試合について
アーセナルのファースト11
SofaScoreより。
4-2-3-1
エンケティア
ぺぺ、ラカゼット、ネルソン
エルネニー、AMN
コラシナツ、マリー、ムスタフィ、セドリック
ルナーソン
ラカゼットが驚きのNo.10スタート。アルテタが来てからはフォルス9として長い時間を深い位置でプレイし、先週のELモルダではすでにMFぽくプレイしていた彼が、ついにMFになってしまった。そしてそれが効いたのは見てのとおり。中途半端なことはしないで「キミが主役(No.10)やでえ!」と云ってあげればよかったのか。
そしてもうひとり効果的だった選手を挙げるならばCM(No.8)でプレイしたAMN。アーセナルの攻撃がいつになく活性化したのは、彼のミドフィールドでの積極的なプレイがあったからだろう。ゴール前まで自分で持ち込んだチャンスをことごとく外したのは玉に瑕だが……
マリーが半年ぶりにプレイ。いきなりスタートには驚いたがまずまずのプレイ。脚の遅さが露呈しそうになったシーンはあった。そういえばこの試合のプレヴューで「ルイスはプレイしない」と書いたのに、予想11に入れててすまない。雑に書いてるのがバレてしまった。
サブは、セバーヨス (63 エルネニー)、ウィリアン(63 ネルソン)、ESR(63 ラカゼット)、チェンバース(70 ムスタフィ)、バロガン(81 エンケティア)。
週末のPLでも出番がありそうな3人を早々に下げ、これまたケガで長期離脱していて随分とお久しぶりのカラム・チェンバースを起用、残り10分で若いバロガンに時間を与える。
これ以上の理想的なサブスティチューションはあるだろうか。それも理想的な試合ができたからだろう。素晴らしい。
アーセナルの1失点は、ラピッドのコーヤ・キタガーワという選手。彼は去年まで清水エスパルスでプレイしていたそうな。なかなかよさげな選手だった。
そういえば、去年のELでもウーナイ・エムリを解任に追い込んだといわれる(笑い)ゴールをぶちこんだのはフランクファートの日本人ダイチ・カマーダだった。日本人選手とアーセナルは相性がいい(悪い)ようだ。誰か取ったほうがいいかも?
マッチスタッツ
『BBC Sports』より。
7割支配。ショッツが22。SoTがその半分の11。コーナーが13。SoTの11は今シーズンはもちろん、アルテタが来てからも最高の数字ということ。
これがELのグループステイジレヴェルの相手とアーセナルの本来の実力差でしょう。
後半の序盤こそ、相手がやや優勢になった時間はあったが(そこで失点)、そこを除けばほぼ試合を通して安定して、危なげなかったと思う。やりたいことをやりたいようにやった。
xGサムは2.96 v 1.02。
Arsenal 4 (2.96) – Rapid Wien 1 (1.02) pic.twitter.com/uSnyquMkcl
— Scott Willis (@oh_that_crab) December 3, 2020
ラピッドのxGが「1.02」と高いのは、キタガーワのゴールシーンのxGがめっさ高いから。その直前に2本も(まぐれで?)止めているし、あれを合計すると「1」に近い数字になるのだろう。彼らのSoTは4だが、3がそこに集中しているはずである。
アーセナルは、この試合のBC(Big chances)が「6」もあったということで、4得点はむしろ物足りないくらいの結果だった。
パスマップ。
Arsenal vs Rapid Wien, Arsenal Passing Network Full Match
This is a much better passing network pic.twitter.com/YNlYJWN9Lx
— Scott Willis (@oh_that_crab) December 3, 2020
最近のアーセナルの試合の偏ったパスマップに比べると、進歩が著しい。ミドフィールドではちゃんと選手が試合に関与しているし、全体的にもかなりポジションにバランスが取れている。
BTPではこんな感じである。ラカゼットの位置が深い。4-2-3-1というよりは4-3-3ぽい。そしてエンケティアはいつものラカゼット役をやっているっぽい位置。
セドリックが最多パス。
ところでセドリックがプレイする試合ではいつも感じることだが、いまのアーセナルのセットアップだとフリーになりやすいRBの役割が非常に重要だということ。
アーセナルがボールを持って攻めているとき、彼のポジションにはいつも大きなスペイスがあり、右サイドでファイナルサードに侵入していこうというときには彼がトリガーになる局面がとても多い。この試合のセドリックはとてもよかったが、あのポジションにスーパーな選手がいると、チームはまた一段ステップアップできるように感じる次第。
AMNのあんなに無邪気な笑顔は久しぶり。良いですなあ。
ミーティングで激しく言い合ったのは、僕はポジティブなニュースに聞こえる。
粕谷秀樹氏じゃないが、強かった時代のマンUはケンガ腰で言い合ってた。
試合中にも、もっと近くに寄ってくれ、もっと動いてくれ、いろんな要求を出しあってる。
それは遊びや冗談ではなくて、ここにパスを通したいんだ!ここを埋めなきゃダメなんだ!っていう切実な要求のぶつけ合いで、それはシビアに突き詰めなきゃダメな事だと思う。
おそらく今のPLで勝つには、いろんな意味で人間の限界を絞り出さなきゃない。
だから少なくともいっぺんは、厳しいことを言い合うのも必要なんじゃないだろうか。
ラカは、昨シーズンCL優勝したバイエルンのミュラーロールがハマるとずっと思ってたので、このNo.10起用が当たったのは今後の起爆剤にしたいですね。(リバポが4231のトップ下にフィルミーノを起用しているように。)
昨シーズンのアウェイクリパレ戦のラカが降りてきてオーバにスルーパスでアシストしたのがいいモデルケースになりそうだなと。キャリア晩年にポジションを下げていったルーニーのようにモデルチェンジしていくのも面白いんじゃないかと思います。
今の面子で中央で受けて、パスをさばける選手はラカが一番うまいから、これはオプションのひとつでいいでしょうね。
とはいえ、ラカだけでなく、そこに絡めるAMNとかネルソンがいたからこそ輝けたと思います。そこに課題があるから、PLではドデカイ穴が中央に空いてると思われ。
パーティなら推進力あるし、絡めると思うんだよなぁ。NLDで見たいなぁ。
アーセナルに来てからいまいち輝けてなかったラカゼットがまさかのNo.10で活躍したら面白いし嬉しい。ストライカーなのにエースのオバメヤンもいるし苦しい思いもしただろうから。
ダービーは思い切った選手起用と戦術で積極的に行ってほしいです。