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UCLのリフォームとアーセナルへの影響

UEFAチャンピオンズリーグが、コンペティション自体の刷新を図った新案が話題になっている。

昨日かなりシェアされていたこのtweetによれば、「2024年から36チームによる「スイス式」トーナメント10試合を含む新しいCLが、このあと36時間のあいだに合意されるのは99%確かである」ということ。

新しいかたちのチャンピオンズリーグの概要、それとアーセナルへの影響について少し書こう。



CLグループステイジ32チームスを廃止&36チームスによる「Swiss style」トーナメントへ

UEFAでリフォーム提案されているUCLのレギュレイションについては、以下の『The New York Times』の記事で簡単に説明されていた。なぜUSメディア。

The Champions League Is Changing. Here’s How It Will Work.

この記事を読んでいただければここであらためて説明する必要もないのだが、忙しくて猫の手も借りたいという貴殿のためにざっくりまとめよう。

現行ルールとの比較

<現行レギュレイション>

オープニングステイジである「グループステイジ」は、4チームス・8グループスのホーム&アウェイ、いわゆる総当りで競われる(※同じチームと2回プレイする)。勝ちに3ポインツ、分けに1ポイント。上位2チームスがつぎのノックアウトラウンドへ勝ち抜け。

このグループステイジの32チームのグループ分けはすべて「ドロウ」を通して行われる。またドロウは、ざっくりとした力の公平性を保つため、クラブランキングや国でPod分けされる。

ノックアウトラウンドもファイナルまでは、ホーム&アウェイで競われる。

<新レギュレイション>

従来の「グループステイジ」を廃止。36チームスが参加し、国内リーグのようないわゆるリーグ戦に。1位から36位までのひとつのテーブル。

どのチームも、強さ/国が考慮された相手と10試合をプレイする。よって、すべての相手とは当たらない。いわゆる「スイス式トーナメント」。

スイス式トーナメント – Wikipedia

10試合の結果、36チームス中、トップ8がノックアウトラウンドへ。ボトム12が敗退。

プレイオフは、9位から24位までの16チームスで行われる。9~16位 vs 17~24位がホーム&アウェイでプレイし、勝者の8チームスがノックアウトラウンドへ。

ノックアウトラウンドはこの16チームス。以降は現行と同じ。

36チームスの選びかた

現時点では、従来の32チームスに追加される4チームスがどう選ばれるか明かされていない模様?

『BBC Sports』によれば、この追加チームスのなかにはふたつの「ワイルドカード」枠があり、それは、いわゆるUEFAランキング(Club coefficients)から選ばれるということ。

ちなみに、現時点ではUEFAランキング(20-21)のCL外チームのなかでポールポジションにいるのはAFCだったりする。

変更の企図

もしこのプランが正式に成立するならいずれUEFAからも説明があるだろうが、いまメディア等でささやかれている今回のリフォームの企図はこんなところのようである。

試合数の増加による収入増

試合数が劇的に増えて(125から225)それだけ売れる放映権料が増える。

たとえば、ウィナーは最低でも17試合プレイすることになり、現状よりも4試合増える。

背景には当然Covidパンデミックによる、大幅な収入減があるだろう。財政的にも、ビッグクラブがこの案に賛成する理由はかなりある。

コンペティションの魅力増進

試合数が増え、シーズン中はコンペティションがつねに進行している状況が生まれる。ファンは冬からだけでなくシーズン全体を通してCLを楽しめる。

従来のグループステイジの同じ相手2試合 x3=6試合が、今後はすべてのチームスが1テーブルにまとまって、それぞれ異なる相手との10試合になる。そのほうが楽しい。

オープニングステイジで4チームス増えることで、これまでCL出場を逃していた、かわいそうなビッグクラブ/人気クラブにチャンスが与えられ視聴者が増える。

そして儲かる。

アーセナルFCへの影響

前述したように、この新レギュレイションにおいてアーセナルFCは直接恩恵を受ける可能性があるクラブだ。現時点では、その筆頭とも云える。

2024年から実施されるという、CLのこの新レギュレイション。そのころにはそれに頼らず、ふつうにCLに出場できているようになれているといいのだけど。

仮にここから2024年まで、アーセナルがこれまで同様CLにも出られず、国内リーグでも結果が低迷するようなら、UEFAランキングだっていまのポジションを維持できなくなることも考えられる。そうなれば救済もなにもない。

そんな未来は考えたくもない。

ほんとうに決まるのか?

冒頭のtweetではこの件は、すぐにでも決まるようなことが主張されているが、そうじゃないと考えるメディアもある。

昨日の『The Athletic』では、このUCLのリフォームについて、トップクラブスとUEFAのあいだでCLのコマーシャルライツを誰がコントロールするかで問題が起きていると報じている。要するにまだ金で揉めている。

また同じく昨日の『BBC Sports』は、冒頭のtweetのようにこの件は水曜日にはサインされるはずだったが、4/19までそれをずらす方針になったと報じている。この記事によれば、この件はもう2年も議論をつづけてきたらしい。

ここまで話が広く具体的に報じられている状況で、いまさらプラン自体がひっくり返るとも思えないので、もう時間の問題かもしれない。

 

また詳しいことがわかったらこのブログでお知らせしよう。

やっぱり全般的に金の匂いがするアイディアだし、ビッグクラブ主導のEuropean Super Leagueじみたところもあるしで、胡散臭い感じはしないでもない。課題や疑問についてもいずれ。



おわり

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

One Commnet on “UCLのリフォームとアーセナルへの影響

  1. European Super League を辞めさせるかわりに、UEFAとECAで協議してきた話なので、方向性は固まってるけど、最後はお金の配分ですよね。
    UEFAが取りすぎてるとクラブ側は主張して、最後のパーセントの議論してるような。
    UEFAも自分の収入減らさずクラブの配分増やすには、試合数増やすのは良いアイデア。
    アーセナルはこないだECAの理事に入った意義がここにもあるかも?
    これ決まると、次はスケジュールの問題からイギリスのカップ戦ひとつ減らす議論がでてきますね。

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