑われて、批判されて、こころの壁がまた強固になっていく悪循環に陥っている。
だから、アルテタは彼の好循環のサイクルをどうにかして見つけなきゃいけないし、障害があるならそれをアンロックしなけりゃいけない。そのためには、もっと自分でゴールを取ることに積極的になるよう彼に働きかける必要がある。今回のああいう局面で、自分で行くことを一瞬でもためらわないように。
やっぱり、催眠術しかねえのかなあ。
ファビオ・ヴィエラのレッドカード
誰も文句なし。ファン界隈でも異論はひとつも見なかった。アーセナルはなんでもかんでも文句ばかり云うなんて、誰が云ったのか。
ニューカッスル戦後の感情的な反応では、だいぶ批判されたアルテタだって「よくぞ訊いてくれた」とばかりに、今回の判定を支持している。あれは、まったく正しいVAR判定でしたと。
まあ、典型的な、故意ではないが結果的に危険になっちゃったやつ。あれは、しょうがない。たまにあるよ。今回は、ああいう試合で、遅い時間帯で助かった。
「アーセナルは10人になったときに、なんでハイラインやらねえんだ」と不満の声も。これはウケる。9人になったら、やってたかもな!
ファビ郎には反省文でも書いてもらって、今後は気をつけてもらおう。
あのプレイはしょうがなかったとして、問題は、ケガ人続出でただでさえスクワッドデプスが薄くなっているこのクソ大事な時期に、彼にはこれから3試合バンが待っていること。
ブレントフォード(A)、ウォルヴズ(H)、ルートン(A)。
彼のような選手にこそ出番があった試合じゃないか。
誰かが云っていた、彼の3試合バンでいちばんダメッジを受けたのは、チームじゃなく本人。そうかもしれん。
ピンチを救うジョルジーニョ
パーティとオーデガードが離脱してから、ジョルジーニョの存在感がいっきに増している。シーズン序盤の彼がほとんどベンチで過ごしていたことを考えると、突然状況が変わったみたいだ。
彼は、9月からの直近9試合のうち6試合でスタート。CDMとして、チームにかなり貢献しているといってよいだろう。ピンチを救っているとさえ云える。
ことし1月にチェルシーから彼が来たときは、懐疑的な声もすくなくなかったが、いまとなってみればトロサール同様、非常に手堅い、コストパフォーマンスの高い補強になった。
試合後のアルテタが彼のピッチ上でのコーチングについて称賛しているが、今回はトミヤスがかなりおしかりを受けている現場も観てしまって、ちょっと気まずい気分になった(笑い)。なんでそこでパスを出さねんだ!と、けっこうわかりやすく不満をあらわにしていた。
現在のスクワッドではもっとも経験豊富なひとり。ピッチ上のコーチ。よき買い物をしたものだ。
この試合については以上