なんともストレスの貯まる0-0ドロウ。まああの内容なら敗けなかっただけマシというべきか。
それにしても今シーズンはなんとこれで13コめの引き分けである。PL25試合のうちもう半分以上は引き分けなのだから、それだけファンのフラストレイションはたまっている。今回は、ライヴァルチームのフィクスチャの厳しさをもって、あらためて捕らぬ狸の皮算用をやるくらいには期待していたのだからなおさらだ。
アルテタが来て以来のアーセナルではずっとポジティヴなフィーリングがありながら、依然として改善されていない部分を残し続けている。そして、どうもそこが試合を重ねるごとにますますクロースアップされてくる印象がある。
この試合の結果はすべてがアルテタの責任ではないが、今回ばかりはファンのあいだでもアルテタの選択に疑問の声もちらほら出ている。
ぼくも個人的にはこの試合はアルテタがアーセナルに来てから7試合目にして、初めてワーストゲイムをやったと思った。
これまで結果が出なくても、今後この方向でチームが進歩していけば必ずよくなるというきざしのようなものを見ていたが、今回のチームパフォーマンスからは未来を感じることができなかった。
Burnley 0-0 Arsenal: Clarets miss chance to punish Gunnersこの残念な試合を振り返ろう。これから2週間もブレイクがあるというのに、なんという景気の悪い試合を見せてくれたのか。
アルテタの試合後コメンツ「芝が長く水を撒かないピッチ」
試合直後のコメント。BBC Sports『MOTD2』より。
アルテタ:ある時間帯は好きだったし、ある時間帯はそうじゃなかった。われわれは相手にフリーキック、スロウイン、コーナーを与えだして、彼らのほうがよくなっていった。
わたしは守備のときにチームがしたたくさんのレジリエンスを見たが、自分たちのプレイのクオリティを進歩させる必要がある。落ち着いてエンドプロダクトを進歩させないと。
試合の攻撃面では、長期的にもわれわれは改善していかねばならない。
コンディションはとても難しかった。芝はあの長さで水も撒いていない。フットボールをとてもプレイしやすくはなかった。
わたしは昨日トレイニンググラウンドでピッチに水を撒かなかったのは、これを想定していたから。しかしだからといってプレイが簡単になるわけではない。
彼らはやりたいことをほんとうによくやった。それを許せばリアクトせねばならなくなる。いくつかの場面は芝は関係ない。彼らのクオリティによるもので、ほんとうにうまくやったし、われわれは正しいやり方ができなかった。
ある意味敗けを認めているようなコメント。
ポストマッチプレスカンファレンスより。箇条書きにて。
試合について
- (ドロウはフェアな結果?)試合の時間による。始まりはとてもよかったと思う。少なくとも2点は取っていたかもしれない。自分たちのやりたいように試合を支配していたし、相手のプレッシャーもうまく回避していた。相手ハーフでプレイできていて、相手のロングボール・セカンドボールにも対処できていた。
- 20-25分過ぎからはたくさんの不必要なフリーキック、スロウイン、コーナーキックを与え始め、プレイの連続性も見いだせなくなっていった。それはわれわれの望むプレイではない。
- 後半の試合の始めかたにはとても失望した。最初の15-20分は試合のあらゆる部分でコントロールできていなかったし、たくさんのクロスやボックス内でのセカンドボールを許した。失点しなかったのはラッキーだろう。
- ポジティヴなことは最後の20分にはリアクションを見せたこと。またプレイをし始め、勇気をもちプレイした。相手がより多くの選手を前掛かりにさせておかげでスペイスができたからだ。しかし得点するにはフィニッシュが十分ではなかった。
- (後半選手たちがそれに十分対処できていなかったと思っている?)とてもよく適応している時間もあったし、長い芝に苦労している選手もいた。芝だけのせいではなく、彼らのクオリティもあった。正しいやり方で対処できなかったということ。
- (芝の長さはここに来る前から想定していた?)もちろん。昨日トレイニンググラウンドでピッチに水を撒かなかったのは、これを想定していたから! それでプレイは難しくなる。それが彼らの試合だ。彼らはやりたいことをとてもうまくやっていた。それが彼らの強みであり、そうすることも許されている。だから対応せねばならなかった。
90分の安定
- (選手たちを90分パフォーマンスさせるには時間がかかる?)そうじゃないことを望む。これまではいろいろな状況があった。この4試合で起きたこと、そのうちのふたつは10人になり簡単ではなかった。
- ボールを持ったときの安定性が必要だ。チームはファンタスティックな時間もあったが、ときにとてもスロッピーで自らを不必要な状況に追い込んでしまう。改善の必要があるのは、実際そのとき相手がチャンスを得るのはなにか筋書きがあるわけではないからだ。そこをとくに改善しないと。
- (ボールを持ったときのスロッピネス)芝があんなに長くてコンディションがとても難しかった。彼らはそれに水をまったく水をやらず、フットボールをとてもプレイしやすいとは云えない。
サカのケガとムスタフィのカムバック
- (ブカヨ・サカのあんばいと、彼の不在がどれほど痛手で?)彼が脅威になっていたのは彼を使うというわれわれのプランどおりで、フィットしているときはとてもよくやっていた。おそらく最後の10分(※前半)彼は負傷してしまい、サブスティチュートを決めた。明日には状態がわかるだろう。
- (どんなケガ?)ひざと腰を打った。
- (ムスタフィのチェルシーでのミステイクからの立ち直りについて)イェア。わたしは彼にミステイクはやったかもしれないが、キミのリアクションはいいと伝えていた。勇気と決断が。彼はとてもよくトレイニングしていて、彼がどれだけよいかは今日見られたと思う。
この試合のすべてがここでもう語られているような。
- ファイナルサードで難ありが致命的
- 難しいピッチと相手のダイレクトなプレイスタイルに苦労
- 相手がどうというより自分たちで勝手に自滅
サカの予想外の離脱によるダメイジも。そこはこの試合のキーモウメントと云ってよいだろうと思う。
ちなみに劣悪なピッチについては、ジェイムス・ベンジのTweetによれば、プレスボックスからも表面が乾いているのがわかったくらいということで「あんな芝でトッププレイヤーズがプレイするのはマレ」とのこと。ケガしなくてよかったな(サカのあれは芝が滑らないのとは関係ない?)。
ムスタフィのコメント「90分つづける必要がある」
AFCオフィシャルサイトより。箇条書きにて。今回選手の試合後コメントとしてはいつにない長さ。これはきっとムスティの復調と無関係ではあるまい。
- (バーンリーのテスト)以前にもここでプレイしているので事態は想定もしていた。自分たちのスタイルとはまるで違うがよく対処したと思う。だが残念ながら15-20分程度しか保たず、試合に勝つには十分じゃなかった。試合の一部ではなく90分でもっとワークしないと。それができれば試合に勝ち始めることができる。
- (バーンリーから守備)こちらからプレッシャーをかけようとしていたので、簡単にロングボールは出させなかった。いつでもそれに勝てるわけではないので、セカンドボールを奪うことが重要。でもそれができていた時間もあったし、最後はとくによかった。ジュエルでは最初もセカンドボールも勝てていたと思う。最初は自分たちのプレイができていた。90分それをやりつづけなければならないということ。
- (フィジカルは良好?)ボーンマスでとても悪いように見えた。ドクターが安全第一で慎重に診てくれて、でもスキャンの結果、痛み止めでピッチに戻れるとわかった。
- (チームに復帰せねばならない)ぼくにはいずれにせよ同じことだ。ぼくはいつでも個人的なものを抑えてチームのためにいたいと思う。チームから必要とされるならいつだってそこにいたい。試合だけでなくトレイニングでも。ものごとがうまくいっているときはプロフェッショナルでいることも簡単だ。でもそれも同じだと思う。ものごとがうまくいかないとき、プロフェッショナルであろうとすることが重要なんだ。
- 結局、ぼくらは仕事のためにここにいるわけで、ビッグクラブでプレイするためにここにいる。いつでも準備万端でいたいし、チームでもコーチでも求められればいつでもやれますと云う。
- (アーセナルで今後のプレイするチャンスがあると思う?)フットボールでは最後にどうなるかがわかるものだ。またプレイするためにいつでもチャンスを得られる、機会を得られる、そしてキミが訊いたみたいなことを考え始める。思うにそれはフットボールからリタイヤしてから考えることだ。プロの考え方ではない。
- (1ポイントについて)チャンスはあったと思う。でも相手にもチャンスがあった。だからこれはつまりフェアなドロウだったと受け入れるよりないと思う。
- (チームのメンタリティ)ぼくたちはいつも、まずピッチで自分たちのゲイムプランを遂行しようとトライする。こういうところに来て、好きなのと違うタイプのフットボールになると予想する。それに対処しなければならないし、それも試合のうちだと思う。ファーストボール、ロングボールに勝つこともとても重要だから。
- またつぎには、ある時間でそれができても、試合に勝つには90分やらねばならない。思うにぼくらがつぎに見なければならないのはそこで、ピッチで90分トライすること。
- (ターフムーアでの守備)簡単じゃない。彼らにはビッグストライカーズがいるし、とくにワイドエリアからロングボールのファイトに慣れている。ぼくは一番大きなセンターハーフではないが、トライして勝つことが重要だと思う。まずそれはここでは予想しておかねばならないし、ナイスなフットボールをやろうなんて考えていれば試合には敗けてしまう。
- それを受け入れて立ち向かう、仮にファーストボールに負けたとしてもチームメイツがセカンドボール、サードボールに勝たなきゃいけないし、それはこの試合でもよくできていたときもあった。でも試合全体でやらないと。
- (オバメヤンがサスペンションから復帰)彼がシャープネスを欠いていたとは思わない。試合には出ていなかったけどトレイニングはしていたし。ぼくらは毎日トレインしていて、ヘッダーは入ったと思った。だから彼は問題ない。彼はいいスコアラーだとみんな知っているし、ゴールできなかったのはアンラッキーだった。
- (チームの過渡期)なんと云っていいのかわからない。ただぼくらは試合に勝つ必要がある状況にいて、なるべく早くそれができ始めれば自信も戻る。自信が戻れば、自分たちのやりたいフットボールもできるので、それが重要になる。試合に勝ち始めれば、正しいトラックに乗っていけるはず。
90分の継続性・安定性・一貫性というのは、現在のアーセナルにとっては最大のテーマになっている。
ところで「痛み止め(painkiller)」が必要だったって、云うほど完調ではなかったということか。
だとすればソクラティスが戻っていたので、それでも彼をスタートに選んだことは興味深いセレクションだったかもしれない。
この試合ムスタフィをアーセナルのベストプレイヤーに推す声も多く、結果的にボスの期待に応えたかたちである。
試合後にシャツをあげたキッズたちもビッグスマイル。
Brothers Oliver and Harry were so happy to get the shirt. A long day with a 4am start from Dublin. Thank you so much to Shkodran. Sometimes it’s the little things that the players do that can have a massive influence on a young fan. So impressed pic.twitter.com/FvF7pSQNSG
— Cönor Whelan (@Conorwhelanire) February 2, 2020
悔しいです!まじに!
立ち上がりにラカやオーバが決めていたら、また違った展開だったとは言え、タラ&レバ。
チェンさんが前からご指摘の通りアルテタの交代策が遅く感じるのと、どうもBプラン、Cプランに可能性を感じない(アルテタに代わって時間無い中でそりゃ無理だよなと思いつつも)。
今のリバポなんかと比べてもしょうがないけど、奴らは可能性が低いロングボールを裏に出したりとか結構するし(かつチャンスにもしてしまうし)、明らかにバリエーションが少な過ぎますね。
90分間圧倒するフットボーが出来ない中でも良い時間はあるのだから、手詰まり時の別プランとして交代でぺぺやセバージョスが出てこなかったのは残念でした。
不慮の負傷交代とかコンディションの問題とかあるにせよ。
酷く悪目立ちする選手が居なかったのに、勝ち点落としたのは残念でしたね。
COYG
今のアーセナルは不確定要素が少ないですよね。
無理やり打ってディフレクトでゴールとか、理不尽ミドルとか、不条理なスーパー個人技とか。
中盤は玉離れが遅いし(特にゲンドゥージ)、前線は驚きのない仕掛けに終始。たまにおっ!と思うのはルイスやジャカのロングボールだけ。
アルテタなんとかしてくれないかなー。つまんないっす。守備改善されただけまだマシですが。
あと1分で15ー16のチェルシーの引き分け数と同じという悪夢
開始3分くらいでラカゼットのヘッドがあって15分くらいまでは余裕な展開かと思ったものですが、甘くなすぎ。これも全部芝のせいですよ。
おれたちのブカヨがいなくなって明らかにパフォーマンスがおちましたよね、そもそもブカヨは本来あそこではないのに。ティーンの勢いでよく見えてただけで、シニアたちの相変わらずなのはもうなんかつらいですねぇ。ジルーのころは、何だかんだで彼10ゴール以上決めてたんですよね、20はきめられないけども。
アルテタもまだ監督歴1ヶ月ちょっとですし、やっぱ今シーズンはこんな感じで来年の基盤をつくってもらう時期と割り切って見るのが体にいいのかも。
Elでワンチャンの夢を見ますかね。
右の選手が苦労してるってことと、右のハーフスペース担当がエジルだってことは、関係あったりなかったりするんかな?あとディフェンスラインへのランの足りなさも感じる
いつかのCLでバルサ対策としてピッチの中央に水溜りができるくらいビシャビシャにしてパスワークを無効化していたバイエルンを思い出した、水をどれだけ撒くかってすごい大事だよね
最後30秒だけオーバがトップに入ってエンケティアが2列目になって希望がかなったので満足です。
…もちろん満足なわけないがない。
前々から指摘してたこともそのまま出た感じだし驚きはないともいえるけど、
むしろそれがずっと変わらないところがちょっと驚きというか不安。
選手選択もそうだが、動きを指示して解決すべき部分もあると思うのでそちらの見直しにも繋がればと思うけど…
サカ交代の件はサカ自身が問題ないと言ったのかアルテタが残す判断したのか分からないけどどちらでも問題のような。
アルテタの「おそらく最後の10分(※前半)彼は負傷してしまい~」というところも余計気になる。時間にズレがないか?
アルテタは20分時点で深刻だと把握してなかった?気づいたのはハーフタイム中か?
ケガの原因は開始数分後の接触かな?主にぶつけたのは膝っぽかったけどその後膝をかばって痛めた?座り込む割と前からけっこう気にしてた。
年末のチェルシー戦でもサカは痛めたけどプレイ継続したことあったような?
なるほど芝のところは影響気になりますね。
前回のボーンマス戦の時に書くの(あれでも)自重したんですが、
(なんの説得力もないですが)
雨の時って極端にパフォーマンスが落ちる気がしてて。(相手よりも)
パスの精度だけでなくインテンシティも。
なんかそんなデータないんかなとか思ったりしてました。
んで、雨でなく雨による芝の状態変化による影響なのか?とこの記事や記事のコメント見てて思ったり。
エジルだけでなく、マルティネッリとかも前半から重そうに見えたのは気のせいだろうか。
ラカが点取れてないので一度センターから外してオーバ中心にして欲しいです
センターがラカだとエジルからの裏パスが出ません
結局この2人は共存出来ないと思ってます
サカの件はハムではなく打撲だったし、AMNよりもジャカを下げることを選択したのだろうし、そもそも左SBがいないし、事情として理解できなくもない。しかしプレーもしない・交代もしない、非常に曖昧な態度だったと思う。イライラした。
先日のレスターvsチェルシー戦を見てたが、あのレベルの試合にはあんな曖昧な態度が許される余地はどこにもなかったと思う。11人の戦う人間をピッチに送り込むという点で、アーセナルはあのレベルには遠く及ばない。誰が悪いとか言う気はないが、改善しなければ。
ひとつだけ擁護するなら、元気のなかったラカはともかく、エジルはよく走って戦ってたと僕は思った。あの畑みたいなピッチで普通にパスが出せてたエジルのテクニックは尋常じゃないし、試合全体がボーンマスのペースになったのをエジルのせいにしても始まらないと思う。
オーバが決めてれば、、とは思いますが、今までの彼の尋常じゃない決定力を考えれば、こういう日もあってしょうがないなぁと思います。
芝の問題はもちろんですけど、それ以前からウインガーやトップの選手にボールが入ってからの課題はずっと残ってる気がします。
相手がしっかり引いてる場面でペペとかオーバとかサイドの選手がもらったら困ってるような印象あります。MFやSBが追い越して裏を取ったり、ラカやエジルが絡んで中央に入るとか、この辺はもっと出来るはずなんだけどなぁ。
なんとなく昨シーズン、イウォビがコラシナツと絡んでサイド崩したり、中央に入ったりするのを懐かしく思ってしまいました。ペペにはあんなことやってほしいんだけどなぁ。ぺぺはイウォビの上位互換だと思うので、出来たらかなり脅威になれると思うなぁ。。
まぁこれまでの全く前線につなげない問題が解消しただけでもアルテタの功績は大きいですけど、ファンというのは図々しくて欲張りなもので。
ドバイキャンプでの改善に期待します。
アーセナルは怪我人が出た試合に弱い印象です。前シーズンもウェルベック怪我の後、目に見えて調子落としましたし。(これは試合というよりシーズン全体ですが)
誰かにアクシデントが起こると、皆が普段通りにプレーできない。昔からそんなイメージです。
とにかくWBでアルテタボールをインストールして、残シーズンで楽しませて欲しいところです。