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エジルはエメリの求めるプレッシング・フットボールに対応できるか

このブログの先日のエントリで「エメリはエジルが使えないなら干せばいい」といった趣旨で自分の意見を書いたところ「エジル切るとかありえないんですけど……(バカなの?)」といった趣旨のコメントをもらった。

今日ESPNを見ていたら「エメリのもとでエジルの未来はないかもしれない」という記事をみつけた。エメリがアーセナルで(自分のコンセプトにそぐわない)ビッグプレイヤーをどう扱うかという内容で、まさにエメリがエジルにどう対応するかという話しで非常に興味深いものだった。

結論からいうと、エメリはエジルを使わなくなる可能性はあるのではないか、金ないし最悪売ることもあるのではないかというもので、多くのファンにとっては受け入れがたい考え方かもしれないが、個人的にはなるほどと納得できるところがあった。

今日はその記事を紹介してみたい。

Ozil may not have Arsenal future under Emery



「エジルはエメリのアーセナルで未来がないかもしれない」by ESPN

EURO Sportsのエディター、Tom Adamsによる寄稿。

先月、アーセナルの仕事が決まる前、ウナイ・エメリはジャーナリストのMarti Perarnauに向かってPSGでの仕事について説明していた。それは彼がアーセナルを率いるにあたりどのようなアプローチを取るかについて手がかりとなるもので、新しいスクワッドのなかで一番のビッグネイムを彼がどう扱うかという不穏なテーマでもある。つまりメスト・エジルのことだ。

The Tactical Room #42

パリでの一筋縄ではいかないスター選手や我の強い選手たちを扱う難しさについて語るとき、アーセナル新監督は、2度に渡りペップ・グアルディオラのやり方への称賛を述べた。グアルディオラは2008年にバルセロナのマネージャーに就任すると、容赦なくスター選手を排除していった。

エメリ「メッシ、ロナウド、ネイマールなんて選手をコーチするのは簡単なことじゃない。彼らは世界で一番の選手で多くを担う。むしろ彼らに合わせなければならない。シティでのグアルディオラを見てほしい。そこにはそういった選手はいなかったのはラッキーだね。

問題になるビッグプレイヤーというものがいる。とくに大きな決定をするときにはペップは彼らを外した。例えば、デコを外し、ロナウジーニョを外した。メッシと問題があったときはイブラヒモビッチを外した。そうすることによって、問題が深刻になることを免れた」

エメリはコーチとして失くしたものについて問われるとテーマに戻ってきた。パリで2年で7つの国内トロフィを勝ち取った男は、グアルディオラが起こした、バルセロナの神々に対してアイコニクラスト(※偶像破壊)について改めて述べた。

エメリ「ときにはグアルディオラがしたようなことをしなきゃならない。デコ、ロナウジーニョ、イブラヒモビッチを切ったり。あとになってズラタンがエージェントと一緒にペップに異議を申し立てた? OK。でも彼らは彼を排除した。傑作(マスターピース)を完成させるために邪魔になるものを排除したんだ。ペップは傑作をつくれるコーチだよ。わたしが失っているもの? 傑作をつくることだね。本当の傑作。そしてそれをものにすることだ」

もしそれが教訓で、エメリがアーセナルでただちにそれに取り掛かるなら、アーセナルにはたったひとりだけデコのような選手、ロナウジーニョのように天才的でかつ怠惰な選手がいる。もし彼がドレッシングルームで悪影響を及ぼすような選手じゃなかったとしても、エジルはスクワッドのなかで唯一のそういったタイプの選手かもしれない。それは、このジャーマンが注意を払うべき、早い段階だけでの憂慮にとどまらない。

エメリはアーセナルの監督として初めてのプレス会見で、英語はブロークンながら、それでもなんとか明解に、彼がエミレーツ・ステイディアムにもたらすだろうフットボール哲学について説明した。

エメリ「ここでは歴史的にボールポゼッションが好まれると思う。わたしはそのパーソナリティが好きだ。わたしはボールを持つのが好きだ。もしポゼッションしていなければ、スクワッドにはとてもとても激しくプレッシングすることを求める。選手たちが試合を主導するために重要なふたつの事柄がある。ポゼッション、それにボールを持っていないときのプレッシングだ」

それは歓迎すべき宣言だ。昨シーズンのイングランドでもっとも印象的だったチーム、マンチェスター・シティ、トッテナム、リヴァプールは、どのチームもプレミアリーグでの成功において洗練されたプレッシング・オペレーションがキーになっていると示した。

対象的に、アーセン・ヴェンゲルのアーセナルのプレッシングへのアプローチは、まるであとから取ってつけたみたいな戦術だった。散発的に行われ、連携も気持ちもあまりなかった。アレクシス・サンチェスがDFにチャージして手をあげて鼓舞してもチームメイトたちが動かず、シンプルなスクエアパスでつながれるシーンを何度見ただろう。

もし集団でのプレスがエメリによって課されても、それすなわちエジルにとっての大問題になるようなこともないかもしれない。それにポゼッションにおいて彼を起用しないスターティングイレヴンなんてほとんどありえない。しかし、ボールがなければまったく同じシチュエーションではない。

エジルは彼が得るだろう信頼よりももっともっとハードに走るだろう、しかし彼はロベルト・フィルミーノには程遠い。そしてアーセナルのファンたちはすぐにエジルの代役選びを始めるだろう。

もしエメリが彼のアプローチにとってエジルが邪魔者だと決めたら、いっそそれなりの移籍金を回収するという考えがあたまによぎるかもしれない。補強予算は50Mポンドに制限されていると伝えられているし。

エジルを売るということは、それは彼の任期の序盤における大きな決断になるが、もしエメリが「自分の傑作をつくる」必要を感じるようなら、彼はすでにどんな犠牲を払ってもそれを行うとすでに述べている。

以上。

エジルというトレードオフ

エメリはアーセナルで従来どおりのポゼッションフットボールを目指すと同時に、ボールを失ったら「激しいプレッシング」をやるといっている。

先日のCLファイナル。あのレアル・マドリッドがリヴァプールのプレッシングにタジタジで、最後には負けてしまったが多くの時間で明らかにリヴァプールが優勢だった。あれをアーセナルでもやるとエメリはいっている。大雑把にいえば。

アーセナルの選手たちにはこれまで以上のハードワークと大きな意識改革が要求されるはずである。

そんななかで、明らかにチームの中心人物であるエジルはたくさんチャンスをつくってくれるのでもちろん使いたいが、みんなでやらないと意味がないプレッシングに消極的だ。

あちらを立てればこちらが立たず。話しを単純化すればつまりそういうことだろう。

ヴェンゲルはそれでもエジルを使うことにこだわったのは、勝利至上主義よりも「フットボールの美」という理想主義に囚われていたからにほかならない。そして負け続けたのである。

エジルを外すときはやって来るのか

エジルはワールズベストクラスのチャンスクリエイターだが、自ら激しくプレッシングを行うような選手ではない。本人のやる気というよりはこれはもうセンスというべきかもしれない。

29才のほとんど世界の頂点にいるような完成されたフットボーラーにプレイスタイルを変えさせる。そんなことが本当にできるのだろうか?

それはエメリが称賛するグアルディオラですらできなかった。だからスター選手たちは排除された。

ぼくはエジルがいまのチームからあっさり排除されるなんてことはさすがに信じられない。どちらかといえば、新監督がエジルを王様扱いして彼を中心にしたチームをつくるというほうがまだ信じられるように思う。

しかし、シーズンが始まり、エメリのやりたいプレイが明確で、結果が出て、ファンの心をつかみ、エジルがそれに明らかに対応できないような状況があれば、エジルへの風当たりは一気に強くなってしまう可能性はないとはいえないと思う。

そしてエメリがある程度の結果を残し権力や発言力が強まったそのとき、エジルがどのような選手になっているか。そのようなときには、場合によっては、エジルの排除ということが非現実的ともいえなくなっているに違いない。アーセン・ヴェンゲルにできなかったこと。それをエメリはできるのかどうか。

エジルを外すことは、いわば日本代表からホンダやカガワをはずすようなことである。

ちなみにぼくは、エジルを相手に合わせて使ったり使わなかったりすればいいだけだと思うんだけど、こういうビッグプレイヤーをそんなふうに起用することも難しいのかもね。政治的に。

めんどくさい選手だなあ(笑い)。



2 Comments on “エジルはエメリの求めるプレッシング・フットボールに対応できるか

  1. 更新お疲れ様です。
    エジルは走行距離的には運動量が極端に少ないわけではないので、ある程度はプレッシングも対応できるのではと期待してます。(あくまである程度は)
    今シーズンまではチームとしてプレッシングが整備されていなかったので、無駄走りなんかやってらんねーよ的な感じだったに違いないと…。
    やれば出来る子だと期待して開幕を待ちます。

    1. どもども。

      エジルのプレッシングはたしかにがんばってるのは認めるけど……そんだけかい! みたいになりそうで。

      まあでも彼がそんなふうに少しでも変わろうという姿を見せたら応援しないグーナーはいないですよねー。

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