試合の論点
アーセナル v フランクファートのトーキングポインツ。
「Uシェイプ」ビルドアップとロングボール。リスク回避&カウンター
エメリは試合後にファーストハーフがいかによかったかと強調していたけれど、そこまでよかったろうか。もちろん現在の落ちているフォームのなかではいいほうだったとは思う。でもぼくの感想では、U字問題は相変わらずだった。
U字問題については、これまでと同じ指摘になるので繰り返さないが、この件については(それ以外が)できないというよりは、やはりエメリはそういうプレイをむしろわざとやっていると強く感じた。完成度はともかく。
このビルドアップの理想は後半開始直後に見ることができたと思う。右サイドのパス交換で後ろから前までボールを運び、最後ウィロックのフィニッシュ(47分)までまったく中央を経由せず右サイドだけでとてもきれいに素早く組み立てた。
危険な場所(中央)でボールを奪われるリスクをかけず、手数をかけず速やかにボールを前に運びフィニッシュまで行く。それがエメリの理想なのだろう。
ヴェンゲルさんの中期に大変に好まれたようなポゼッションベイスの「遅攻」は、あらゆる意味でリスクが高いと考えている。だからピッチを左右中央で広く使いショートパスを重ねて前進するようなプレイスタイルを好まず、使うのはもっぱらサイドで、MFを省略してアタッカーまでロングボールを送り込むことにも躊躇がない。
これは相手にとってもとてもイヤなプレイスタイルだ。とくにボールを持ちたい相手には。前には足の速いアタッカーが複数いて終始スペイスでうろついている。後ろにはロングボールの精度が高いキッカーもいる(今回はジャカとルイスというふたりのスペシャリスト)。この試合もロングボールはたしかに効いていた。
ウナイ・エメリは中途半端にヴェンゲルの遺産を継ぐなどとおべんちゃらを云わず、最初からこのスーパープラグマティックな方向でチームプレイの完成度を高めていけば、いまよりはずっとマシな結果だったかもしれない。
ただしアーセナルのファンがそれを支持したかどうかはかなり疑わしいが。
シメオネくらい結果を出してくれて、そのうえでプレイスタイルの議論をしていたらなんて考えると、いまがどれだけ自分たちが低レヴェルな次元でスタックしているか思い知る。
ジャカの復帰と忠誠の終わり
ジャカは久しぶり(6試合ぶり)のプレイということだったが、違和感なくチームプレイのなかに溶け込んでいたと思う。混んでいるエリアで彼を経由したビルドアップがまともにできないのもこれまで通りで。
パスはいつも気が利いているし、なんだかんだで彼はチームにはいてほしい選手だとは思う。「やらかしさえなければ」という前提がつくので、結局ジャカアウトを叫ばざるを得ないのだけども。
そんな彼だったが、例の事件で多少のブーイングは覚悟したと思うが、少ない観客に助けられた。
これでホームでの禊?は一応済んだとは思うものの、不本意にキャプテンを奪われたということで本人とチームとの関係は変わってしまったようだ。
気づいたひとも多いかもしれない。彼は試合後にピッチでフランクファートの選手たちとにこやかに談笑するシーンがカメラに抜かれていた。まるで部外者であるかのように。
チームの状況とこの試合結果を思えば、ガナーズの選手なら涙を流して悔しがってもおかしくはないときだった。
キャプテンでなくなり無責任になったということ、チームとクラブへの忠誠心もなくなったんだなあと思わされた。
一番信頼してくれたボスはもう秒読み。彼はすでに1月の退団を決めていると思う。
サポーターの意思表示。エミレーツステイディアムの記録的観客数
エミレーツステイディアムが立ってから、最小の観客数を疑われているようで。※正式発表なし
ベンジのツイートによれば、49,419のチケットが売れたということながら、とてもそのような人数が入っているとは見えず。エミレーツのキャパが6万くらいだから半分入っても3万。もちろんカメラに映らない部分もたくさんあったろうが、半分も入っているようにはとても見えなかった。
これまでの最小観客記録はBATEボリソフの25,909人だそうで。
Looking like Arsenal are on course for a new record low attendance at the Emirates. That’s 25,909 vs BATE Borisov. Was never announced as that though… pic.twitter.com/SdSIgP0l1T
— James Benge (@jamesbenge) November 28, 2019
26 mins to go, I have a whole row to myself pic.twitter.com/5BKXCtfu1n
— Darren (@DarrenArsenal1) November 28, 2019
Scenes. Never ever seen this pic.twitter.com/xtQkMhI0fF
— Renato (@rehnato) November 28, 2019
90分に渡ってホームサポーターのチャントはほぼ皆無。アウェイチームが逆転してからはもうずっとアレーアレーと、いるはずのないアウェイサポーターたちのチャントがこだましていた。
これはファンからクラブへの強烈な意思表示だろう。もう観たくないんだという。この試合を観に来なかったということは、この試合結果を見る前からそうだったのだ。この試合後にファンベイスかどうなっているか。クラブは推して知るべし。
ぼくは久々にAFTVを少し観てしまったが、TroopzもClaudeもふだんよりももっと神妙な口ぶりだった。
いいところ探し
ウィロック。よかったよジョー。マルティネリもサカもとてもとてもよかった。未来はとても明るい!!!
試合については以上。
ついについにホームで負けた。
これは決定的でしょう。
もしフロントがお金ないから今シーズンはエメリで行くとか言い出したらそれはそれですごいですけどね。
問題は後任人事か…
ジャカはつくづく残念です。彼もお別れですね。
更新お疲れ様です。観るもんかと思ってましたけど観てしまいました。悲しい性です。
エメリに関しては書きませんがゲンドゥージなどがバックラインまで下がってボールを受けるやつ(なんて言うプレーなのかはわかりません)あれ要りますかね?CBが相手のFWに対して数的不利でもないのに下がるし、3mくらいの距離でも必ずそこに出すのでそのような指示があるのでしょうか?
もちろん下がることで中盤にスペースはできるしそこを使えれば良いのですがCBも出さない(だせない?)のでエジルとかも受けようと下がって中盤すっからかん→U字になってる気がします。
週末もどうせ観るでしょう。ポジティブな要素があることを期待します。
公式発表きましたね。
AW時代はちょっと雲行き怪しくなったらすぐ監督コロコロ変えちゃって・・・って他チームを見てたもんですが。
PLはCL圏も含め絶望的ですし、ELも正直ここから新監督がリカバリーして優勝するのは相当な奇跡(最もELに強い監督を切ったわけですし 笑)だと思うんで、降格しない程度にアーセナルっぽさを復活させて若手を積極起用して未来に繋がるシーズンにしてもらえれば私はそれでいいと思います。
後半47分のプレーを見直したんだけど、あのプレーの成功のカギはマルティネリが引いてきてフリックしたとこだと思う。
あれができる選手をウイングに入れておくのは、リュングベリのチームになっても効果的だと思う。
逆に左のサカは個人技は良かったけど、引いてきてKTと絡む場面が少なすぎた。
今後のチーム作りでは、最優先でKTを生かせるウイング(もしくはSH)を探すべきだと思う。
セバージョスがいないのでアレだけど、今ならウィロックか、極論マルティネリもありかも。
KTのクロスはたぶん、歴代でもトップクラスだ。生かさない手はないと思う。
ムスタフィが怪我して交代が必要だったのでトレイラ入れたわけですけど、攻撃的な選手を入れてしまうとインサイドハーフが一人になってしまうのでしょうがなかったと思います。うまく改革することが出来ませんでしたが、エメリにはお疲れ様でした次のクラブでの幸運を祈りますといいたいですね
そう、47分の右からのアタックが、エメリがやりたいことだと思いましたね。でも、あそこまで前に運ぶのが10%以下、という感じだし、そこから中央へ質が高いクロスが上がって・・・というのもほとんど見ませんでした。KTは皆さんもみたかと思いますが、何度か前に運ぶべきところをCBに戻していて、ソクラティスに怒鳴られていました・・・人がいい彼はエメリの指示(XXXの時はかならず後ろへ戻す、みたいな)を忠実に守りすぎて、デビューしたてのはつらつとしたプレーが影をひそめているのが気になります。わたしは前ネルソンで相手をチンチンにさせていたので、左はネルソンも是非使ってほしい。その点、リュングベリで今シーズンまで、若手を育てつつ柔軟な、魅力的なフットボールを取り戻してほしい、日曜は正座して応援します。COYG
僕はどっちかと言うとサカがエメリの指示に忠実すぎたように見えました。
中盤の底から長いパスを出してサカにひたすら裏を狙わせる、リスクの低いゲームプランだったと思います。
あれだけ前に張ってしまうとSBが絡むのは難しく、実際KTも「引いてきてくれ」っていうジェスチャーをしてましたよね。
KTはリスクに見合わないと判断すると躊躇なく戻すので、言えば少し強引さに欠けるのかも。
でも僕はあの若さで自分の判断力を持ってるあたりがKTの面白さだと思ってます。ヤツは使えますよ。
蛇足ですが、後半47分のプレーはエメリのサッカーの中では比較的リスキーなほうで、安全策をとる時は必ずと言っていいほどウイングに長いボールを放り込んでたと思います。
この試合ではルイスとジャカのお陰で長いボールが機能してましたが、あれだとSBが攻撃に絡めないんですよね。