試合後、あんなに怒ってるアルテタは初めて観たな。まさに“Rage”という表現がぴったり。
ポストマッチのプレス会見でも怒り心頭の様子だったけれど、試合直後のインタヴュー(Sky Sports)では、にらみつけるような鋭い眼光と、少ない口数でもただならぬ気配に、聞き手のほうがタジタジになっているように見えたほど。
ボスがなにをそんなに怒っているのかといえば、もちろんあのニューカッスルのゴールの決定。ひとつのゴールに対し、3件ものチェックのために行われたVARレヴュー。今回もまた、そうですかと納得するには程遠い、そんなVAR事案のひとつになっただろう。
もっとも、この試合アーセナルはニューカッスルの固い守備に終始手こずったのも事実であり、せいぜい「ドロウがフェアな結果」という主張にならざるを得ず、アーセナルのファンとしては期待はずれではあった。
これでアーセナルはPL11試合めにしてシーズン無敗ランが終了してしまった。もちろん敗けたこともくやしいが、20年ぶりの無敗優勝がなくなったのがやるせない。しかもこんなかたちで。
試合を振り返る。
Newcastle end Arsenal’s unbeaten Premier League start
アルテタの試合後コメント「Unacceptable, embarrassed, disgrace. I feel sick」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプトより。
アルテタ:せっかく選手たちがそこでプレイし、あのような試合になったのに、あのゴールが認められた。もちろん、われわれが話しているのは(フットボールそのものとは)非常に異なるトピックだ。わたしはこのショウのひとりだということを恥ずかしく思う。受け入れられない。完全なる恥辱。
われわれはなにもやられていない。わたしは、ここでプレイした選手たちを誇りに思わねばならない。わたしは、一方のチームは今日われわれがここへ来たやったようなことをやったように見えない。だが、現実はわれわれはゼロポインツで、彼らが3。
このリーグではマージンはとても小さい。コンペティションはあまりに大きく、自分たちがこのピッチでやったことからすれば、このポジションは受け入れられない。
わたしは、選手たちがやろうとしたこと、実際のパフォーマンスについて、なんの後悔もない。われわれはこれをつづけていくだろう。だが、われわれが費やした努力の量、労力の量は、ほかの誰かの手におえるものではない。フットボールクラブと、われわれの背後にあるすべてについて、どれほどのものをかけているか。すまないが、それは十分ではないしわれわれは受け入れられない。
試合後のプレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトより。
(ニューカッスルのゴールについて……)
アルテタ:われわれは結果について話さねばならない。なぜなら、どうやって彼らがあのゴールを成立させたのかについて話さねばならないからだ。あれは、すごいことだった。わたしは、恥ずかしく思っている。わたしはここでクラブを擁護せねばならないものであり、だから援助を願い出てほしい。あのゴールが認められたことは完璧に恥であり、まったく恥ずべきことなのだから。
あれはゴールではないのだ。多くの理由でゴールじゃない。最低でもひとつ以上の理由でゴールじゃない。そして、それにかかっているものが多すぎる。われわれもかなりの労力を捧げている。だから、このレヴェルで競うのは非常に難しいのだ。
そして、あれは完全に恥。繰り返す、わたしは恥ずかしさを感じる。わたしは20年以上この国にいて、この決断は、世界のベストリーグとしてこのようなことを語るのは、本来のレヴェルからは程遠い。すまないが。
(あのゴールでは3つの違反の可能性についてチェックがされたという事実……)
なお悪い。それがより悪いように見せている。必要なのはひとつの映像だけで、それこそが必要。そしてそこで疑いがなければ、つぎを観ていく。
もしそれがゴールだとすれば、Okay、それもいいだろう。わたしもどうでもいい。彼らがなんと云おうが気にしない。それが結果。もう遅すぎるし、彼らが何を云っても遅すぎる。わたしは彼らと関わりたくない。
(ファーストハーフの決断については?……)
エディにペナルティがあった。ほかにもたくさんあったね。
(3つの違反のどれかでニューカッスルのゴールは認められなかったかもしれない……)
それが非常に疑問なのだよ、みなさん。それは、ゴールじゃないということ。単純にあれはゴールじゃないのだ。ゴールが認められるには、その前にいくつかのことがある。ボールがゴールから1メーターのところから打たれたら、それはフットボールではゴールと認められない。中国、日本、スペイン、イタリー、ポルトガル、すべて認められない。それが起きたことだ。
(プレミアリーグから謝罪があったら……)
わたしはここにいて説明する必要がある。そしてわれわれは今日3ポインツを失ったのだ。その意味がわかるかい? このリーグではキツすぎるのだ。あまりにキツい。かけているものが多すぎる。恥ずべきことだ。
(今日の結果がこれからの選手選びに影響する?……)
わたしは彼らを称賛せねばならない。彼らの手にはなかったし、彼らがコントロールしていたわけでもない。わたしは選手たちのここでのプレイを称賛するし、彼らがニューカッスルのやること、やろうとしたことをどれほど限定したか。正直、そこはすごかった。
(ウィリアム・サリバとカイ・ハヴァーツのパフォーマンスについて……)
とても。20才や21才でああいうプレイができるのはすごい。ここで彼らがどんなプレイをしたか。あのトップチーム相手にどう競ったか。素晴らしかった。
だから、このような結果しか出せなかったことに、わたしはうんざりしている。それがわたしが感じていることだ。わたしはこの一員であることに、うんざりしている。
アルテタは、今回のレフェリーの決断について何度も「恥だ」と述べた。「その一員であることに嫌気がさすと」。さすがに、これは後日レフェリーに対する暴言としてPLから罰せられてしまうかも。
なにかいい過ぎれば罰を受けるくらいのことは彼だって重々わかっているだろうが、そのくらいストレイトに心情を吐き出すことを止められなかった。そのフラストレイションたるや。
アルテタはもうナイスガイを演じることをやめたなんて云うひともいた。
ダヴィド・ラヤの試合後コメント「パフォーマンスは満足、結果は不満」
AFCオフィシャルサイトより。
ラヤ:(ニューカッスルの疑惑ゴール)ぼくに見えたのはボールがアウトオブプレイになったところ。ドレッシングルームでもあのゴールを見返したけど、ガビには大きなファウルもあった。彼はクリアしようとしたガビの背中を両手で押してる。
いっぽうで、オフサイドもあったかもしれない。あれはよく見えなかったけど。でも、ボールが外へ出たのとファウルは、ポインツがかかった大きな判断になった。
ぼくらもすごくくやしい。ぼくらの全員のプレイや競いかたはブリリアントだった。ぼくらはガファが求めることをやった。デュエルに勝ち、ボールを高くまで運んでいくとかすべて。でも、あの決断でゴールになってしまった。
ぼくらは守備もとてもよかった。彼らにはSoTもなかったんじゃないか。相手をとても静かにさせていたし、よく守った。ぼくらはとてもよかったと思う。ぼくらがいいポジションに入っていったときは、ポジティヴだった。デュエルにも勝ち、リーグでも屈指のチームとも競えていた。とくにアウェイで。ここはタフな場所。だから、パフォーマンスには満足しているけど、結果はとてもくやしい。
ぼくらは、また試合に勝っていかなければならない。できればPLではもっと長い無敗をやっていきたい。
つぎは水曜のホームでのセヴィーヤだ。さらなる大きな試合。ぼくらに云えるのは、ただ3ポインツがほしいということだけ。
ファンが応援してくれるホームに帰れることにとても楽しみにしている。水曜は重要な3ポインツを得たい。とても重要な試合だ。
ラヤについては、この試合のパフォーマンスには若干批判の声もある。
とくに失点した場面では、クロスにあとすこしで手が届かなかったり、ポジショニングも。彼はラムズデイルよりも身長がやや低いので、こういうところは指摘されやすい。
彼はNo.1を確保してからが、やや不安定に観える。