本日は3/11。あれから10年。早い。合掌。
さて、UELもラウンドオブ16へ。R32でベンフィカ相手につなわたりで勝ち抜けたアーセナルは、ヨーロッパの戦いでは常連&因縁のオリンピアコスをまたしても引くという奇遇。今回は初戦のアウェイゲイムとなる。
中二日という過密日程で週末にはNLDを控えてはいるものの、来シーズンのCL出場をかけた戦いにおいて、プライオリティは現在あきらかにELにある。多少リスクをかけても、全力でファーストレグのアドヴァンテッジを取りに行かねばならない。
そして個人エラーや得点といった、直近の課題をどう改善させていくか。
試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「マッシヴな週になる」
昨日の試合前記者会見。オフィシャルサイトのトランスクリプトより。雑訳版にて。
(今度こそリヴェンジ?)あれは受け入れるのが難しい試合だった。最後に起きたこと。あれはとてもむごかった。2試合でやったすべて、最後のオーバのチャンス…… しかしそこから前進している。つぎは正しくやりたい。
(昨シーズンのオリンピアコスの敗戦について)感情的にとても消耗した。試合中はローラーコースターでああいったことが起き、最後には美しく終わった。だがわれわれにはひどくむごい終わり方だった。感情的にはチームと何人かの選手を励ますには時間を要したと思う。まじキツかったから。
(前回のオリンピアコスのときよりレジリエントになった?)去年よりいいチームになっている。あの2試合といまのわれわれのプレイを比較すると。長い道のりだったと思う。彼らにも違う選手は入ったが去年のストラクチャとかなり似ている。とてもよくやっている。CLでは彼らはシティ相手にとてもいい2試合をしたが、敗退してしまった。非常にタフな相手。
(チームセレクションでNLDはどれほど意識する?)この短期間に4試合がある重要な週。スクワッドをマネジせねばならないが当然メインの試合は明日。それに集中する。明日の試合は週末の試合の助けにもなる。来週にも。
(UELがUCLへのベストルート?)リーグとどちらもやることがある。ELからCLに行くにもまだ遠い。PLでも同様。ウォルヴズ、ヴィラ、バーンリーと3つのアウェイ試合で落としたポインツは、シーズンを決めたかもしれない。より多くを得るべきだったし、いまごろは違うポジションにいるべきだった。しかし現実には勝てていない。勝ち方を学び、3日ごとの試合でも安定して勝つこと。そこにはかなり進歩の余地がある。
(バックからのプレイにはいまも積極的?)自分たちの原則とルールに従うかぎりはいつもやるつもり。それが自分たちのやり方。やらねばならないタイプのフットボール。正しい距離、正しい足。それがなきゃ自分たちのプレイにならない。正しいストラクチャがないと。かなりリスキーではある。だがそれがリスクをかけて得るものであり、リウォードがリスクより大きい。そうじゃないときは、そういうプレイをしてはいけない。もしノープレイゾーンなら、プレイしてはいけない。
(またオリンピアコスと対戦。どういうメンタリティで?)2試合で見ている。そこでは何でも起きる。振り返らねばならない失望がある。このコンペティションにたいそう入れ込んでいたのに敗退した。今回はさらなる機会。それがこのゲイムの美しさ。今回はまったく違うコンテキスト。しかし勝ち抜けのために2試合で相手に勝たねばならないことは同じ。相手より優れていなければならない。
(アーセナルは勝ち抜けの本命?)それはこのクラブだから。しかし実際は相手が誰であろうとあなどれない。彼らはCLからやってきた。そうしたチームであり去年は敗けた相手。どう倒されたかは問題じゃない。とにかく今回は勝つ。
(ESRのフィットネス?)イエス。彼は復帰に近い。今日はフルセッションに参加する予定。明日の試合で使えるか見る。トレイニングのあとにはどうなるかわかるはず。
(ソクラティスと対戦)パパはいいキャラクターをしている。ここでもとても人気者だった。みんなから好かれていて、彼とのワークは楽しかった。すごくプロだし、われわれがやろうとしていることも理解している。だがそこにはマジックはない。彼はベストを尽くそうとするはず。われわれと同じだ。
(来シーズンにヨーロッパがないのはどれだけ痛手?)そういうふうに考えたくない。わたしはつねに前向き。まだたくさんの試合がある。4-5試合の連勝が必要。それができるなら、この2-3週間で景色はだいぶ変わる。それができないのなら、チャンスもない。チャンスがあってもそれを安定して活かせないのでは。それは完全に自分たちのせいだ。まだたくさんの試合があるというふうに考えたい。そのマインドセットでいなければ。そうでなければ何も勝ち取れない。
(今週がシーズンを決める?)毎週それについて話している。かなり重要な試合があってどれも勝たねばならないのでもちろん大きな週だ。それがわれらの現実でそれにどうアプローチしていくか。
(批判に反論する機会?)選手たちはパフォーミングに集中すべき。ピッチでベストを出す。どうしてそうなったか、どういう考えだったかという批判について、選手は気にしてはいけない。なぜならそれはコントロールできないことだから。個人でよりよくプレイし、集団でもいいプレイをする。うまくいくようにすること。それがピッチ上の彼らにつねにつきまとう責任。
(選手が絶叫するのは止めたほうがいい?)ほかの選手がやることについてコメントはしない。コメントするのは自分たちの選手がすることで、それに集中する。同じように、ほかのマネジャーズや選手たち、彼がどう強みや相手の弱みを使うかについてコメントしない。話すつもりはない。
(キーモウメンツでやらかしてしまう癖)とても難しいこと。なぜならそれはフットボールの試合ではかなり想定されるから。しかし感情的にはより落ち着いてよりセキュアでなければならない。ある状況では試合をよりよくマネジする必要があるし、成熟、学びから避けねばならない。だから毎回が学び。同じ選手が繰り返さないという。だが違うところでまた起きたりする。ポジティヴなことは自分たち理由だということ。相手がどうこうではない。コントロール可能。そのほうがすぐに修正はしやすい。
(マーティン・オーデガード?)彼にはとても満足。彼はとてもとても早くチームに溶け込んだ。ほかの選手たちにも要求しつつ。彼の振る舞い、アティチュード、ワークレイトはものすごい。彼はほかの選手よりもチームに特別なクオリティーズをもたらしている。概ねかなり満足している。
(敗けと勝ちではどちらのことをよく考える?)敗戦から学ぶことは多い。もちろん勝利とトロフィはうれしい。クラブに関わるみんなに興奮とスマイルをもたらす。それがわれわれがここにいる理由。ものごとを改善しみんなを幸せにすること。それができるなら、満足度はとても高い。反対に失敗をすれば、みんなを悲しませる。もちろんクラブのなかでもみんながとても傷つく。
以上
やらかしについて
「自分たちが理由なら改善も自分たちでできる」と、個人エラーズ問題のポジティヴな面を強調するボス。
たしかにと思う反面、なんか騙されているような(笑い)。
まあでも、やらかしさえなければ、いまだいぶ違うポジションにいたはずというのは事実。どうにかして止めさせたい。お祓いをしてみ(以下略)
絶叫選手
“on if players should scream less…”(選手はあまり叫ばないほうがいい?)
これってバーンリーのラカゼットの話(=ファウルへの過剰反応)だと思うのだけど、アルテタの返答はちょっとズレている。それとも、レフェリーへの抗議とかアピールとかそういうことだという認識なのかな?
アルテタのインタヴュー「このプロジェクトはBANG!になる」
ボスはまたプレスカンファレンスのあとに別のインタヴューに答えていたようで。各メディアが伝えている。『BBC Sport』より。※この試合とはあまり関係ない。
アルテタ:このプロジェクトは「bang」になると思うよ。
これはいまいる地点ではあるが、いまを見ることは難しくもある。だがわたしはどこへ向かっているのかは確信している。
われわれはとても力強いグループ、とても強い絆をつくっている。選手たちと、ファンと、スタッフと。それが将来には大きく返ってくる。
もしクラブのなかに毎日おらず、クラブのなかで何が起きているのかわからないのなら、誰かを納得させるには勝つしかない。
(決算が発表&財政難)われわれの目標はつねにCL。だが現時点では難しい。だが可能性はある。もちろんそれでクラブに加わる財政はいまとても重要。
われわれにはローンに出している選手、契約の終わる選手、このふたつの移籍ウィンドウズでたくさんのことがあった。ここで行われた案件の量はおそらく未曾有だったはずで、この夏にもそれは起きる。
だからわれわれはいまのリソースを見つつともにプランを立てようとしている。どれだけ進歩したいか、どれだけやることになるか、コスト、たくさんの要素がある。
わたしは維持可能なクラブにしたい。自分たちのリソースで運営できるクラブに。オーナーズからのサポートはグレイトだ。
夏に行ったことは、それはかなりの必要性があった。なぜならCovidで起きたことがあり、この3年CLなしでクラブに起きたことがあったから。ご覧のとおりの打撃だった。
しかしわれわれの責任と将来への計画は、クラブが自分たちで維持可能であり、いつでもどの部署も強くあること。そこに戻るためにある。財政も決定的なものになる。
自信満々である。いいことだ。
財政については、クラブから決算が発表されたあと、Swiss Ramble先生が解説tweetsをしていた。
Arsenal’s 2019/20 financial results covered a season when they finished 8th in the Premier League, won the FA Cup and reached Europa League last 32. Head coach Unai Emery was replaced by Mikel Arteta in December. Finances adversely impacted by COVID-19. Some thoughts follow #AFC
— Swiss Ramble (@SwissRamble) March 8, 2021
アーセナルの金のなさについて詳しく知りたいひとはぜひ。
トーマス・パーティのコメント「まだ始まりにすぎない」
Just spoke to Thomas Partey about his greater willingness to take on opponents now he’s in an Arsenal shirt and whether his new club have yet seen him at 100%. pic.twitter.com/EZ5HFgsLgi
— James Benge (@jamesbenge) March 10, 2021
今回はTPが会見に同席した模様。彼がこうした場所でしゃべるのはアーセナルに来てから初めてのはず。オフィシャルサイトより。彼の独特のしゃべりで再生しよう。
パーティ:(ケガに苦労)チームがどうプレイするか理解するのには難しいときだった。ケガも適応の一部だった。思うにみんながそれぞれの意見を持っている。でもそれはぼく次第で、ぼくがどうこの状況に対処することができるか。それもゲイムの一部なんだ。いつケガをするかなんて誰にもわからない。ぼくは自分のワークをやり、どんな試合でもプレイできるようトライしていく。
(アーセナルで100%の自分を見せたことがある?)いくつかあった。ユナイテッドのアウェイとウォルヴズはそうだったと思う。自分に何ができるかを見せることができた。試合にあまり出られなかったし、トレイニングもそう。だからぼくはあのレヴェルのパフォーマンスに戻るためにワークを続けているよ。
これはスタートに過ぎないと思っている。ぼくはメイツがどうプレイするか、PLはどんなものか知るところから始めた。すべていい感じ。ぼくは自分のベストでいられるよう、ベストを尽くす。
ちなみにこのやりとりはオフィシャルサイトに上がっている動画で11分もある。ほかにもたくさんのことを話しているので、トーマスっ子のみんなは動画をチェックしよう。
パパ・ソクラティスのコメント「誰かに自分を証明するなんて必要ない」
パパ:ほんの数ヶ月前には彼らと一緒にいたんだから、変な気分だ。
ぼくはまだアーセナルの人たちとよく連絡を取り合っているよ。2年半もそこにいたから。
選手たちとも。お互いに戦えることになってワクワクしているって話していたんだ。親しいのはダヴィ、グラニト、オバメヤン、ラカ、ヘクタ・ベレリン。あとセドリック・スアレスも。彼らとはよく話すね。変な気分だけど、でも勝ちたい。オリンピアコスとつぎのラウンドへ行きたい。フレンドシップとそれはまた別の話さ。
(オリンピアコスで)いまはすべてがうまくいってる。思ったよりかなり快適だ。ぼくがオリンピアコスに行くことを決めたのは、彼らが最初から最後までぼくをチームのリーダーとして欲しがってくれたから。彼らがいちばんぼくに興味を示していた。それとここではトロフィのチャンスもある。
プレイする機会がないのは難しかった。スクワッドリストにも載らなかったのだから。夏にもいくつかオファーズがあったけど結局は成立しなかった。そしてリスト外も受け入れざるを得なかった。ぼくは自分のトレイニングをしてチームにぼくのベストを捧げた。ぼくは最後までプロフェッショナルだった。
ぼくのキャリアでは一貫してレギュラーだった。アーセナルの2年で70試合プレイした。でもチームファーストなら自分のことは後回しだ。それを受け入れたよ。ぼくはプロだから誰かに文句を云ったりしない。
(自分をリストから外したマネジャーに判断が間違いだったと証明したい?)ノー。選手として誰かに自分が誰かなんて証明する必要はない。ぼくはキャリアのなかで自分に何ができるかをもう見せている。世界でベストのコーチたちとも仕事をしてきたし、彼らの下でレギュラーでプレイした。アルテタにも誰にも証明することなんかない。それは彼の決断でありクラブの決断。受け入れたよ。
アーセナルにはたくさんのいい思い出がある。ELファイナルにも行ったし、FAカップとコミュニティシールドというふたつのトロフィーズも取った。彼らには世界でベストなリーグでプレイさせてもらったんだ。(後略)
なんというプロフェッショナル!
ちなみに、このあと彼はジャカについても語っていて(キャリアのなかでもともにプレイしたMFのなかではベストのひとりと絶賛)、彼がいまもアーセナルの試合をチェックしていることもわかった。
このひとも、Always Gunnerだなあと思う。たった2.5年とはいえ、自分の振る舞いで、いつまでもファンに愛されリスペクトされる権利を得た。
このブログでは1月の彼の退団については、いくつもの退団と重なっていて、あっさりとしか伝えなかったけれど、もう少しなにか書くべきだったかもしれない。とくにAFCでの最後の半年、もうプレイ機会が完全になくなっているにも関わらず見せた、フットボーラーとしてのアティチュードは、トップに思える。
フットボールの楽しみは、こういうひとの厳しさや美しさを見ることでもあり、試合でのプレイだけじゃないということを思い出させてくれますな。
ところで今回の試合前には、オリンピアコスのウィンガー、ブルマもインタヴューに応えていて(GOAL)、それによれば、パパから「(アーセナルの)いくつかの秘密を聞いている」ということ。秘密ってなんだろう!
かなり見たい。DAZNめ。
ペペには結果を出してほしいですね。