試合の論点
アーセナル vs WHUのトーキングポインツ。
見慣れたパフォーマンスとラッキーな結果
シーズン中でももっとも結果が重要な局面で勝ったことは素晴らしかったが、まだ残り10試合もあることを考えれば、このパフォーマンスには不安にならざるを得なかった。ホームでしかも降格圏に片足を突っ込んでいるチームが相手ということで、残り試合のなかでも、この試合は間違いなく数少ないもっともイージーな試合のひとつだったのだから。
それにしても、どうもこのチームはなかなか教訓を活かせていないように思える。ホームでオリンピアコスに敗けるという煮え湯を飲まされたのはついこの間だというのに。喉元を過ぎてしまったからなのか、このレヴェルのフットボールでは少しでもリラックス(油断)すれば、それが手痛いしっぺ返しになりかねないという教訓をすっかり忘れてしまっているみたいだ。
ニューカッスルに大勝して以降、ホームの3試合(エヴァートン、オリンピアコス、ウェスト・ハム)はどれも似たような試合の展開で(ちなみにNUFCでもそう)、序盤のスロウスタートかつ自らのミスで自分の首を締めるという見慣れた展開に。前半が終わった時点では、とくにエナジーとテンポを欠いていると多くのファンが嘆いていた。
技術的な問題はともかく、エナジーやインテンシティといったものは、メンタリティに関わることだろう。このチームは最初からギアを上げていくという、試合へのアプローチに問題を抱え続けているように思える。
もっとも、アルテタが来てからの数試合でこのチームは90分フィットネスが保てず、いい時間と悪い時間がはっきりしていたので、いまのチームのフィットネスレヴェルを踏まえて配分を考えている可能性もあるのかもしれない。が、いずれにせよスロウスタートのおかげで自ら不利に陥っている感は否めない。
数はカウントしていないが、前半セバーヨスとジャカのふたりの不安定なパスはとくに痛かった。
いくらボールを回し続けても、どこかでチャレンジングなパスを通さなければチャンスをつくることはできないが、そのチャレンジを担うふたりのパッサーのパスがこの試合ではことごとく引っかかってしまう。
とくにセバーヨスはこの試合でのパフォーマンスは試合後かなり称賛されているが、前半はボールを奪っても、またボールを相手に簡単に渡してしまうという感じで、見ていてフラストレイションが溜まった。
ぼくは個人的には、この試合が始まったとき、それ以前の試合よりもバックでのボール回しはいくらかスピードアップされているように見えたので(タッチが少なくパススピードもいくぶん速かったような)、そこについては改善の意識が共有されているように感じたものだが、やはりどこか全体がリラックスしているというのか、集中力を欠いているように思えた。
ジャカもセバーヨスもいいときなら、ああいったミスパスはやらないので、やはり気持ちの問題ではなかったろうか。
結局この試合もラカゼットのゴールとレノの決定的なセイヴに助けられなんとか3ポインツを得たかたちだが、どうも幸運にだいぶ助けられている傾向はますます強まっているように感じる。ラカゼットの得点も、オバメヤンの無理めのシュートが相手に当たって、エジルにこぼれるというラッキーが導いたものだった。
今シーズンのアルテタとエメリの失点の比較では、興味深いデータがある。
Arsenal’s opponents have created 21 big chances in 10 matches against Arteta’s Arsenal; they have scored 4, Leno has saved 7, and they have missed 10.
In the first 19 matches of the season, Arsenal conceded 28 big chances, they scored 15, Leno saved 6 and the opponents missed 7
— 7amkickoff (@7amkickoff) March 8, 2020
アルテタの試合10 被ビッグチャンス21(失点4 レノのセイヴ7 相手のミス10)
エメリ(FL)の試合19 被ビッグチャンス28(失点15 レノのセイヴ6 相手のミス7)
両者の比較では被BCが3/4なのに対し、エメリとFLのチームに比べてアルテタのチームは失点が1/3以下という極端な少なさ。
これは、アルテタのチームがエメリとFLのチームより、かなり「ラッキー」であることを示している。※BCの定義についてはOptaサイトをご参照。7am氏が独自の定義をしていたような気もするが不確かでごめん。
フットボールに限らず、幸運がいつまでもつづかないのはこの世の理だが(エメリのチームも順位と実際のパフォーマンスに乖離があったが結局最後はミッドテイボーという落ち着くべきところに落ち着いた)、ということは、いまはライヴァルよりも少しいい結果が出ているが、そのうちそれも出なくなってしまうかもしれない。ドロウを勝ちに変えるどころか、ドロウが敗けに変わりかねない。幸運に頼りすぎているいまのままでは。
アルテタは、たとえばオバメヤンやマルティネリをCFで起用するような、チームの構造を大きく変えようとはしていない。であるならば、このチームの調子を上向かせるにはやはりメンタリーに影響する何か重大なきっかけがほしいところだ。いまのような気持ちの入っていないパフォーマンスならなおさらだ。
あるいは、最近のスロウスタート傾向の試合はそのほとんどが格下?相手だったので、格上相手であればまた変わるかもしれない。最近の数試合は「守ってカウンター対ポゼッション」という構図はどれもだいたい同じだった。ボールを持っての攻めあぐねと相手のシンプルな攻撃にやられがちなのも同じ。
つぎのマンシティ(A)は、1月のチェルシー(A)以来、われらがトップチームと戦う久しぶりの試合になるが、彼ら相手にしかもアウェイで、自分たちの思い通りにポゼッションで押し込んだ試合をできるとは思えない。ここ最近の数試合とはまったく違った展開の試合になることは覚悟しなければならないだろう。
そして、それがいろんな意味でわれらのパフォーマンスを改善するきっかけになってほしいと期待したりする。逆にポゼッションで押し込まれるなら、アーセナルにはもちろんカウンターで活きる選手はいる。この逆境はチャンスになるかもしれない。
このシーズン終盤において、チームのメンタリティに大きな影響を与える試合になるといいのだけれど。
更新お疲れ様です。
ボールは持たされたから保持できていたものの、チャンスを作るのに苦労してました。
水曜日のビッグゲームでもスタイルは変えないでしょうから、このまま真っ向勝負になると思います。
この試合のように質が低ければまずボコられるでしょうね。
お金がないのに使い方も分からないフロントさん…
高級なMFと高級なDFを…
今シーズンは、とにかく今いる選手で一つでも上の順位を目指すしかありません、当たり前ですけど。
次のシーズンは、アルテタのチームにモデルチェンジする必要がありますね。順位によってかなりかわるでしょうが、選手もかなり入れ替わらせないといけないと思います。
アルテタがやりたいプレイを体現できる新しい選手を獲得してほしい。
マリとルイスの並列は確かにスピードの面でリスクはあるけども、ボール保持という意味では素晴らしかったと思う。あれだけイージーミスしても割とセカンドボールを拾えてたのは、DFラインが高くコンパクトだったからじゃないだろうか。
ただボールを保持すればするほど相手は引くのでスペースが狭くなり、よけいに攻撃の質の低さが目立った。マリが左に開いてジャカが前に出ても、スピードアップするキーパスがことごとく引っ掛かった。
また相手が完全にセットしてからの攻撃に終止したのも良くなかったと思う。特にぺぺのところは時間がかかり過ぎていて、せっかくマリから大きなサイドチェンジして時間とスペースを作っても、最初の3タッチで全部浪費してしまう。あれならネルソンのほうがずっといいと思った。
全体に、後ろのほうの安定感があった一方、引いた相手に対して攻撃のリズムを欠いたような印象がある。水曜日にガチの殴り合いをやって目を覚ましてもらいたい。
シティはサブメンでマンUに負けるとかふざけないでほしい。
これで水曜日にデブルイネ出してきたらアルテタは怒っていい。
ソクラテスは高さ対策もあったと思うのでシティ戦はベジェリンじゃないかと思います。
FBのチョイスはどうなんでしょうね?
ジャカの変則なシステムを常にやるわけでなく、セバージョスが広範囲に動き回る今の感じでは右サイド、ベジェリンのほうがペペにもいい影響を与えると思うのですが、、
(AMNに関してはソアレスそろそろなこの状況でなので、もう大きな変化ない限り正直今シーズン見なそう。。)
ラカゼットがフラストレーション見せながら、得点したことぐらいしかポジティブな面が、、
ちょっと変な停滞を感じるのでシティ戦ではハイテンポな試合見たいなあ
マリはちょっとポジショニングが高すぎたりラインへの戻りが遅かったり、やっぱり左専用なところが気になりました。ヘディングもまだそれほど競り合いに勝てていない印象(PLはヘディングが鬼強いFWがいっぱいいるからなあ)。ムスティ、シティ戦には間に合うのだろうか。パパはベレリンが入って5バックになってから自信のあるプレーが。スローインの時の、いつも不安そうな顔とは大違い・・・。右サイドはブカヨとのバランスで捨てているとはいえ、高速クロスにエディ飛び込み、で点が取れていなかったら攻撃が停滞するイメージ。やっぱり右はネルソンでマイナスの切り替えがほしい。セバージョスがぬるドリであがっていったときはカソルラ感がありましたね。もっとやってほしい。不安満載ですが、われらが信じず、誰が信じるというのだ!シティ戦、正座して観戦します。COYG
ペペが左足偏重なのは問題ないと思ってます。
むしろ相手がペペの左足側に覆い被さるように位置してくれることはそれだけでかなり有利ですよね。
問題なのは空いた右サイドに飛び込まない選手かそれが出来ないシステムの問題だと思います。そりゃあペペが右足スキルも向上したらそれが一番ですけど、そんな簡単じゃないはずですしね。
ネルソン使ったらって意見も分かりますけど、ネルソンの場合、ペペほど右サイド空けてくれるはずないですしね。
ペペが持ちすぎたり、エジルとか他の選手と短い距離で連携が取れてないところは早急に改善してほしいところですね。
ペペが持つと相手はうかつに飛び込めないから、タメの時間が出来るところはストロングポイントだと思うので、彼と連動して崩す形が出来たら最高なんですけどね。
ソクラテスのRBは高さ対策なのかどうなのか…高さのメリットより高さ以外の攻撃と守備のデメリットの方が大きいのでは?とも思えてしまう印象を結局この試合も最後まで払拭できなかったなぁ。
エンケティアはこの日は動けてなかった印象。ポジショニングの取り直しも少なすぎた。疲れがあったんだろうか。
まぁ出来悪そうに見えたのはオーバもだったし他も色々低調だったですね。
近い距離でのパスのズレとかは見ててちょっとね。動き出しが緩くてタイミングズレるとかもあったし。これがメンタルの緩みという部分なのだろうか。
ウエストハムもボールが入るところに対するチェックは厳しかったしフィジカル、スピード的にも強かった。
中央のスペースのつぶし方は強力だったとも思う。かといってその中央のブロックを嫌ってブロックの外にいても効果的に攻めれない。という時間が長かった気がしますね。
サイドに起点を作っても大体そこで近くで絡むのが2人しかいなかったのも効果的ではない要因だろうと思う。課題ですね。
しかしマンチェスターシティが負けたのがちと予想外で…
とにかく勝ちを重ねていってほしいですね。