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アーセナルFCが22-23シーズンの決算を報告

おとといの2月26日づけで、AFCことアーセナルFCが22-23シーズンの決算発表をしていたので、それについて。22-23なので、昨シーズンの分である。

Financial results for 2022/23

この件、どういうわけかAFCのtwからも告知なし、オフィシャルサイトのトップページからのリンクもなしと、なぜか不親切な扱いでちょっと出遅れてしまった。



アーセナルFC 22/23シーズン決算報告「£52.1mの損失」

以下、AFCオフィシャルサイトより。

アーセナル・ホールディングス・リミテッドは、現在、アーセナル・グループの2023年5月31日までの連結決算を企業庁に提出

その年の全体の損失は£52.1mでした(2022年 – £45.5m)。財務結果は、特定の選手登録に関する減損損失で影響を受け、その金額は£18.1mでした。これらの金額はその量のため、特別なものとして分類されます。特別な項目の影響を除いた税引前損失は、£34.0mでした(2022年 – £45.5mの損失)。

男子ファーストチームのUEFA大会への復帰による基礎的な成績の向上が反映されています。クラブはUEFAヨーロッパリーグのラウンド16に進出し、プレミアリーグでは多くのシーズンを首位でリードし、最終的に2位で終えました。

アーセナル女子チームは、WSLで2022/23シーズンを3位で終え、FA女子コンチネンタルタイヤリーグカップを制しました。エミレーツ・スタジアムで8試合が行われ、UEFA女子チャンピオンズリーグの準決勝で初の完売が記録されました。

この年の結果は、以下の主要な要素に分解されます:

年間のフットボール収入は£464.4mでした(2022年 – £369.1m)。

放送収入は£191.2mに上昇しました(2022年 – £146.0m)。これには、UEFAの放送収入の含まれることと、強力なプレミアリーグの成績が高いメリット賞と生中継料金に翻訳されたことが理由です。

商業収入は£169.3mに大幅に改善されました(2022年 – £141.7m)。クラブは、新しい商業戦略を立ち上げ、2022/23年には特に小売り事業から非常に良い結果を出しました。

欧州フットボールの復帰により、24試合のホーム開催があり、試合日収入は前年の£79.4mに対して£102.6mでした。これは2014/15シーズン以来、試合日収入が£100mを超えた初めての年です。男子試合全体の平均入場者数は60,082人でした(2022年 – 59,568人)。

給与費用は£234.8mに増加しました(2022年 – £212.3m)。この増加は、男子チームと女子チームの両方での選手給与への投資によるものでした。また、商業および運営人員数の増加も影響しました。

選手登録の売却による合計利益は£10.7mでした(2022年 – £22.2m)、選手ローンは£1.5mでした(2022年 – £2.0m)。選手の取引利益は引き続き全体的な収益性に大きな影響を与えており、クラブの利益実現能力は、再び市場条件によって不利な影響を受けました。ポストパンデミック時代にクラブの取得予算が引き続き財政的な圧力を受ける中、2022/23年の利益を実現する能力が低下しました。

この年には、グループの不動産開発事業には限られた活動があり、収益は£2.1mでした(2022年 – £2.8m)。年末以来、グループはHornsey Roadの不動産開発現場の計画許可をついに取得しました。

純財務費用は£6.2mに増加しました(2022年 – £5.2m)。

選手登録の追加費用と償却費用により、無形固定資産(選手登録)の簿価は£417.0mに増加しました(2022年 – £333.5m)。

年末の現金残高は£42.8mでした(2022年 – £30.0m)。2023/24シーズンのシーズンチケットの更新は再び非常に強力でしたが、更新のタイミングにより、これの現金への影響は一部6月まで延期されました。

クラブは、UEFAとプレミアリーグによって設けられた適用可能な財政的持続可能性規制に準拠し続けています。

資金は主に最終親会社であるKSE UK Inc.から提供されており、これは最終的な支配者であるE・S・クロンキ氏が完全に所有しています。クロンキ・スポーツ&エンターテイメントがクラブの所有権とコミットメントをサポートしてくれなければ、この投資は不可能でした。

2022/23年およびその後の夏の移籍市場で、クラブは再び男子ファーストチームの選手リソースの開発に強力に投資しました。この投資は、UEFA大会への出場が自立した財政基盤の再確立の前提条件であることを認識しています。

また、アーセナル女子チームにも強力に投資し続け、女子フットボールは引き続き大きな関心と支持を得ています。この投資は、クラブの所有権であるクロンキ・スポーツ&エンターテイメントの支援とコミットメントなしには実現しなかったでしょう。

2023/24年のUEFAチャンピオンズリーグへの出場権は、さらなる前進を表しており、2023/24シーズンはこれまでにも増して期待されています。

以上。

今回は、このブログでは初めて、ChatGPT先生の力を借りて翻訳してみた。素晴らしい。

 

さて、決算は……ということである。

全体的には今年も赤字で、昨年度の£45.5mから損失額はさらにすこし増えて£52.1m。

主要エリアの昨年度からの推移は、Łukasz Bączekさんのtwがわかりやすい。

⚽️総収入 £466.7m⬆️25%
🏟️マッチデイ収入 £102.6m⬆️29%
📺ブロードキャスト収入 £191.2m⬆️31%
💼コマーシャル収入 £169.3m⬆️19%
⚽️税引前損失 £52.1m⬆️15%
⚽️給与総額 £234.8m⬆️11%
⚽️選手売却益 £10.7m⬇️51.8%
🏢グループ不動産開発ビジネス £2.1m⬇️25%
🪙銀行および手元現金 £42.8m⬆️43%
⚽️選手登録の償却と減損 £139.1m ⬆️11%

一見してわかるように、収入は全体的には増加しているようにみえる。

マッチデイ収入やブロードキャスト収入が前年度から大幅に増えているのは、ヨーロッパ(EL)への復帰とPL2位フィニッシュが大きいようだ。

だが、それでも前年度にひきつづき赤字。この点については、AFCからの発表にある以下のくだりに注目したひとが多かったという。「財務結果は、特定の選手登録に関する減損損失で影響を受け~」。

昨日わたしもこんなtwを見かけた。ニコラ・ぺぺにかかったコストは£130m以上? これもおそらくこの発表と関連してのつぶやきであろう。

まあ、もちろん赤字はぺぺの案件のせいだけではないし(今日のArseblogはベレリンの案件も指摘してた)、ほかの影響もあるだろう。だが、あいかわらず選手売却による利益が非常に少ないのは現実としてある。

この年は、ゲンドゥージ、トレイラ、レノを売ってやっと€20m。手放す時期を間違えなければ、その2倍にも3倍にもなっていたんじゃないか。そういう反省点はある。

ありがたいのは、こういった選手契約のハンドリングの失敗は近年どんどんすくなくなってきていること。この夏にセドリックやエルネニーら高齢選手がクラブを去ると、このスクワッドはさらに無駄がなくなる。

アーセナル財政の今後と2024夏の移籍戦略。ストライカー獲得についてエドゥがコメント

現行のFFPルールでは、たしか3シーズンで許される損失は£105mまでとあったはずだが、AFCはこの3年間でそれをとっくに超える損失を出しているはず。

AFCの損失は、20-21が£107m、21-22が£45.5m、そして今回の22-23が£52.1m。

この2年間でもギリギリ。よくわからないね。3年前だと、Covid理由の特例とかがあったんだっけか。Swiss Rambleのリポートを待とう。

まあとにかく、AFCは現状ではまだ大丈夫のようだが、FFPにはかなり気を使っていると云われていて、そのおかげで、この冬の移籍ウィンドウでもまったく動かなかった(動けなかった)のだろうと思われる。資金ができたときは、まずブレントフォードにラヤの移籍金を支払う約束になっているとも伝えられていたが、1月にそれを支払ったというニュースはなかった。

だが、来年の決算(23-24)こそは、財政はかなり正常化に向かうのではないだろうか。その理由はPLで好調ということもあるが、CLが決定的。CLというトップコンペティションの影響が大きすぎる。

先日、チェルシーとリヴァプールのカラバオカップの賞金が「あまりにも」ですこし話題になっていた。ファイナリストに与えられるその金額、£100,000。£100k。£0.1m。敗けるとその半分の£50k。£0.05m。トミヤスの週給かな? もちろん、フットボールはお金がすべてじゃないけど、この賞金ではビッグクラブはやる気が出ない。そのうちスポンサーがまた変わって、オイリーな冠がついて賞金めちゃくちゃ増えたりするのかもしれない。

いっぽう現行のCLの賞金は、いまアーセナルがいるラスト16で勝つだけで£8.2m(€9.6m)。文字通りケタが違う。クラブ財政に与える影響がとてつもなく大きい。

だが、ヨシこれで夏の予算もバッチリ。超大型補強不可避。と喜んでいいのかどうかはまだわからない。

先日のPLニューカッスルで、試合前にTNT Sportsの中継にゲストでエドゥが登場。キーオンとエドゥのインヴィンシブルなふたりが揃う一幕があった。ここでの、No.9獲得に関する彼のコメントが注目されていた。

エドゥ:(ファンは9を求めている)ファンが求めていることはわかっている。だが、われわれにも自分たちの考えがあり、ターゲットがいる。

これからについては計画がある。わたしも、もしチームがたくさんゴールしていないとか、あまりチャンスをつくれていないとかなら心配になっていただろうが、その逆だ。たくさんクリエイトし、たくさんゴールしている。

毎年、計画はもっとよくなっていくためにある。われわれは現在いいときを過ごしているので、これからも進歩をつづけられるか観てみよう。

このことばをそのまま受け取るなら、ファンが求めている<シーズン20-30ゴール決めるようなビッグストライカー>に行く気はないということかもしれない。少なくとも、ほかのエリアの予算もそこにつぎ込むみたいな、リスクをかけてひとりのストライカーに巨額を投資しなければならない状況はない。だって、現状うまくいってるから。

これは、アルテタの意向も感じる発言に思える。ゴールを複数選手でシェアしている状況では、ゴールをまかせられる特定の誰かというより、周囲を活かせる選手のほうが結果的に全体的メリットになるという。そのほうが持続可能性ある。なにしろ、いまはほとんど9レスで記録的な量のゴールをぶっこんでいる。

昨日、『Daily Mail』(Sami Mokbel)の記事が話題になっていて、それによるとアーセナルの夏のメインターゲットは、ストライカー、ウィンガー、CM。

このチームの方向性からすると、やはりOsimhenのようなストライカーに集中的に投資するより、その予算をウィンガーやCMに分散したいと考えそう。

アルテタの理想は、ジェズースのようなハイプレスを厭わないワークエシックがあり、周囲の選手を活かせて、ゴールもできるストライカー。いまメディアなどで取りざたされているストライカーたちも、このゴール以外での貢献部分で、けっこうフィルタリングされてしまいそうに思える。

夏に金はある(たぶん)。それをどう使うか。

 

おわり



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