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ガブリエル・ジェズースがブラジルで語ったこと。グアルディオラ、アルテタ、ポジション【July 2023】

昨日、当ブログでサカのバックアップについて書いたあと、ぼくがわりと毎回ブログエントリを楽しみにしているライター(Billy Carpenter aka Edu’s BBQ)が、「プリシーズンのニュルンベルク戦でジェズースのポジションがみもの」と書いているのを発見。ジェズースがRWのカヴァとしてプレイするのは、いまのチームのなかでは理にかなっていると主張していて、わが意を得たりという気分になった。

その彼の記事のなかで、ポジショニングについて語った一週間前のジェズース本人のコメントについても触れていて、このブログではスルーしてしまっていたが、いまあらためてチェックするとなかなか興味深いので、そのインタヴューをここでフォロウしておきたい。

ジェズースがコメントしたのは、ブラジルの『Denilson Show』というYouTube番組(Podcast)。彼がゲストのこの回は尺が2時間以上もあって、かなりもりだくさん。

それをredditのアーセナルファン有志が、要約(翻訳)してくれていたので、ありがたく拝借させてもらおう。リスペクト。



ガブリエル・ジェズースのインタヴュー要約@Denilson Show July2023

以下はインタヴューの要約で、彼の発言そのものを直接訳したものではないのでご注意。小見出しはぼくによる。

ジェズースはシティでアンハッピーだった

ジェズースがシティでアンハッピーだった理由はグアルディオラにある。彼は、彼の決断の多くが気に入らなかった。

ジェズースはいくつかの試合について言及しているが、彼がとくに気に入らなかったのは、2021年11月のPSG戦。彼はそこまでとてもいいプレイをしていて、グアルディオラからもコーチングスタッフのみんなからも、非常にいい感触を得ていた。チームでは一週間まるまるストライカーとしてトレインしていたにもかかわらず、試合の2時間前にグアルディオラが、ジンチェンコをフォルス9にした。

ジェズースは無性に腹が立って、母親に電話をしてクラブを去りたいと話した。

彼はその試合前ウォームアップさえしなかったが、そのあと、ハーフタイムあたりになりジンチェンコがサブで下がると、ジェズースがそこへ入りゴールして試合に勝った。彼は、そのとき申し訳ないような気持ちになり、ほかのときならそういうことはしなかったと述べた。だがそのときはそうなった。

ジェズースは、グアルディオラとのコミュニケイション不足についても述べた。彼はシティに慰留されたとしても、ハーランドが来ればウィンガーとしてプレイすることになることはわかっていた。それは彼がやりたくなかったこと。

アルテタが自分と話をしたがっていると伝えられたのは、グアルディオラからだった。

アーセナル移籍決断の決め手はエドゥとアルテタ

エドゥは、ジェズースとの最初の会話において、ハッピーで気ままな以前のガブリエルを取り戻してほしいと切り出した。ジェズースが驚いたのは、エドゥがその面談においていかに彼に個人的に話しかけたかということ。そして、プロジェクトについてはその後にミケルから聞いた。

(ジェズースはエドゥのことがかなり好きだと、ほんとうにナイスガイだと述べた。元選手であるホストのDenilsonもそれには同意していた)

ジェズースは、金のことも気にしないし、どこでプレイするかも気にしないと述べた。もっとも重要なことはプロジェクトだと。そして、エドゥとミケルが彼のアーセナル移籍の決断にいかに決定的だったかについて話した。彼らはグレイトなピッチをつくったし、プレイタイムでもポジションでもやりやすくしてくれた。

アーセナル移籍前のジェズースの事前の要求のひとつは、No.9としてプレイすることだったが、このインタヴューを通して彼は何度か自分はチームプレイヤーであり、どのポジションでもプレイすると述べた。

シティとアーセナルの違い

グアルディオラとアルテタのプレイスタイルは似ているが、アルテタはよりインテンシティ、ダイレクトネスを求める。ジェズースは、アーセナルのような若いチームには、そのほうが合っていると考えている。

シティでプレイしていたときのベストプレイヤーは、ダヴィド・シルヴァとベルナルド・シルヴァ。

シティではすべてにおいてコーチングスタッフとのコミュニケイションが必要だった。スタッフの許可なく追加のトレイニングはできない。なぜなら、選手にとっての基本は休むことだから。

シティでは(アシスタントコーチだった)アルテタとの距離は近かった。追加ワークもすべていっしょに行う。アルテタには多くを学んだ。アルテタがシティを去ると、ジェズースはあまり追加ワークをやらなくなった。

それが、アーセナルでは違う。トレイニングもジムワークももっとインテンス。そのおかげで、いま身体はよりよいレヴェルになっている。シティでは朝9:30にトレイニングに来て、12:00には帰る。アーセナルでは9:30に始めて、帰るのは15:00か16:00。

ジェズースは、シティでももっと追加のワークをやるべきだったと感じていた。なぜなら彼はスターターではなかったし、トレイニングもさほどインテンスではなかったから。いっぽうアーセナルでは、追加ワークの必要性を感じていない。そのかわりに休むことにより集中し始めた。よく眠ることをおぼえたし、よく食べることをおぼえた。

アルテタは、彼がシティでやっていたときほどチームでフィジカリーなトレイニングを行わなくなった。シティではもっとやっていたし、たとえばフェルナンジーニョは彼のボールへのスピードのために、いつもアルテタにファウルしていた。

ジェズースは今年エティハドでプレイしたときにシティのファンからブーをされずにすんでよかったと述べた。どうなるかもわからなかったので、うれしい驚きだった。

その他

アグエロとグアルディオラはたまにやりあっていた。アグエロがあまりハードにトレインせず、ダイエットについても問題があった。

マルティネリ、サカ、オーデガードは、いま世界でベストな若い選手。フォーデン、ベリンガム、ジュリアン・アルヴァレスも。

ジェズースはフォーデンについての考えも述べた。プレイタイムに関して、彼がグアルディオラと衝突していたことも。

ジェズースは、ソーシャルメディアについては以前ほど気にしなくなった。結婚して落ち着いたし、妻と娘と家にいるほうがいい。

以上。

アルテタはアシスタントコーチ時代に、シティでやっていたトレイニングから、いまはやりかたを少し変えているというのがけっこう興味深い。とにかく頑固と云われがちな彼だが、それでもやりかたを少しづつ変えているという。

それと、訳しながら気づいたのだが、このインタヴューが話題になったときに界隈でいちばん目についたトピックがなかった。それは、アーセナルの22-23シーズンの失敗はサリバのカヴァができなかったと述べた部分。『Yahoo!』より。

ジェズース:彼(サリバ)がプレイしていたとき、あまり失点はしなかった。そして彼がプレイしなくなると、失点が増えていった。

ぼくがケガをしたときは、エディがとてもよくぼくをリプレイスしてくれた。そのあとには、レオともサインした。それでペイスを維持できた。

でも、サリバがケガをすると難しくなってしまった。ほかのディフェンダーたちもよかったけど、ぼくらはあるやりかたでプレイをしていたから。スタッツを観ればわかるように、彼がいれば多く失点をせずに済んだ。

なぜこの部分が注目されたかといえば、ロブ・ホールディングにはあんまりうれしいコメントじゃなかったからかなと。直接的に誰かを批判をしているわけではないが、サリバのカヴァができていなかったといえば、その責任は直接そのポジションに入った選手が大きいわけで。

まあでもこれは事実を指摘したにすぎない。サリバ不在で「あるやりかたでのプレイ」が継続できなくなった。

新シーズンは、誰が欠けてもそれを継続しなければなりません。

ジェズースはチームプレイヤー。新シーズンはウィングでのプレイもあるか?

さて、今回の発言はシティからアーセナルへの移籍の舞台裏を知ることができるなかなか興味深いものもあるが、いまジェズースの新シーズンでのポジションを予想するうえでもっとも重要なポイントは、やはり「自分はチームプレイヤーである」と述べている部分だろうと思う。

アーセナルに移籍するうえで彼はNo.9(CF)でのプレイを求めたというが、そういう希望がありつつも、どんなポジションでもプレイすると云う。なぜならチームのためにプレイするチームプレイヤーだから。

アルテタがジェズースをいまのサカのように、右ワイドにほとんど固定した状態で起用することがあるかどうかはまだわからないが、試合中にひんぱんに周囲の選手とポジションを入れ替えるというのは、彼がこれまでにもやってきたこと。それを、新シーズンのアルテタがこれまで以上に積極的に奨励していくことは想像できる。あれだけヴァーサタイルなアタッカーを揃えているのだから。そのなかで、ジェズースが右ワイドのポジショニングを意識的に増やすというやりかたは十分にありそうに思える。

冒頭のBBQ氏も、フォルス9のジェズースが相手CBを連れて下がってあけたボックス内のスペイスに、8のハヴァーツが入っていくようなやりかたを予想していた。これはワクワク。

もうひとつBBQ氏がジェズースのRWが理にかなっていると考える点としては、ティンバーの加入を挙げていた。彼がRBをinvertさせてうしろでプレイメイクしたときに、RWにジェズースのような選手がいる。それもワクワク。

昨シーズンのジェズースを観ればわかるように、彼はあのチームのなかではかなりポジションの自由が許されているひとりであり、アルテタも彼はファイナルサードで「ケイオスをつくれる」選手であるとたいへんに評価していた。

彼もシティで強要されそうになっていたウィング固定はいやだとはいえ、試合のなかでの流動的な変化はもちろん、試合によってはサカのカヴァとしてRWでプレイすることになっても、そのことが大きなストレスになるようなことはひとまずなさそうである。

プリシーズンに初日から参加しているジェズースも当然プレイするであろう、木曜のニュルンベルクでどんなことが観られるか楽しみになってきた。

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

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