試合の論点
アーセナル vs シャフタール・ドネツクのトーキングポインツ。
カラフィオーリがヒザをやった。リヴァプールに不安のDFライン
CLで3ポインツももちろん重要だが。いまこの状況で、さらにカラフィオーリまで失うかもしれないという一大事が起きてしまった。
事案が起きたのは、後半になってからカウンターの応酬のような、試合がややオープンになっていた65分あたり。
バックラインからのビルドアップで、カラフィオーリがボールを持って相手マーカーをかわそうとしたところ、ショルダーtoショルダーのチャレンジを受けてボールを奪われてしまう。レフが認めたファウルなしの正当なタックル。
あそこは、いかにも彼がやりそうなプレイであり、ちょっと無理をした感もあって、正直ぼくは過信というか多少慢心みたいなものを感じた。彼もあそこでつぶされる可能性をまったく想定していなかったようだし、DFとしてはリスク管理に問題あり。安全第一ではなかった。
そこで、相手にぶつかられて態勢を崩した彼は踏ん張ろうとして、ヒザをひねってしまったように見えた。ヒザの関節が外側に開いたような。治療を受けたあと、試合再開でピッチに戻ったが、少しして座り込んでしまった。
試合後のアルテタは「いいニュースではない」と、コメントは芳しくない。
もし、カラフィオーリがこのあと離脱するようなことがあれば、アーセナルは非常にまずいことになるだろう。
週末のリヴァプールはただでさえサリバがサスペンションでおらず(※クラブはボーンマスでのレッドカードのアピールをしなかったということ)、ティンバーが戻っても、彼には右サイドの仕事がある。そうなれば、LBでプレイできるのは、ジンチェンコ、キヴィオール、MLSで、ジンチェンコもキヴィオールも対Salahの守備を考えると不安があり、MLS 18才が超抜擢の可能性すらある。
それはそれでアツい展開だが、仮にカラフィオーリがフィットしていた状況とくらべると、不安にならざるを得ないのは確か。
日曜まで中四日。よいほうに事態が転ぶとよいのだが。
— Billy Carpenter (@billycarpy) October 22, 2024
このシーンはしびれたよなあ。ワンアクションでふたりが置き去り。さすがのフィオーリ。今回もカラフィオーリすごいを再確認した試合だっただけに、ケガは残念でならぬ。
ちなみに、マルティネリの幻ゴールも、リプレイをよくみるとこのひとの隠れた貢献があるのだよね。彼のランによってガビと対峙したDFが一瞬気を取られたことで、ネリのショットがあそこへ飛んだ。
マルティネリが超躍動
各所で文句なしのMOTMがリトルガビ。
Our difference maker.
The UEFA POTM: Gabriel Martinelli.
🤝 @ChampionsLeague pic.twitter.com/SBV5uiqvOG
— Arsenal (@Arsenal) October 22, 2024
彼のあの馬力が有り余る感じは、ひさしぶりに観た気がする。公道でレーシングカーが走ってるみたいな。アルテタが「ギア」でよく例えるみたいに、つい車のアナロジーで語りたくなる。
残念ながら29分のゴールは、結局相手GKのオウンゴールとして記録されてしまったものの、彼の見せ場はあれだけではなかった。
今回の彼のスタッツは、キーパスが5、クロスが3/6、ドリブルが4/4、地上デュエルが5/6、空中デュエルが3/4。攻守にかなり貢献した。もちろん、ボールがないときのハードワークはいつもどおり。
この試合の彼は、ボールを持ったときの落ち着きや正しい意思決定があったように感じた。局面での判断を間違えない。それがあればドリブルが成功するし、クロスが成功する。ゴール貢献に近づける。彼自身もこの試合の自分のプレイに、きっといいイメージをつかんだに違いない。
チーム全体としては、週末のリヴァプールに向けては、あまりよくない状況が生まれつつあるなか、唯一といっていいくらいの明るい材料がマルティネリかもしれない。彼は個人としてもリヴァプールと相性もよいし、かなりよいタイミングで復調してくれた。
リヴァプールでは彼に期待せざるを得ない。
パーティが躍動
この日活躍した選手を挙げるなら、ネリのほかにはパーティを挙げざるを得ないんじゃないか。彼もシャープだった。
チームのなかでは、CBのふたりを除くともっともタッチが多かったのがパーティで(91)、この試合もあのポジションでよくゲイムメイキングしていた。
アーセナルファンのあいだでも、彼もしばらくずっと衰えが指摘されてきて、キャリアの終盤でもう終わった選手のように語られてきたところがあるが、どっこい、なんならいまは彼がアーセナルにやってきた当初のような輝きを見せ始めているようにすら感じる。
なによりつねにフィットしていることが大きい。シーズンスタート以来、ここまでの彼はリーグカップ以外の11試合すべてでプレイしている。フィットネスとプレイのシャープさがリンクしている。ずっと試合でプレイしている彼を、アルテタがこの試合では休ませても驚きはなかったが、アルテタはジョルジーニョよりパーティを選んだ。それだけ彼が好調で、信頼できるということかもしれない。
ただ、残念なことは、この試合でもベンジャミンが下がってからはRBにポジションを移してプレイしたが、彼の全方向の視野はRBだと良さが半減してしまうこと。この日も、ワイドにいる彼を観て、なんだか宝の持ち腐れ感が拭えなかった。
チーム事情を考えると、リヴァプールでも彼がRBでスタートする可能性が高いように思える。サリバがいないので、もしティンバーがダメなら自動的に彼がRBだろうし、もしティンバーがフィットしてもカラフィオーリがダメならティンバーがLBに入り、パーティがRBが順当なセレクションだろう。彼がDMでプレイするには、ティンバーとカラフィオーリがふたりともフィットしている必要がある。
しかし、なんだかんだ、RBでもプレイできるパーティの存在に、チームはかなり助けられている。
TPには、このあともできるだけ長くフィットしていてもらいたいものである。
ジェズースをどう評価するか?
この日のジェズースはサカ役のタスクで動いていただろう。彼は、右ワイドでタッチラインに張るウィンガーをやっていた。
試合後のファン反応をみるに、この日の彼をあんまり評価しないひともけっこういるようである。だが、ぼくは彼はわりとよかったと思っている。少なくとも及第点みたいな。
おそらく現時点で、彼以上に上手にサカ役ができる選手はチームのなかにおらず、アルテタがサカロールにこだわる以上、彼不在のあいだはジェズースがRWのファーストチョイスになりそうに感じた。
いっぽうで残念だったのは、あいかわらずのフィニッシュ。何度か決定的な場面もあったもののゴールできず。ゴール貢献という意味では、39分のチャンスはハヴァーツがあとゼロコンマ何秒か早く動いてくれれば、アシストだったかもしれないが。
まあ、しかし全体的には彼もシャープに見えたし、決して錆びついているとは思わなかった。あの役割の大きな仕事である1 v 1でも、相手DFにはつねに脅威になっていただろうし、実際に相手を出し抜くことも何度か。ドリブルは4/4。その点ではスターリングよりも優秀だと思う。フィジカルコンタクトを厭わない泥臭い部分も彼の持ち味だろう。
トロっさんがミスっちまったペナルティは、もしあの時間にジェズースが残っていたら、あえて彼に蹴らせたかったやつだった。少しでも自信を取り戻してほしかった。
リヴァプールでも彼がやるべき仕事があるはず。期待したい。
ラヤがもたらす3ポインツ
これを忘れちゃなんねえ。
92分の左手一本のあのスーパーセイヴ。あれはやられたと思ったね。FCポルトの悪夢がふたたび。もしあれが決まっていたら、時間的にも確実に2ポインツ失ってた。試合後の気分もまったく違っていただろうから、彼の貢献はかなり大きい。今回の久々のクリンシートはそのおかげでもある。ネリの活躍がなければ、MOTMはラヤだったかも。
UCLではアタランタ戦につづいて、またしてもGKがチームを救った。
トップチームには、いつもトップGKがいる。いまラヤは、本物のトップGKになりつつある。素晴らしい。
そういえば、彼は一週間くらい前にGFにプロポーズしたとかで話題になっていて、r/Gunnersでのあるコメントがかなり高い評価を集めていた。
“No clean sheets tonight then!”(じゃあ、今夜はクリンシーツは無理ですね!)
ラヤの無失点と新婚さんの「きれいなシーツ」をかけたわけですね。桂三枝もびっくりのUpvoteが1.6k。ナイス大喜利。
この試合については以上
アーセナルのつぎの試合は、もちろん日曜のPLリヴァプール。@エミレーツ。
リヴァプールはフォレストに敗けたから、そのままズルズルと行くのかと思ったら、その後は絶好調みたいで。いまもリーグテーブルでトップ。新しいマネジャーのなんとか氏もだいぶ高評価。
われらはケガもあって、いまは最高ではないけれど、それでも結果が必要な試合だ。しびれるね。楽しみ。
ではまたプレビューで。
COYG!
ラヤ夫妻のシーツの件、ドギツイ下ネタで茶吹き出しましたw