昨日、UCLのグループラウンドが終了。すべての結果が出た。
全体的には順当といったところか。サプライズはマンUくらい?
それとニューカッスル。2位のPSGがBVBと分けたので、彼らは最終戦で勝ってさえいれば2位にすべりこめていたのに、ミランに痛恨の敗け。ホームで。彼らは、PSGとのアウェイ試合では最後の最後に疑惑のハンボーによるペナルティで2ポインツを失っており、VARに泣く結果に。アーセナル界隈では「カルマ」と盛り上がっていた。いわゆるインガオホー。合掌。
CLラスト16のドロウは月曜に予定されている。楽しみっすなあ。
さて、CL最終戦でも短い時間ながらプレイしたThe SmithことESRことエミール・スミス・ロウ。
『VERSUS』というUKのメディアが、熱心にコミュニティワークに参加するスミス・ロウを取り上げていて、これがなかなかの内容だったのでシェアしたい。フットボールとはまたべつの側面。
Emile Smith Rowe is a Man of the Community
ぼくは全然しらなかったのだが、VERSUSは、フットボーラーとストリートファッション、音楽、カルチャーなどをフィーチャーしたメディアで、ぼくもわりと好きな方面だった。アーセナルの選手では、これまでにサカやベレリン、エンケティアらが登場している。というか、ヘッキーBの回数よ。
「父のようなひとと思われたい」エミール・スミス・ロウのロングインタヴュー by VERSUS
アーセナルFCとしては、もう数十年も地域社会(コミュニティ)に貢献する活動を行っていて、その拠点「コミュニティ・ハブ(Community Hub)」では、支援が必要な地域の人々のために、スポーツだけでなく、社会的・教育的プログラムが提供されているという。
ここは、つい先日も、カイ・ハヴァーツがボランティで働く女性コーチを訪問&奨励するというサプライズ企画をやっていたところ。
この「ハブ」で、12月7日に5才から25才までのダウン症の子どもたちが参加したチャリティイヴェントがあり、ESRらが出席した(※この記事の写真を観るに、ほかにはサリバ、エンケティア、ネルソン、ジンチェンコ、トミヤス、あとティンバー?がいたようだ)。
彼が育ったThornton Heathでも、多くの若者が困難な暮らしを強いられているなか、彼の両親もまたコミュニティワークに非常に熱心で、エミールはとくに父親であるLeslie Roweから強い影響を受けているという。
以下、彼のインタヴュー。
(地元のコミュニティを支援することはとても重要なことですか?……)
ESR:ぼくにとって、これはつまり恩返しするということなんだ。ぼくの両親は、できるときはいつでもお返しするようぼくに教えてきた。こういう場所に戻ってくる時間をつくるのは、フットボーラーをやっているとなかなか難しいけど。
ぼくの両親は、ふたりとも子どもの支援に取り組んでいたから、それは考えなきゃいけないこととして自分にも植え付けられてきた。だから、ぼくはここにいられてすごくうれしい。ここに来て、とくに子どもたちに会うのはいつもナイスだね。
(恩返ししたいという気持ちについて、キミのお父さんから受けた影響はどれほどありますか?……)
その影響はかなりあるよ! 子どものころから、彼はぼくのインスピレイションだった。いつも尊敬してたし、父さんの歩いたあとを追いかけたかった。
ぼくにそれができて、父さんがやってきたのと同じようなことができるのは、すごく大切なことだと思うんだ。とても重要なことだと心底思うし、こういうことをやるための気持ちはとても特別だと思ってる。ひととして自分がどうあるかという大切さだ。
(あの子たちにとって、ピッチにいるときと同じようにキミに会えるのはどれほど重要ですか?……)
彼らはぼくらをロールモデルと見てる。あとは正直、スーパーヒーローみたいに見られることもあるよ。でも、ぼくらはほんとにそんなじゃないんだ。ぼくらは、オンでもオフでもできるだけよくあろうとしているだけ。これは素晴らしいフィーリングだ。
ぼくも、こういうことの一部になれることがとても光栄だし、恩返しもつづけていきたい。子どもたちを笑顔にしたい。
その重要性は、ここにいるほかの選手たちと同じ。
(こうしたイヴェントをやることからなにを学んでいますか?……)
反応とかそれが及ぼす影響を見ていると思う。ぼくらはただコミュニティをよくしようとしているだけなんだ。そして、できるだけ多くのひとをこういうものに巻き込みたい。
フットボーラーとしては、ぼくも大きな影響力を発揮したい。ぼくらにとってとても重要なことは、ポジティヴな変化をつくりだせる自分たちのプラットフォームを利用すること。
(楽しんで参加していますか?……)
ぼくらみんな楽しんでるよ、メーン! こんなにいいものはないね。ぼくらもスケジュールがめっちゃ忙しいから、こんな時間を取れるのはめったにないんだよ。だから、こういう日が取れるときには、全力で楽しまないと。これは、この仕事の最高のパートのひとつさ。
なにかがんばろうとかしているわけでもない。ただこれがぼくらにとって自然なんだ。ぼくらは、いつも子どもたちを笑顔にさせたいし、家族を誇らしくさせたいとかそんな感じ。だから、そこがとても重要だ。
(キミにとってロールモデルとはなんでしょう。自分のなりたいロールモデルにどうやってなろうとしていますか?……)
父さんを尊敬しているし、父さんが周囲の人たちからどれほど好かれているか見てきた。それこそ、ぼくがあんなふうになりたいと思うものだ。ぼくもひとから見られて、いいひとなんだと思われたいし、いつだって恩返しもしたい。
父さんがこういうことをもう長いあいだやってきたことを知って、とても身近なことと感じている。だから、それでぼくはよりいっそう誇らしくなる。
でも、もちろんそれは簡単なことじゃない。がんばらなきゃいけないし、全部のバランスも取らなきゃいけない。でも、そこには“こういうこと”がたくさんあるので、それを実際にやることがいつだって重要なんだと思う。
ぼくはいまケガをしていてかなりタフな状況だけど、今日はここに来ることができてぼくも笑顔になった。子どもたちがみんな笑っているのを観て、自分もすごくいい気分になった。フットボーラーの役割としても。
(こういったイヴェントがチームに及ぼす一体感について……)
こういうイヴェントは、オンでもオフでも絶対にチームの絆と一体感をよくする。
ぼくらにはすごく忙しいスケジュールがあるから、お互いトレイニンググラウンドや試合以外で会うのはけっこう難しいんだけど、こういうワークに参加すれば、お互いをもうちょっとよく知ることにもなる。冗談をいい合ったり、子どもたちとわちゃわちゃやったり。とても楽しい日になる。
ぼくは、ここにいるのが大好きだね。
いいインタヴューだな!
彼の父ちゃんもきっと息子を誇らしく思っているに違いない。お父さんみたいになりたいなどと云われた日には、涙が止まらない。わたしは年齢的にそっちに感情移入してしまうよ。
さて、コミュニティワークといえば、近年のアーセナルだとベレリンやネルソン、サカらがよく話題になっていたように思うが(エジルはローカルというよりグローバル?)、ESRも両親の影響でそれに非常に熱心だったという。このことは、ぼくはあまり知らなかったので、今回知ることができてよかった。リスペクト。
毎年この季節になると、ギフトを持って小児病棟を訪れる選手たちの姿をクラブがリポートしたりもしているし、アーセナルというクラブにとりわけそういう土壌があるのかもしれない。ほかのクラブとの比較でどうかはわからないけど。大事なことだ。
フットボーラーとしての立場を利用して、困っているひとにポジティヴな影響を与えること。それができる特権的な職業。プロフットボーラー、スターフットボーラー。
おれも助けられてるので、いつもありがとうという気持ちになる。
おわり