ファーストレグでアウェイゴールズ3という圧倒的マージンがありながら、ホームでギリシャチーム相手にたじたじ。一時はほんとうにやばいかもと思えたくらい。
最後の10分で相手に退場者が出なければ、何が起きてもおかしくない雰囲気だった。
結局アグリゲイトスコアでわれわれがクウォーターファイナル(ラスト8)に勝ち進んだものの、この試合自体は1-0で敗けている。この勝ち抜けを手放しで喜ぶ気にはなれない。
Arsenal lose but progress to last eight
われらがチャンスの多さのわりに最後まで得点できなかったことについては、たしかにアンラッキーな面もある。ショッツのうちいくつかゴールが決まっていても決しておかしくはなかったし、それらが決まっていれば、まったく違う試合になっていたかもしれない。
しかし結局はああいった内容で、「敵は自分たち自身」という最近のトレンドを繰り返している。
もちろんいいプレイだってなかにはあったが、試合後に残っている印象はといえば、もっぱらチームとして状況に対応できない精神的な未熟さばかり。試合後のボスや選手たちのコメンツを見ても、彼ら自身もあのパフォーマンスには大いにフラストレイションを感じているようだ。当然だろう。
ぼくはこの試合には成熟したゲイムマネジメントを期待していたので、非常にディサポインティッドだった(©ジャスラック)。
試合を振り返ろう。
アルテタの試合後コメント「自分たちのレヴェルには程遠い」
試合直後のインタヴュー。Arseblogより。
(勝ち抜け……)
アルテタ:もちろん勝ち抜けはハッピー。タフな相手だということはわかっていた。彼らは諦めないだろうと。だからうれしい。同時に、自分たち自身にフェアになれば、今日のわれわれは自分たちがセットしているレヴェルには程遠かった。
(パフォーマンスについて……)
ボールを持って安定していなかった。あまりにもイージーボールズを渡してしまい、トランジションを与えた。どんなストラクチャでもシェイプでもボールを渡してしまってはいけない。
われわれがたくさんのチャンスをミスしたこともたしか。そしてワンチャンスで失点した。あれはファーストハーフ、キーパーからのロングボールだったと思う。
われわれは試合に勝つに十分なチャンスをつくったが、自分たちがあるべきレヴェルにはまったく程遠かった。
(なぜ選手たちは悪いパフォーマンスだった?……)
キツい週だった。だが、どんなこともいい訳にはできないと思う。われわれはチームをリフレッシュさせ、フレッシュでこのコンペティションの重要性を理解している選手たちがいる。
われわれは試合をとてもよく始めたが、そこからボールを渡すようになっていき、それが危険と不安定さをつくっていった。そこはもっとうまくやらねばならなかった。
(なぜパーテイとオーデガードを入れたので?……)
ボールをキープする必要があったから。少なくとも正しいエリアでボールをキープし、パスをしてチームとして団結したかった。ボールを失ってトランジションにしたり、オープンスペイスの守備をすることなく。フィジカリーにも、2日前の試合のあとで、対処するのが難しくなっていった。
(観ていてどれだけフラストレイション……)
1-0で先行されたとき、フェアになれば、われわれのほうがよくなっていた。コントールするようになり、チャンスをつくられることもなくなっていった。しかし、自分たち自身で難しい状況に追い込んでしまった。それは相手に希望を与えてしまったからでもある。それは相手に渡してはいけないものだった。
(選手たちが自分たちでがっかり……)
イエス。それはファーストハーフに始まっている。4-5つの状況があって、つぎのパスを出すのに完全にオープンにさせた。そこからワンオンワンの状況になったが、チャンスをつかめなかった。カウンターアタックでは相手チームを完全に出し抜いた。よくはなっていた。
(選手たちに教えることはできる?……)
わからない。意思決定と実行に関しては、それはやや難しくなる。だが道は見つけないといけない。
(インターラル前の最後、日曜は勝ちたい……)
チャンスを大きくするためにPLで勝利が必要。勝つつもりでトライする。
試合後プレスカンファレンスでのコメント。オフィシャルサイトより。
(自分たちで難しくしてしまった……)
アルテタ:去年は相手に敗退させられたし、勝ち抜けたことには満足している。
今日のパフォーマンスを評価せねばならないとしたら、われわれが自分たちに課しているスタンダーズには程遠いということ。かなり難しくしてしまったが、それはボールをあまりにも相手に渡しすぎてしまって安定性がなかったから。そういうことが起きれば、勝負をコントロールできない。それとあのチャンスの量からすれば、決めていなければならない。
(日曜のあとで疲れていた?……)
3日ごとにマネジせねばならない。それがフットボールであり、どんなほかのいい訳もほしくない。繰り返すが、われわれはボールを持ったとき、自分たちがほしいレヴェルにはまったく近づいていなかった。
(クウォーターファイナルへ勝ち抜け……)
イエス。それにはとても満足している。十分前進している。だから願わくば今日のレッスンから学ぶことだ。そしてつぎへ準備する。またタフな試合が来るから。
われわれがベンフィカ、オリンピアコスとタフなチームスを倒したことも事実。だが、つぎはよりタフになる。
(つぎのラウンドに向けて、自分たちのスタンダーズを上げていく必要がある?……)
イエス。なぜならやらねばならないことがあり、セットアップしているやり方があり、オーガニゼイションがあり、やりたいプレイのやり方があるから。もっと効果的にならねばならないし、シンプルにならねばならないし、チームとしてもっとまとまる必要がある。そのストラクチャなしでは、危険なエリアでボールを失ったときにさらされることになる。
それをやり、少しばかり上手にそれをやったら、繰り返しチャンスをつくったら、しかしキミが云うように、このコンペティションでつづけたいのなら、4-5-6つのチャンスがあるときには、その勝負は終わりにせねばならない。
(日曜の事案がオバメヤンの気持ちに影響した……)
そうじゃないことを望む。われわれはもう前進しているし、今日は彼がスタートした。わたしは彼がプレイできるし、彼のレヴェルでパフォームすると思っている。
(ブカヨ・サカはイングランドに参加する可能性があるので?……)
わからない。彼がこの数日でどう感じるかによる。昨日話したときは、彼はまだ今日プレイする準備できていなかった。そういう決断をし、日曜のウェスト・ハム戦もこれから決断することになる。NTをどうするかはドクターと話すことになる。
(一貫性の探求……)
それはわれわれが必要としているレヴェルだ。このクラブなら要求されるレヴェル。自分たち自身に求めなければならないものであり、もし今日勝っていれば、もっとうれしかった。だが現実は敗けであり、敗けの理由はいろいろである。このレッスンから学ばなければならない。
(クウォーターファイナルに進んだチームスのクオリティ……)
みんないいチームスで、このコンペティションは難しい。だから見てみよう。
(勝ち抜けに十分なプレイ……)
わたしはチームのパーソナリティは微塵も疑っていない。意思とワークレイトも。ボールを渡してしまい、全員がスプリントで戻る。全員が毎回チャレンジしていた。
われわれは終盤はフィジカリーに疲労した。ああいうプレイをしていたから。だから努力もコミットメントもわたしはまったく疑わない。ボーイズがずっと献身的だったことも知っている。それはわれわれが生み出さねばならないクオリティのレヴェルであり、いたい場所であり、PLでの競争であり、ヨーロッパでの対戦であり。つまりそういうことだ。
そのほかについては、わたしはグループの決意とスピリットにとてつもなく誇らしく思っている。だが、われわれはもう一歩先へ進む必要がある。
(ファイナルサードでの落ち着きと意思決定……)
少しづつやっていく。まず必要なのは安定。安定が安心を与え、自信を与え、時間を与える。試合のために準備しておかねばならない絵を与えてくれる。そこからの意思決定。すべてはよくなっていく。
みんなが急いでいて、誰かが追っていて、そこからボールを失えば、またつぎのボールへと行くはめに…… それはプランしている試合ではない。
だから、まず自分をリセットする。そして基本に戻って、試合を先行できるよう正しい行いをしていく。
(勝ち抜けるためにプレイのやり方を気にする?……)
それは当然気にする。なぜなら結果だけではないから。それはパフォーマンスであり、自分たちのほしいダイレクション。同時に自信と一貫性のレヴェル。グレイトなパフォーマンスのために見せねばならないもの。それを繰り返す。
わたしにとってそれはかなり問題。しかし当然ながらわれわれが勝ち抜けたことにはとても満足している。
(トッナムがノックアウト……)
それが相手のレヴェルを示している。みんなが勝ち抜けが当然だと思っている相手だった。クラブの名前からして。違うそうじゃない。ヨーロッパのどのチームも倒すのは難しいのだ。
(フィニッシングの進歩……)
ここにいて、今夜つくったようにチャンスをつくってもらったら、試合を終わらせるよう決める必要がある。つぎのラウンドで勝ち抜けるには、それが決定的になる。
以上。
たっぷりチャンスをつくって決められず。ワンチャンスにやられる。毎回同じ展開である。だからこれは偶然ではない。
ベルント・レノのコメント「ぼくらのパフォーマンスはよくなかった」
怒ってた。ビッグセイヴィングがひとつ。GKのコメント。オフィシャルサイトより。
レノ:今日は苦しんだけど、その必要もなかったんじゃないかな。
最初の15-20分はぼくらが試合をコントロールしていたが、そこからあまりにもたくさんのイージーなミステイクスをやった。そしてセカンドハーフには失点し、みんながナーヴァスになってしまった。
自分たちで難しくしてしまったんだ。だからそれは不必要なことだったよ。
ドレッシングルームは静かだったよ。だってみんながわかっていたから。自分たちのパフォーマンスはよくなかったと。それを変えることはもうできないけど、ポジティヴなことはこれが警告になったこと。
ぼくらは毎試合で100%である必要がある。今日みたいなプレイをすれば、今シーズンどこにもたどり着けない。
クウォーターファイナルズではとてもいいチームスしか残っていないと思う。セミファイナルズまでパーフェクトな2試合が必要だし、ファイナルまではもう2試合。
ELはぼくらにとってはとても重要。おそらくはこれがもっとCLに近い道だから。ビッグヨーロピアントロフィでもある。だからステップアップしないと。
毎試合で勝つというモチヴェイションが必要。イージーなミステイクスを止めてファイナルまで行く。シーズン最後のビッグファイナルを迎えられることを望むよ。
ESRのコメント「今日のことは忘れる」
試合後インタヴュー。BT Sport via Arseblog。
(つぎのラウンドへ進出……)
ESR:ぼくらにとってはかなり意味がある。このチームには去年敗けたから。いいフィーリングさ。でも結果はとてもがっかりだ。
(簡単にはいかなかった……)
まったくだね。いいスタートができなくて、とてもベストパフォーマンスではなかった。あなたが云うように勝ち抜けではあるし、ビッグウィークでもあった。だからここから前へ行く。今日のことは忘れるよ。
(脚が疲れてしまった?……)
イェア。おそらくは日曜のNLDのあとだったから。あそこではみんな少し疲労したと思う。全体的には残念。でも勝ち抜けたことには満足している。
(セカンドハーフ?……)
とても難しかった。彼らにはとてもいい選手がいて、カウンターも上手なことはわかっていた。彼らがゴールを決めてからはかなりプッシュし始めた。そのあとは試合をぼくらがコントロールしているようには全然感じなかったよ。最後には結果を得たけど。
(この経験も学習になる……)
ぼくらは一緒に旅をしている途中。若い選手と経験ある選手がチームにいて、みんなで毎日助け合おうとしている。試合ごとにつづけていかないといけない。一緒にプッシュしていく。
(序盤に顔面ヒット……)
イェア。大丈夫さ。疲れとか少しあったけど、リカヴァするし、また日曜にやるよ。
(イングランドU-21コールアップについて……)
コーチのひとりからメッセージをもらった。もちろんぼくにも家族にもとてもうれしい瞬間だったよ。そこに行って始めることが待ちきれない。そのときは母さんと父さんと一緒にいたんだ。彼らにそのメッセージを見せたよ。ぼくはこのチャンスを待っていた。だから楽しみだ。
ママもパパもこんな息子がいたらうれしいだろうなあ。
Here is your #YoungLions squad for the #U21EURO group stage! 👊
— England (@England) March 15, 2021
イングランドU-21は、アーセナルからはエディ・エンケティアとESRが呼ばれている。
セバージョスはヒラメキパスが魅力だけど、ボールキープが厳しいですよね。場所わきまえずチャレンジしてピンチになったりと。リスクが多いので、アルテタもボランチでの起用をためらってるように見えます。で、トップ下でしたが、ちょっと難しかった。その点ウーデゴールの安定感は見ていて安心できる。
オーバは身体ともにお疲れですね。アルテタも変えたかったけど、前回騒動の後だけに、信頼を示すために交代を我慢したような。
マルチネッリが久々登場で、レッド誘発と良いクロスで一定の貢献はできたのでは?走りすぎず、ポジショニングが良くなった様な気がします。 オーバでなくで、彼なら抜け出してからのゴールバッチリ決めてくれたかもなぁ