コメント集にひきつづき、19-20EPLニューカッスル(H)のマッチスタッツと論点を。
【マッチレビュー】19/20 EPL アーセナル vs ニューカッスル(16/Feb/2020)【コメント集】おれたちみんなラカゼット
アーセナルのPLでの勝利は元日のマンU(2-0)以来でなんと4試合ぶり。長かった。 去年末にアルテタが来て以来、さすがにそこまでの即効性は求められないことは認めながらも、満足できる結果がなかなか得られず、ファンのストレスはだいぶたまっていた。 今回は冬のウィンターブレイクを挟んでの試合だったので、この淀んだ「流れ」をリセットするにはちょうどいい機会だった。ドゥバイで準備したことをテストする機会でもあったろう。 序盤はNUFCのカウンター&個人技に苦しみながらも、徐々に流れを引き戻していき、終わってみれば結果は望外の大勝。アーセナルが4得点+クリンシート、しかも、エジル、ペペ、ラカゼットといったここまで低フォームが懸念されていた面々が揃って躍動したのだからたまらない。 Arsenal 4-0 Newcastle: Gunners beat Magpies to end run of draws r/Gunnersのとあるサブでは、とあるユーザがラカゼットの得点後のエモーショナルなリアクションについて「あの瞬間、みんながラカゼットだった」とコメント。多くのUp voteを集めていた。 そう、おれたちはラカゼットだったのだよ。チーム、スタッフ、クラブ、そしてクラブを愛するファンベイス全体が。もがき苦しんでいた。だからこそあの喜びが爆発したゴールセレブレイションは感動的だった。これぞ“togetherness”。おれは悟りました。 (だからDAZNコメンタリの淡白な反応には少々がっかりした。あそこはめちゃくちゃ語りどころだっただろう。あの勝敗と無関係のゴールがラカ本人にどんな意味があるか。チームやファンにとってどれだけのカタルシスか。別にファンじゃないのだからアツく語ってほしいわけじゃないが、ラカがあのときどういう状況にいたかとか、そこにどういうコンテキストがあったかとか、曲がりなりにもPLを担当するコメンタリなら最低限の知識としては知っていてほしかった。「さすがの決定力」とかそういうことじゃないんだよ。あの尋常じゃないチームのリアクションに何の反応もないなんて) さて、この試合について振り返ってゆこう。まずはコメント集から。追ってスタッツと論点を。
ミケル・アルテタのロングインタヴュー「アイデンティティはすべての礎」
19-20EPLニューカッスル(H)の試合前、Sky Sportsが独占でミケル・アルテタにインタヴューを行っていた。 これはヘッドコーチ就任以来で初めてとなるメイジャーなインタヴューということ。たしかに長いインタヴューで、カルチャーやアイデンティティといったよりジェネラルな内容となっている。彼の発言部分のみをざっくり訳してみよう。 Mikel Arteta exclusive interview: Restoring Arsenal’s identity and building for the future 記事はNick Wrightによるもの。※小見出しの一部は訳者による。
【マッチプレビュー】19/20 EPL アーセナル vs ニューカッスル(16/Feb/2020)見せたいキャンプの成果
2週間のウィンターブレイクが終了し、PLがリスタート。 Week26、シーズンの2/3を経過する今週、アーセナルはホームにニューカッスル・ユナイテッドを迎える。ニューカッスルは現在31ポインツでアーセナルと並んでいる。 マンシティのCLバン(※2シーズン)で、消えかけていたトップ4ホープにまたわずかながらも小さな火が灯った。 これからのシーズン終盤をブーストするためにもアーセナルはホームで確実に3ポインツを取らねばならない試合だ。 Arsenal vs Newcastle preview
【試合前記者会見】19/20EPL アーセナル vs ニューカッスル(16/Feb/2020)ウィンターブレイクはミニプリシーズン。ぺぺの適応……
PL is back! 2週間ぶり。 やあ、ひさびさのPLながら朝っぱらから何が驚いたかって、マンチェスター・シティですよね。CLを2シーズンのバンてどんだけの損失なんだよ。やつら優勝するつもりなのだからざっと£200Mくらい? 移籍市場を2回バンとかそういうレヴェルじゃない。世界に冠たるシティグループが。阿鼻叫喚とはこのこった。ひとこといいですかね? m9(^Д^)プギャー まあ、クラブステイトメントなんかを見ると「驚きはない」なんつって、シティの皆さんはまだひっくり返す気マンマンみたいだけど。謹んで失敗をお祈り申し上げたいですね。 だってシティが4位以内をキープするなら、PL5位までCLのお鉢がまわってくるというのだから。シェフィールド地方から万歳三唱が聞こえてきた。。 今シーズンはとにかくトップ4争いはケイオスになってきているけれど、そこにさらなる燃料投下とは恐れ入った。なかなか諦めさせてくれませんなあ! さて、2週間ぶりでアルテタのプレスカンファレンスが昨日行われた。試合プレヴューエントリの前にそちらをお届けしよう。 この件でもぜひ彼の感想を聞いてみたかったが、タイミング的にこれが発覚するちょうど前だったのでそれにまつわる話題はなし。ちっ。 でも彼はこの件に一枚噛んでいるのではともっぱらの評判で。 アーセン・ヴェンゲル「いいかいミケル。キミはマンシティに行って直近のクラブ財政について調べるんだ。わたしのほうはFIFAに就職して処罰を問題化させる。4年後にまたここで会おう」 クソワロw
ミケル・アルテタの「フロント5」4つの論点
ウィンターブレイクのドゥバイキャンプも終わり、ロンドンに戻ったチームはもう日曜の試合に備えている。長い休みがようやく終わるとはありがてえ。。 さて今回は一昨日のエントリと対になるエントリ。 ミケル・アルテタが来て1.5ヶ月、アーセナルで採用しているシステムを特徴づける「フロント5」について、考えてみたい。 アルテタ以降のアーセナルでは守備面では一定の進歩を見せながらも、いまだチャンスクリエイトやシュートといった攻撃面で苦しんでいることは、一昨日のエントリでも書いたとおり。そのおかげでアーセナルは試合で勝てておらず、アルテタが来て以来PL7試合でW1 D5 L1と成績が低迷している。 そんななかで、最近はラカゼットやエジルといった選手個人のプアなパフォーマンスがますます注目されるようになっているが、このチームの攻撃の停滞という問題は個人のフォームや能力だけに帰結すべきものではなく、チームセットアップや戦術的・構造的な影響を受けていることも見逃すべきではない。そこには、おそらくは両方の側面がある。それがこのエントリの趣旨になる。 現在までに見えている、アルテタの「フロント5システム」における論点をおさらいしたい。
ヘッドコーチ就任から1.5ヶ月。アルテタ・アーセナルの残した数字。今後の課題
ミケル・アルテタのAFCヘッドコーチ就任が発表されたのが去年の12月20日。そのおよそ一週間後、12月26日にPLボーンマス(H)でデビュー。 そこから一ヶ月と半分ほどたった。 混迷を極めたかのようなウナイ・エメリ末期から比べて、チームは目に見えてチームワークの改善を見せるようになり、アーセナルがアイデンティティを取り戻したとファンからは大いに歓迎されている。しかし、その一方でPLでは依然10位とミッドテーブルに沈んでおり、見た目のチームパフォーマンスの改善に比べ、期待したほど結果は出ていないというのが現状である。 PLでは先週から2週間という長期のウィンター・ブレイクに入っており、AFC御一行はスポンサーコネクションでUAEのドゥバイへ。アルテタが、戦術トレイニングやフィットネス向上だけでなく、チームの絆を深めるといったキャンプの意義について語っているように、シーズンでもっとも多忙な期間に仕事を引き継いで以来、一息つく暇もなく駆け抜けてきたヘッドコーチとチームにとり、今回は絶好の充電機会となっている。 2週間もの休みで、ファンとしてはまったく味気のない日常を送っているが、せっかくのこの機会、ミケル・アーセナルの45日間を振り返り、その数字をざっくりまとめてみたいと思う。 ※なお、先に云っておくと「アルテタ時代の数字」とひとくちに云ってもたったの7試合=1.5ヶ月分である。傾向を読み取りたいという意図はあるが、確固な判断をするサンプル数としては非常に少ない。
ウナイ・エメリ氏いらんことを語ってしまう
ついこないだエメリ氏のエントリを書いて彼は人格者だなんて云ったのに。。 ウーナイが『France Football』のインタヴューに応えて語ったという、アーセナルについてのコメントにファンは非難轟々。別のエントリを書いていたのだけど中断してこちらを紹介しよう。
英プレミアリーグが“Netflixスタイル”のストリーミングサーヴィス開始を認める
今朝知って驚いたのがPLが独自に「Netflixスタイル」のストリーミングサーヴィスを検討しているというニュース。 The Premier League will launch a Netflix-style streaming… 数年前、日本で『DAZN』が始まったときは、スカパーのような既存のペイTVを駆逐する「黒船来航」と騒がれたものだが、もしPLが既存のサーヴィスに競争できるリーゾナブルな価格設定で市場に参入すれば、DAZNのようなサーヴィスすらマイナープレイヤーにしかねない、それ以上の破壊者になるかもしれない。 まさにContent is king。。
アーセナルを退団後、休暇を満喫するウナイ・エメリ。競争の世界に戻るエナジー
(※写真は“Marca”より。エメリ氏がマドリッドで経営するレストランの前だそうで) ラウル・サンレヒへの批判についてブログエントリを書こうと思っていて、そのなかの批判ポイントのひとつに「エメリに固執し解任タイミングを間違えた」というのがあって、そういえば最近エメリのインタヴューがあったなと。参考までにと思って、さかのぼって読み始めたら予想外におもしろかったので、読むついてで訳してシェアするので読んでください。 Emery: “Ya superé el duelo del Arsenal, hicimos cosas buenas” 1/31の『Marca』に掲載されたもので、いまからおよそ1週間前のもの。 エメリがアーセナルでマネージャー解任について「ファンに追い出された」と語ったというのが、たくさんのメディアで見出しになっていた。もしかしたら日本でも紹介されていたかもしれないので、いまさらだったらすまないね。 スペイン語記事をGoogleで英語にしてそれを訳しているので、いつもどおり二重の意味でクオリティはお察しください。あしからず。
補強はふたつのローン。慎重な動きは過去に学んだ結果か。アーセナル2020冬の移籍市場まとめ
さて1月末にヨーロッパの移籍ウィンドウがクローズして、2020冬の移籍市場が終わった。EPLは2週間のウィンターブレイクに突入し、毎日の話題も少なくすっかり落ち着いたアーセナル界隈となっている。 いつもどおりアーセナルは地球上のありとあらゆる選手とリンクされながら(笑い)、結局補強はふたつのローン。これはクラブレコードでニコラス・ペペを取った昨夏のようにファンが熱狂するようなものではなかったものの、ひとまずは最大の懸案であったポジションの穴を補うことに成功した。 いくつか本命らしいターゲットにチャレンジしていたとも伝えられているが、シーズン中ということもあり冬の補強が難しいのはわかっていたことでもある。今年の夏にはまた大きな動きがあると期待したい。 このブログでもそれぞれは伝えてきたが、ここで2020アーセナルの冬の移籍についてまとめておこう。
【マッチレビュー】19/20EPL バーンリー vs アーセナル(2/Feb/2020)敗けないが勝てない。アルテタのジレンマ
なんともストレスの貯まる0-0ドロウ。まああの内容なら敗けなかっただけマシというべきか。 それにしても今シーズンはなんとこれで13コめの引き分けである。PL25試合のうちもう半分以上は引き分けなのだから、それだけファンのフラストレイションはたまっている。今回は、ライヴァルチームのフィクスチャの厳しさをもって、あらためて捕らぬ狸の皮算用をやるくらいには期待していたのだからなおさらだ。 アルテタが来て以来のアーセナルではずっとポジティヴなフィーリングがありながら、依然として改善されていない部分を残し続けている。そして、どうもそこが試合を重ねるごとにますますクロースアップされてくる印象がある。 この試合の結果はすべてがアルテタの責任ではないが、今回ばかりはファンのあいだでもアルテタの選択に疑問の声もちらほら出ている。 ぼくも個人的にはこの試合はアルテタがアーセナルに来てから7試合目にして、初めてワーストゲイムをやったと思った。 これまで結果が出なくても、今後この方向でチームが進歩していけば必ずよくなるというきざしのようなものを見ていたが、今回のチームパフォーマンスからは未来を感じることができなかった。 Burnley 0-0 Arsenal: Clarets miss chance to punish Gunners この残念な試合を振り返ろう。これから2週間もブレイクがあるというのに、なんという景気の悪い試合を見せてくれたのか。