試合の論点
アーセナル vs ブレントフォードのトーキングポインツ。
Successful Saturdays at Emirates Stadium 🙌
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— Arsenal (@Arsenal) March 9, 2024
タフな相手にしぶとく勝ちをつかむ。9年ぶりの8連勝だが、ウェイクアップコール
前半のスタートは、ブレントフォードがハイプレスもやったり思ったよりも積極的で、アーセナルはなかなか自分たちのリズムをつかめずにいた。それは、15分くらいまではけっこう真っ平らなxGのチャートにも現れている。
この試合が始まる前、「今シーズンのPLでアーセナルは15分以内でもっとも多くゴールしているチーム」のようなスタットを観ていたので、その時間を過ぎるとすこしだけ心配になった。
だが、19分にベン・ホワイトのクロスからデクラン・ライスがヘッダーでゴールを決めると、チームは徐々にここ最近のファインフォームで観せてきた攻勢を見せはじめ、深く引くブレントフォードに対して、さまざまなやりかたでチャンスをつくっていった。
前半はリードしたあともプッシュしつづけ、1-0くらいじゃ全然満足できないというホームチームのハンガーがあった。
だから、前半の追加タイムに入ってから、ほんとうになんでもないところから失点したことはたいそう驚いた。藪から棒。心配していたラムズデイルがやっちまった。個人エラー。
1-1になってしまい、3ポインツのためにはどうしてもゴールが必要な後半は、時間がたつにつれプレッシャーが重くなる。手に汗握りながら観ていて、気づいたら残り10分になっていたときは、正直気が気じゃなかった。
後半はプレッシャーのなかでそんな紆余曲折がありつつ、86分のハヴァーツのウィナー。アシストはまたベンジャミン。アーセナルファンが選ぶMOTMはベニー・ブランコだった。
ハヴァーツがヒーローになって、最後はめでたしめでたしで終わるには終わった。だが、8連勝で浮かれる気にはあまりなれない。
試合後、誰かが云っていた。「これはCLポルト2ndレグの予告編」あるいは「プレッシャーがかかる残り10試合のスタート」。
とくに今回はCLポルトのファーストレグのように、またしてもプレイ時間が極端に短かったそうで、ブレントフォードには時間稼ぎを厭わないダークアーツ的アプローチも似たものがあったかもしれない。
The ball was in play for less than 50% of tonight’s match between Arsenal and Brentford.
Total time: 105:01
Time in play: 49:26— Sam Dean (@SamJDean) March 9, 2024
PLでは3チームがドロウも許されないような極小マージンでタイトルを争うなかで、またCLのノックアウトラウンドで、どちらのトロフィも狙ういまのアーセナルにとっては、エラーできる余地はほとんどなくなっている。
今回の試合では、そのプレッシャーの対処がいかに難しいかを再認識することになっただろう。これからもマストウィンな試合がつづくなか、どんなときも自分たち自身であろうとすることがいかに難しいか。去年の教訓があるとはいえ、若いチームにはその経験も不足している。
今年に入り、アーセナルは超絶フォームでここまで来たため、ファン界隈には若干楽観的ムードが漂っていた部分もあると思う。正直、ぼくもこの試合はアーセナルがもっと楽に勝つものだと想像していた。
だから、これはチームにとっては、いわゆるウェイクアップコールとするべきなんだろう。勝って兜のなんとやら。
レジリエンスのようなチームのポジティヴな側面を喜ぶだけじゃ、今後も痛い目を観かねない。
ラムズデイルの痛恨エラーをチームでカヴァー。考えさせられるGK交代劇
ブロックの足にボールが当たって、あんなふうにきれいにネットに吸い込まれるドンピシャのタイミングでやらかすとは。
相手FWが虎視眈々とプレスを狙うなかで、ラムズデイルは安易にボールを長く持ちすぎて、こっぴどく罰せられてしまった。アウェイサポーターからは「おまえはSh*tダヴィド・ラヤ」の罵声も浴びたとか。前半終了まであとわずかという時間帯も痛かった。
ああいうエラーは、トップレヴェルでもたまに観るエラーではある。アーセナルだとオバメヤンがいつだったかやったような。もちろんゴールするほうで。
また、どんな選手もどんなGKもミスはする。だから、ラムズデイルを擁護したい部分はある。あるが、結局ふつうやらないことを彼のようなGKがやってしまうということは、精神的/心理的なあれこれとか、単純な試合勘とか、解決されていない問題はそこにあったということ。
ましてや、彼は去年のブレントフォード(A)でも、失点こそ免れたものの試合中に目を疑うようなエラーを2回もやらかしていて、それはこの試合の前にも心配されていたことでもあった。
彼はこの試合がアーセナルでの最後の試合になる可能性もあり、本人的にもプレッシャーを感じるだけでなく、モチヴェイションも高かっただろうし、なにより楽しみにしていたと思う。それがあんなことに。
ただ、それでも結局チームが勝ったのは、美しかった。チームはここで敗けられないというだけでなく、チームの人気者である彼のために勝とうという気持ちもあったはず。彼に同情しない選手はいなかったと思う。
フルタイムで、ESR、エディ、ネルソンらと順番にハグするラムズデイルの姿を観たときは、不覚にもちょっと感動してしまった。彼と同じくレギュラーの立場を失ってタフなときを過ごしているチームメイツとの連帯。ハッピーだけじゃない舞台裏のちょっとしたドラマを観た。
ラムズデイルのエラーで、この試合の勝利をもっとも安堵したのはアルテタかもしれない。この試合でポインツを落とし、シーズン後、ラムズデイルのあのエラーが原因でタイトルを逃したなんてことが云われるようなら、GKに関して彼のやりかたが間違っていたと追求されかねない。
このあたりは、シーズンを総括するときにまた振り返ることになりそうだ。
ラムズデイルの有終の美という意味では、あのエラー以外のプレイは彼らしいパフォーマンスだった。彼自身がもっとも泣きたくなるような状況だったろうが、それをはねのけてビッグセイヴをやった。彼もまたこの試合でチームを勝たせたひとりと云える。
今シーズン、ラヤに万が一なにかあればラムズデイルの出番になる。5月までまだプレイする気マンマンでいてほしい。
ハヴァーツは退場がふさわしかったか?
65分のハヴァーツ。ボールを持ってボックスに侵入すると、相手DFが足を出したところで転倒。スタンドはいっきに湧き上がったが、リプレイの映像を観ても、相手DFが彼を倒したようには見えないのはたしかだった。もし相手選手がアーセナル相手にあれをやったら、いますぐフットボール世界から追放しろと叫んでるかも。いや、そこまでじゃないか。
試合中は、時間をかけてVARチェックをするまでもなくレフにあっさり流されたので、実際に相手の足が触れていたのかどうかもよくわからなかった。まあ、仮に多少触れていてもおとがめなしと判断されそうな、軽い接触だったかもしれない。当然、これにブレントフォードの皆さんはダイヴだと猛抗議。ハヴァーツは1枚カードをもらっていたから、ダイヴならさらなるカードで退場の可能性ありで、ここは試合を左右しかねない重大な判定だった。
このシミュレイション疑惑は、たしかに若干モヤっとするところはある。
あれがハヴァーツのノットギルティならペナルティだし、ハヴァーツのギルティならダイヴでまあカードが妥当だろう。それでレッドカード。本来、ルールブックに則った正しい判定をするなら、どちらかでなければいけなかったはず。わしが観てた中継コメンタリでも、nothingはおかしいと云ってた。
アーセナルファンのあいだでは、ほかのいくつかのブレントフォードのペナルティ疑惑を指摘して、ハヴァーツのおとがめなしを正当化しようとする向きもあるが、公平な目線では若干苦しいように思える。
彼らがペナルティを免れたのは、リヴァプールからの刺客こと(笑)、この日のVAR担当だったPaul Tiernyの陰謀はあったかもしれないが、それとこれとはべつの問題。もしハヴァーツがここで2枚めのカードを提示されていたら、陰謀論を疑ってもいいとしても、実際は彼らにうやむやにしてもらった。もし残り30分もないのにさらにゴールが必要なほうがひとり減れば致命傷にもなりえた。
まあ、今回は命拾いした事実をラッキーだったと受け止めておくしかないか。
それにしてもハヴァーツは、去年11月のニューカッスルでも、ストレイトレッドでも文句も云えなさそうなプアなタックルをやり、レフの判断に救われている。
ダイヴィングも危険タックルも必要ない。致命傷になる前に、自重してもらいたいものですね。
この試合については以上
VARについて詳しくないので教えて欲しいのですが、、ハヴァーツPK疑惑の場面で仮にハヴァーツのシュミレーションだった場合カードを出す事はルール上可能なのでしょうか?
あまりVARのチェックでイエローって見ないような気がして…
ショルダーチャージや軽い接触での転倒等と判断されたのなら、別にダイヴとならないのでは?
PKとダイヴ・イエローの二者択一では無いと思います。
シミュレーションと認められれば、普通にカードは出てますよ。
ご回答ありがとう
主審がPKの笛吹いて無いのでVARはPKのチェックだと思うのですが、仮にハヴァーツがシュミレーションと判断されてもそこはVARの対象では無いかと思いました。
主審がPKの判定でVARチェックならカード出される可能性ある?
ルール上シュミレーション=カードでそれがVARでも対象になるって事でしょうか?