こんにちは。元気ですか。
昨日までちょっとだけ忙しくしていてブログに手がつかず、しばらく放置してしまった。失敬失敬。
さて本題に入る前に、ここでブログ読者のブラザーズ&シスターズの皆さまに感謝申し上げたい件がござる。
いくつか前のブログポストで紹介した、ブログ主にコーヒー代をこっそり渡せる投げ銭のやつ。あれ、驚くほどご寄付をいただきまして。おごられが発生しちゃった。
これまでも、このブログではよくおこられは発生してたんだが(うまいこと云う)、まさかおごられが発生するとは。しかも舶来のサービスなもんで、投げ銭の通貨がUSD。この1ドル155円時代に5ダラーズのおごられはでかい。スタバのなんかでかいの頼める。しかも、なかにはそれをひとりで3つとか5つとか送ってくださるひとも。神?
正直ありがたさに泣いた。あったかいメッセージにも泣いた。年をとると涙もろくていけねえや。
そういうわけで、この度はほんとうにありがとうございました。コーヒーおいしくいただいています。心のなかで応援してくれているかたも、もちろんありがとう。
アーセナルブログに戻ろう!
今回は、夏のスクワッド整理について書いてみたい。
ネタ元はこれ。3日前のジェイムズ・マクニコラスの書いた記事「アーセナルのスクワッド査定」。誰が残り、誰が去るのか?
Arsenal squad audit: Who stays and who goes? Assessing the future of every player
シーズンが終わって、これから夏の移籍ウィンドウが始まるというタイミングで、新しい戦力はもちろん、既存のスクワッドがどうなるかが気になっているひとも多いはず。
まずは、23-24シーズンのちょっとした振り返りから。
23-24シーズンのアーセナルスクワッドはいかがでしたか?
24-25シーズンのスクワッドを占ううえで、23-24シーズンのそれをざっくり振り返っておきたい。
アーセナルは、2シーズン連続でタイトルを争っているチームだけあって、23-24も優秀な選手が揃った非常にクオリティの高いチームだっただろう。今年は、あともう少し運がよければ、このチームがAFCに20年ぶりのPLタイトルをもたらしていたのだ。そうなれば、間違いなく歴史に名を残していた。ちゃんとそれに値する選手たちだったと思う。
アーセナルの23-24スクワッドにおいては、特徴的だったことがいくつか挙げられる。
- availability(健全フィットネス)
- フィジカリティ&ヴァーサティリティ重視
- 決定力不足、からのハヴァーツ
- レギュラー固定
まずは、しばらく前にこのブログでも書いたavailability。
今年のチームは、ケガに悩まされることがほとんどなかったのは、前年との大きな違いだった。というか、ぼくの知るかぎりアーセナルはずっとケガに悩まされてきたチームなので、そういう意味でも画期的。
アーセナルのスクワッド構築のカギになる選手のavailability | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
とくにシーズン後半はこれが効いただろう。タイトル争いで決定的に重要な終盤においては、フルスクワッドが揃うという奇跡的状況すらあった。
もちろん、シーズン初日から新加入のティンバーが重症を負うという不運や、ジェズース、パーティ、トミヤスなど、個別には好ましくないフィットネス状況はあったのだが、それをカヴァする選手たちもいたし、少なくとも前シーズンのようにケガによってチームのフォームが大きく左右されるようなことはなかった。レギュラーチームの選手たちのタフさも際立った。
アーセナルがクラブとして、選手のavailabilityの重要性をあらためて痛感したこの2シーズンだったと云える。これは、今後の選手補強ポリシーにも大きな影響を及ぼすはず。リストアップするにも、ケガがちな選手はできるだけ避けるみたいな。アーセナルに来てから突然ケガがちになったりするから、それも簡単ではないけども。
つぎに、フィジカリティとヴァーサティリティ。
フィジカリティについては、アーセナルはいつの間にか、でかくて強いほうのチームになってしまった。PLのいじめられっ子が、いまやいじめる側である。ニコ・ヨヴァーの下、アーセナルがセットプレイで無類の効率を見せているのも、フィジカリティに依るところが少くない。190cm以上、あるいはそれに近いアウトフィールド選手が6人もいる。
とくに、ピッチ上の肉体的存在感として今年はライス(188cm)とハヴァーツ(193cm)の加入が大きかっただろう。ライスはMFエリアで相手のビルドアップを防ぐフィルタになっているし、ハヴァーツはターゲットマンとしても有能で、GKからのロングボールなど戦術の幅は広がっている。
彼らは大きいだけでなく、スキルもあるのが貴重だ。この夏アーセナルが関心を持っていると噂される選手をみても、「でかくてうまい」は、補強のわりと重要な要素になっているように見える。それも、彼らの成功が一役買っているに違いない。
ヴァーサティリティについては、もうアルテタのチームにおいてはかなり重要な要素として定着している。ひとりが、複数ポジションでプレイできること。ケガ人が出てもカヴァしやすくなるし、エリアのデプスが薄くならないで済む。それと、複数ポジションでプレイできる能力は、試合中の流動的なポジショニングにも役立つ。
フィニッシュ問題(決定力不足)については、シーズン前半と後半で評価がガラリと変わった。
とくに不調だった12月のアーセナルは、CLやFAカップを含む7試合でたった1試合しか勝てず(W1 D2 L4)、この期間のゴールは5しかなかった。不調の原因のひとつとして、チャンスをゴールに変換できないこと、9不在がかなり深刻視されていて、ストライカー補強を望むファンの声は日増しに高まっていた。
が、ドゥバイキャンプ以降、アーセナルは突然ゴールを量産するようになった。そのチームの好調を追いかけるように、ハヴァーツが毎試合でゴール貢献(G+A)を開始。彼がプレイしたPLの最後の14試合で、彼がゴールもアシストもしなかった試合は4試合しかない。その前までは多くのファンからあんなに懐疑的に観られていたハヴァーツが、もはやチームで一番というくらいの人気者である。
彼の活躍は、この夏のストライカー補強にも影響を与えると云われても納得できてしまいそうなほどだった。
アルテタのレギュラー固定については、いまに始まったことではないが、今年もかなりその傾向はあった。ますますというべきか。レギュラー(11人+α)と非レギュラーの格差がはっきり。
これについては、もうぼく自身の(不満な)考えは何度も書いているのでそれはいいとして、アルテタに同情できるのは非レギュラーのクオリティ不足。これは、ある程度認めねばならない。タイトル争いをしているチームでプレイしている選手というのは、つまりほとんど最高クオリティなので、ベンチがそれに達していないのはやむを得ないことでもある。とくにプロジェクトにおけるいまのフェイズでは。
残念なことは、ピッチ上の11人が、安定してクオリティの高いチームプレイをしていて、それが毎週繰り返されて、グループとしてどんどん研ぎ澄まされていくのに対して、その輪に加わっていない選手はどうしても遅れをとってしまうこと。アルテタがレギュラーを固定すればするほど、そういうことが起きていく。格差が広がっていく。
したがって、このチームの進歩の余地として、レギュラーの拡張がある。
ベンチにも競争力ある、レギュラーとポジションを争える優秀な、アルテタが要求する基準を満たす選手を増やすこと。いまのチームで、アルテタのサブを観ていると、彼がピッチ上の11人以外で信頼できる選手は、ベンチに2-3人しかいないみたいに見える。そのほかは、数合わせでそこに座っているだけ。そのような状況はやはり健全じゃない。なくすべき。
ジェイムズも元ネタ記事で述べているように、24-25シーズンもアーセナルのメインテーマは「マンシティを越えるチーム」だろう。
アーセナルが今年取った89ポインツは、実績的にもPLタイトルを取ってもおかしくないポインツではあったものの、それより多くポインツを重ねるチームがあれば、優勝はできない。つまり、現在のPLにおいてタイトルを目指すということは、マンシティを打倒するとほとんど同義なのである。
彼らよりも多くポインツを取るために、アーセナルは、さらにハイクオリティで、さらに安定したチームをつくる必要がある。
そういえば、シティといえば、Pepが24-25シーズン限りでシティを去るというニュースが大きな話題になっている。いまのところこれを報じているのは『Daily Mail』だけのようなので信じていいのかわからないが、まあありそうなことだとは思う。
Guardiola expected to step down as Man City manager next summer https://t.co/t6cdovI6wn
— Jack Gaughan (@Jack_Gaughan) May 26, 2024
シティの115件訴訟の判決が出るのが2025年夏(まで)で、その罰によってはクラブが大きな影響を受けるのは必至。PL降格も可能性としてはあるようなので、そうなれば多くのスター選手もチームを去るだろうし、スターマネジャーも当然。そもそも彼は、シティでもうPLでもCLでもやるべきことはやり尽くした。
だから、アーセナルは彼がシティにいるあいだに何としてもタイトルを取らないといけなくなった。アーセナルのタイトルはシティがいなくなったからみたいに云われるのは、たいへんにしゃくである。
追記:アーセナルは「もっとも持続可能性あるスクワッド」
これを書くのをすっかり忘れてた。開いてたブラウザのタブを閉じようとして思い出したブロガーあるある。
Most sustainable squad management as per @CIES_Football 🤓 continuity index 📊, 5⃣9⃣ leagues 🌐
🥇 #Arsenal 🏴
🥈 #AVFC 🏴
🥉 #Borussia 🇩🇪
4⃣ #ManCity 🏴
5⃣ #NYCFC 🇺🇸#BrentfordFC 🏴 #RUSG 🇧🇪 #Rukh 🇺🇦 #Bayer04 🇩🇪 #RealSociedad 🇪🇸
Full data & method 👉 https://t.co/5VMUkddzBx pic.twitter.com/vYCwghQT7O— CIES Football Obs (@CIES_Football) May 22, 2024
先週、CIES Football Observatoryが発表したリポートによれば、世界のフットボール59リーグに所属するクラブの「サステナビリティスクワッド」で、なんとアーセナルがトップだったという。約800クラブのなかで最優秀。
ここでいう「持続可能なスクワッド」とは、いったいなんなのかというと、詳しくはリンク先のWebサイトをご覧いただくとして、大雑把には、若い年齢、長い契約、3シーズンでプレイした選手の数の少なさ(同じ選手がプレイ)という3つの指標でカウントされているようだ。
それだけなら、アーセナルが800クラブのなかでトップというのは、ちょっと信じがたいような気もするが。
上位リストをぱっと観ただけで、3年間でプレイした選手の少なさ(Players)はアーセナルが圧倒的に少ない(40)のは、アルテタのレギュラー固定が顕著にあらわれているのかもしれない。レギュラー固定は、逆に持続可能性に反するように思えるが、要するに選手を取っ替え引っ替えしていないという評価なんだろうか。4位のシティも42とかなり少ない。
この表は、各リーグごとに表示もできるので、ためしにJPN(J1 League)をみてみたところ、トップはJubilo Iwataだった。ボトムはVissel Kobe。金はあっても持続可能性ないスクワッドをつくっているチーム。