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Arsenal, Wenger

ありがとうアーセン。ボス送別会

遅ればせながら、先日のホーム最終戦バーンリー戦後のボスお別れセレモニーについて。



スピーチ全文

Arseblogの書き起こしを、中継動画と比べながら一部修正。

(※冒頭にはファーガソンへのお見舞いのことばがあった、スタジアムのファンからは盛大な拍手)

“Thank you for having me for such a long time. I know that’s not easy. But above all, I am like you, I am an Arsenal fan.

“Like me, this is more than just watching football, it’s a way of life. It’s caring about the beautiful game, about the values we cherish, and as well, that something that goes for all our bodies in every cell of our bodies.

“We care, we worry, we are desperate, but when you come here, the theatre of dreams we realise what it means.

“I would like as well to thank everyone at the club who makes this club so special, I would invite you, really push, support these players and the staff who remains behind me, for me, these group of players has a special quality.

“Not only on the pitch, but off the pitch. Please, I think as you follow this team, support them really long next season because they deserve it.

“Just I would like to finish by one simple words: I will miss you.

“Thank you all for having such an important part of my life, and hope to see you soon, well done.

“Bye bye.”

スピーチの感想

さて、グーナー諸氏はこの最後のスピーチをどんな気持ちでご覧になったろうか。選手やレジェンド、ファンで埋め尽くされたスタジアムで直接ボスの声を聞いた人もいるかもしれないし、ライブ中継で見た人も、あとから見た人もいるだろう(Arsenal Playerで視聴可)。

すでに退任発表はされており、それに際してボスはコメントも発表していた。プレス会見やテレビなどいくつかの取材にも応えていたので、多くのファンはボスがどんな気持ちでいるかはだいたい知っていた。だから、その場でただ彼が発することばを聴いた。送別会なんてそんなものだ。なかには少しくらい感情的になるボスが見てみたいという人もいたかもしれない。

だが、普段と違い、6万人に見つめられるような完全に自分が主役になった場でもボスは取り乱したりはしなかった。

ぼくはボスのスピーチを見ていて予想以上に淡々としているなあという印象を持った。サバサバしているというのか、いかにも気持ちの整理ができている様子。しかもそれはある種の諦めにも似た何かだったのではないかと。そんなふうにも見えた。

これまでにも事あるごとに言及されてきたボスのクラブへの愛情からすれば、この監督生活のクライマックスともいえる場面で感極まってことばに詰まるとか、そういうシーンがあっても変じゃなかった。あれだけ盛大なチャントを自分に向けられれば、ボスが感動してしまったっておかしくない。でも、ボスはファンに向けて伝えたいことをいいよどむこともなく端的に話し終えると、「バイバイ」とまるでそこまで大げさにしないでほしい、またすぐに会えるじゃないかと軽いことばで締めくくった。

最後の一節だけは最初からいおうと決めていたみたいに思えた。

「シンプルなことばでこのスピーチを終わりたい。<寂しくなる>」

寂しくなる、というか、きっとここが恋しくなる、みたいな。

そこだけはいかにも台本があったみたいだった。そしてそれは紛うことなきヴェンゲル監督の本音だったと思う。志なかばで仕事を終えなければならないという、悔しさ、怒り、やるせなさ、愛しさ、悲しさ、いろんな感情の行き着いた先に、この I will miss you. があったんだろう。きっとボスが自分の今の思いを全員に伝えるのにそれ以上適したことばはなかった。そんなふうに思えた。

ピッチを一周しファンに別れの挨拶

スピーチが済むと、選手たちを従えてピッチサイドを一周してファンに別れを告げた。

ホームでのシーズン最終試合って、いつももっと選手たちも家族を連れてきたりするというイメージがあったけど、半分以上の選手たちは誰も連れてきていなかったように見えた。子どもがいないってだけかな。ちなみにWAGSはメインスタンドの前あたりに並んでたようだ。

ボスも夫人や家族を伴うこともなく、ひとりで集団の先頭を歩いた。

ボスが少年にネクタイをあげたシーン。DAZNでは現地コメンタリを聞きながら実況していたのか「オバメヤンのシャツをほしがっていた少年にあげたようです」なんていっていたが、Arsenal Playerにあがっている動画を見ると、少年が持つ黄色いプラカードには表裏で違うことが書いてあって、「オバメヤン、シャツちょうだい」の裏には「アーセン、タイをください」とある。ボスもよく見つけたもんだ。少年には一生の宝物になるだろう。

さて、もちろんボスたちが練り歩くなかでこれまでの仕事を労う意味での拍手やチャントは沸き起こっていたが、それがカソルラへのチャントで上書きされそうな場面がたびたびあった。カソルラの契約延長をこいねがうファンの気持ちはわかるけど、ボスを送り出す場では少し自重すべきだったような気がしないでもない。彼の契約更新の話はまったく進んでいないようだが、あの大きなチャントは経営陣には大きなアピールになったかもしれない。

バーンリーサポーター

これはさすがに中継ではわからなかったんだけど、どうもアウェイスタンドのバーンリーのサポーターたちが”there’s only one Arsene Wenger”チャントを歌ってくれたそうな。美談だねえ。

来シーズンは仲良く一緒にヨーロッパリーグ。決勝で会おう!

ボスのみことば(セレモニー後)

ヴェンゲル:喜んでノースバンクから応援するよ!

まあどこか別のクラブで仕事をするかどうかにもよるがね。どんな仕事をするかって? アーセナルの試合の日が休みなら? チケットをくれるなら喜んでノースバンクに向かうよ。もしそうできたら、それはファンタスティックだね。

ファンとしてアーセナルの試合を見る利点は、ノースバンクから次のマネージャーに野次を飛ばせることさ!

ときに、ファンをハッピーにするためには、マネージャーを辞めなければならない(ニヤリ)。

ファンをハッピーにしたかったんだ。なぜならどんなふうにフットボールがプレイされるべきかという確固としたアイディアもあった。わたしの志すところは、いつもスタイルを持って勝つことだった。ビッグクラブのマネージャーなら、試合を観に来てくれるサポーターたちに特別な経験をもたらす責任があると思うんだ。

それがわたしの目標だったよ。そして、それこそがわたしがいうみんなを幸せにするという意味なんだ。

スピーチもそうだけど、こういう冗談をちょくちょく入れてくる。

このコメントだけからでも、ボスの本当にやりたかったことがわかる。彼はほんとうにおもしろいフットボール、見ていて魅力的な「スタイル」のあるフットボールを目指していた。そしてそれは実現され、多くのファンの心を掴んだ。

それはプロスポーツなら当たり前のようでいて、実際にそんなふうに考えてそれを実行しようとしているマネージャーはさほど多くないことは、フットボールのファンならみんな知っている。モウリーニョとか。モウリーニョとか、あとジョゼ・モウリーニョ?

ともあれ。

アーセナルFCを、ぼくらにとってこんなに魅力的なものにしてくれたアーセン・ヴェンゲル監督に幸あれ。おもしろいフットボールに幸あれ。攻撃フットボールに幸あれ。



5 Comments on “ありがとうアーセン。ボス送別会

  1. セレモニーの最初に拍手で迎えられた女性が登場していましたけど、あの方はどなたなんでしょうか。
    功労者かと思っていたら若い方で驚いた。

      1. お早うございます!
        Alex Scott!!ありがとうございます。スッキリしました!!

  2. Alex Scottも経歴みると素晴らしい人物で、もちろんメルテザッカーも、キットマンのAkersにいたっては確認できるだけでアーセナル最古参レベル(ベンゲルよりだいぶ長い)
    この3人のセレモニーがおざなり感というか、Merci Arseneに急かされてた感があったのは少し残念でしたが、、

    ボスのスピーチはマイクトラブルもあって、なんか相変わらず英語が流暢なレベルにいたらなかったのもあって、拙いというか、口上手でなかった、いかにもベンゲルらしいものでしたね
    this is more than just watching football, beautiful game,the theatre of dreams、、、
    などの言葉はボスが追い求めてたものなんだなあ~としみじみ感じました

    とにもかくにもMerci Arsene

    1. Vic Akersって Arsenal Ladiesの創設に携わった方なんですね!!
      歴史を感じますね。キットマンとしての彼しか知らなかったものですから勉強になります。

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