UELセミファイナルのドローは数ある可能性のなかでワーストの結果に。
アーセナルの対戦相手は、優勝候補であるアトレチコ・マドリッド、しかも初戦をホームで戦うという二重苦。UEFAめ。
しかし、アーセナルの目標はCL出場権を獲得することだ。どのみちいつかは最強チームに当たるのである。これもまたフットボール。
ちなみにCLのドローも似たような状況だ。バイエルンとマドリーという本命同士、ローマとリヴァプールという穴同士の対戦が決まった。それにしてもこのステージで上位大会のCLのリヴァプールより、ELを戦うアーセナルのほうがキツい相手ってどうなってんだ。
試合の日程
アーセナル vs アトレチコ(ファーストレグ@Emirates Stadium)
4月26日木曜日UK時間20:05(※日本時間4/27金の朝4:05)
アトレチコ vs アーセナル(セカンドレグ@Wanda Metropolitano)
5月3日木曜日UK時間20:05(※日本時間5/4金の朝4:05)
ライブ放送
日本でのライブ放送は「スカパー」の独占生中継。地上波でやりゃあいいのに。
昔CLもTBSで夜中に地味ーにやってたよなあ。眠い目をこすってジダンのボレーをテレビで観てた記憶。CLがビッグビジネスになりすぎてもう安い値段で買えないんだろうな。深夜番組にそんな投資ができるTV局は日本にない。
ちなみにDAZNがUCLもUELも放映権を獲得済みで、来シーズン(18/19)からはDAZNでチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグともに視聴可能になるとのこと。独占中継になるかどうかは不明。やりすぎだろダズン。日本のCSをぶっ潰す気満々だな。
ライブ放送を逃した方は全力で情報をシャットアウトして、夜にArsenal Playerあたりでフルマッチが上がるのを待とう。Arsenal Playerに直行すればスコアを目にせずに試合が観られるぞ(誰かが鬼のように活躍してると雰囲気で結果がわかる可能性もあるので薄目推奨だ)。しかし公式サイトで大して時間を待たずに試合中継のすべてを無料公開するってのは、この世界でふつうなんだろうか。太っ腹すぎる。
コメントもろもろ
ボスのみことば
ドロー発表後のボスのコメントはまだない。こちらはドローに向けてコメント。
ヴェンゲル:資料のうえでは彼ら(アトレチコ)が最強だ。しかし、われわれは当たった対戦相手とうまくプレイするだけだ。
まあそっすな。ボスもこれまでもアトレチコについては「ストロング・サイドである」とたびたび言及している。最悪とも思える結果にどういったコメントをするのか興味津々である。発表され次第ここに追記するかもしれない。
ラカゼットのコメント
こちらもドロー前のコメント(たぶん)。
ラカゼット:(ELに勝つことが)マネージャーをキープする一番いい方法だろうね。だって彼はクラブに対してすごくいいことを行ってきたのだから。また今季PLでうまくいかなかったから、ELに勝つことがぼくらのシーズンを救うことになる。
家族や友だちの前でファイナルの試合に出たいね(※決勝戦はリヨンで行われる)。まあそれだけじゃないよ。ぼくはトロフィのためにアーセナルに来たんだから。
ほう。彼はボスには割と冷遇されているほうだと思うけど、続投を望んでいるのか。まあつぎの監督が来てもオバメヤンがいる状況で使ってもらえるとも限らないか。
アトレチコ・マドリッドについて
最新のUEFAクラブランキング(UEFA.comより)では、レアル・マドリッド、バイエルン・ミュニックにつぐ3位というあり得ないくらい強いクラブ。ディエゴ・シメオネは2011年からマネージャーを務める。
名だたるクラブが上位を占めるなかでの3位。あのバルサより上とか信じがたい。アーセナルFCは9位。おれたちそんな強いか?
彼らのここ10年のCLやELなどUEFA主催大会の実績がこちら。
Ten-year European record (UEFA Champions League unless indicated otherwise)
2016/17: semi-finals(CL4強)
2015/16: runners-up(CL準優勝)
2014/15: quarter-finals(CL8強)
2013/14: runners-up(CL準優勝)
2012/13: UEFA Europa League round of 32
2011/12: UEFA Europa League winners(EL優勝)
2010/11: UEFA Europa League group stage
2009/10: UEFA Europa League winners (having transferred from UEFA Champions League group stage)(EL優勝)
2008/09: round of 16(CL16強)
2007/08: UEFA Cup round of 32 (having transferred from the UEFA Intertoto Cup)
ヨーロッパで異次元の強さを誇る。それがアトレチコ。ELの優勝も2度もある。09/10シーズンは今回と同じCLからの編入でのELのタイトルを取った。大会を勝ち抜く経験も十分だ。
しかし、彼らが強いのはヨーロッパだけではない。今季ラ・リーガでは、ここまでバルセロナに次ぐ2位をキープ(11ポイント差)。シメオネ就任後のリーガでの最終順位がこちら。
- 2016-17, 3rd
- 2015-16, 3rd
- 2014-15, 3rd
- 2013-14, 1st
- 2012-13, 3rd
- 2011-12, 5th
バルセロナとかレアル・マドリッドがいるリーグで、いくらなんでも強すぎだろ。スペインが2強といわれて久しいが、これはもう3強ではないか。
なんならわれわれはもうバルセロナやレアル・マドリッドと戦うようなものである。終わったな。
アトレチコの中心選手
われら的には、GKのジャン・オブラク。まあ取れないと思うけど。そしてFWのグリーズマンにディエゴ・コスタ。え? コスタ。あそうか。ここにいたんだな。フェルナンド・トーレスなんて個性的なFWもいるらしい。
いましきりに話題になっているのが、コスタが怪我をしていてファーストレグまでに間に合わないかもしれないという件。彼には嫌な思い出しかないし、あのツラを見なくて済むならありがてえ。
その他詳しくはおググりください。
アーセナルはノーチャンスか?
そんなことはない。少なくとも最近のヨーロッパリーグの実績的には、アーセナルがわりと席巻しているところもある。あいつらスポルティングに負けたし。
2017/18 #UEL:
🔴 Most wins: Arsenal (8)
🔴 Most goals: Arsenal (29)
🔴 Most shots: Arsenal (162)
🔴 Most completed passes: Mohamed Elneny (710)#UELdraw pic.twitter.com/nKQ8UX1SR0— UEFA Europa League (@EuropaLeague) 2018年4月13日
今季ここまでのアーセナルやアトレチコを知らない人が見れば、もしかしたらアーセナルが有利なのかもと錯覚してもおかしくはない。
ウェルベック、エルネニー、コシエルニがELのTeam of the weekに選出。負けたアトレチコはゼロ人。右下にサカイがいた。
Introducing the @FedExEurope Performance Zone Team of the Week 💪 ⚽
Who would be your captain? 🤔 pic.twitter.com/Fu3ocvsN3Q— UEFA Europa League (@EuropaLeague) 2018年4月13日
Aaron Ramsey in this season’s competition for Arsenal 🔴⚪#UEL pic.twitter.com/qlZ1fwuuDD
— UEFA Europa League (@EuropaLeague) 2018年4月13日
We have a winner! 🙌
Mohamed Elneny 👏👏👏#UEL pic.twitter.com/z8t8GEv8wZ
— UEFA Europa League (@EuropaLeague) 2018年4月13日
だから、悲観的になりすぎることはない。
いささか古い(03/04~13/14)が、セミファイナルではファーストレグをホームで戦うほうが勝ち抜けやすいというデータもあるっちゃある。
History favours home sides for second legs
おそらくこのドローの結果で一番憂えているのはファンで、選手たちはさほど悲観してもいないのではないかと思う。彼らのプレイスタイル的に8点とか6点とか取られて蹂躙されるということもないだろうし。
ぼくが知っている限りではアトレチコは堅守で速攻が得意なチームで、アーセナルがもっとも苦手としているタイプである。反対にボールを持って押し上げるアーセナルのようなチームは、敵陣に使えるスペースがふんだんにあってアトレチコが与しやすいタイプかもしれない。
今季なんどもボスの正念場は来ているが、ここがほんとにほんとの最重要ポイントだ。アーセナルが勝つ確率はかなり低いと思われるが、もしアトレチコにホーム・アウェイで勝つようなことがあれば、大逆転でボスは来シーズンの続投を勝ち取るに違いない。
逆に順当に負ければ今季の無冠が決定+来季CL出場権なしが2シーズン連続決定ということで、解任は避けられそうもない。