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【マッチレビュー その2】23/24 EPL ウェスト・ハム・ユナイテッド vs アーセナル(11/Feb/2024)6ゴールで爆勝【マッチスタッツと論点】

サカ、オーデガード、ライスのトップフォーム

このPLの4連勝で、チームも個人もどんどんフォームが上がっているという感じがする。とくにそれが著しい個人が何人か。

まずはサカ。PL4試合でG4 A1。生産性。

この試合のサカは、2ゴールがすくないと感じるほど多くのゴールチャンスがあった。最初のペナルティから決めたゴールの直前にも、ヘッダーでのショットなど数回連続して大きなチャンスを逃している。彼はリヴァプールでもチャンスを逃したが、ヘディングのほうは進歩の余地がけっこうあるかもしれない。

それと、後半にはAreolaにセイヴされた惜しいショットも。全体的には、ハットトリックどころかそれ以上のゴールが決まっていてもおかしくなかった。

そして、チームの5点めとなるオーデガードのスルーボールからの単独ゴール。すでに相手が意気消沈していたとはいえ、ボックス内には正面にDFもおり、決して簡単なゴールではなかった。彼の個人技が光る美しいショット&ゴールだった。

ちなみにああいうニアポストへのフィニッシュは、近年のPLでかなり増加傾向があるのだとか。へえ。

そして、サカはこの日アーセナルで50ゴール達成(※51ゴール)。100のゴール貢献(G+A)。まさにスターボーイ。

それと、忘れちゃならないのが、あのペナルティ。彼は去年のロンドンステディアムでペナルティを外し、チームのPLタイトル争いにおおいに水を差してしまった苦い記憶がある。だから、あれを蹴るのはプレッシャーもあっただろう。だが、そうした懸念をよそに素晴らしいゴールを決める。あれは断固たる決意を感じた。彼がまたひとつ大人の階段をのぼるところを目撃してしまった。

キャプテンファンタスティックことオーデガードも最近はとても好調だ。

Optaの記録で(03/04以降)オーデガードは、PLの1試合のなかで、100以上パス成功、チャンスを5以上つくり(7)、複数アシスト(2)をした最初の選手に。バケモンか。

もういっちょ。オーデガードは、ヨーロッパのトップ5リーグで、今シーズンにオープンプレイから50以上のチャンスをつくった最初の選手に。トップクリエイター。

ちょっと前にスランプに陥っていたとき、アーセナルは市場価値世界一の名がすたるなあと思っていたのだが(※直近はシティ、レアルに次ぐ3番手らしい)、これは€90mの価値あるわ。サカは€120mの価値あるし、ライスは€110mの価値ある。というかもっとある。

この試合のデクラン・ライスは、フースコの選手レイティング(MF)で最高記録。9.84。

彼のような選手をゲイムチェンジャーと云う。

大活躍デクラン・ライスの複雑な一日

というライスの絶対的最高パフォーマンスだったこの試合、本人にとっては複雑だったろうなと。あと現地でホームチームを応援していたスタンドのファンも。

WHUを円満退社して、クラブに超高額の移籍金を残したデクランだし、この前の2試合は彼がプレイするチームに2回も勝っているしで、ハムサポの皆さんもいまだに彼によい感情しか持っていなかったはずながら、この日はさすがに彼を恨みたくなっただろうと思う。ホームであんな仕打ちはない。

セットピースからのゴールふたつは、どちらも彼のお膳立てだったし、なによりあのダメ押しすぎるファインゴール。6-0。傷口に塩を塗るとはまさにあのこと。決めた本人すらバツの悪さを隠せない様子で、できれば決めたくなかったみたいな、あんな悲しいゴールもあるんだなあと、ぼくも思ってしまった。

しかし、あのゴールセレブレイション拒否の姿勢が、大部分がすでに帰宅して残りすくない(笑)ハムサポのこころを打ったのか、試合中はブーをつづけた彼らも、ライスの交代時にはスタンディングオベイションで見送った。美しい。ありがとうハムのひとたち。

イーサン・ワニエリの将来性

ワニエリが77分から約15分プレイ。彼はよかったな! 16才の少年ですぞ?

彼は身体も華奢に見えないし、プレイもなかなか。若い選手がプレイするときの気後れしたところがほとんどない。いや、本人的には多少はあったかもしれないが。ああいうプレッシャーのない環境で、彼のような選手を起用できたことはナイスだった。

アルテタが試合後に述べていた、彼の抜擢はベンチから推されたからという件、ラムズデイルによればそれはジョルジーニョだったらしい。この試合がもっと競った状況なら、ジョルジーニョは自分がベンチからプレイしていた可能性が高かったろうが、ああいう試合展開で自分よりワニエリの利益を考えてくれたのは、さすがシニア選手という気がする。

それとこれはアルテタも言及していた、周囲の選手が彼に積極的にボールを預けようとしていた件。あれは、オーデガードがとくに気を使っていた。美しい。

「ほい」って聞こえた!?

今回のワニエリのパフォーマンスで、ジャック・ウィルシャーを想起するひとが少なくなかったようだ。ぼくもちょっとそれは思った。彼は、ボールを持って進むときもボールが足に吸い付くような感じで、ボールと足があまり離れない。それを誰かが“sticky touch”と評していたのが言い得て妙であった。あれは特別な才能。

彼が入ったポジションはRWっぽい感じで、右タッチラインでプレイしたり、中央でプレイしたり。CM/AM/10が彼のポジションだと思っていたので、ワイドは意外な感じもしたが、まったく問題はなかった。実際、彼はワイドでプレイすることは珍しくないらしい。

彼は、17才になってからAFCとプロ契約を結ぶのはもう内定しているとか云われていて、それがほんとだとうれしい。

来シーズン、ファーストチームでプレイするところがもっと観られるのか。もちろん有望なアカデミー選手は、まずシニアフットボールを経験するためにローンに出る手順を踏むことが多いが、それさえも省略して、いっきにファーストチームの戦力になるみたいな、彼がファブレガス的キャリアを歩まないとは限らない。

楽しみで夜も眠れない。

 

この試合については以上

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