hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Emery, Tactics

プロセスへの忍耐を求めるウナイ・エメリ。クラブは正しい判断をする必要がある

云ってることとやってることが違うなど、ウナイ・エメリはいったい何を考えているのかいまだにミステリアスな部分も少なくないが(笑い)、そんななかで、Sky Sportsが彼の独占インタヴューを行っていた。4試合連続でリードを追いつかれてドロウをやり、かなりプレッシャーが高まっていたレスター戦前というタイミング。

エメリはこのチームで何をやろうとしているのか。かつて主張していた「プロタゴニズム(*protagonism)」はどうなったのかなど、いまサポーターが抱いているモヤモヤを問うような内容になっている。

※エメリがアーセナルに来て当初よくコメントしていた”protagonist”については、このブログでは「主導権(を握る)」などと訳しているが、直訳すると「主人公/主役」。ボールを持たずに試合の主導権を握るという考え方もあるが、この場合はポゼッションで試合を主導することを指しているだろう。かつてはそれをやるとエメリは公言していた。アーセナルに来て以来のエメリ発言のなかではカギとなるワード。ここ試験に出るよ。

ざっくり紹介しよう。



Unai Emery exclusive interview: Arsenal boss defiant on vision despite mounting pressure

ちなみにこのインタヴューの映像を見たわけではないのでわからないが、話している内容(ことばの選び方)からすると、おそらくは彼の母国語で話している。なので、彼の試合前後のコメントなどで疑われる「英語で本来の意図が伝わっていない」ということはないということに留意したい。

※小見出しは訳者による。※質問は記事文中から編集作成。

ウナイ・エメリのインタヴュー by Sky Sports(※レスター前)

カウンターアタックについて。アイデンティティはあるのか

(以前は試合で主役になりたいと云っていました。あなたのヴィジョンに変化があったのでしょうか?)

エメリ:われわれは競争力を持つために、まだ構築している最中なんだ。ビルディングアップの観点からはとてもよくプレイできた試合もあるし、相手にプレッシングするということについても、とてもよくパフォーマンスした試合もあった。

今シーズンに見られたクリアな例をふたつ出すことができる。ビルドアッププレイについては、ワトフォードでのファーストハーフ。あれは今シーズンでベストなファーストハーフだったと思う。HTに入ったときには2得点していた。

そしてプレスのオーガナイズとカウンターアタックについては、状況や対戦するチームの理由もあるが、アイントラクト・フランクファート(3-0勝利)がある。完全な試合だった。

つまりこのふたつのパフォーマンスは、われわれがふたつのアイディアを使ったということ。

(それは云い換えれば試合によってチームに違うアプローチをさせたいということです。しかし明確なアイデンティティがないという批判にはどう答えますか?)

それについては取り組んでいるところ。いまプロセスのなかにいる。去年チームは違うシステムでもプレイできることを示したシーズンだった。おおむね良いレヴェルでパフォーマンスしていた。今年問題なのは、何人かの適応が必要な新しい選手がいたり、難しい状況もあったからだ。

しかしわれわれはハードにワークしている。まずは感情を安定させること。つぎにチームとしてボールを持ちいいフットボールをプレイすること。プレッシャーについてはよりアグレッシヴに行けること。それはいまでもわたしがこのチームにもたらしたいアイディアだ。

(※以下記事中のグラフ。ファストブレイク、ダイレクトアタックの説明がないが、アーセナルがよりカウンターアタックのチームになっていることを示すデータ)

アーセナルのカウンターアタック偏重・ファストブレイクス
アーセナルのカウンターアタック偏重・ダイレクトアタックス
アーセナルのカウンターアタック偏重・ビルドアップアタックス

試合のコントロールとクリエイティヴィティ

(現時点では試合コントロールに苦労しています。ウォルヴズとの試合はとくにフラストレイションのたまるものでした)

ウォルヴズ戦ではチームは、わたしの思い描いたアイディアでプレイしなかった。チームは試合に勝つためにアイディアをインポーズしていくことができなかった。それもまた必要な別のステップになる。しかしチームはわたしがあの試合でほしかった答えをもたらしてくれなかった。

われわれはボールをキープすることやそれをコントロールすることについてはもっと改善しなきゃならないと思う。われわれが彼らを相手にとてもうまくやったことがひとつあって、それはカウンターアタックを許さなかったということ。それはとても重要なことで、なぜなら彼らはカウンターアタックにおいてはベストチームだから。しかしボールを持ったとき、試合を勝つためのチャンスをつくることができなかった。

(現在、相手により多くのシュートを許すなどチャンスをつくれていません。エジルが復帰したのはこのクリエイティヴィティ欠如が理由?)

チームには試合ごとに使えるいろいろな選手がいる。メスト・エジルはチームにとってとてもいいキャラクターの持ち主だ。彼が使えるなら、彼が安定していて、日に日にポジティヴになっていくなら、試合にとり重要な選手だ。チームは彼のような選手を必要としている。

しかしわれわれにはまた違う選手もいる。セバーヨス、彼は適応の最中だが。それにマテオ、彼はとても成長している。ルーカス・トレイラも。そして、また経験ある選手もいる。ラカゼットにオーバ。マルティネリのような成長が必要な選手もいる。

思うに、いま必要なのはすべての選手が前進する手助けをすることだ。ウォルヴズのような試合に勝つことができるよう、彼らが自信を得られるよう助けることだ。

過渡期と忍耐

(夏の補強で期待は高まっていました)

われわれはプロセスのなかにおり、どんなプロセスでも我慢は必要だ。何人かの選手は適応する時間が必要だし、チームが安定できないようなことも起きた。しかし、わたしはチームがインプルーヴできると自信を持っているし、勝つための道を見つけられる。それがもっとも重要なことだが、同時にいいプレイをすることも重要だ。

今年のアーセナルではたくさんの変化があった。必要な変化だ。しかし望むような結果が得られるようスクワッドをブレンドしているのだから、忍耐強くいなければならない。たくさんの試合をプレイするので、どの試合からも情報が得られる。将来彼らがチームを助けてくれるよう、いろいろな状況でいろいろな選手をどうやって使えるか、わたしは知っておく必要がある。彼らが将来チームを助けてくれるかどうかは、彼らの反応次第でもある。

度重なるシステムの変更による選手の混乱

(最近またバック3に戻るなど、たびたびのシステムの変更について選手が混乱するリスクがあるのでは?)

ハイレヴェルでの経験がある選手たちもいるし、彼ら自身がこれまでに違うポジションでのプレイにも適応できると示している。たとえば、メスト・エジルはインサイドでプレイするのが最良だが、フランクに置いてもうまくプレイした。

トレイラはプレッシングゲイムもできるし、ビルドアッププレイもできる。しかし、攻撃のセカンドラインとしてボックスに入っていくこともとてもいい。

グレイトな攻撃クオリティをもったフルバックもいる。ベレリン、エインズリー、コラシナツにキーラン・ティエニー。3人のCBで後ろをカヴァーすれば、前に行ってたくさんのことをもたらしてくれる。

わたしがシステムを変更するとき、相手がどうこうというよりも、いつも自分たちの選手のことが念頭にある。選手たちがわたしの望むアイディアに適応できるかどうか。彼らをベストなやり方で使って、相手よりもよくなること。

7 Comments on “プロセスへの忍耐を求めるウナイ・エメリ。クラブは正しい判断をする必要がある

  1. おっしゃる通り、微妙な結果が続いてたとしてもどうしたいのかが見えればファンもある程度は納得できるとは思うんですけどね。
    どんな相手だろうがシュートを数多く浴びせられてこちらの枠内シュートが1,2本というこの状況が、将来強いチームにするためにどうトライしてる結果なのかちゃんと聞いてみたいところです。現時点ではどこか一部を改善した途端チームが大幅に良化するようには思えない。
    他のチームに研究されないように全てを明らかにできないこともわかりますが、それを説明することも監督の責任だと思います。

  2. やはりオーナーから変わらないと再建は厳しいですかねぇ
    現場が良くないのは結果だけでもすぐ判断出来る状態なのですが

  3. 時間をただただ無駄にしてる感しかないですよね。
    「1年目に種を蒔き、2年目に水をやり、3年目に花を咲かせましょう」野球の野村監督の言葉ですがエメリは未だに種を蒔くとこまでいってない。仮に蒔いてたとしても色々な種類の種を蒔きすぎてカオス。花が咲いたとしても一貫性が無くてカオスな花畑。
    勘違いしてました。1年目は種を蒔く作業の割に良い結果出てるな、エメリやるじゃんと思ってたんで。実際はただのその場しのぎでしか無かった。
    1年目は残留争いしても良いから種を蒔くべきでしたね。人がいなくても失敗しまくってもひたすら後ろからのビルドアップをやり続ける。守備ではひたすらハイプレス。
    解任しないのは時間の無駄ですよね。もしこのタイミングで解任したとしてもプレミアで優勝争いするには最速でも4年は必要でしょう。その間もライバルは成長するんで現実ではもっとかかる。道は違うのはマンUと同じ目的地に向かってる気がしてならないです。
    後任候補も報道ではモウリーニョやエンリケで絶望。アッレグリ来てくれないですかねー。

  4. まあこのタイミングでサンレヒがスタッフを集めて「エメリを信頼しない」って発言したらそっちのほうがビックリするけども。w

    エメリの「プロセスの途中」は答えになってないと思う。
    エメリはわざわざ2年目の9月から、突然今までと違うタスクを選手に課し始めてる。
    選手の特性を無視した起用も多く、結果が悪い。それがエメリのせいでないなら、いったい誰のせいだ?

    エメリがここまで開き直るということは、考えられる可能性は、
    ①エメリが状況を理解できてない。
    ②エメリは状況を理解してるが、解任されない確信がある。のどっちかだと思う。
    個人的には②が一番怖い。もし9月の段階で来季の契約を確定してたら、、、あと1年はエメリだ。

  5. 結果も内容も伴ってないからエメリを解任するというのはわかるけど、そのあとのプランが不確かなのであれば、われわれが辿るのはレスターではなく、ユナイテッドだと思います。

    エメリを解任するにしても、その後のチームの明確なビジョンがないと、低迷期に突入するだけだと思う。今後のビジョン込みでエメリ解任と後任候補を論じてる記事を見たことがない。

  6. どうしてもあの無関心なスタンがオーナーのままだと、そりゃ組織としての意思決定のスピードは遅いですよね。
    その辺の意思決定の権限を、どこまでオーナーが握ってて、どこまでフロントが舵取りできるものなのか不明ですが。
    憶測ですが、今季いっぱいはいくらリーグがボロボロでも、ELの可能性が残る限りEL優勝狙いでEL Meisterであるエメリに任せ、来季新たに新体制で臨むことを目論んでる可能性もありそう。

  7. アーセナルが今PLで1位とってたとしても、エメリのやりたい433のダイレクトなサッカーが好きではないのでエメリに辞任して欲しくないというわけではないのですが
    そもそも昨シーズンは433のための選手が居なかったので、今シーズンが2年目とはいえ実質1年目のようなものではないでしょうか?
    今シーズン選手がそろったかというとそういうわけでもなく、ぺぺやサカ、セバージョスなど攻撃の要となるスタメンの選手がPL1年目適応が必要な選手たちばかりで、その選手たちが調子が悪くても代わりの選手も放出して居ないのでは監督としては厳しい。しかも戦術を変えたくても
    エジルを使うのにクラブから許可が下りなかったわけで
    今のとこ苦しんでるエメリには昨シーズンの面目躍如でなんとかELを勝ち取って欲しい。

Leave a Reply

Your email address will not be published.