アーセナルについて
(アーセナルでは何が失敗だったので?)
わたしにはクリアな自己評価があったし、いいこともやっていた。
最初の年はよかったと思う。ELとPLふたつのコンペティションでうまくやっていた。プロセスはよかった。ポゼッションでプレイするときはそうしたし、プレスしなければならないときはそうした。われわれは競争力があり、要求される試合をプレイした。ポゼッションゲイムでは、素早く3タッチでプレイしたり。
2年めの今年、われわれはうまくプレイしなかったし、うまく守れなくなった。競争力もなかった。選手たちにわたし自身をトランスミットしなかった。
いくつかの問題はあったんだ。4人のキャプテン。エジル・コラシナツの事件。ペペのサイン。フランスから来たのだから時間は必要だった…… そんなこともありうまくプレイしなかった。それはたしかだよ。それで結果が出ず、進歩も見られず、ファンは批判の矛先をわたしに向け、わたしを追い出したんだ(they threw me out)。
わたしはポジティヴなことに集中しようとした。たくさんあったから。そして葬式になり喪に服したと。
解任されたあともひとつきはアーセナルのことを考えたよ。当然だろう。そして結局わたしはその戦いを乗り越えた。わたしはもう彼らについて考えないことにし、それを乗り越えたんだ。いまはもう自分で食事をしているよ。
(アルテタがアーセナルを引き継ぎました。どう見ていますか?)
ミケルはフットボーラーとしてたくさんの経験があり、ペップというトップコーチのそばで仕事もしてきた。アーセナルのコーチとして完全にふさわしいものを持っている。
彼はわれわれのときのように4-2-3-1でプレイをしている。エジルはまだ「10」だし、ゆっくりとだが彼のアイデンティティを探し始めている。
わたしが去ってからは、とげとげしい雰囲気がリラックスした。ここまでの結果は最高ではないが、時間を与えなければならない。
(あなたは何人もの若い選手を起用しました。サカ、ウィロック、マルティネリ…… 誰も止めなかった)
問題は(スクワッドが)若くなったことじゃない。それはわたしのキャリアでもずっとやってきたことでもある。彼らが諦めずチームに定着できるよう自信を得させること。何人かはこの短期でそれをやってみせた。マルティネリとかね。
(若い選手といえば、セバーヨスには何が起きたので?)
彼は才能とメンタリティにあふれる少年だよ。伸びしろもある。
ベティスではすでに違いをつくっていた。その後マドリッドに行き、さほど証明はできなかった。そしてアーセナルでチームのクオリティを上げた。しかし、ポルトガルでケガをしてしまい2ヶ月の離脱。
その後、彼はフィジカリーにはPLに適応しなければならなかった。彼のようなプレイなら、イングランドではコンタクトの困難さに取り組まねばならない。
イングランドでの経験はスペインに戻ったとしてもとてもいいものになるだろう。
(エジルはあなたがトレインしたなかで最高のタレントでしたか?)
彼はとてもいい選手だったよ。それは間違いない。しかしPLでは求められるフィジカルコンディションは高い。それでパフォーマンスが安定しなくなってしまう。いまのトップたちのあいだでは、フィジカルは下回るだろう。
ときに、彼がいるとアーセナルはよくなるのはたしかだ。そして、別の部分ではそうたくさんの違いにならない。
バルサ、レアル・マドリッド、リヴァプール……
(先ほどSetiénについて話しましたが、いいプレイをするというどういうことなのでしょう?)
わたしにとり、美しくプレイするというのは、スタンド(の観客)にエナジー、インテンシティを伝達することであり、ポゼッションすることであり、それでいて相手のラインをブレイクしてボールを進めること。デュエルに勝つこともいいプレイをすることだね。セカンドアクションのためにいいポジションを取ることも…… とても広範囲のコンセプトだ。
もちろんもしひとつのことを追求すると決めるのなら、それによく合った選手を選ばねばならない。しかし、たとえば空中戦のような、ほかのことを捨て去るリスクもある。わたしはそれがどれだけあるかを気にするし、それは勝利だけではないということ。
(Setiénはバルサで成功すると思いますか?)
彼はグレイトな戦術家で、結果はすぐに出るだろう。彼はLugoで、Las Palmasで、Betisで成功してきた。キャパシティがあり、実行することができる。
また一方では、いいプレイをするにふさわしいということ。わたしにとってそれはとても広いコンセプトだ。
われわれにはファンが楽しむことへの責任がある。たとえば、彼がVallecasへ行ったとき、わたしはPaco Jémezの試合を楽しんだ。伝わったし、学んだ。あるいは、セグンダB(※西3部リーグ)で、ヴィヤレアルBのコーチであるMiguel Álvarezがいて彼はプリメーラに上がったことはない。わたしは彼がたいそう気に入っているけど……
(ジャビ・アロンソはいい戦術家になれると思いますか?)
Real Unión(※現在セグンダB)はわたしのマイチームだから、下部リーグの些細な試合もたくさん観ているよ。だからレアルBもずっと観ている。ポジショナルでコンビネイショナルな試合をやるチーム。わたしは好きだし、観ていて飽きないナイスなスタイルがある。
(もういまさらながら、カヴァーニはアトレチコで成功できると思いますか?)
エディはアトレチコにフィットするよ。そこにはコネクションもある。彼は自分を大切にするボーイで、とても競争力がある。彼のプライドとコミットメントは、彼をメンタリーにとても強化している。アトレチコをレペゼンしている価値、それをもたらしているもの。それにフィットする。ふたりのウルグアイ人で競争力も2倍だ。
(ユルゲン・クロップの魅力はどこだと?)
彼らのチームはとてもわかりやすいね。たくさんの上下運動があり、止まることを知らない…… 成長することを止めないんだ。
彼らはファン・ダイクで成功した。彼は前でも後ろでもスペイスを支配し、デュエルに勝つ。とても強いしテクニカル。そして彼らにはグレイトなGKであるアリソンがいる。そしてファビーニョにサラー、マネ…… いいサインをしたよ。
あのチームはピュア・クロップだ。たくさんのインテンシティだが、選手にはクオリティがある。身体に合わせて仕立てたみたいにぴったりだ。
(クロップとのエピソード?)
何度も彼とはすれ違っているが、彼はいつも微笑んでいるね。長身でビッグマウスで…… フットボール選手みたいだ。そしてプレスカンファレンスでも笑顔。リヴァプールは爆弾だよ。
(ジダンの選手ラインナップに何か意見はありますか?)
3年前に彼のアシスタントと一緒にいたことがある。彼はこんなことを云っていた。
「ウーナイ、ジズーはとてもインテリジェントで自分の限界だってわかってる」
そして、いま見れば、いまや彼は以前と同じコーチではない。
わたしが云いたいのは、欠陥すら磨くことができるということについてわたしが確信しているということなんだ。
マドリッドでしばしば起きることについて、彼がやってきたことがある。たとえば、モチヴェイションが低いなかで競争力を持つこと。これは大きなチームでは起こることだ。わたしもそうだった。成功するコーチというのは、こういう選手たちのモチヴェイションが低いときにいかにやる気にさせるか。労働組合員相手みたいなものだ。ジダンがもう内部でフィットしていないというのなら、そのほうが驚きだ。
自身の将来について
(さいごに将来のことについて。7月にはどうなっているでしょう?)
この前わたしはルイス・エンリケに会ったのだが、彼はこんなことを云っていた。「ウナイ、キミはどこへ行くつもりなんだい?」
わたしはこう云った。「そうだな。まあルイス、われわれは求められるところならどこでも行くだろ」
フットボールは予想できない。今日チームに愛されていると思ったら、3ヶ月後には…… もう愛していないという。
もちろんクロップやペップはいつだって道具を選べる。しかし、あとの連中はわからない。
フランス行きについてはわたしはフレンチを習っていたから、戻ることはできる。イングランドもそう。スペインも。ジャーマニーだけは仕事は難しい。
イタリーについては、去年わたしに興味を持ったチームがあった…… 教えないよ。
でもこのブレイクはわたしにとってはいいものだ。
ウーナイのインタヴューについては以上。いかがでしたか?
一般人からすると、正直スポーツを職業とする、というのはどんなことなのかいまいち想像がつきません。その監督、というのもまた想像つきません。
ただ、アーセナルという全世界的に名の知れ渡っているクラブの監督のプレッシャーは計り知れないものだろう、という事は分かります。どのくらいかは想像できませんが。
エメリはアーセナルでは上手くいきませんでしたが、アーセナルを指揮してくれたこと、本当にお疲れさまでしたと思っています。次はどのクラブに行くかは分かりませんが、心から成功してほしいです。
ヴェンゲルの退任後の例え、とても分かりやすかったです。
インタビューを見ても知的な監督ではあると思うけども
結局、戦術なんて選手が踊るか踊らないかだと思うんだよなあ
ボロボロだったレアルがジダンで立ち直る度により思う