こんなむごい終わりかたがあるかと、試合直後は思った。ホームで3-0敗け。しかも、お株を奪われるようなあのやられかた。こんな不本意なかたちでタイトルを夢見たシーズンが終わりを迎えるとは、試合前は想像もしなかった。
この結果にはファンとしてさすがに落胆し、怒りもおぼえた。
しかし、その後にはインターネットでのアーセナルへの過剰なネガティヴ反応を観て、逆に冷静になったりもした。
サポーター/非サポーター問わず、ネガティヴな反応があったのと同時に、このチームのポジティヴな側面に目を向けるべきという主張も随所で見られたのは、救いに思えた。
そう、大きな絵図で観れば、このアーセナルの時代はまだ始まったばかり。この試合の敗戦や、今シーズンのつまづきばかりにフォーカスすべきじゃない。そういうのは、アンチにまかせておけばよい。
この試合にかぎらず、シーズン終盤のアーセナルは、とくに今後に向けてのチームビルディングの課題を浮き彫りにできたことも、もっとポジティヴにとらえるべきかもしれない。その代償は大きかったが、本気で痛い目をみないと気づけないことだってある。
転んでもただでは起きない。そうならないと。
そういうわけで、前向きになろう。
すでにタイミングを逸しているし、もう多くのアーセナルファンには興味もないだろうが、記録のためにこの試合をざっくりと振り返っておく。信者の苦行として。
Arsenal lose to Brighton to leave Man City on brink
アルテタの試合後コメント「謝罪をしなければならない」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプトより。
アルテタ:まず、われわれは謝罪をせねばならない。先週のわれわれは、ニューカッスルでのパフォーマンスがとても誇らしく、胸をはれた。そして、今日セカンドハーフに起きたことについては、謝罪をしなければならない。チームとして、クラブとして、われわれは示さねばならないレヴェルには程遠かった。
まず、極めて競争力の高い試合だったのはわれわれも想像していたことだった。また試合はかなり中断が多く、われわれは多少集中が切れていた。ピッチのかなり高い場所でボールを奪い、いくつかの大きなチャンスをつくった。そして、セカンドハーフはまた違う話になってしまった。
われわれは、多くのデュエルで負け始めて、このレヴェルでは許されないような失点をした。その後は、試合に戻っていくいかなる回答も見つけられなかった。
われわれは、いまあるこの感情にも対処せねばならない。われわれは足りなかったし、十分じゃなかった。われわれは、この感情をつぎの試合に利用するだろう。かなり違うペイスとクオリティで。
(マルティネリのケガ)彼は痛がっていて、歩くのも困難だった。彼はいまギプスをつけていて、検査をしてケガの程度を確かめねばならない。
試合後のプレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトより。
(試合の評価……)
アルテタ:先週の日曜とはじつに違う気分だ。勝つためにわれわれが行ったことが誇らしかった。今日はまったく逆。今日われわれは、みんなに謝らなくてはならない。とくにセカンドハーフのパフォーマンスについては。
(タイトル争いの終了を受け入れる……)
わたしがまず受け入れねばならないのは、セカンドハーフに起きたことだ。それを総括し、個人でもつぎの試合に向けてはなにかとても違うことをしなければならない部分を観ていく。算数的には、もう終わった。2位は確保した。そこは変わらない。しかし、われわれは総括せねばならないし、それには数日はかかる。
(最初のゴールではキヴィオールにファウルがあった?……)
わからない。われわれにそれは変えられない。ファーストハーフは、思ったとおりとても競争のあるファーストハーフだった。たくさんの中断があり、試合で30ものファウルがあり、フロウがなかった。
われわれにも、ピッチの非常に高いところでボールを奪ってチャンスがあったが、もっとうまくやらねばならなかった。相手は、あんなふうにまたやってくるのだから、そうしたチャンスを活かす必要があった。
そしてセカンドハーフでは、われわれはランナーに追いつけないときがあった。ラストラインで多くのデュエルに負けはじめ、ふたつのとてもとてもプアな失点をした。そのいい訳はできない。それが現実であり、わたしに責任がある。
(マンシティのエヴァトン戦がチームパフォーマンスへのインパクトになった?……)
わからない。だが、セカンドハーフに起きたことのいい訳にはならない。ファーストハーフには起きなかったのだから。とても途切れ途切れでフロウがなく、たくさんのデュエルがあった。マントゥマンな試合だったから。しかし、セカンドハーフでわれわれはある部分で負けていた。集中を失い、ペアを失い、それでとても危険な試合になってしまった。
(チームは蒸気が尽きてしまった?……)
いいえ。われわれはリーグでも最高のランニングのスタッツがあると思う。だから、そうじゃないと思う。今日は個人が基準を下回ったと考える。
(今日の敗戦の気分……)
現時点では、ただフラストレイション。セカンドハーフに試合を相手に渡してしまったという気がする。
われわれはいまいる場所にいるために、とてもハードに戦ってきたし、今日は望みをつなぐために、夢を追い続けるために決定的なときだった。そうしたときにプレイせねばならないのなら、セカンドハーフのようなプレイはありえない。
われわれは、このチームが最高のステイジでそれができる能力があるのかどうか、観なければならない。たくさん分析すべきことがある。考えねばならないことがある。なぜなら、それは起きてはいけないことだったから。
(ガブリエル・マルティネリのケガ……)
わからない。彼はいまギプスをしている。彼は歩くのにもとても苦労していた。プレイはつづけられなかった。彼を検査する必要があるし、ケガの具合を観ていく。
(このシーズンは、あなたに将来の希望や信念をもたらした?……)
ある意味ではイエス。だが、このレヴェルではPLへのファイトが要求されるし、われわれもファイトしたい。CLに入りたい。CLでファイトせねばならない。そこは大いに考えるところだ。
(若いチームが、限界までプッシュしていたことを受け入れる……)
わからない。今日起きたことはわたしの責任だ。わたしの仕事は、チームにいる個人全員からベストを引き出すことであり、最後の4-5ヶ月でもそれをやるかどうかなら、わたしはやらねばなない。わたしは、それをやろうとしてきた。だが今日は、もちろん、わたしはそれをしていなかった。
(来シーズンをみすえたとき、あなたの考えは変わる?……)
わたしの考えはまったく同じである。チームがこの10ヶ月やってきたことは、みんなが想像していたようなものとは一線を画している。それが多くの期待を生んだとも云える。それが熱意、幸福、喜びを生み、われわれはそれを行わねばならない。それこそ、正しくマネジしなければならないことだ。
そして、その後はわれわれにはそうしたチームパフォーマンスをする責任があり、わたしに最大限の責任がある。
だから、とても期待されているときにみんなを落ち込ませることが、わたしは大嫌いだ。今日の最大の後悔がそれだ。それについて、われわれは謝罪せねばならない。
(ホームで25失点はなぜゆえに?……)
多くのいろいろな要素がある。今日の失点を観れば、あまりにもシンプルすぎる。
この試合のレフェリーAndy Madleyは、今シーズンからの新人? かなりひどかったな。PLであんなふうに試合を止めまくってはいけないだろう。セリエAじゃないんだから。
アルテタが公の場で初めてチームを批判?
今回のアルテタの会見、つねにチームを擁護してきた彼にして、初めてチームについて批判的に述べたということが、一部のジャーナリストから指摘されていた。たとえば、今シーズンはグディソン・パークでエヴァトンに敗けたときですら、彼は「ますます選手たちのことが好きになった」と述べたほどである。
われわれはいまいる場所にいるために、とてもハードに戦ってきたし、今日は望みをつなぐために、夢を追い続けるために決定的なときだった。そうしたときにプレイせねばならないのなら、セカンドハーフのようなプレイはありえない。
われわれは、このチームが最高のステイジでそれができる能力があるのかどうか、観なければならない。たくさん分析すべきことがある。考えねばならないことがある。なぜなら、それは起きてはいけないことだったから。
£200m以上を費やすと云われるビッグサマーを前に、こういうことを云われたら、選手たちは気が気でない。
マーティン・オーデガードの試合後コメント「この終わりかたに失望」
AFCオフィシャルサイトより。
オーデガード:正直むずかしいけど、ぼくらも現実的にならないと。ここからシティが多くのしくじりをやるとは思えない。
いまぼくらにできることは、立ち戻っていい感じにシーズンを終えること。みんながそれにふさわしいと思う。とくにファン。それがぼくらにできる唯一のこと。
ぼくらは(今シーズン)たくさんいいことをやってきた。だが、いまはこの終わりかたに失望しかない。とくにチェルシーの前の3試合。そして今日のこの試合。
いまここでぼくらが失望しているのは、いいサインだとも思う。ぼくらはいま進歩をつづけていることを確かめねばならない。今後はずっとどんどんよくなっていくし、それが目標だ。
(ブライトンはエミレーツで3連勝)ハイプレスをやったファーストハーフは、ぼくらもOKだった。何度かはそこでボールを奪ったし、危険でもあった。そこでいくつかゴールを決めているべきだった。だが、セカンドハーフには試合はすこし変わった。
ぼくらはファーストハーフにやっていたようなハイプレスをしなくなり、彼らはダイレクトなプレイでイージーにやっていた。そして、最後にはゴールはどれもちょっとイージーだった。いまは理由がわからない。フラストレイティングだ。
ワールドカップのダメージが小さい、主力の怪我人が殆ど出ない、シティがハーランドに合わせたシステムマイナーチェンジで今イチ、リヴァプールチェルシーは不調、Xptsを大幅に上回る勝ち点ゲット、と、シーズン前半はかなり多岐に渡って恵まれた状況の後押しも有っての快進撃でしたが、終盤で一気に揺り戻しが来ましたね。
前年4位以下からプレミアを制したのはレスターとチェルシーのみで、チェルシーはさらにその前年は優勝でしたから、ずっと5位以下だったアーセナルが優勝すればまさにミラクルアーセナルでしたが…シティ強すぎ!
今シーズンは間違いなく成功だと思っていますが、優勝争いは出来過ぎだとも感じてますね。
来季はターンオーバーし辛いCLとの兼ね合いで、軽視しているファーストチョイス以外の選手も多用せざるを得ないので、アルテタが理想と現実にどう折り合いつけるのか興味深いです。
セリエAじゃないんだから
っていうとこほんま嫌な気分になったわ
ブライトンはハイプレスも洗練されているから、ジンチェンコ不在でそれと付き合うよりはロングボールで相手を押し下げてプレスで追い込むという選択自体はありだと思う。ブライトンのビルドアップは引っかかることも多いわけだし。ただ、問題はロングボール主体のはずなのに、切り替えが早くてボールを回収、そこからすぐにキーパスを通せるウーデゴールが低い位置に降りてしまったこと。ハーランド/デ・ブライネとまではいかないけど、ジェズスは少なくとも相手に万全の状態でキープさせないくらいに迫り合いは上手いのだから、ウーデゴールはそれを拾える位置にいてほしい。あと、繋がらないからといってビルドアップの形を作らなくていいわけじゃない。ビルドアップの形を作るから、相手は前がかりでボールを取りにくるわけで、ティアニーがダラッと広がってしまっているのが気になった。そういう細部のツメが甘いというか、結局なにがしたかったのチグハグな試合だった。アルテタは選手のパフォーマンスのせいにしてはいけない。
アーセナルの今シーズン、決して失敗ではないよ。(当方シティサポですが、フラットに見て)
リヴァプールがレアルにCL決勝で惜しくも負けたシーズンも有ったし、あれはきっとリヴァプールファンには深く深く刻まれたと思うけど、だからこそその後の成功があった気もする。そんな感じで今後のガナの力強い根っことなる、そんなシーズンだったと思う。
12月・1月までずっと「いつかガナ落ちてくるでしょ」 -> 「おいおいおい、本当に行っちゃうよ、取りこぼさないし、強豪同士も競り勝つ力強さよ」って変わってきました。
シティサポとしても、一回抜いたのにシティが例によって取りこぼしして、それをもう一度ガナが抜き返したとき、試合の最終盤で勝点をもぎ取る強さ、テンション、エミレーツとの一体感。
上がるシーズンだったと思う。
勝ち点差が7くらい有る時に、ブライトンと同じ内容で負けても、反省反省!って前向けただろうが、
時期やシチュエーション的にしょぼーんとなるタイミングとゲーム内容でしたね。
ただ、言いたいのは、全然失敗じゃねぇし!強かったし!
という点です。
後は来季もだが、もっとサブをローテートして使っていく必要がアルテタには有るし、好調でもサブメンを入れて調子を維持していく責任もある。
テタさんは今季はリトルチームで走りきったけど、それはマネージャーとしては楽な道だったと思うから、その点は課題だと思う。ペップはその辺うまくやってる。
(シティサポからするとラポルテ出すなよ、Cフィリップスもっと練習で走っとけよ、セルヒオゴメスは紅白戦でもっとプレスを受けて困る練習しておけや、とか思うけど。。)
はっきり行って38試合フルでずっと出ずっぱりでいられる選手はいないし、イングランドでは試合数多いから、
サブをもっと使って信頼値を高めておく必要はあったよね。冨安もサリバも使いすぎて怪我したと思う。
サカやホワイト、マガリャンイスが健康でいてくれることをテタさんは奇跡だと思う必要があるよ。あんなにコキ使って。。