試合結果予想
BBC Sports (Chris Sutton) 4-1
Sky Sports (Jones Knows) 3-2
WhoScored.com 2-1
ホームとはいえ、アーセナルがリヴァプール戦でこんな予想をされるのは、何年ぶりだろうか。BBCなんて4-1とか。そこまで差があると思われているとは、ちょっと驚き。
サットン:先週のNLDでのアーセナルは、すばらしかった。この試合も同じようになる予感がある。
ガナーズはいいプレイをしているし、自信満々。いっぽう、わたしが観るかぎりではリヴァプールはまだうまくいっていない。
クロップのチームは火曜のCLレンジャーズで楽勝だったが、守備では試されることはなかった。ここには、ブカヨ・サカ、ガブリエル・ジェズースがおり、平安は訪れないだろう。
リヴァプールはゴールはすると思う。今シーズンまだクリックしていないとしても。だが、アーセナルの攻撃のタレントは、彼らに大いに問題を起こすはず。
ノウズ:ホームでプレイするときのアーセナルのパフォーマンスは、マンシティやリヴァプールとさほど遠くない。昨シーズンのスタートから、彼らのホームでの平均xG 2.34より優れているのはこの「ビッグ2」しかいない。
ここでの問題は、リヴァプールがエミレーツで直近3試合で失点していないということ。事実、アーセナルはすべてのコンペティションのリヴァプール戦6試合でゴールできていない。つまりこれは10時間以上ゴールできていないということ。その記録はここで終わるだろう。
リヴァプールの、とくにアウェイでの守備の数字はよくない。フラム、マンU、エヴァトン、そしてナポリ。これらの試合の平均xGAが2.2。彼らの昨シーズンのPLでの試合平均の1.19失点より1点以上悪い。
先週のレアンドロ・トロサールのパフォーマンスとゴールは、TAAとの直接の戦いの結果だった。クロップが「世紀のタレント」と称賛したガブリエル・マルティネリは、TAA相手でも自信にあふれているはず。5月からの記録では、マルティネリはP90で2.34のチャンスクリエイション、0.34のアシスト(A4)がある。
試合のみどころ
これはたくさんあるなあ。みっつのポインツを挙げたい。
まずは、もちろんアルテタとクロップ。
リヴァプールは、火曜にはすでに新しいフォーメイションをテストしていて(相手を考えればまさにテストだったはず)、それは、まずは今回のインフォームなリーグリーダーとの試合を念頭においていたことは想像に難くない。クロップは新フォーメイションの採用について「われわれはもっと予測できないようにならねなばならない」と述べているということで、この試合でもこれまでの見慣れた彼らとは違うアプローチをしてくる可能性がある。
2CDMでミドフィールドをコントロールしようとしてくるのか、あるいはいつものフルバックの背後にダイアゴナルなロングボールを送る、ダイレクトなやりかたに何か調整を加えるのか。また今シーズンあまりうまくいってないという、ハイプッシングをどうするのか。ハイラインはどうするのか。
いっぽうで、アルテタはこの試合に向けて基本的なやりかたを変えてくるとは思えない。ジェズースがリードする精力的なハイプレスはもちろん継続するだろうし、ボールを持ち、主導権を握って多くの時間をコントロールしたいはず。
今シーズンのアーセナルにとっては、この試合はここまでのどの相手とも違うだろう。少なくともマンUやToTのような、最初からシットディープでオウンハーフに誘い込んでカウンターを狙うみたいなアプローチにはならないはず。だから、むしろ攻撃で使えるスペイスは、これまでのビッグゲイムよりはありそう。
アルテタは、先週のアンフィールドでのブライトンの試合をかなり参考にするんじゃないかとも思う。あの試合でブライトンは、あれだけインテンスなハイプレスを受けながら、リスキーなバックからのプレイにひたすらこだわっていて、当然何度か高いエリアでボールを失いつつも、ちゃんと成功させ攻撃に結びつけていた。アンフィールドで3ゴールは並ではない。
最近のアーセナルは、バックからのプレイには若干消極的なところも見受けられるので、ブライトンの勇敢さには、それこそ励まされたのではないか。
その前の0-0のダービー(エヴァトン)にも。あの試合のエヴァトンも、だいぶ積極的だった。つまり、ブライトンもエヴァトンも、メンタリーにはリヴァプールにもまったく臆していなかった。「恐れは最悪の敵」というアルテタのコメントは、つまりそういうことだろう。リヴァプールだからと相手をリスペクトしすぎることは、リスクになる。
いつもどおりにやるアルテタと、不調を脱するためにもなにか変えたいクロップ。コーチ同士の戦いは、間違いなくこの試合の大きなみどころのひとつ。
そして、もうひとつは、マルティネリとTAA。
先日、こんなグラフィックがシェアされて話題になっていた。
これは、要するに今シーズンのアーセナルでは、LBのエリアがより露出している(相手に使われている)というデータみたいなのだが、マルティネリが攻撃にだいぶ重きを置いているのと表裏になっているという。
左と違って、右サイドはRB(ホワイト)がオーヴァーラップせず、つねに後ろをカヴァしているため、当然守備は安定する。だから、これはアーセナルのシステムにおける構造上の課題でもあるので、もちろんマルティネリだけの問題ではない。が、こちらのLBエリアは、彼らがもっともクリエイトする場所でもあるので、当然気を使わないわけにはいかない。
おもにTAA(あるいはサラー)が侵入して仕事をするエリアで、チームとしても意識しなければならないし、マルティネリは攻撃で、いかに彼を相手ハーフに釘付けにしておくかが問われることになる。
今シーズンのマルティネリがかなり調子がいいのは、アーセナルファンなら誰もが知っている。現時点での彼はドリブルではリーグトップ(20)。とんでもない。
昨シーズン(今年3月)のリヴァプール戦でも、アーセナルは試合には敗けてしまったものの、マルティネリはTAAにだいぶ問題をもたらしている。
TAAの課題は守備とも云われていて、先週のブライトン戦でのトロサールのハットトリックについても、それなりに批判をされたようだ。
お互いにワールドカップを意識する時期でもある。このふたりのバトルは、ぜひ注目したい。
最後は、サリバとVVD。
サリバももちろん、今シーズンのアーセナルでもっとも評価を高めている選手のひとり。最近では、すでにリーグ最高のCBと云われるVVDと比較されるようになってきたほど。
Who’s the better defender? pic.twitter.com/wewTaw3mv6
— Amazon Prime Video Sport (@primevideosport) October 7, 2022
William Saliba has won possession more times than any other centre-back in the Premier League this season.
The Van Dijk regen faces the real thing at the Emirates next. 🧬
(@WrldSoccerShop) pic.twitter.com/mKEqDYFdJF
— Squawka (@Squawka) October 7, 2022
CB同士なので、お互いに直接身体をぶつけるのはセットピースのときくらいだろうが、試合が終わってみればどちらがより優秀なDFだったか、わかるだろう。
そして、試合終了後のスタンドでなりやまないテキーラ!のサリーバ!
想像しただけで最高。
アーセナルは、リヴァプールとの14試合でたった1勝しかしていない。調べるのが面倒なので、これが何年間にわたるかわからないが、仮にシーズンに平均して3試合(PLの2試合とカップ1試合)として、およそ5年。これは長い。
というか、クロップの時代になってリヴァプールが、あのお笑いチームからすっかり強くなってしまって、それ以降われらはほとんど一方的にやられっぱなしだったということだ。この5年は、ヴェンゲルさんの末期からアーセナルがとくに悪い時期でもあった。
そして今シーズンのアーセナルは、ついにブレイクオンスルートゥジアザーサイド(©The Doors)し始めている。
ここで、近年のPLビッグ2の一角であるリヴァプール相手に結果を出せば、そのブレイクスルーは、よりいっそうこのフットボール世界に強く印象づけられるだろう。
ナウイズザタイム(©Charlie Parker)である。やるなら、いまでしょう。
キックオフは、日本時間で10月10日(月)0:30。今晩。
翌日は祝日。朝めざめると同時に「サリーバ!」と叫びたくなるような最高の日にしてもらおうか。必勝祈願。なむなむ。
COYG!!!