hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Arteta, Friendly Match, Match

23-24プリシーズンフレンドリー マンUにくやしい敗け

23-24プリシーズンフレンドリー マンU@USツアーで気づいたこと

チームがフィットするまでファンの期待の大きさがやっかいかも

あのような残念な結果だったので、ぼくも試合後はがっかりしてしまって、ほぼ一日アーセナルから離れていたんだけども、やっぱりと云うべきか、ソーシャルメディアなどではかなりネガティヴムードがまん延していたようだ。まあ、文句を云いたくなる気分は正直わかる。どんなときも、アーセナルはマンUに敗けちゃいけない。

それで思ったのは、このチームは新シーズン、このファンベイスとの付き合いも難しくなるんじゃないかということ。なぜなら、期待があまりにも大きいから。失望もそれに比例してでかくなる。世論が落胆し攻撃的になれば、もちろんチームにも選手にもいい影響は及ぼさない。あれはもう2年まえか、シーズンスタートから3連敗してエドゥまで弁明を強いられた。

クラブはファンを無視できないし、去年までのとくにスタジアムを訪れるファンのありがたみについてことあるごとに述べていたのがアルテタだ。ファンの気分については、とても気にしているはず。

この夏の移籍ウィンドウも含めて、英国人記録となったライスのような取り引きを成立させるなど、現在のアーセナルはかなりうまくやっていて、ファン界隈にもとてもポジティヴなムードがあると云える。ファンとしてこんな気分は、ほんとうにひさしぶりだと思う。大きな憂いがない。というか、ついになにか成し遂げるんじゃないかとワクワクしてすらいる。

来月にはシーズンが始まるが、今回アーセナルのシーズン前の下馬評は、すでにトップ4フィニッシュするかどうかは問題ではなくなっているだろう。いまからメディアのシーズン予想が楽しみなくらいで、もちろん半分とは云わないまでも、1/3とかそれに近い割合でアーセナルのPLタイトルを推すひとがいるんじゃないか。すくなくとも、エキスパートの誰かがそう予想したとしてもそこまでおかしくはない状況だ。こんなことはここ数年なら、絶対にありえなかった。

そんな現状なので、今回のようなことがあると、よけいに落胆がある。たかがフレンドリーで、大きく失望してしまう。

全体的に順調と思えるなかで、とくに、現段階ですでにちょっと心配なひとりがカイ・ハヴァーツか。

彼はすでにプリシーズンの3試合でプレイしているが、いまだにぼくらは「KH最高!」のようなプレイは観ていない。チェルシーでほとんど失敗していた彼をわざわざ£65mもの大金を費やして獲得したのだから、もちろん再生が期待されている。

だが、いまのところは、彼の個人パフォーマンスもとくに際立っているとは云い難いし、L8としてのポジション/ロール適性についても、まだあまり納得させられていない。L8とはいえ、彼はジャカのロールをそのまま受け継いでいるわけではなく(442守備のときは2に入っていたり)、アルテタも彼に合わせたシステムを試行錯誤しているところでもあるだろう。もちろんそれはいい。

だが、その模索にあまり時間がかかるようだと、それをいつまでファンが我慢できるかが問題になってくる。今回の試合ではライスについてさえ、不満を述べるファンがすくなくなかったらしい。ぼくは直接そういうのは観てないけど。そういう沸点のやたら低いひとたちがたくさんいる。

ハヴァーツだけでなく、彼とライス、オーデガードという刷新された3MFがどう調和しケミストリを起こしていくか。そこがより大きな問題だ。まさにチームの中心だから、このチームのパフォーマンスにとって決定的に重要。

この試合で、ライスとオーデガードのパスのやりとりがたった2回。オーデガードとハヴァーツはたった1回だったという。マジで? 肝心の3人がピッチの中央でまったくリンクアップできていない。

ジャカ、オーデガード、パーティというリーグベストな3MFの域に達するには、それなりの時間がかかるというのはもちろんぼくらも理解しなければならない。それが、55試合かかるかどうかはともかく。ただ、その片鱗は早く観せないと、この調子ではポジティヴムードが、かんたんにネガティヴムードに反転しかねない。当ブログもいずれ「ハヴァーツはL8にふさわしいのか?」みたいなエントリを書いていそうである。

キックスタートしなければならないシーズンの初期にそういった空気がまん延するのは、このチームにとってはとてもよろしくないことのように思える。

それも新シーズンへの期待の大きさゆえ。このチームは、そういう問題をあらたに生んでいる。もうこんなふうになっちゃったので、いくら時間がかかると云っても、あんまり悠長な時間はないのだ。

ちなみに、xGでは、今回の試合のチャンス量は結局のところお互いにほぼ同じだった。過失割合はどうあれ、アーセナルはふたつの個人エラーで2失点しているが、そもそも結果についてはそこまで失望する必要はなかったと思う。

せめてぼくらは気長でいたいですね!(すぐ忘れそうな宣言)

新シーズンのアーセナルはターゲットになる

この試合、ちまたでは、本気のユナイテッドとテストマッチ気分のアーセナルの試合のような評価もあるが、そこはまあアーセナルのファンだって試合前には「マンUとの試合はつねにフレンドリーではありえない」みたいなことが云われていたし、ぼくはあんまり同意できない。負け惜しみみたいでいやだ。

ただ、実際に彼らがより本気度が高かった(アグレッシヴだった)のはほんとうだろう。ファウルの数は22 vs 15で、マンUはフレンドリーにしてはラフプレイも多く、レッドカードがふさわしいくらいの危険なチャレンジさえあった。サカやマルティネリのようなキープレイヤーにはとくに、あきらかに強く当たろうとしていた。ていうか、マグワイヤってまだいたのか。。

37 Manchester United fouls prove Arsenal will be hunted this season

『The Athletic』にちょっと興味深い記事があった。新シーズンのアーセナルがPLでもターゲットになることを、今回のマンUが証明した。

去年、あるいは去年までのアーセナルはリーグのなかでもほとんどアンダードッグだったが、今年はタイトルチャレンジャーとして認識されている。つまり、そういう対戦相手としてほかのクラブに特別なモチベーションで挑まれることになる。

結局、この試合はアーセナルのいつものスタイルを、マンUがフィジカルなプレイで封じ込めた。そのような側面もある。そういう相手のアプローチは、アーセナルにとってはいまに始まったことではないが、今後はよりいっそうそういう対象として観られていくことになりそうだ。

アーセナルのようなチームを相手にフィジカルバトルをしかける、あるいはダイレクトプレイをしかける。今回のマンUはそれをかなり意識していたようにも思える。

彼らがその他のミッドテーブルクラブと違っていやらしいのは、クオリティあるスクワッドとチームプレイがあるうえに、そうしたアプローチを躊躇なく取れるところ。

自分たちが変化(進化)しているだけでなく、相手にとってのアーセナル観にも変化がある。新シーズンのアーセナルは、そういう心構えもまたしておかねばならない。フィジカルバトルで負けない強さとしたたかさを、ロングボール1本でやられないハイプレッシング&ハイラインの洗練。それが必要。

トミヤスがよかった

その他気づいたことをいくつか。

まずトミヤスがよかったなあ。試合後の某ブログが、トミヤスについて錆びついていた(rusty)とかLBのポジション適性に疑問を呈していて、ぼくはそんな見方もあったのかと逆に驚いたくらい。

むしろトミヤスはあのチームのなかで前半のベストプレイヤーのひとりだったよね?? 以前よりも、もっとプレイが積極的になっていたようにさえ感じた。ボールを持ったときに自分で最適なパス先を探して、簡単に近くの選手にボールを渡して終わりにしてしまわないみたいな。

ぼくは、アルテタがあのトミヤスのパフォーマンスを観て、ジンチェンコのほかにKTやキウィがいて、さらにトミヤスもいて、LBのセレクションがもっと悩ましくなったんじゃないかと思ったほど。とにかく、彼はよかった。トミーにももっとチャンスを与えてほしい。

それと、ビッグガビの中央適性。これは某twの受け売りなんだけど、彼は3CBの中央(CCB)で、プレス耐性のなさが出てしまうなと。

ベンジャミンがRCBにいるときは中央にサリバで、彼はだいたい左ワイドに寄っていて、180度視野でOKなのだけど、中央だと360度視野が必要になるし、そこだと左足で単足な彼はあんまり快適に観えないという。すくなくともベストポジションではなさげ。

その点、サリバはかなりプレス耐性があるのは、今回の試合でも観せたとおり。彼は、ひとりくらいのプレッシングならボールを持って余裕でかわしてしまう。

ガブリエルのCCBが今度どうなるか観てみよう。

中央適性といえば、終盤にやっていたパーティのRBはなあ。どうもアルテタは以前からパーティのRBをオプションにしたいようだが、あれは宝の持ち腐れというか、帯に短したすきに長しというか。あんまりうまくいっているようには観えないし、だいたいもったいないような。

 

試合については以上

 

つぎの試合は、水曜(日本時間木曜の午前11:30キックオフ)のバルセロナ。これもいいテストになりそう。

ただし、彼らはおとといのユヴェントスとのフレンドリーをキャンセルしていて、この試合がほんとに実施されるのかどうかまだわからない。

スクワッドの多くに胃腸炎(つまり腹痛?)が出ていたとか。Take care of your おなか。

 

ではまた。



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *