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ダヴィド・ラヤ「ボールを長く持って相手をひきつけるのが計画だった」

ダヴィド・ラヤが、アーセナルに来てから早2ヶ月。

ブレントフォードからの獲得当初は、ひとつのチームにNo.1がふたり必要か?という議論を巻き起こした彼ながら、すでにアーロン・ラムズデイルからポジションを奪ってしまったように見える。

いまでは、アルテタがGKにもローテイションを求めたなどという小難しい話ではなく、ただのどこにでもある選手のアップグレイドになってしまったみたいである。ただ、それがラムズデイルのレヴェルの選手に起きたことだけが驚きだったという。まあ、それも考えようによっては、どんどんチームを強化する必要のあるなかでは、いずれありえた未来なのかもしれない。それだけ、アーセナルは進化しているという。

さて、おなじみの『The Athletic』が、そんなラヤの独占インタヴューを行っていた。彼はいまスペインNTに参加中。

Raya interview: Taking ‘risks’ with Arsenal style, Arteta influence, Ramsdale relationship

ラムズデイルとの関係や、戦術的なことなど、なかなか興味深い発言があるので、それをざっくり紹介しよう。



ラヤのインタヴュー 2023年10月 by The Athletic

発言部分のみ。記事部分はThe Athleticに登録して読んでください。

アーセナル移籍とアルテタの影響

ラヤ:(いまがキャリアのピーク?)イエス。ぼくはクラブレヴェルでも重要な一歩を踏み出した。ぼくがいまいるのは、世界でももっとも重要なクラブのひとつで、それがインセンティヴになるし誇りにも思う。ぼくの目標のひとつでもあったCLで競えるのだから。

(自分でローンをパーマネントにできたら?)すぐする。もう、そうしちゃってただろうね。

夏の時点で、個人としても、クラブとしても、ブレントフォード退団が望まれていたんだ。ぼくの契約はあと1年しかなかったし、クラブもぼくもつぎのステップに行きたかった。そこで、ぼくにはアーセナルとサインする機会があったというわけ。

ミケルとは契約を決めるまえに何度か話した。財政的なこととかで、ごちゃごちゃしていたからね。彼はぼくがいっしょに働きたかったコーチのひとりだった。彼のフィロソフィ、彼のアーセナルを変化させたやりかた。それは彼のコーチとしての非常に重要な実績だろう。

(No.1について)ぼくはそれについて戦うことになる。アルテタはぼくがそうできるよう自信を与えてくれた。彼はどのポジションにもふたりのトップ選手をほしがっていて、プレイ機会を得るために戦うのも自分次第だった。それ以外のことは考えたくない。ほかのポジションでもあるように、もしロテイションがあるのなら、ぼくはいつでも助けになるつもりだ。

ラムズデイルとの関係

(ラムズデイルについて)ぼくらの関係? とてもいいよ。結局は、ぼくらは仲間なのさ。それが重要なことだ。ぼくらにはとても健全な関係がある。問題はないね。

ぼくらは毎日のトレイニングでお互いにプッシュしあっている。彼がすこし落ちているときはぼくがプッシュするし、ぼくが落ちているときも同じ。ぼくらはゴールキーパー3人でトレインしていて(せいぜい4人)、週に数時間やっている。だからそういう関係性が必要なんだ。そうでなければ、トレイニングもうまくいかない。

あまり先のことを考えるのは好きじゃない。ぼくは日毎に観ていくほうが好きだ。……でも、理想の終わりかたはアーセナルでタイトルを取ることだろう。それと、ヨーロッパのチャンピオンシップでナショナルチームに招集されて、いいトーナメントにすること。

マンチェスター・シティ戦の計画

(マンシティ戦での戦術調整)もしシティが世界一じゃないというなら、彼らはそのうちのひとつ。とくにプレッシングとトランジション。だから、ぼくらは多少ダイレクトにプレイする必要があった。

ファーストハーフでは、ぼくらはちょっと怖さを感じながらバックからのプレイにトライしようとしたけど、セカンドハーフでは、プレイを変えた。できるだけ相手を誘うようにして、彼らのディフェンスの後ろを見るようにした。ダイレクトボールを使って、ぼくらはかなり相手に脅威を与えた。

(Julian Alvarezのプレスから危うく失点)あれはぼく自身のやりかたでもあったけど、コーチの指示でもあったんだ。彼がぼくらにやらせたくなかったのは、とにかくボールを蹴り出し始めること。だから、ぼくらはプレスしてくる相手を誘って、近くまで寄せなければいけない。

ぼくはフリーマンで、ストライカーか誰かがぼくに飛びかかってきたら、それはべつにフリーマンがピッチに生まれるということ。ぼくらは(数的)優位を観なければならない。それがコーチがぼくにやらせたプレイなんだ。

ファンはぼくらゴールキーパーがボールを長いこと持つことに慣れていないし、もし相手がプレスをしてこないのなら、それをしてくるまでパスを待たねばならない。それは、ぼくらがかけるリスク。でも、ぼくはその責任を取るよ。いつかミステイクをやることになっても、ほかのやりかたはないんだ。

<中略>

(ラ・リーガでプレイしたい?)いまはそれは考えていない。ラ・リーガでプレイしたいかと云われれば、そりゃもちろん…… でもいまはアーセナルだ。ぼくはアーセナルでとてもハッピーだし、この数年でどうなるか観てみよう。

以上

いつかはスペインに戻りたい。正直でよし。エルネニーの「アーセナルでキャリアを終えたい」発言のあとだと、こういうところはドライな感じがするな。

さて、マンシティでのアレ。あらためて振り返っている。

あそこで失点してたらと考えると背筋が凍るシーンだったが、試合後のアルテタが「あれはわたしのせいだ」と述べたように、やっぱり計画の一部だったという。

アルテタはアーセナルに来た当初もバックからのプレイを改善するために、相手をボールに引きつけてからパスを出せみたいなことを云っていたと伝えられていたはずだけれど、あのシーンもそういうやりかたの一環だったという。

自分たちのゴール前でGKからのショートパスでの配球を阻止しようと、相手がマンマークしているなかで、GKがわざとボールを長く持って自分にひとりを引き付けることでフリーの選手をつくろうとした。

というか、ラヤはここでこんなにぶっちゃけて大丈夫だろうか。相手がひとりプレスに来るまでボールを持つなんて云ったら、今度は来てくれないかもしれない。

それとロングボール。シティの後半でのロングボールも意図的だったと。

バックからのプレイとダイレクトプレイと両方をミックスしてうまくやれれば、そうとうにビルドアップは進歩する。とくに最近はロングボールの比重を高めることで、アルテタはそれを理想としているのだろう。だが、そう簡単にいくはずもなく。

今後もアーセナルのビルドアップに注目しよう。

 

おわり



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