まさか、アウェイだとしても、いまのアーセナルのチームがここまでやられるとは思わなかった。
試合はどんどんリーズの望むハイエナジーでハイテンポでオープンな展開になっていき、とくに後半はアーセナルは自分たちがやりたい支配・コントロールは、まったくと云っていいほどできなかった。両チームのボスの試合前コメントからして、お互いに「自分たちがやりたいプレイをやる」がこの試合のテーマだったとすると、アーセナルはまったくの完敗だった。
アーセナルの今シーズンここまででは、これがワーストパフォーマンスだったという声が多数。
しかし、われわれは試合には勝った。醜く勝った。
どう観ても敗け試合にしか観えない内容だったのに、なぜか3ポインツ。なぜかクリンシート。なんという奇妙な結果なのか。奇妙といえば、レフェリーの機材トラブルで中断された試合の始まりもかなり珍しかった。
今シーズンいまだにトップを独走するアーセナルが「ただのラッキーである」という意見にはまったく同意できないが、今回の試合のことなら全面的に同意せざるを得ない。相手がペナルティを外してくれるなんてことは、このレヴェルではなかなかないのだし。あの内容でひとつもゴールを許さなかったことも。
リーズもあの強さで、PL6試合で勝ちなし。ありえん。なんてリーグだ。
試合を振り返ろう。
Arsenal hold on to beat Leeds in dramatic finish
アルテタの試合後コメント「どんな状況でも勝つ道をみつける」
試合直後のボスインタヴュー。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプトより。
アルテタ:じつにタフな試合だった。それは、わかっていたことでもあるが。ある時間では、とても混沌とした試合になるだろうと。われわれは、その時間をあまりにも長く与えすぎた。とくにセカンドハーフで。
思うに、ファーストハーフはこちらにかなりいいときもあった。2-3点は取っているべきすごいプレイもあった。だが、それをしなかった。そしてセカンドハーフでは、われわれはいきなり悪いスタートだった。あの認められなかったゴールもあり、われわれが勢いづくことはまったくなかった。とくにビルドアップでは、自分たちの首を絞めていた。
その後も、われわれは試合に全然入って行けてなかったし、自分たちをインポーズすることもできなかった。だが、そうは云っても、レジリエンス、キャラクター、パーソナリティがあった。選手からは、今回も勝つという意志があった。それはわたしが愛するものだ。
3日ごとの試合など、どんなコンテキストがあっても、(醜く勝つことが)できなければならない。ノルウェイでは、人工芝で非常に難しいコンディションでプレイしたし、たくさんの選手を変えた。そして、ここでもう一度それをやることになった。選手たちに信念がなければ、とてもタフだ。
今日のわれわれには、若干のラッキーは必要だった。だがわたしにとっては、ラッキーなんてないんだ。チームのうしろにあるものがあり、このチームに関わる全員のスピリットのうしろにあるものがある。それが、さらなるものをもたらす。それが、なぜいいことが起きるかの理由だ。
今日も観られたように、われわれのサポーターがいかに選手たちをサポートしたか。その一部でいることは、ただもう喜びだ。
試合後のプレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプト。
(エランドロードのインテンスなセカンドハーフについてどう思う?……)
アルテタ:ファーストハーフもだよ! ここはつねにインテンスだ。われわれも、とてもケイオティックになる時間があると予想していた。われわれはその状況に対処しなければならなかった。ファーストハーフは、とてもよい時間があったし、2-3点取ってそこで負かすべきだった。
われわれが試合をオープンにしてしまい、セカンドハーフの最初から、リズムに乗れず、何度も何度も正しい決断ができなかった。自分たちで、ビッグトラブルを起こしてしまった。だが、そのあとは試合に勝つレジリエンス、ファイト、キャラクター、勇気があった。
(これが違うやりかたで勝つ例?……)
われわれは、自分たちで自分たちの首を絞めた。なぜなら、ファーストハーフでやるべきことをやらなかったから。そして、セカンドハーフではあまりにたくさんのミスをやった。リーズに機会を与え、信念を与えてしまった。
彼らを称賛するよ。セカンドハーフの彼らはほんとうによかったと思う。すごい雰囲気があり、それも称賛に値すると思う。
(VARで覆った終盤のペナルティについて……)
あの判断ははっきりしていたと思う。まだそれを観返してはいないが、みんなが同じことを云っている。なんの不満もないと思う。
(試合後に心臓の鼓動はどうなっていた?……)
ここは、いつだっててんやわんやだ。こんなふうな勝利になったのも偶然じゃないと思う。それがチームが観せた、キャラクター、パーソナリティ、プレイへの渇望だ。木曜の夜から、とても苦しんでいた選手たちも何人かいた。ノルウェイでの木曜から、リーズに来て、どちらも勝つこと。選手たちを大いに称賛する。それが、このチームについて雄弁に語っている。
(この試合は、ここまででもっともタフな試合のひとつだった?……)
ここではつねにタフになる。今シーズン当初のここでの結果や、何が起きたのかもわかるはず。だから、繰り返すように、われわれがここで勝ちをキープできたことにはまったくもってうれしい。どんな状況だって勝たなきゃいけないのだから。今日もまたとても違っていたが、われわれは勝つ道を見つけた。
(キックオフが遅れたことが選手たちに影響した?……)
MLSへ行けば、珍しくもないものだよ。われわれはあそこでプリシーズンをやったが、3時間とか5時間の時差のおかげで、リスタートするまで試合が遅れる。ここでは、われわれはそれに慣れていないし、それに適応しなければならない。彼らに問題を解決する時間を与えないと。なぜならVARはとても重要だったから。この試合が違うものになっていた。
(待ち時間で集中を維持するのはたいへんだった?……)
100%。みんな心配していたと思う。ルーティーンがあるのに、それが邪魔されたのだから。だが、違う状況があっても、それに適応して勝つ道を探すだけだ。
(このあとのリヴァプールとマンシティの試合をチェックする?……)
もちろん。おいしい夕食をとりながら観るつもり。今日はすごくインテンスだったから。ちょっとは落ち着かないとね!
以上
ブカヨ・サカの試合後コメント「あんなプレッシャーを受けたことはない」
G1。MØのスルーボールから右足でズドン。あんなアングルで決まるとは思わなかった。最近は、サカもマルティネリも弱足を積極的に使おうとしているように見受けられるが、今回はそれが最高のかたちで決まった。試合後のインタヴュー。Sky Sports via Arseblog
サカ:まだドキドキしているよ。3ポインツがとてもうれしい。ほんとにタフな試合だったから。リーズはすごくよかった。とくにセカンドハーフ。
彼らには、かなりプレッシャーをかけられた。そのことで、よけいにうれしい3ポインツになっている。
(こんなに強いプレッシャーがかかったことはなかった?)そうだね。そのとおり。リーズを称賛するよ。彼らはとてもいい。
(ゴールについて)ぼくはマーティンのクオリティをわかってるから。彼がボールを持てば、ぼくはただランをしようとする。どこへ行こうが彼はボールをくれるし、今回は幸運にもばっちり合った。
スーパーB。
Bukayo Saka is loving life 🌶
💫 Goals in 3️⃣ matches on the spin
🎯 5️⃣ goals and 4️⃣ assists in his last 1️⃣0️⃣
👏 5️⃣0️⃣ contributions under Mikel Arteta@BukayoSaka87 | @Arsenal | #LEEARS pic.twitter.com/d7VRZrVZcA— Premier League (@premierleague) October 16, 2022
アーロン・ラムズデイルの試合後コメント「まだちょっと痛い」
Sky Sports、AFC公式(ファン投票)のMOTM。AFCオフィシャルサイトより。
ラムズデイル:全体で、集団で、ぼくらは守備で際立っていた。アウェイでリーズに1-0で勝つというのはとてもタフな要求だけど、ぼくらはそれを成し遂げた。
もちろん、毎週パスを回して3-0で勝ちたいよ。でも、今日はそれでも勝つ道を見つけた。それがいちばん重要なことだ。ぼくもボールを左・右・中央に回した。
ブカヨがゴールをしたが、彼を試合に入れることがなかなかできなかった。ぼくらは、ジュエルなんかで敗けていた。だが、云ったように、ぼくらはバックからフロントまで守備の面ではすごくよかった。
(今回のベストセイヴは?)アソコにあたったやつかも?(笑い)そのあともかなり影響はあったけど。まだちょっと痛いよ!
今日は、あそこにいられたことにただ感謝だ。今シーズンはスタートから、最近の試合までずっと自分自身そこを気にしていたから。どこにゴールが決まっているか。そして、そのあとには疑問が解ける。今日チームを助けられたことはグレイトだ。
いま自分たちが基準を高く持っていることについては、いろんな感情のひとつに過ぎない。自分たちがどうプレイしたいのかというスタンダーズの面で、ぼくらはまだそこに到達していない。でも、アウェイで3ポインツを取ったり、1-0で勝ったことは、何よりの喜びだ。
ラムズデイルは、ショットストップ(1 v 1)に関しては、いい記録を残していなくて、そこが彼のGKとしての進歩のポインツのひとつだったことを思うと、このコメントはなかなか感慨深い。
ところで、今朝起きてアーセナルのニュースを観ていたら、ラムズデイルのコメント“The one with my nuts”が、かなり盛り上がっていて、ぼくもなにが笑えるのかしばらく意味がわからなくてくやしかったのだけど。ハイライトで合点した。あのショットストップ。べつにスラングとかそういうのじゃなくて、my nutsは単純に……のことだったという。みんな下ネタが大好きだなあ。nutsて。
AFCのサイトの書き起こしでは、この部分は省略されるかと思ったが、ちゃんと“a sensitive areaをしたたかに打った”みたいに書いていて、さすがだと思った。
Jesse Marschの試合後コメント「われわれのほうがいいチームだった」
リーズのボス、ジェシー・マーチ。この敗けは、さぞくやしかろう。『Sky Sports』より。
Marsch:がっかりした。そしてすこしくやしい。われわれのプレイは、誇らしく思っているけれど。
われわれは、いくつも相手を上回る試合をしてきているし、今回もこちらのほうがよいチームだった。そして、われわれにふさわしいゴールを奪う道を見つけられない。
そして、そのあとも相手を止めているにも関わらず、ゴールのチャンスやリードのチャンスをつくられてしまう。スポーツというのは非常に残酷なものだ。
われわれはファイナルサードでもっと進歩する必要がある。
ラッキーではあったがガブリエルの判定がイエローに変わったのがよく分からない。
プレイに関係ない悪質行為だし、相手が先に手を出したのが分かったから罰が軽くなるってルールなんてあるのか?
Hawkeyeはゴールラインテクノロジーのはずです。テニスのライン判定に使われている技術でそれをゴール判定に使うと前ニュースを観た気がします。複数のカメラで対象を追いかけるシステムですね。
パフォーマンスは悪くとも勝っただけでも価値があるかどうか
次の試合のパフォーマンスに注目ですな
ジャカが2ボランチ気味に降りてきた時は割とプラス回避出来たりしてましたが、結局続かなかったですね。
バックラインが全体的にミスが多かったのが気がかりですね…。過密日程は続きますし。
ぶっちゃけELは、ほんとに相手には申し訳ないですけど、サブ+下部の選手でいいかなと思ってます。
更新ありがとうございます。
解説の方達も「厳しい状況でも勝点を取れたことが良かった」的な感じになっていますが
私は結構危機感を感じています。
昨シーズンまでの悪いアーセナル感が出てきています。
プレッシャーに弱く、アイディアに乏しい感じ。素人だからなんとも言えませんが
今回の後半戦に関してアーセナルのターンが全くなく、本当に心配になりました。
デュエルで負け続けたり、セカンドボールも全くといっていいほどとれなかったので、、
ミッドウィークの疲弊うんぬんがあったとしても、選手層の薄さも、これから少しずつ響いてくるかもしれませんね。
停電の影響だったんですねー
ホークアイのチェックは再開前にやってましたね。ボールをゴールポストにつけて。
北欧からのアウェー遠征で中断は難しいものがあったでしょうし、正直レフェリーがちょっとナイーブだった気が。
まあそれでもリーズはリーズですね。
監督かわって戦術的にかなり変化あってもスタイルはかわってないというか、素晴らしかった。初めて見た選手もいて、彼らもいい選手だな、と思ってしまった。
ホント勝てて良かった!
サカはあんだけタイトに見られてるなかミスからワンチャスものにする力、、ワールドクラスに近づきすぎ。。素晴らしい
やっぱ左は内側でのビルドアップ含めポジショニングがかなり特殊で、冨安のほうがティアニーよりうまくそこは振る舞ってる気はします。今回はプレッシャー厳しくてそこまでですが、、
ジンチェンコいたらどうだったんだろーか。
兎にも角にもこういう試合で勝てたことが何より!ラムズデールカッコいい!お父さんお母さんは見に来てたかな?笑
シーズン終了後この3ポイントのお陰でCL圏内だったと言えるようになっている可能性は十分にありますね。
長いシーズンなので内容が伴わない試合があっても仕方ないと思います。
うまく切替えて次の試合では完勝して欲しいです。
この試合に関して「ミス」という言葉をTwitter上でもよく見かけるが、大部分はボール保持時のポジショニングが「ミス」で、無理な縦パスを強いられたり、SBへのハメパスでトラップミスなどの現象が起きていると理解して言葉使ってんのかね。