hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Arteta, EPL, Match

【マッチレビュー】21/22EPL アーセナル vs リーズ・ユナイテッド(8/May/2022)4連勝でCLまであと一歩

試合の論点

アーセナル vs リーズのトーキングポインツ。

なんとか勝って4連勝。アウェイのNLDが今シーズン最大の試合に

5分と10分とエディ・エンケティアのゴールで、ちょっとしたお祭りムードで試合が始まった。

27分にはリーズに退場者が出たこともあって、ほぼアーセナルの一方的な試合になっていた。最近では珍しく、勝負が早々に決まってしまい、観てもおもしろみのない試合になるのかと。

しかし、10人でシットバックした相手に3点めがなかなか決まらずに試合が進み、コーナーから突然に失点。ちなみにあれは、セットピースのクオリティが著しく向上しているアーセナルにとって、今シーズンふたつめのコーナーからの失点だそうで。

そうなれば、あと1点で0ポインツを免れるアウェイチームは勢いを増す。GDなどどうでもいい彼らは、コーナーでGKを上げるなどなりふり構わずプッシュしてくる。最後はけっこう怖かった。いかにもシーズン終盤で降格バトルをやっているチームとの試合だった。

それにしても、2-0は危険なスコアとはよく云ったものである。2点差で十分なマージンがあると思っていても、たった1失点するだけで、突然追われるものの気分になり、心理的にはかなり窮屈に、保守的になってしまう。いまのわれわれの状況を考えれば、よけいにそう感じても不思議はない。

だから、これは結果的には、アーセナルはWHUにつづき、醜く勝ちを拾ったんだろう。最後はアウェイチームの勢いに対して劣勢といってもおかしくないほどだったが、それでも勝った。アルテタが「勝ち方を見つけた」と表現しているのも納得である。それもこれまでは観られなかったものだから。悪くても試合には勝たねばならなかった。

この試合の前日には、われらと4位を争うToTが、タイトルを競って本気中の本気である世界最凶のリヴァプールとアンフィールドで対戦。全アーセナルファンも大注目だったはずだが、なんと引き分けるというドラマが。

試合前には、ToTがいい試合をやるんじゃないかという不吉な憶測もアーセナルファンのなかにはあって、それが当たったようにも思える。彼らの鋭いカウンターは、リヴァプールがやるような極端なハイラインとは非常に相性がいい。

しかし、リヴァプールはあのまま敗けないで、ちゃんと1点は取ってやつらから2ポインツを奪ってくれたことには、感謝しかない。あそこでToTに3ポインツを取られていたら、われらにかかるプレッシャーは半端じゃなかっただろう。

われわれとしては、もちろんToTの敗けを願ったが、敗けの0ポインツと分けの1ポイントは、4位を争ううえでは、じつはそこまで大きな差はない。

今回リーズに3ポインツを重ねたわれらとToTとの差は、これで4ポインツ。これが5ポインツであっても、4ポインツであっても、つぎのNLDでわれらが結果を出せば目標達成するという状況に変化なし。問答無用で、NLDで勝利しCLを決めること。

とはいえ、もしNLDで勝てなかったときは、順位こそ変化はないが、アーセナルは残り2試合が非常にトリッキーになる。想像もしたくない。

シーズン終盤で決定的な活躍をみせるエンケティアとエルネニー

シーズン終盤まではほとんどプレイするチャンスもなく、契約が切れるこの夏の退団は確定的と観られていたエディ・エンケティアとモー・エルネニー。最近の活躍からすると、もしかしたら契約延長があるかもしれない。

AFC残留希望を公にしているエルネニーはともかく、現時点でも本人がまだ悩んでいる可能性がありそうなのがエンケティア。

彼は、スタートしたこの5試合で4ゴールズ(チェルシーとリーズで2点づつ)と、このシーズンの超重要な時期の4連勝に決定的な貢献をしている。

彼は、もともと定評のあるハードワーク(プレス)だけでなく、下がってビルドアップを助けるフォルス9ロールでも最近は存在感を見せつつあり、ゴール不足に陥っていたラカゼットからポジションを奪ってしまった感がある。アルテタが求めるCFの仕事を、ハイクオリティで忠実に行っているのが、いまの彼と云えそうである。

チャンスのときにゴール前にいないなど、チームのために犠牲になることもあるフォルス9でも、そのタスクを実行しつつ、ちゃんとゴールできることを証明してもいる。

それに、今回の試合もチェルシー戦も、SoTがふたつでG2と、アルテタがもっともほしかったゴール前の効率のよさ。アルテタが彼にごめんなさいをしてしまうわけだ。

なお、今シーズンの彼のショッツは、これまで4回ゴールポスト/バーを叩いているということで、限定されたプレイ時間ながら、ゴールについてはもっと取っていてもおかしくなかいという話もあるほど。

各報道によれば、彼の移籍先の本命は、ヴィエラのクリスタル・パレス。もしそうなら行き先が国内なので、フリー移籍でも補償金などもろもろでアーセナルには£10Mほどが入るらしい。そうなれば最悪ではない。

が、アーセナルは彼の慰留に努めていることはアルテタが公言しているとおりで、最近の活躍で本人もファンの深い愛情を感じているとなれば、まだ心変わりする可能性はあるかもしれない。

もちろん、ガブリエル・ジェズースらの噂もあるように、アーセナルが大金をかけてストライカーを補強すれば、自分がメインでプレイする保証もないことは、彼もわかっているはず。それでも、アーセナルに残るかどうか。もちろん、CLでプレイできるかどうかも大きな判断材料だろう。

もし彼が残るなら、夏にふたり取ると云われるストライカーはひとりになるかもしれない。そうなればアーセナルとしては予算を節約もでき(ひとりによりヘヴィに投資)一石二鳥。

 

エルネニーも、ひきつづき安定したプレイで、シーズン終盤のチームを救っている重要なひとりになっている。

あのタイミングでパーティ(とKT)の離脱は絶望的に思えたが、プレイスタイルは違えど、エルネニーは毎試合のようにそれを補うパフォーマンスを見せている。エンケティアとエルネニーというふたりの非レギュラー選手は、もはや、このシーズン終盤におけるチームの救世主といっても過言ではない。

エルネニーがチームに戻ってきてから4試合で4勝。もし来年のCL出場がかなえば、彼の功績を思い出すべき。

彼とジャカのパートナーシップは、ビルドアップのフェイズでもつねにミドフィールドに落ち着きを与えていて、若いチームにはそれがとくに重要に思える。

あの狭いエリアで、ボールを失わずにパスの交換でリズムをつくってくれることで、周囲の選手たちがそこに参加し、つぎにつなげやすい。パーティなら、そこでさらに自分でキラーなパスを出したりもできるが、それがなくともエルネニーは十分存在感を発揮している。ここでサンビ・ロコンガを引き合いに出すのは若干気が引けるが、若く未熟な彼に決定的に欠けているものをビッグ・モーはもたらしているだろう。

このエルネニーのレデンプションにファンみんなで喜んでいるのは、PLのようなきらびやかな世界においても、彼の献身性があり、謙虚な姿勢を崩さないからかもしれない。

今年の2月の彼のTVインタヴューが、話題になっていた。そこでの彼の発言によれば、彼はクラブから戦力外を伝えられていたが、それでも今年のプリシーズンでアルテタを改心させることに成功し、いまがあるという。これぞ、ドラマでしょう。

ここでその内容を紹介しようと思って、内容を訳してみたのだが、ここでは長すぎるため別エントリにしてあとでアップする。観てください。

※書いた

ということで、エンケティアとエルネニーは、今回もまた大活躍で、ひきつづきシーズンのこの決定的な場面でチームに貢献している。

それにしてもこの極薄スクワッドのなかで、これをやってくれる選手が現れるとは。アルテタにしてみればしてやったりだろうが、ラッキーな要素も認めざるを得ないとは思う。

前半の隠れMOTMはジャカ

失点のシーンでは、ファーサイドにいた得点者のマークを外してしまったこともあり(アレを責めるのはちとかわいそう?)、試合後の彼は、ほかの選手たちにくらべるとあんまりたくさん称賛されていないみたいだが、個人的には前半のジャカは際立ってよかったと思う。

彼のこの試合を通してのパスアキュラシィは69%で(※エルネニーは90%)、彼のスタンダードからすればずいぶんと下回ったと思うが、それも安全パスだけでなく、チャレンジングなパスを出そうとした結果だろうし、たぶん前半だけならもっとよかったのではないか。

前半はパスもポジショニングもいつも的確で、とくにパスはどのパスも気が利いていて、毎回のようにスタンドから大きな拍手が起きていたほど。

彼がいた左サイドは終始リーズの脅威に備えなければならない側だったが、彼とトミヤスはスペイスをよくマネジしながら、マルティネリを使って脅威を無効化することに成功していたと思う。ベンチに下がったラフィーニャの悔しそうな表情がそれを物語っていただろう。彼のフラストレイションは、直接的にはトミヤスのせいかもしれないが。

ただ、今回も前半になにやら相手と衝突してケンカになりそうな雰囲気になっていた。彼はファウルじゃないところでカードをもらいすぎなので、ああいうのは慎まねばならない。

マンUのときにも無駄にボールを蹴り出してカードをもらっていたように、彼が突然なにをやらかすかわからない気性の激しさを今回も見せていたのは気にかかるところだった。

NLDでやらかしたらたいへんなことになる。

ぺぺに絶望

※音量注意

これはいけませんねえ。

ぺぺはアルテタのアーセナルの戦術(遅攻)には合っていないと云われるが、ここは絶好のカウンター機会。コーナーに参加していたGKは自分のうしろにいて前は無人。

ぺぺ氏はそこで活躍しないでいつ活躍するのだい?

『Latte Firm』でのKaya Kaynak(Football.londonのAFC担当ライター)によると、アルテタのアシスタントコーチAlbert Stuivenbergが、ふだん穏やかな彼にしては珍しく、ぺぺのプレイにだいぶ怒っていたとかなんとか。

アルテタの試合後コメントでも「理解できない」と云われていたり、ひょっとするとあのプレイで彼のAFCライフは完全に終了したかもしれない。さすがに失望は隠せない。結局試合には勝ったからよかったものの、もしドロウなんかだったりしたら、シーズンを台無しにしかねないミスだった。

ただ、ここで彼を擁護すべきところがあるとすると、やはりいきなり出ていきなりパフォームしてくださいというのは、ふつうはなかなか難しい要求だろうとは思う。彼も毎週ベンチでだいぶ錆びついているはずだし、なんなら自信もそうとう喪失している。プレイを観ればわかる。

でもそれができるとできないのが、プロとしては大きな違いなのだよなあ。

アルテタもエンケティアやエルネニーを絶賛するみたいに、ぺぺについて「ふだんから100%」なんて絶対云わないしな。そういう選手とは、日常のふるまいから違うのだろう。

悲しみ。

その他試合について

  • マルティネリとオーデガードはあれだけファイナルサードで自由にやれていたので、今回はゴールがほしかった
  • ついにNTが外れてしまった。セドリックと交代なら、若干後ろ向きなアティチュードに思えるが、トミヤスと交代だとしょうがないかと思えた。失敗できない局面で彼をつかうのはたしかに怖すぎる。CLを決めるまではもう出て来ないかも?
  • アンセム。試合の始まりと終わりにはスタンドにも曲が流れていたので、ファンとクラブでちゃんと連携が取れていた。You’ll neve… (なんだっけ?)みたいになるには、まだまだ時間がかかるだろうが、いずれあんなふうになるのかと思うと感慨深い。あの曲をつくったLouis Dunfordは感動の涙。そりゃ泣くでしょう

試合については以上。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

4 Comments on “【マッチレビュー】21/22EPL アーセナル vs リーズ・ユナイテッド(8/May/2022)4連勝でCLまであと一歩

  1. 今週のノースロンドンは、ここ5年で2番目に重要な試合になると思う。(1番は3年前のELファイナル)
    我々の定位置を取り戻す時が来た。

  2. 醜い勝利、ナイスゲーム
    勝ちきれたのなら今はそれがベスト

    フィジカルや技術面に個人差やコンディションの振れ幅があるようにメンタルでも当然のように差がありますよね
    ぺぺには段階的に成長させる機会を与えられなくて残念
    これもプロの世界だから仕方ないのかなと素人が思っております

    NLD楽しみです
    トーマスの電撃復帰あるかな

  3. アンセムなどをみてもなんだか新しい時代のアーセナルの文化が生まれつつある感じがしていいですね
    だからこそCLをとって終わりたい!

  4. エンケティアいい選手ですね
    残ってほしいな
    次のトトナム戦はガチ中のガチ
    いい試合を期待しています

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *