試合の論点
アーセナル vs マンシティのトーキングポインツ。
PLテーブル2位転落(*暫定)
どこからツッコめばいいのか。
まあ、まずはショックが大きい。この試合はホームだし、6ポインターだしで結果がほしかったから。せめてドロウが必要だった。3-1という結果は、正直試合前には予想できなかった。なんなら1-1だったHTでも。われらは、ちゃんといいプレイをしていたから。
が、終わってみればいかにも見慣れた結果なのがまた悔しい。あの空気のなかできっちり仕事をした相手に、彼我のクオリティ差も思い知らされた。
この結果で、テーブルではアーセナルはシティとポインツで並び、GDで2位転落。はあ。今シーズン、一時的に(時間差で)トップを譲ることはあっても、こうして2位に転落してつぎのゲイムウィークを迎えるのは初めてのこと(のはず)。
なかなかのプレイをしていただけに、選手たちもショックが大きいだろう。とくにエラーをやった選手たち。ひとりではなかった。
ただ、アルテタも繰り返し述べているように、これはマラソンであり、まだ先が長い。アーセナルは22試合消化して、残りが16試合。
これでアーセナルはPL3試合で勝ちなし。ポッシブル9ポインツのところ、たった1ポインツ(W0 D1 L2)しか得ていないことになるが、ここからどうやってエナジーを取り戻し、バウンスバックしていくか。このチームはとにかく試合に勝たねばならない。こんなタイミングで、つぎはエメリのヴィラという因縁よ。
傷心のアーセナルが持つべきメンタリティについて、試合後にティエリ・アンリ氏が述べていた。まだ1試合手中にあるのを忘れるなと。そう。彼らとポインツで並んではいるが、こちらにはまだ1試合の未消化がある。それを心の余裕にすべきで、今後のことを憂えるのは、まだ先でいい。
シティとの直接対戦もまだひとつ残していることをポジティヴにとらえることだってできる。シティとの戦いだけを観れば、2レグスでまだ前半が終わったに過ぎないのだし。
タイトル争いという意味では、まだ状況はひっくり返ってはいないのである。ギリギリ。悲観的になりすぎることはない。
当面の課題は、いま失ってしまっているシーズンの勢いをどうやって取り戻すか。自分たちのこれまでやってきたことをどれだけ信じるか。
いまこそ、チームと選手のメンタリティ、キャラクターが問われている期間はない。目標を達成するために乗り越えなければ。
この若いチームがどこまで行けるか、ポテンシャルが試されている。
トップオブトップとの違い
やっぱり感じたよね。
もちろん期待していたので、結局このような結果になってしまったのはとても悲しいけど、驚きもあんまりないというか、恐れていたことが起きたという感覚もある。
いまのアーセナルのクオリティは、かつてないほど彼らに近づいているとはいえ、まだまだその差は小さくなかったということを痛感させられた。
よくsmall detailなどというし、たしかにあの愚かしいミスがなければ、いくつかあったチャンスを決めていればということもつい考える。だが、小さいようでそこが決め手になるほど大きいのだ。
彼らはキャパシティというか、排気量が違う。同じ速度で並走しているようで、こちらはフルスロットルなのに、むこうはまだまだ余裕がある。それがチャンピオンチーム。
いろいろな面で差はあったのだろうが、ぼくには、やはりビッグマッチの経験の差が如実に出た試合のように思えた。
この試合は、試合が始まる前から今シーズンのPLで最大のビッグマッチと云われていて、当然注目度は高かった。チャールズ・ワッツはエミレーツ移転から17年間で、アーセナルにとっては2010のCLバルサなどに匹敵するような試合になると記事に書いていたほど。ついにアーセナルがシティを倒すかもしれない試合としても期待されていた。twitterでは試合前ナーヴァスになっているファンもたくさん見かけたし、中継カメラに抜かれたスタンドのファンにもそれは観られた。
キックオフ前のトンネルで待つオーデガードの表情はあきらかに緊張していたし(彼は後半が始まるときはハーランドと楽しそうに談笑していたけども)、選手たちにもそうとうなプレッシャーがあったと想像できる。1位が2位に僅差で追われるという立場もあった。
そんな状況下でのプレイ。
アーセナルの選手たちはホームであっても、肩の力を抜いて、ふだんどおりにやることはかなり難しかったはず。とくに試合の序盤、自分たちがコントロールしている感覚があるときは、かなり落ち着いてプレイしているように観えたが、たとえば攻撃でワイドにボールが入ったときにブロックを崩そうという意図もなしに、あまり可能性がなさそうな淡白なクロスを入れてしまうなど、ふだんとの小さな違いは観られた。ふだんはあんなに急がないチームだ。
失点につながったトミヤスやビッグガビの致命的ミスも、そういったプレッシャーとは無縁ではないはず。ほかにも多くの選手がらしくないミスをやったし、あのジンチェンコですら、失点にはならなかったものの、あわやというパスミスをやらかした。
アーセナルの多くの選手がそのようなビッグマッチの経験が不足していた。とくにトップで追われる立場として。
アーセナルのチームのなかで、もっとも経験豊富だった選手は間違いなくジョルジーニョ。彼のプレイが終始堂々として観えたのもそのせいだと思っている。パーティがフィットしていれば出番がなかったかもしれなかったのが皮肉なほど。
彼は狭いエリアでも落ち着いて、周囲が観えているからよく味方に指示を出していたのも印象的だった。トミヤスのエラーで失点したときも、意気消沈する彼に、ジンチェンコとジョルジーニョが駆け寄っていたのも経験あるシニアという感じでナイスだった。
アーセナルのチームのなかで、ジョルジーニョより大舞台を、たくさんのビッグマッチを経験している選手はひとりもいなかった。ジンチェンコもシティでの経験がある。あとは、みんなトップオブトップの修羅場を経験していくのはこれからの選手たち。
いっぽうのシティは、もう5-6年のような期間において、PLとCLでトップレヴェルでの競争をずっとやってきたチーム。1位として、あるいは2位としての戦いかたを知っている。KDBやシルヴァやギュンドアンといった、ヴェテランシニアがチームの中心で、経験ではアーセナルのキッズたちと比べるまでもない。
試合のなかで相手に対応もできるし、ギアを変えることもできる。今回はアーセナルは後半は前半のインテンシティがキープできなくなっていたなかで、あきらかにギアを上げてきた。なんだか、FAカップと今回と後半にやられたのは既視感があった。
時間と環境がものを云う経験は、現時点では超えられない壁であり、埋まらない差であり、いくら嘆いてもしかたのないこと。アーセナルのチームが経験不足なんてことは、もう誰もがわかっていることだ。このユースプロジェクトを始めたときから覚悟していたことでもある。
それでも、今年は勝たねばならないとすれば、できるだけ早く勝つ道をあらためて見つけていかねばならないし、シティのアウェイでは、逆に開き直って勝つしかない。
こんばんは。
今日の敗戦は物凄い悔しいものでしたが、同時に敗戦には納得感がありました。
明らかにシティの方が戦術的に試合巧者だったと。
戦前、シティが対等以上の相手にどうアプローチするのか興味があってそこに注目して見ていました。特に我々はこの数年は無慈悲なシティにチンチンにされてきたので、チンチンにできないだろうクオリティのある我ら相手にどうするのか?と。
前半、シティは立ち上がりこそハイプレスをかけてきましたが、時間と共にミドルサードのプレッシングに移行、中央のスペースを消し、ボールはサイドへ。奪ったらショートカウンターという形を繰り返していました。サカはベルナルドシルヴァに質的優位があり、一方左のマルティネッリはウォーカーとの対面に苦しんでいました。
後半、シティはミドルサードのプレスからハイプレスに移行、サカに荒らされていた左サイドをアカンジを入れて修正、それまでの可変システムから4−3−3に固定し、前半狙っていた左サイド(トミ、サリバ)ではなく、より攻略しやすい右サイド(ジンチェンコ、ガビ)をターゲットにしてきました。おそらく前半にハーランドがサリバとバトルしていたのも、後半のガビとの勝負に慣れさせないためと思われます。
結果はまんまとシティの策略にハマり、ミスがらみもあって失点。
自分はこの敗戦を経験や若さで片付けるべきではないと思っています。なぜならペップは勝つためのプランを周到に準備し、その通りに選手が実行して勝利を収めていたから。
確かにアルテタのチームにははっきりとしたコンセプトがあり、相互理解があります。選手のクオリティもある。それは素晴らしい。
ただここから先に進むには選手の経験も勿論ですが、戦術的な深み、柔軟性が絶対に必要です。今回シティにあってアーセナルに無かったもの。
アルテタは試合中の戦術変更や修正が極端に少ないです。あれ?なんか今日怪しいな、と思ったらその通り勝てないことがよくある気がします。
今回のシティとの一戦における勝敗の差はまぎれもなくそこ(戦術的な柔軟性)にあったと思っています。
結構SNSなんかを見ると戦えていた!という意見が多かったです。ただ、自分はそうは思わなかった。まだシティの掌で転がされていただけ、チンチンとまでは言わないけど負けるべくして負けたと思っていたので、そのように思われている方もいるかもしれないと思い、長文駄文ながらコメントさせていただきました。
あと、ジャカとマルティネッリは明らかにコンディションが落ちているので、そこも別の誰かに任せた方がよいような気がします。
シティは試行錯誤のすえ、ジェズスよりもやはりひとりで30点取れるハーランドだとなったわけだけど、アーセナルには別の結論に辿り着いてほしい気もする。たとえ20点取れる選手がいなくともチームで100点取れるチームが見てみたい。
シティは思った以上に狡猾でしたね
とは言え1.2年前の方が強かった気もするのでタイトルレース脱落しないよう勝ち点重ねればチャンスはあるかなと
マルティネリのサブはトロサールいますがジャカは誰が代役やるのか。スミスロウくらいしか思いつかない
オーデガードの顎ペンペンと、ジンチェンコのダッシュ駆け寄り、
ホントに胸アツでした。
冨安、しっかり切り替えて、攻撃面でも守備でも輝いてました。
フリーのギュンドアンに詰めた後、グリーリッシュのシュートブロックへのシーンは凄かった。(決められたけど・・・)
あのチームワークがあれば、まだまだ進化できるはず。
まずはエメリに泣いてもらいましょう。
COYG!
ラム爺さんと意見が似ています。
シティの失点パターンはほぼ、カウンターを含む速攻です。
そもそもサッカーで最も得点効率の高い攻撃が速攻であり、
中でもカウンターが最も有効であるのは普遍的な事実ですので、
格上の相手には速攻の精度と成功率を上げる必要があります。
今季のアーセナルは縦に遅く、速攻での得点が少ないです。
昨季いくつも決まっていた速攻が出来なくなっています。
ホームでシティ相手にボール持って回せたからOKみたいな考えは時代遅れです。
残るAシティ戦やELのアウェー戦など複数失点を前提に考えれば、
回してるんだか回させられてるんだか微妙な手数を掛けた攻撃を減らし、
ボールを持てなくても効率的に得点する必要があります。
もちろんポゼッションによる時間の浪費は、
「いつも複数得点取れてほぼ全て勝てる前提」があるなら有効な手段ですが、
それだけじゃ欧州カップを取れないのはシティが証明しています。
今季PSVやManUアウェーも落としてるわけで、
今後どれだけやれるかは戦術の柔軟性と幅によるでしょう。
これまでは運もあって首位でいたと考えるべきです。