昨日プレヴューエントリを書いたあとニュースを観ていて、このタイミングでフットボールを楽しんでいていいのか、すっかり複雑な気分になってしまった。
被害にあっているウクライナのひとたちには、ほんとうに同情する。21世紀になっても、こうして暴力で脅迫され蹂躙され、しかも世界中がリアルタイムでそれを目撃しているのに、誰も助けてくれないという。なんという寄る辺なさ。将来の日本の姿と重ねて不安を感じてるひとも多いんじゃないか。まったく他人事じゃない。
力で論理をねじふせることがまかり通る。恐ろしい世界に突入したものだ。
……というような世界を揺るがす大事件が起きているなかで、ゆうべのアーセナルはロンドンでウォルヴズと6ポインターを戦って、なんと劇的な土壇場での逆転勝利。トップ4を狙ううえで、あまりにも大きな3ポインツを取った。
ウクライナのグーナーがこの試合を観られたかどうかはわからない。でも、すこしでも彼らの慰めになったらよかった。近年のアーセナルでは、まれにみるカタルシスな勝利だったから。
試合を振り返ろう。
Sa’s own goal gives Arsenal dramatic win
アルテタの試合後コメンツ「いまフットボールがプレイできることが、どれだけ幸運か」
試合直後のインタヴュー。オフィシャルサイトより。
(勝利について……)
アルテタ:最後の勝ちかた。それが勝利をとくに特別なものにしている。リアクションを観ただろう。ファンとのきずなを観ただろう。それがチーム、コーチ、スタッフ全員にとってどれほど意味深いか。みんなでお祝いできたのがグレイト。
わたしはチームが勝利を祝うのが大好きだ。なぜなら、それがわれわれがここにいる理由だから。彼らをハッピーにすること。そして今日はなんとかそれができた。
(セレブレイションについて……)
みんな気づいていないかもしれないが、勝つことがどれだけタフか、わたしは知っているから。われわれはウォルヴズを13、14日間のあいだに2度倒した。彼らは先行した試合では2018年から敗けたことがなかったのだから、それはつまりそれをやることがどれだけ難しいかということだ。
しかしハーフタイムには、わたしには信念があった。ガビがエラーをやったとしても、チームがそれに反応して、なかったことにするという感じがあった。個人でも集団でもわれわれにはビッグパフォーマンスがあったよ。
(われわれが勝利にふさわしかったと……)
そう思う。われわれのアプローチがあり、クオリティも見せた。ミステイクスはやったが、つぎのアクションに移り、信じつづけた。ウォルヴズ相手にあれだけ強い気持ちを出したのだ。彼らは守備ではリーグでベストチームスのひとつ。チームが誇らしい。
(ファンとの一体感が増している……)
イエス。こうした夜がわれわれのあいだにある関係をより強固にする。われわれにはそれが必要だ。もし最初からそれができるなら、あるいは試合前の10分前から、それがわたしがチーム要求するチャレンジだ。なぜなら、チームはプッシュして、すべてを出そうとするのだから。
(トップ4争い……)
連勝すれば、グレイトなチャンスになる。テーブルはさらによくなった。われわれはまだそこにはいないが、われわれが戦っているチームの難しさも複雑さもわかっている。しかし、試合づつ行くよ。
試合後のプレスコンファレンス。オフィシャルサイトより。
(勝利について……)
すばらしい勝利。とてもいいチームに対し、最後に勝ったこと。一度は先行されたのにだ。彼らを倒すのは極めて難しい。たぶん、彼らは2018年から先行した試合では敗けていないはず。しかし、われわれはプッシュをしつづけた。
セカンドハーフには、選手たちがアティチュード、スピリット、クオリティ、エナジーを見せた。ファイトして、試合に勝ったことはすごかった。それがファンとのグレイトなアトモスフィアとシナジーを生み、あんなふうに勝ったのだからグレイト。
(ラカゼットのウィナー……)
あれがチームとして必要なもの。そしていまわれわれは、たくさんの若いタレントと新しい選手でチームを築いているところだ。彼らがこうした経験をつんでいる。
わたしはハーフタイムに彼らに云ったんだ。「5月の終わりにトップにいたいのなら、逆転を2回か3回、あるいは4回以上やる必要がある。そして今日はそのチャンスだ」。
わたしはかなり満足している。とくに選手が個人でエラーをやって失点したとき、チームがそれを帳消しにするように勝つ。ことばにできない。
(選手のセレブレイションについて……)
わたしは彼らにどの勝利も存分に祝うよう奨励しているよ。なぜなら、このゲイムのなかで試合に勝つことがいかに難しいかわかるから。われわれのサポーターたちも同じ。勝ったときは毎回祝福しないと。敗けたり引き分けたりすれば、悲しい顔になるのだから。
(トミヤスのケガ……)
イエス。もう片方のふくらはぎをやった。彼は戻ってきて完全に大丈夫だったのに、トレイニングでもう片方のふくらはぎに違和感があった。これは彼がプロフェッショナルだからこその問題だ。彼はチームを助けるために完全にすべてを捧げていたから。そしてこの数ヶ月はフィットしていなかった。
(トップ4の望み……)
これで少しだけ近づいた。1試合少なくて3ポインツ。このあと13試合で、今度はワトフォードだ。
わたしはこれは信念の問題だと思う。われわれはいまやっているようなプレイをつづけるべきであり、主張しつづけるべきであり、いまやっているようにレジリエンスを持ち、試合を支配するキャパシティを持つこと。そうすれば、それがエナジーとファンとのシナジーになり、特別な空気を生み出す。
そこは、誰もアーセナルと戦いたくない場所になる。
(こうした夜を定義できる?……)
テーブルで近くにいる相手との試合で勝つことは、たいへんに重要。なぜなら、結局それは6ポインツの試合なのだから。われわれはそれを彼ら相手に13日か14日のあいだに2回やった。それはとくに重要だ。
このレイスは長いものになる。そしてそのことをわれわれは理解すべきだし、気づいていなければならない。
ここからは、われわれはまた準備をする。これまでのことは忘れ、ワトフォードに向けてトレイニングと集中を始める。
(トップ4に入るためのこの結果の重要性……)
まだそこにはいないので、わからない。そこにたどりついたら、それをいかに重要かキミに話そう。
今日重要だったことは、われわれはいいプレイに集中したことであり、チームとして支配のキャパシティを維持したことであり、試合を自分たちのやりたいようにしたことであり。それこそが、わたしは関係する全員にもとめていることだ。とくにサブ。今日の彼らはすんごかった。明日のために使えるいい事例があったし、これをつづけていくつもりだ。
(ニコラス・ぺぺのインパクト……)
先週わたしが述べたように、わたしは違うニコを観ている。わからないが、彼のエナジー、彼のハピネス、彼のオールラウンドなプレイ、彼のトレイニング。わたしは彼ならやれる、チームのためになにかやってくれると確信していた。
(ラカゼットのパフォーマンス……)
85分にストライカーが、フルバックを追ってコーナーフラグまで追いかける姿。ボールを奪い返し、走り、ファイトし。ひとつ、あるいはふたつチャンスを外しても、また行く。
わたしはどうすればいい? わたしは彼を称賛するしかできない。できるかぎり彼を助け、サポートを与えたい。最後に彼はご褒美を得た。わたしからすれば、あれはラカゼットのゴールだ。
(最近のチームのレジリエンスはどこから来た?……)
わたしが思うに、環境であり、彼らのあいだにあるケミストリと信頼であり、自分たち自身を信じているということであり、チームメイツ、スタッフ、コーチング、クラブを信じているということ。それが起きれば、彼らはほしい結果を得られるように、つねに前向きに道を探そうとする。そういうことだろう。
(ウクライナで起きていることでフットボールに集中するのが難しい……)
フェアにいえば難しい。わたしは試合前に選手たちにも話した。
人生はすぐに変わりうるもの。何も予想どおりにいかない。それは自分にも影響するし、家族にも影響する。この世のすべてに影響する。われわれは、いま自分たちがやれることをやれているのは非常に幸運なのだ。しかし、いつどうなるかはわからない。だから、そこに出ていって、明日にはもうできないかもしれないと思って、プレイするのだと。
この不測の事態は、われわれがやっていることがいかに幸運か、理解をもたらすものでなければならない。
(ぺぺはステップアップしてレギュラーになるとき?……)
彼は正しい道のりのうえにいる。あれができてチームに貢献できるのなら、もっと時間は与えられる。もっと時間を得るなら、毎日のトレイニングで最大を出す必要があり、なにができるかを見せなければならない。
彼にはそれをやる能力があるのは、間違いない。
以上
お疲れ様です。
盛り上がりました。
特にサブのメンバーがあれだけやってくれると心強いですね。
冨安の怪我が残念ですが、やはり100%になるまで戻らせてはいけませんね。
ぺぺは本当にAFCONから間違えるようになったなあ。
お疲れ様です!
待ってました!熱が冷めないうちにレビューが出て嬉しいです!
一年に一度あるかどうかのミラクルが、大事な試合の大事な場面で出た感じがしますね。おそらくシーズンを終えて振り返ってもベストタイミングだったと思えるのでは。こうなると残りの試合は全勝でしょうね。笑
ペペの同点ゴールは美しかったし嬉しかった、、やはりペペにはCFをやってみて欲しい。ドリブルも相手を抜き去るってより相手を停止させる感じだから、周りもより活きるのでは?(ただし、ぺぺが周りを使えれば)
なんども順位表を見ちゃうし最高に気持ちよくプチブレイクを過ごせそうです。ありがとうアーセナル。あとはトミの軽傷を祈るのみ。COYG!
#ウクライナの件はどうしても気持ちに影を落としちゃいますね、、日常の喜びを半減させられてプーチンへの怒りが煮えたぎっています。ウクライナへ祈りを。プーチンには呪いを。
ウクライナの件、平和って「身近に脅迫や殺しがない事」なんだって実感させられます。サッカー見て楽しめるなんてすごい幸せだし、五体満足でメシも食える。せっかく幸せなんだから有意義に使わんとって事かなと。
しかし本当に良い試合でした。勝者、アーセナル!これは文句ナシでしょう。