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ヘッドコーチ就任から1.5ヶ月。アルテタ・アーセナルの残した数字。今後の課題

ミケル・アルテタのAFCヘッドコーチ就任が発表されたのが去年の12月20日。そのおよそ一週間後、12月26日にPLボーンマス(H)でデビュー。

そこから一ヶ月と半分ほどたった。

混迷を極めたかのようなウナイ・エメリ末期から比べて、チームは目に見えてチームワークの改善を見せるようになり、アーセナルがアイデンティティを取り戻したとファンからは大いに歓迎されている。しかし、その一方でPLでは依然10位とミッドテーブルに沈んでおり、見た目のチームパフォーマンスの改善に比べ、期待したほど結果は出ていないというのが現状である。

PLでは先週から2週間という長期のウィンター・ブレイクに入っており、AFC御一行はスポンサーコネクションでUAEのドゥバイへ。アルテタが、戦術トレイニングやフィットネス向上だけでなく、チームの絆を深めるといったキャンプの意義について語っているように、シーズンでもっとも多忙な期間に仕事を引き継いで以来、一息つく暇もなく駆け抜けてきたヘッドコーチとチームにとり、今回は絶好の充電機会となっている。

2週間もの休みで、ファンとしてはまったく味気のない日常を送っているが、せっかくのこの機会、ミケル・アーセナルの45日間を振り返り、その数字をざっくりまとめてみたいと思う。

※なお、先に云っておくと「アルテタ時代の数字」とひとくちに云ってもたったの7試合=1.5ヶ月分である。傾向を読み取りたいという意図はあるが、確固な判断をするサンプル数としては非常に少ない。



ミケル・アーセナルのPL7試合の結果

※以下FAカップの2試合(W2)を除く

ミケル・アルテタがアーセナルのヘッドコーチに就任して以来、PLでは7試合をプレイしている。基本的な成績をざっと確認してみよう。

PLの7試合ではW1 D5 L1。ポッシボー21ポインツ中、実際に取ったのは8ポインツ(取得率38%)。

得点9(試合平均1.28)、失点7(同1.0)。

これがアルテタのPL7試合の結果である。

一応、この短期間に2度退場者(オバメヤンとルイス)を出していることにも触れておきたい。

ちなみにウナイ・エメリは今シーズン、解任されるまでPL13試合でW4 D6 L3。ポインツ取得率は46%。試合平均で得点1.6、失点は1.46となっている。

敗けないが勝てない。記録的ドロウの多さ

アルテタ加入以降、この間の敗けがたったの「1」しかないことはポジティヴなポイントだが(※アーセナルは2020年に入ってからは敗けなしで、トップ5リーグで今年敗けなしのマネージャーはクロップとアルテタだけらしい)、それと同時に勝ちの少なさと引き分けの多さは特筆すべきところである。とくに引き分け。

その数、すでに13ドロウ。

13という今シーズンの引き分けの数は、エメリ(ユングバーグ)の時代を引き継いでいるが(18試合でD8)、ここまでの引き分けの多さは異常で、全25試合のうちおよそ半分がドロウ、D13は現時点ですでにPL20チーム中最多となっている。

アーセナルの過去5シーズンのドロウ数は、9、11、6、6、7であり、Week25の時点でこれらを大きく越えていることからも、これがどれだけ異様に多い数かがわかる。

1シーズンでD13以上を最後に記録したのは93/94シーズン(D17)まで遡らねばならないが、今後まだ残り13試合あることを考えれば、シーズン終了時にこの記録を抜くのはほとんど確実に思える。D17以上のシーズンは過去一度だけ(69/70シーズンのD18)であり、この調子だとクラブ史上ワーストの記録をつくりかねない勢いとなっている。

ドロウに着地したプロセスは試合によってさまざまだが、失点を防げず(PL7試合でクリンシート2)、相手より多く得点することもできていない(2点以上取った試合はゼロ)結果と云える。

守備の改善と攻撃の停滞

エメリ時代からアルテタ時代になり、チームパフォーマンスに見られるわかりやすい兆候といえば、守備の進歩攻撃の停滞という2点が挙げられる。

以下はr/Gunnersのとあるサブより。マンスリーの集計でやや大雑把な値ではあるが、得点と失点についてここにはっきりとした傾向を見ることができる。

画像劣化で文字がつぶれていてすまない。ソースで確認するか雰囲気で察していただきたい

エメリ(ユングバーグ)からアルテタにヘッドコーチが引き継がれた前後の11月、12月、1月のグラフ遷移でわかるのは、まず「失点(青)」が大幅に下がっていること。12月と1月ではほぼ半減した。

また11月と12月がとくにひどいためもあるが、試合ごとの「取得ポインツ(黄)」も1月には上昇が見られる。

一方で中央の線「得点(緑)」については微増ながら大きな変化はない。エメリ末期の9月と比べると依然として低いままとも云える。

1月の試合平均ゴール「1.2」は、アーセナルのようなアタッキングフットボールを標榜するチームではかなり少ない。現在のPLトップ3は今シーズンここまでで「2」以上あり、それに次ぐチェルシーやスパッズなども「1.5」以上の得点がある。

試合平均ゴール1.2という数字は、シーズン総得点が「45.6」になるゴールレイトであり、アーセナルの過去5シーズンの総得点平均が「72」(試合平均1.89)と考えると劇的な少なさ。もはや「枯渇」と表現してもよいレヴェルだ。

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One Commnet on “ヘッドコーチ就任から1.5ヶ月。アルテタ・アーセナルの残した数字。今後の課題

  1. 夏の移籍市場でアルテタのフットボールにフィットできるいい選手が獲得できることをただただ願う。

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