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サンティ・カソルラがUELレンジャーズ戦を前に怪我、アーセナル、ジェラードへの思いを語る

重症からの復帰を願っていたグーナーの夢もはかなく、今季よりスペインのヴィヤレアルに活動の場を移したおれたちの永遠のアイドル、サンティ・カゾーラがUELの試合を前にBBCのインタヴューに応えた。

なにを隠そう、ヴィヤレアルのEL初戦の対戦相手はスティーヴン・ジェラード率いるスコットランドのレンジャーズということで英国メディアも興味津々になるわけである。

Santi Cazorla: Villarreal midfielder on Steven Gerrard, Arsenal & gangrene

こちらの記事をざっくり紹介しよう。



ヴィヤレアルMFのサンティ・カゾーラ、インタヴュー。

最初はただのかかとの疲労だと思っていた

「もう楽しめない」

彼はBBC One『Football Focus』に語った。「プレイしているとはいえないくらいだった。だから一度休んで解決策を探すことになった。でもそれが2年も試合から遠ざかることになるなんて思いもしなかったんだ」

彼の最初の手術はそれから二ヶ月後だった。そして10回の手術がそれに続く。そのうちのひとつは壊疽につながり、カソルラはもう一度歩けるだけで満足すべきだともいわれた。脚を失うことすら恐れる事態だった。

最後の手術は5月に行われた。彼のアキレスはつくり変えられることになり、ドクターは彼の右のかかとに彼の左腕から皮膚を移植することにした。タトゥーのある部分を。

「彼らはぼくの腕からかかとに皮膚を移植したんだ。そして腿から腕に。ぼくが自分にどうなったのか訊かれたときはいつでも、こういうことになったんだ。「ジグソウパズルみたいなことさ」ってね」

「フットボールのふつうの怪我とはちょっと違ってたんだ。バクテリアが繁殖して8cmもテンドン(腱)を侵食されるみたいな……。ぼくにはただかかとが張ってるくらいのことだったんだけどね」

「こんなふうに説明しなきゃいけないことばかりだった。「これを乗り越える強さはぼくにはない」。でも、みんながぼくに寄り添ってくれて考えを変えようとしてくれた。絶対にまたプレイできるってね」

アーセナルでやり残したこと

カソルラはこの2年の苦しみのなかで、アーセナルを責める気にはまったくなれないと思っている。

たしかに彼はアーセナルに「一生感謝する」というだろう。そして元マネージャーであるアーセン・ヴェンゲルに。彼はカソルラが怪我をしているときですら彼の契約を延長した。

「アーセンはこんな怪我を目にすることは二度とないだろうといったんだ。そしてスペインのドクターもまた、ふたつの違うバクテリアがアキレス腱の8-10cmを侵食するなんてことは見たことがないといっていた」

「もしバクテリアが特定されて最初からこうなるとわかっていれば、実際に起きてしまったこの事態の半分も起こらなかっただろう」

「でもやり残した仕事があるという気持ちがずっと残ったままなんだ。いつもいっているように、もしクラブを去らなければいけないときはファンの前でさよならをいいたかった。彼らはぼくを信じられれないくらいよくしてくれたから」

ヴィヤレアルへの復帰

契約満了で彼がアーセナルを去ることになったあと、オファーを待ってプリシーズンをアーセナルで過ごすつもりだった。

しかし、ヴィヤレアルがすぐに復帰のチャンスを与えることになった。ヴィヤレアルは彼が7年前に2シーズン過ごしたクラブで、「ホーム」として迎えてくれることは彼にとって断ることが難しいものだった。

「退団するとき、「さよなら」というよりは「また会おう」という感じなんだ。彼らはぼくにフットボールを楽しむ機会を与えてくれて、それはお返しすることが不可能なほどの優しさだった」

そして「ハロー」というよりは、彼の復帰は「アブラカタブラ」みたいなものだった。カソルラはマジシャンによってお披露目された。

エル・マドリガルで空っぽのカプスルがスモークで満たされると、カソルラがそこにいた。

「マジシャンのYunkeは天才だよ」。前日には練習をしなければならなかった。

「なんとかやりとげたね。彼はこんなこといってたよ「サンティ、トリックについて訊かれても何もいっちゃだめだよ!」ってね」

ピッチ上でのカソルラのつぎの貢献は、ラ・リーガの8月レアル・ソシエダ戦。「最終試験みたいなものだよ。ちょっと怖かったね」。そしてそれ以来彼は2試合でスタートしている。

試合をそのまま終えることはまだ出来ていないし、まだ痛みがある。しかし、フットボールをプレイすることで彼はシンプルに人生のスリルを楽しんでいる。

「いまはフットボールをまた違ったふうにも見ているんだ。以前はホテルに滞在することやコーチがステディアムに行くこと(※訳注:??)なんかはうれしくなかった。でもこの2年こういうことをまたやるために怪我と戦ってきた」

「ぼくはそれを楽しもうとしている。どの瞬間もそれを楽しもうとしている。だっていつまでそれが続くかわからないのだから」

ジェラードはアイドル

カソルラのヨーロッパの大会での復帰はELのグループFから始まる。木曜のレインジャーズでのアウェイマッチ。

スティーヴン・ジェラードのチームは、グループステージに来るまでに4試合を戦ってきた。そしてラピド・ヴィエナ、スパルタク・モスコウ、そしてヴィヤレアルと戦う。

しかしカソルラにとっては、元リヴァプールのキャプテンとの旧交を深めるチャンスで、一番ワクワクしているという。

「スティーヴンはずっとぼくのアイドルだった。子どもの頃からね。ぼくのプレミアリーグでの2回目の試合はリヴァプールでのものだったんだ。そのときにねだってもらったジャージはいまでも宝物さ」

「彼がレインジャーズのマネージャーとしてここに来たということはぼくにとっても特別な試合になることを意味する。なぜなら彼にいつも憧れていたから。ヴィヤレアルとの試合どうこうではなく、彼が負けることを願うとかじゃなく、彼がうまくやることを願ってるんだ」

以上。

ヴェンゲルさんが故障中のカソルラと契約更新したことは結果的に報われなかったという意味ではビジネス的には完全にギルティだったろうが、長い目で見れば、アーセナルFCの「クラス」を示したいい決断だったと思う。彼は屈指のファン・フェイバリットだったわけだし。

カソルラのヴィヤレアルとELで戦うことがもしあったら、きっとエモーショナルな試合になるだろうね。ぼくが知ってる限りでは、彼以上にその人懐こい笑顔がファンに愛された選手はいない。

CLと違い、ELは一晩ですべての試合がいっせいに行われる。アーセナルの試合があるからライヴでヴィヤレアルの試合を観ることはないだろうが、彼らの検討を祈ろう。

カソルラももう33才ということで、いまだに痛みを抱えて満身創痍ということも考えれば、彼の現役時代を観ることができるのもそう長くはないはず。

同じ時代を生きていることにマジ感謝。



※コメントくださるかたにお願い
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お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

One Commnet on “サンティ・カソルラがUELレンジャーズ戦を前に怪我、アーセナル、ジェラードへの思いを語る

  1. アーセナル戦の合間に、サンティを見てたら、涙が溢れてきました。(T ^ T)
    俺たちのサンティなのに、と思いましたが、ヴィヤレアルにとってもそれは同じ。
    みんなのサンティとして応援しました。
    相手のレヴェルもあり、両サイドでフルタイム活躍。
    やっぱり上手い!
    決勝トーナメントでエミレーツで会いましょう!
    その時は、号泣しそうです。(^_^;)

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