ジョルジーニョ=ラインブレイカー
戦術的な部分では、この試合で大きな違いをつくったのはジョルジーニョの存在。
試合後のオーデガードは、「ポルトから戦術的に何を変えたのか?」というリオ・ファーディナンドの質問に対して、それはあまり変えていないとしつつ、ラインブレイキングをやるジョルジーニョを称賛していた。つまり、中央にボールを入れさすまいとする相手のブロックに対し、わずかな隙間をみつけて縦パスを入れること。
これは、アーセナルがポルトでまったくといっていいほどできていなかったことで、今回はポルトでの反省からあらためてチームとして意識的にやろうとしていたプレイなのだろう。試合後のコメントからもわかるように、アルテタも彼に期待していた部分だった。だから、それが今回はばっちりハマった。
ファンのあいだでは、ライスの数少ない不満点のひとつがこのラインブレイキングのパスで、彼はパーティやジョルジーニョにくらべると、そこまで縦にリスキーなパスを出さない。もちろん、だからこそ彼がNo.6でプレイするとチームプレイが安定するという側面もあるだろうが、中央の守備ブロックを固めようとする相手との試合では、攻撃プレイの停滞を招くこともままある。
ジョルジーニョが非凡なのは、中央にパスの道がないとき、OTT(over the top)のパスがあること。ハヴァーツが決めた2点めは、まさにジョルジのOTTの絶妙なスルーボールがプリアシストとして美しく決まった場面だった。ダイアゴナルラン&カットバックのネリも称賛したいゴール。
Jorginho > Martinelli > Kai pic.twitter.com/K9vpDHXQIn
— Renato (@orehnato) February 24, 2024
試合終盤、クリンシートを逃した失点シーンでは、ネルソンだけでなくジョルジーニョもドリブルする相手選手にスピードでついていけず、若干ギルティなところはあるし、相変わらずああいうところはリスクになってしまうが、彼にはそれを補ってあまりあるものがある。
来月なかば、CLでつぎのラウンドへの勝ち抜けをかけたポルトとのセカンドレグ。エミレーツで支配的にプレイするアーセナルに対し、相手がどういうアプローチでプレイするかは想像に難くない。
そのとき、ジョルジーニョ、あるいはそのときは復帰しているであろうと信じたいトマス・パーティが、やるべき仕事は決まっている。
相手の固い守備ブロックを攻略することが苦でなくなったとき、このチームはさらにレヴェルアップしている。
この日のジョルジのタッチは、ライスとオーデガードを足したよりも多い。OMG
今日のハヴァーツウォッチ
彼のことがキライだったみんなも、もうそんな昔のことは忘れたみたいだな!
すごいぞKing Kai。G1 A1。いまやファンフェイヴァリット。カルトヒーロー。試合後、この試合は彼のベストパフォーマンスだったと評判である。空中戦勝もトップ(4)。G2じゃなかったのが、すこしだけ心残り。
Kai Havertz’ game by numbers vs. Newcastle [RANK]:
87% pass accuracy
7 ball recoveries [🥇]
4 aerial duels won [🥇]
2 interceptions [🥇]
1 assist [🥇]
1 goal [🥇]Best performance in an Arsenal shirt. 👕👕👕 pic.twitter.com/L7vOS4als1
— Statman Dave (@StatmanDave) February 24, 2024
この試合の全ショッツにおける最大xGは、どちらもハヴァーツ。24分アーセナルの2点めのゴールになったショットと、47分に外したショットが同じ値(0.64: SofaScore)。決めなきゃいけないチャンス量である。
だが、後半開始すぐのあのショットは、いかにもハヴァーツらしい外し方に思えた。ゴールへの執着を感じないというか。淡白。
もしあれが入っていれば、この試合のMOTMは迷わずジョルジーニョというわけにはいかなかっただろう。それほどハヴァーツはよかった。
レッド ホット サカ
リオ・ファーディナンドのおかげで、彼の周囲では「ワールドクラス」がすっかりネタになってしまっているサカ。彼のフォームでそれがますます冗談じゃなくなってきている。
彼の今シーズンここまでの記録は、これでPLでG13 A8。CLでG3 A4。あわせてG16 A12。コミュニティ・シールドのA1も含めると、ゴール関与が29。
Bukayo Saka has already passed last season’s numbers & it’s only FEBRUARY 😳 pic.twitter.com/oEFnYpgazu
— CBS Sports Golazo ⚽️ (@CBSSportsGolazo) February 24, 2024
シーズンが終わるまで、まだ3ヶ月ある。5月には、誰もが彼がワールドクラスだと認めているかもしれない。
ハッピー ヘイルエンド デイ!
この日、ヘイルエンド(アーセナルアカデミー)出身のボーイズがハッスルして、アーセナルファン大満足な一日だったという。
What a day it’s been for Hale End pic.twitter.com/8ywBdDBP2s
— 10 (@ossdeux) February 24, 2024
アレックス・イウォビ(OTでようやった!)、サカ(ワールドクラス!)、ジョー・ウィロック(許す!)、そして…… なんか混じってる(笑い)。
彼ら以外にも、チェルシーへ行ったオマリ・ハッチンソン(イプスウィッチ)。
Omari Hutchinson scores to put Ipswich 3-1 up ⚽️
Composed finish to seal the 3 points ✅ pic.twitter.com/sBh6stQDtL
— Chelsea Loan Army (@ChelseaIoanArmy) February 24, 2024
QPRのクリス・ウィロックも。ジョーのお兄ちゃん。
Willock goal: QPR 2-1 Rotherham pic.twitter.com/N1KdBCCQll
— QPRSwitzerland (@QPRSwitzerland) February 24, 2024
すごいぞヘイルエンド。
こうなると、この試合93分のESRの大きなゴールチャンスが悔やまれる。せっかくGKは届かない場所だったのに、ゴールラインで相手のなんかでかいひとにブロックされてしまった。
フルタイムの彼は、あんな雰囲気のなかでも、シャツをひっかぶってホイッスルを聞いていたのが印象的だった。また悔しくて泣いていたのかも。
彼はあいかわらずチャンスは少ないが、サブで出れば出たで毎回のように惜しいショットを放っては、ゴールを決められないでいる。今回のようなことは初めてじゃない。ケチャップのフタが固い。きっかけさえあれば。
彼をどうにかできないだろうか。ミケルには、どうしても彼をどうにかしてほしい。そう思わずにいられない。
キヴィオールの隠れた貢献
G1。彼はああして観ると、24才にしてけっこうあどけない顔をしていて、なんだか見てるこっちまでうれしくなる。
Jakub Kiwior stepping up 👊 pic.twitter.com/p9TeSYF97c
— Arsenal (@Arsenal) February 25, 2024
彼はジンチェンコやトミヤスがいないあいだのバックアップLBとしてプレイしてきて、彼らが復帰すれば当然のようにまたベンチに戻ると思われているが、なんだかんだ彼が安定したプレイをしてくれなかったら、いまのアーセナルではなかったなと。
隠れた貢献と云うと彼には申し訳ない気分もあるが、実際かなりチームに貢献している。LBとして試合ごとに安定感を増しているふうもある。
バックアップの選手がファインフォームのレギュラーチームを支えるというのは、CLファイナルまで行ったときのフィリップ・センデロスみたいじゃないか。
彼には、これからもがんばってほしい。
この試合については以上!
最後のウィロックで、なんなら5-0の気分だね!
リヴァプールは主力のケガで、アンフィールドとは言え3/10のシティ戦は危ないと思います。
アーセナルとシティのマッチレースの確率が高くなってきました。
3/30の決戦に向け、現在の好調を維持して欲しいです。
では、来週までしっかりケアしてくださいね。
サリバがラマダンに入る時期にエディハド戦なのがやや気がかりです。