hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Transfer

【移籍市場】序盤の動きから占うアーセナルの移籍プラン【2018夏】

さて。6月もなかばとまだまだ序盤戦といったところながら、ここ数年はなかった移籍市場での積極性が見えてきたアーセナル。

市場がオープンしてからは補強予算が制限されているだとか、実際に獲得するのはベテラン選手ばかりだとか、一時はどうなることかと思われたが、だんだんと若い選手が具体的なターゲットになっていることが明らかになり、みんな興奮していることだろう。ぼくもです。これぞ移籍市場の醍醐味。

だいたいCBとRB、DMだけじゃなくウインガーまで取ろうというのだから、やっとファンの積年の願いがかなうようなもので、これはもうたまらんわけである。さすがおれたちのIRS&ウナイ。

それにしてもこんなに「的確な補強」をしているように見えるシーズンはいったい何年ぶりなんだ? アーセン・ヴェンゲルという人はいったい今まで何をやってきたのか。。

まだ中途半端なタイミングながら、今回はここまでの獲得と獲得の噂と補強予算を材料にして、AFCの今後の移籍マーケットでの動きを予想していきたいと思う。お付き合いあれ。



噂の補強予算はやはり「償却」だったのか?

まず、50Mポンドといわれている夏の補強予算のことはこのブログでもすでにお伝えしたとおり。その後、それが70Mポンドに増額されたというような記事もちらほら見かけたが、移籍市場が始まってみれば想像以上にベテラン選手の名前ばかりが出てきて、てっきり限られた補強予算の話しが裏付けられたものと思っていた。

ところが、すでに獲得は決定しており残すは発表だけというソクラティス・パパスタソプーロス(16Mポンド)と、代理人が具体的な交渉の進捗をコメントしているシャラー・ソユンチュ(35Mポンド?)で、およそ当初の補強予算は使い切ったはずなのに、いまルーカス・トレイラ(27Mポンド?)の獲得がかなりの信憑性をもって伝えられている。これはどういうことだ。

さらにこの3人ですでに70Mポンドも超えているにも関わらず、スポルティングCPのウインガー、ゲルソン・マルティンスに数度のオファーを実際にしているというのだから、もう補強予算50Mとか70Mとかの件はガセだったとしかいいようがない。

もしそれがガセネタでなかったとすると、われわれが信じていた夏の補強予算は、やはり例の複数年でコストを「償却」するという意味での補強予算だったと理解せざるを得なくなる。ちなみに償却は英語で”amortization”というが、この件でアーセナル界隈ではamortizationがちょっとしたミーム化しつつありぼくもすっかり覚えてしまった。

償却の件は、以前にこのブログでも書いたのでおさらいでどうぞ。

アーセナルのがっかり補強予算50Mポンド。意外に複雑な話だったかも……

ここまでの獲得(&獲得候補)で使ったお金

そこで、伝えられていた補強予算が、仮に償却だったという前提で使った予算をカウントしてみようと思う。そうすることで、いくら使ったのか、今後いくら使えるのかがわかるはずである。

以下、雑な計算だが必要があれば各自で補正をしてみてほしい。

  • ※移籍金、契約年数は獲得が発表されたもの以外はすべて予想によるもの。
  • ※給与はすべて年俸3.8Mポンド(週給70k)でカウントした。平均したらそれくらいになるかなというだけでとくに根拠はない。
移籍金契約年数報酬(年俸)合計/年
リヒトシュタイナー(34)
RB
Free1年3.8M3.8M
ソクラティス(30)
CB
16M3年3.8M9.1M
ソユンチュ(21)
CB
35M4年3.8M12.5M
トレイラ(22)
CM
27M5年3.8M9.2M
マルティンス(23)
FW
30M4年3.8M11.3M

※ちなみにマルティンスの移籍金30Mポンド(30Mユーロですでにお断り)としたが、これはもちろんスポルティングのゴタゴタで彼が本当に今夏フリーエージェントになるなら移籍金は0になる。これはヤバい。じゅるり。
追記:ゲルソン・マルティンス含めたくだんの主力選手たち、スポルティングから契約解除が認められた模様。。

ここまでの合計45.9Mポンド/年。 50Mポンドにだいぶ近づいてきたのではないだろうか。

これだけでもうお腹いっぱいだって? とんでもない。われわれは今夏まともなゴールキーパーを取らねばならない(貪欲な姿勢)。

だから、70Mまで使うという計算で今後のターゲットを占ってみよう。

残りの予算で買える選手

夏の総予算70Mポンドからすでに使った45.9Mポンドを引く。残りが約24Mポンド。さあこれをどう使うか。

移籍金契約年数報酬(年俸)合計/年
レノ(25)
GK
22M4年3.8M9.3M
セリ(26)
CM
35M4年3.8M12.5M

これで21.8Mポンド/年。どうだ。

レノやセリは別の選手で置き換えてももちろん問題ない。これくらいの移籍金の選手なら、まだふたりを取れるリアリティが十分あるということを伝えたかった。

レノについては、いたるところでアーセナルの本命として報道されていながら、じつは一部でアーセナルにおすすめのGKではないという意見もある。それについては別エントリで書こうと思っているところ。ちなみにジャック・バトランドは30Mといわれている。

そしてジャン・ミシェル・セリであるが、今日たまたまSKY SPORTSで「アーセナルとチェルシー、シティがいまだにセリを追っている」という記事を見かけたので。まだ追ってるんかい。

Jean-Michael Seri still interesting Arsenal, Chelsea and Man City

サンレヒが昨シーズンにバルセロナでセリの獲得あと一歩というところまでいっていたということで、いまだに彼がセリにお熱であるとのこと。

ただ、このブログでも何度か言及しているようにアーセナルにとってセリが必要な状況というのは、ずばりアーロン・ラムジーがいなくなったときである。彼の契約については新しい情報は入っていないが、もしセリの話しが本格的になるようなら、その裏にはラムジーの退団がほのめかされていると考えてよいと思う。

ということで、24M(償却)で獲得できるのがこれくらいの選手と予算感であることがなんとなくやんわりふんわりとわかった。

もちろん、オスピナやジョエル・キャンベルといった夏の退団が予想される既存選手の売却益はここには含まれていないので、もう少しのマージンはあるはずである。

アーセナルと今リンクされている選手と移籍金

現在アーセナルとリンクされている選手の予想移籍金(一部はリリースクロース)をまとめてみよう。

  • エミル・フォルスベリ/RBライプツィヒ(Emil Forsberg)AM 50Mポンド
  • モーガン・サンソン/マルセイユ(Morgan Sanson)CM 16Mポンド
  • ロレンゾ・ペレグリーニ/ASローマ(Lorenzo Pellegrini)CM 26Mポンド
  • ジャン・フィリップ・グバミン/マインツ(Jean-Philippe Gbamin)DM/CB 26Mポンド
  • ルーカス・クロスターマン/RBライプツィヒ(Lukas Klostermann)RB/CB/LB 10Mポンド?
  • ジャスパー・シレッセン/バルセロナ(Jasper Cillessen)GK 52Mポンド

最近報道があっためぼしいところはこれくらいか。

しかし、既存の戦力を考えるとGK以外はほとんど余剰戦力になりかねない。

このあたりをAFCが本当にターゲットにするとしたら、いまいる主力が退団するときだろう。ラムジーやウィルシャーはいまだに契約更新についてニュースが聞こえてこないが、彼らが今夏に去るようなら、上記の選手の何人かは具体性を帯びてくるかもしれない。

まとめ

それにしても今年の移籍市場、ここまでいい意味で予想を裏切られることになるとはぼくも思わなかった。もう決まったと思っていてもまだ発表になっていないことも多く、どんでん返しを喰らう可能性はあるけれど、いまの状況を見れば少しくらい浮かれるのも許してほしいというものだ。

PSGのヤシン・アドゥリやバルサの16才ジョエル・ロペス(Joel Lopez)など、次世代のスター候補まで獲得間近だというのだから、ちょっと出来過ぎで怖いくらいだ。

アーセナルは来季は優勝する気がないから大した補強はしないとかいってたのはどいつだよ。ほんとにもう。

おれでした。OTL…

しかしこのまま行くと、リヴァプールをうらやましがってたことを懐かしく思い返すくらいの補強になるかもしれないねこりゃ。これが体制が変わるってことなんだなあ。

以上。みなさんも学校や職場でアーセナル友だちと楽しく語らうときのネタにしてみていただければ幸い。



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

4 Comments on “【移籍市場】序盤の動きから占うアーセナルの移籍プラン【2018夏】

  1. レノはスタッツを見てもセービングに不安を感じてしまいますね
    ブレーメンのイリ・パブレンカはブンデス方面なら噂になって欲しいくらいセービングが素晴らしい選手なのでアーセナルに狙って欲しいです
    チェコ出身なのでチェフの後押しがあれば……

    1. どもども。

      レノはエラーも結構やってるらしいっすね。困っちゃう。

  2. ソユンチュは正直そこまで本気か?って疑問あるんで(その年代のCBは数いるなか、まだ怪しい若手に高額をぶっこむのか?エメリが評価してからじゃないのか?と、、)
    ソユンチュ抜きに見てみると予算内、というかGKまで含んだ見事予算内な感じがして、コレじゃね?と思ってます

    ほんとワールドクラスはいないけど、堅実、そしてなんといっても正に的確。。時代がかわったというか。。
    右サイドのバックアッパー、今いないドリブルで違いを作れる選手、守備面で期待がもてる中盤の選手、そして1stチョイスになれるCB、、まさに今チームが必要としてる面子にドンピシャすぎて。。
    これにGKまで補強できたら、、今のスタッフを崇めそう。。

    そしてなにより今までの移籍市場ってベンゲルさんがほんとに主導してたんだなあ~って改めて思ってしまう。。ベンゲルの功罪の1つか。。。

    1. どもどもー。毎度です。

      ソユンチュはどうなんでしょうね。あとはサラリーを決めるだけみたいな報道があったのでもう決まりかと思ってましたけど。

      今朝アドゥリがやっぱりPSGに残るっていうツイートみて若干目が覚めました。完全に浮かれてましたね。

      公式に来るまで信じないっていう、2ちゃんコピペをひさびさに思い出しました。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *