昨日、UEFAのサイトでライヴ中継もされていたCLドロウ。ご覧になりましたか。
ゲストプレゼンターのJon Obi Mikelによって8チーム中もっとも最初に選ばれたアーセナルが、QF(ラスト8)の相手としてドイツのバイエルン・ミュニックをひいた。なんと。
そして、このQFを勝ち抜けば、SF(ラスト4)では、レアルかシティの勝者と当たることも決定。
CLでここまで勝ち残ったベストの8チームに、楽な相手などいない。だが、アーセナルとしてはなかなかタフな道行きとなったのであった。
23-24 UCLクウォーターファイナルのドロウ結果
Quarter-finals confirmed ✅#UCLdraw pic.twitter.com/s7PpLFP0Bn
— UEFA Champions League (@ChampionsLeague) March 15, 2024
日程
試合日程も決まった。
ファーストレグ:Arsenal vs Bayern Munich 4月9日(火)
セカンドレグ:Bayern Munich vs Arsenal 4月17日(水)
各対戦の難しさ比較
どのチームがラッキー/アンラッキーだったのか。各対戦の難易度を参考までに。Opta Power Rankings(2024 Mar 15 updated)から。
Arsenal (5) vs Bayern Munich (7) =12
Atletico Madrid (13) vs Borussia Dortmund (10) =23
Real Madrid (3) vs Man City (1) =4
PSG (6) vs Barcelona (9) =15
4つの対戦のなかでは、レアルとシティが圧倒的。この8チームのなかでベスト2の存在であり、お互いのクラブのファンがドロウを恨んでおかしくない。
そして、逆にアトレチコとBVBは、このなかのワースト2が当たることになった。こちらは、お互い満足していそうである。
興行的にもビッグマッチを多くしたいUEFAにとっては、あまり望ましくないドロウになったかもしれない。若干偏ってしまった。
アーセナルとバイエルンは4つの対戦のなかでは、2番めの難しさ。
ちなみにアーセナルは、現在のOpta Power Rankingsではこのなかで3番めのベストチームというのは少々意外か。
5年のフォームをカウントするUEFA Cofficientsだとこうはいかない。
アーセナルとしては、このなかではバイエルンは最悪の相手ではなかったにせよ、できるだけ先に進みたいものとして、まああまりうれしくない相手だろう。彼らの今シーズンの国内での不振がどれほどのものか。
いっぽうのバイエルンは、これまでの対戦成績から、アーセナルは比較的与しやすい相手だと考えているかもしれないが、PLでシティとリヴァプールより上位のトップにいるいまのフォームは見過ごせないはず。
アーセナルとバイエルンあれこれ
さて、バイエルン。アーセナルファンにとっては、CLのバイエルンは避けられないというイメージがある。
それもそのはずで、アーセナルにとり彼らはヨーロッパでもっとも対戦しているチームのひとつという。12試合は、オリンピアコスと同じ。
Arsenal will have played Bayern Munich the most times in their European history after the first leg. Already played 12 matches, joint with Olympiakos.
— Orbinho (@Orbinho) March 15, 2024
バイエルンはアーセナルの鬼門?
この2チームのもっとも直近の対戦は、16-17のラスト16、われらはアグリゲイトスコア10-2という大差で敗けている。われらは、その前年の15-16にも彼らに5-1で敗けており、CLでシーズンをまたぎ3試合連続で5-1で敗けるという、大きな屈辱を味合わされている。Wenger outもやむなし。
4 – Arsenal’s heaviest defeats in their history in European competition (all in the UEFA Champions League):
0-4 v Milan in 2011-12
1-5 v Bayern in 2015-16
1-5 v Bayern in 2016-17 (1st leg)
1-5 v Bayern in 2016-17 (2nd leg)Hierarchy. pic.twitter.com/0StwGpLhml
— OptaJoe (@OptaJoe) March 15, 2024
以下は、アーセナルとバイエルンのHead to head。12試合で、バイエルンのW7、アーセナルのW3。ドロウが2。この間のバイエルンのG27、アーセナルのG13。
2000: Arsenal 2-2 Bayern Munich (group stage)
2001: Bayern Munich 1-0 Arsenal (group stage)
2005: Bayern Munich 3-1 Arsenal
2005: Arsenal 1-0 Bayern Munich (Bayern won 3-2 on aggregate)
2013: Arsenal 1-3 Bayern Munich
2013: Bayern Munich 0-2 Arsenal (Bayern won on away goals)
2014: Arsenal 0-2 Bayern Munich
2014: Bayern Munich 1-1 Arsenal (Bayern won 3-1 on aggregate)
2015: Arsenal 2-0 Bayern Munich (group stage)
2015: Bayern Munich 5-1 Arsenal (group stage)
2017: Bayern Munich 5-1 Arsenal
2017: Arsenal 1-5 Bayern Munich (Bayern won 10-2 on aggregate)
2005と2013はノックアウトステイジでそれぞれ一度勝ちはしたが、アグリゲイトスコアで敗退しているし、2015はグループでホームで彼らに勝っているがトップでのフィニッシュは彼らに譲った。
12試合中のアーセナルの3勝は、試合自体には勝っているが、ほんとうの意味でCLで彼らとの勝負に勝ったことはないと云ってもよい。
まさに天敵。それが彼ら。
ファーストレグのエミレーツにバイエルンファンがいない件
QFのアウェイレグで彼らのファンがバンされる件はドロウの前から指摘されており、バイエルンに当たるチームはそこはラッキーだった。それがまさか、ほんとうに当たることになるとは。
A reminder there will be no Bayern fans at the Emirates.
Here’s why:https://t.co/QAkovWW5Rb
— Simon Collings (@sr_collings) March 15, 2024
バイエルンのファンは花火が大好きということはわかった。ラツィオ、コペンハーゲンと2試合でやらかしたようで、クラブが制裁を受けても、やめられないひとたち。
ちなみに、アーセナルはエミレーツでのファーストレグでアウェイチームに与えるはずだった席を自分たちのファンに販売できることで、この日のマッチデイ収入が€4mも増加するそうである。これは大きい。
惜しむらくは、エミレーツがファーストレグだったということ。仮にこれがセカンドレグだったら、ファーストレグでの結果にかかわらず、かなり大きなアドヴァンテッジになっていたに違いない。
この日、エミレーツにバイエルンサポーターが皆無ということはないだろうが、すくなくとも、彼らが固まって声援を送るすべはない。周囲は全員アーセナルサポーターである。まさに6万のアーセナルファンで満たされたエミレーツがどのような雰囲気になるか、楽しみ。
ミュニックって言うならバイヤーンって言いなよ
PLという修羅の国で欧州舞台から離れじっくりじっくり自力を付けてきて今やトップフォームのアーセナル。
かたやライバルチームのトップ選手を奪う横取り40万攻撃が奏功しつつもリーグの競争力全体を細らせちゃったブンデスの盟主。でも光り輝く欧州舞台のトッププレイヤー。
色々な側面から対照的にも感じられるけど、PLのライバルチームとやるときのあのつえぇアーセナルならやってくれると信じてる。ベジェリン無双とかロシツキーの活躍とか思い出すなぁ。