勝った! でも、苦しい戦いだった。
あれだけ苦しまされたアウェイでのファーストレグから、今回はさすがにホームでまったく違う試合になるかと思いきや、あんな試合展開になるとは。正直、時間帯によってはどちらがホームかわからなかったくらい。
ファーストレグと同様、ポルトはしたたかに、そして徹底してアーセナルの強みを無効化。守備位置もだいぶ高く、アウェイにして思った以上の恐れ知らずっぷり。シティやリヴァプールさえ苦労しているいまのエミレーツで、あんなふうにプレイできるチームはそう多くない。つまり、彼らは非常に強かった。
だが、ペナルティ戦までもつれながら、最後に勝ちをもぎとったのはわれら。
これがヨーロッパ、チャンピオンズの厳しさ。7年ぶりのCL、14年ぶりのQF。この若いチームが初めて受けた洗礼。このラスト16の2レグスは、これからトップを目指すチームにとり、なにものにも代えがたい経験になった。
そしてありがたいことに、今回の勝負に勝ち抜けたことで、CLでの冒険はまだつづけられるという。
試合を振り返ろう!
Arsenal beat Porto on penalties to reach quarter-finals
アルテタの試合後コメント「CLで経験を積んでいる」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプトより。
アルテタ:とてもうれしい。とても誇らしい。とくにこのクラブのために勝てたことが。CLでQFを達成するまでに14年かかった。これは長い時間だ。それが示すことは、それがいかに難しいかということ。
今日なしとげたことは、選手たちの大きな功績だ。それと、みんながそれぞれ自宅からステディアムに来てくれて、チームを勝たせるためにこの場にすごいエナジーをもたらしてくれた。
試合のなかで一貫した勢いを得ることはとても難しかった。相手のプレイもあったから。彼らを称賛するよ。われわれも、そういうこともありえるとはわかっていたので、とても忍耐強くいなければならなかった。そして感情的にもコントロールされていること。そのときを待つこと。
そのときはいずれあるだろうし、そうした時間になれば、相手を押し込めることが必要だった。チームは今日それをやったのだ。
(シュートアウトは研究と練習が報われた)それも、ここ数日でわれわれが準備していたひとつだった。コーチやGKコーチの大きな功績。最後にはそれが報われた。
ダヴィドが試合を通してやったこともあり、彼の落ち着き、どれほどセキュアだったか。これは、彼のキャリアのなかでも、CLでの最初のビッグゲイムだった。
最後の彼の様子、ほかの選手たちのペナルティの決めかた、ふるまい、落ち着き、クオリティ、それは並ぶものがなかった。
われわれ全員が数日オフを与えられる。バッテリーを再充電する。スクワッドの90%は国際義務があるし、そのあとには、あらためてやっていく。
TNT Sportsの試合後インタヴュー。
“I’m so happy… it’s been 14 years” 🥹
Arsenal manager Mikel Arteta reacts to the club reaching the #UCL quarter-finals after a long night against Porto…
🎙️@julesbreach | #UCL
📺 @tntsports & @discoveryplusUK pic.twitter.com/c4liEVl9G4
— Football on TNT Sports (@footballontnt) March 12, 2024
試合後のプレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトより。
(ペナルティで勝利したあとの感情……)
アルテタ:マジック。われわれが想像していたもの、とてもタフな相手、とてもよくオーガナイズされていて、試合のなかでコンスタントに勢いを生むのがとても難しい相手だった。彼らを称賛しよう。
われわれはやった。美しいゴールも決めた。いろいろなやりかたで主張し、試合が許すやりかたもあり、チームにはとても大きな経験になった。
最後にはペナルティで勝たねばならなかった。その準備はしていたので、コーチのおかげでもある。もちろんダヴィドも。
彼は、スタートしてからはやや難しい時間もあったが、そこから立ち上がった。すごいパーソナリティと野心があり、最後には彼は報われた。
(今夜の結果がスクワッドに与えうるインパクトについて……)
彼らがこれをやったのは、このクラブが14年間できていなかったときだ。それがその難しさを物語っている。マージンがとても小さいのなら、われわれは再びそれをやるやりかたを見つけたのだ。
わたしには、彼らがどれほどそれを欲しているかが観える。どれほどトライし、勝つためにあらゆる犠牲をいとわず。そんなふうにプレイすれば、遅かれ早かれ最後には望みどおりになる。それが今夜起きた。
(今夜のようなアトモスフィアは経験したことがある?……)
おそらくない。素晴らしかった。最初から最後まで。延長やペナルティをやらねばならないとき、それをもたらすこと以外では、彼らはとてもスマートで、それが彼らのチームの助けかただった。
大いに感謝をする。なぜなら、彼らといっしょなら、チームはもっとよくなるし、今日の彼らは試合にとても力強くインパクトを与えていたと思うから。
(ポルトに勝つためのセットアップについて……)
われわれはつねにプレイする。もしそうでなければ、どうしてPLのトップにいられるか、わたしにはわからない。それは世界一のリーグだ。
(チームのペナルティテイカーは全員経験者を選ぶつもりだった……)
それは考えなかった。だが、いい指摘だ。おそらくグレイトな経験があった。なぜなら、その経験はわれわれがこの2日間にやっていたものより、全然リアルだから。今夜の万が一のためにやっておかねばならなかったことだ。
彼らは非常に落ち着いて見えた。彼らのペナルティはスーパーブで、ダヴィドもまた大きな役割を担った。
(ペナルティのときは冷静でいられた?……)
ノー。なぜなら、昨日のトレイニンググラウンドでの練習では、何人かがミスしていたから。われわれは、すべてを準備していた。延長、あらゆるシナリオ、交代、選手がなにを食べなにを飲むか、全部。
そして、結局試合でそれをやらなくならねばなったとき、シナリオを再現するのはとても難しい。だから、すべて選手たちの功績だ。成熟さをもってステップアップし、自信をもってそれをもたらした。
(今シーズンのスクワッドの成熟にとり結果はどれほど重要?……)
さらなる大きなステップ。とくにクラブとして。この7年間、われわれはこのコンペティションにいなかったし、この14年間はいまいる場所にはいなかった。
これがその難しさであり、もっとも素晴らしいことは、われわれがまだ満足していないことだ。チームはもっと要求しているし、つぎのラウンドも間違いなく勝ち抜けるようトライしていくだろう。
(ダヴィド・ラヤのパフォーマンスは彼の価値を証明している……)
今日、わたしは彼を観ている必要もない。わたしには、彼はきっとやってくれるだろうという確信があった。
彼がここに来てからの最初の数日、彼が経験せねばならなかったことや、落ち着いてやってきたことがあった。彼の仕草や彼のポジションを見れば、彼はあまり気にしないし、それはゴールキーパーにとってはカギとなるクオリティなのだ。
(CLの2レグスで学んだことは?……)
経験を得ている。あなたが云うようにわたしは経験したことがなかった。CLではやることなすことが初めてで、だから毎日学ぼうとしているし、アドヴァイスを得ようとしている。
だから、グレイトなコーチやグレイトな人たちが周囲にいることが重要なのだ。それに助けられ、もっとよくなっていく。
(オーデガードのゴールが認められなかった件……)
リプレイを観ていないので。ライヴではよくわからなかった。しかし、そういう決断になったのなら、そこにはなにかがあったのかもしれない。
われわれが、それをおぼえておくことはないはず。われわれが記憶するのは、われわれが特別なやりかたでそれを成し遂げたことだ。
(この結果からどの程度まで先のことを考えられる?……)
そこには、まだまだ遠い。いまは、自宅で腰を落ち着けて対戦相手のチームを観ることになる。そして、また新たな大きな山登りが始まる。
(敗けていたら残りシーズンに影響した?……)
それが、いまわれわれに必要な見方だ。もしここでアウトなら、ひとつコンペティションが減ってリーグに集中できることになる。試合への準備により時間も使える。
しかし、いまスクワッドのなかにあるエナジー、クラブのなかにあるエナジーはとてもパワフルだ。
(このあとCLはどうなると予想する?……)
とてもとてもハッピーだ。もちろんわれわれはもっとほしい。つぎに誰とあたるのか観てみよう。
(ファイナルのホイッスルでSergio Conceicaoと何をもめていたので?……)
ノーコメント。どうもありがとう。
Any guesses on what was said between Arteta and Porto boss Sergio Conceicao? 👀 pic.twitter.com/8yFu974XUo
— Football on TNT Sports (@footballontnt) March 13, 2024
以上。最後の揉め事については後述。
伝説のシーズンになりそう
このチームはどこまで行くんだろう