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【マッチレビュー その2】23/24 EPL ウェスト・ハム・ユナイテッド vs アーセナル(11/Feb/2024)6ゴールで爆勝【マッチスタッツと論点】

日曜のPLウェスト・ハム。マッチレヴューは、前半のコメント集のつづき。



試合について

ファースト11

SofaScoreより。

4-3-3

マルティネリ、トロサール、サカ

ハヴァーツ、ライス、オーデガード

キヴィオール、ガブリエル、サリバ、ホワイト

ラヤ

サブは、エルネニー(67 ライス)、エンケティア(67 トロサール)、ネルソン(67 サカ)、セドリック(77 ホワイト)、ワニエリ(77 マルティネリ)

 

まず、試合前に発覚したトミヤスとESRのアウトについて。トミヤスはチームに戻ってから若干のniggleがあったということで大きなケガでもないらしいからいいとして。

がっかりなのはESRだ。トレイニングで足首をひねってしまった。おいー。ガラス製かよお。この試合は、彼がベンチからでも活躍するには十分な舞台だったはず。あまりにも持ってない。

最近はアルテタが会見などでライスやハヴァーツを称賛するのに、availability(※いつも使えること)に言及するたびにギクリとするようになってしまった。それを云うのは、パーティやESRのようなケガがちな選手のことが念頭に置かれているだろうから。availabilityに信頼のおけない選手を軸にチームはつくれない。才能以前の問題である。

ダウトだったジンチェンコも結局ダメだったので、ジンチェンコもトミーもいないLBはキヴィオールがスタートした。

その影響もあってか、今回はベン・ホワイトがRBで「ジンチェンコロール」をやったと試合後の話題になっていた。後述。

そして、9にハヴァーツで6にジョルジーニョが入るという予想は外れて、トロサールが9に入るというやや変則的なかたちに。そしてそれがめっぽう効くのだった。

アルテタがサブに動いたのは、ライスのアレで6-0になって、WHUの皆さんのハートをズタズタに切り裂いたあと。エルネニーやセドリックといったチームを影で支える功労者を入れるような余裕っぷりだった。

16才のイーサン・ワニエリもPLで2回めのチャンスを得た。その堂々としたパフォーマンスに試合後も大きな注目が集まっていたのはご存知のとおり。

試合も実質的に終わっていたし、今回のアルテタのサブにとくに不満はないが、強いていえば、冬に放出したがっていたセドリックにご褒美を与えるよりは、レウ・ウォルターズを入れてほしかった。彼はこの試合でPLのベンチが18回め?で、これまで一度たりとてピッチに立っていない。ユースのなかでファーストチームにもっとも近いであろう選手にこそ、ご褒美を与えてほしい試合だった。

マッチスタッツ

『BBC Sport』より。

基本スタッツで圧倒。アウェイチームのポゼッションは70%以上。

前回エミレーツで敗けたときの30ショッツでゼロゴールは極めて残念だったが、今回25ショッツで6ゴールは悪くない。

相手のSoTを「1」に限定するというのも、今シーズンのアーセナルが何度か強敵にやっていること。前回のリヴァプール(H)でも1、8月のシティ(H)でもSoT1をやった。

このような試合でもクリンシートにこだわり、大差でも守るときは全員がボールの後ろに戻るディシプリンがある。今シーズンのアーセナルは失点やxGAがリーグベストなど、守備のアウトプットがかなり向上しているのは、こういう守ることへの強い意識があるからだろう。

今年のUCLグループステイジで対戦したPSVのマネジャーPeter Boszが、エミレーツで敗けた試合後に述べていたことを思い出す。このコメントはアーセナルの今シーズンの守備をとてもよく語っているようで、いつかどこかで書こうと思いながら、長らく時間がたってしまった。『The Athletic』のインタヴューより。

Peter Bosz:わたしもアーセナルからはかなり学んだ。あのあと考えたんだ。「われわれだっていいプレイをしたのに…… それが4-0敗けだって?」。ビルドアップでは、われわれもうまくやっていたし、自分たちの試合をやれていた。だが、彼らのボックスにたどり着くやいなや、そこで終わりだ。果たしてそんなことが可能なのか?

わたしとコーチで彼らを研究した。彼らがやることはうちと何が違うのか?

その答えは、彼らは相手ボックスで際立っているだけじゃなく、自分たちのボックスでもそうだということだった。彼らは、できるだけ早くボールのうしろに多くの選手を戻す。それを10人とか11人でやるのだ。だが、われわれはそれを6人か7人でしかやらない。そうなれば差は開く。それがトランジション。

わたしたちは、その後の試合で選手たちに示した。そしてアーセナルのように10人か11人でそれをやりはじめた。攻撃でも守備でもコンパクトにしながら。

いい話だなあ。

話を戻そう。Understat.comによるxGは、0.19 v 4.00。

WHUのグラフの平坦さ。彼らのショッツの最大xGは、82分のKudusの0.09。5つのショッツのなかで0.1に達したものはひとつもなかった。

いっぽうのアーセナルは、最序盤と終盤をのぞいては、コンスタントにチャンスをつくりショッツを打ちつづけた。

この試合前、アーセナルはWHUに2敗していて、そのときの2試合を合計したデータが興味深かった。

アーセナルはこの試合の前の2試合で、WHUにショッツ11、SoT6、1.84xGから5失点していて、相手の平均ポゼッションは27%しかなかった。それだけ少ないチャンスを決められていた。

今回もスタッツには似たような傾向があるものの、ふたつのボックスでのゴールが全然違っていた。

アーセナルは基本的なやりかたは変えず、しかしゴール前の効率は大幅に改善させた。そして相手のチャンスは最小にして、少しの希望も与えず。少ないチャンスをさらに少なくしてやった。

力でねじ伏せた感ある。

※コメントくださるかたにお願い
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