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ギャリー・ネヴィルが語る。英プレミアリーグ10年の変化

選手は資産

われわれは本物のハイクオリティなオリンピックアスリートを何年にも渡り見てきたが、フットボールはそのディシプリンやプロフェッショナリズムの点では、遅れていた。

飲酒時代が消滅してからはビッグジャンプがあったが、新しいメソッドには抵抗があったし、ほかのスポーツと自分たちを比べること自体にも抵抗があった。

しかしいま本気になって、フットボールはスポーツサイエンスに適応するようになっているし、それにたいそうな金も使っている。

選手は資産だ。たくさんの金を選手に使う。彼らをフィットさせておければ、試合に勝つチャンスができる。一方で選手はそれにより自分の価値を保つことができる。だからもちろん、選手に大きな投資をするのは、そういう理由がある。

選手については、彼ら自身が自宅にちょっとしたメディカルセンターを持ち始めたというのがある。アイスバス、マッサージテイボー、そういった設備を自宅のなかに設えている。

わたしの時代では選手がやっとそういう「ホームサーヴィス」を使い始めたくらいだった。甘やかしと云われるかもしれないが、そうではなくケガの予防なんだ。PM1時にすべてを完了すべきではない。仕事は終わっていない。午後はストレッチをすべきだし、脚が準備できているかチェックしたり、アイスバスに入ったりする。試合の翌日はとくに安全第一だ。

わたしがまだ現役でプレイしていたとき、わたしはマンチェスターのディーンズゲイトに住んでいた。

プロフェッショナルでいようと思って、たしかバルコニーにはバイクを置いていたはずだ。わたしはそこで試合後には20分のウォームダウンをして、自分でストレッチをし、自分でウォームダウンをしていた。それは当時にしては最先端だった。みんながそんなことをやっていたとは思わない。やっているものはやっていたし、やっていないものはやっていなかった。

しかし、現在はまったく違うレヴェルの話になっている。自宅にマシンがあり、自宅で治療ができる。すごいことだ。

しかしそれが正しいんだ。自分自身を誰が面倒見てくれる? 自分の身体で、自分のキャリアの大部分を守れるのは自分だ。彼らはそれを生業にしているのだし。

選手は繭に包まれている:パーソナリティを出せ

どんな選手もビジネスである。

わたしがそれを最初に見たのはデイヴィッド・ベッカムだ。治療やコーチングのときではなく、フィールドの外でのことでだ。弁護士、会計士、PRマネージャー、エイジェント、ソーシャルミディアマネージャー。自分自身をビジネスにするという点で、彼はある種の最初のモダンアイコンだった。クレヴァーだったよ。いまはどんな選手でも、金を稼ぐのに、こういったことを行うことが可能になった。

しかしプレッシャーはある。わたしたちがそれについて話すだけでも、いくつかのリスクはある。しかし選手のソーシャルミディアのアカウントが、おしなべて本人以外の担当者によって管理されるべきだという意見にはわたしは反対だ。

それは自分のパーソナリティなんだ。自分のキャラクターだし、スピーチでもある。自分の好きなものを伝えるべきだ。結局キャリア中に自分のパーソナリティを見せることができた選手は、いいリタイヤ後を迎えられる。

われわれがここ数年で見てきたのは、たとえばラヒーム・スターリングで、彼はアンフィールドを去るときにミスをやり、インタヴューではおどおどするようなところがあったが、いまでは広報担当のように話すようになった。

ちゃんと足かせを外すことができたいい例はある。少しばかりアドヴァイザーの云うことを聞かなかったとしても、自分のパーソナリティを見せられる。

選手たちはキャリアの終わりの35にもなって他人に取り入れられないよう、あらためて考えておくべきだ。ちゃんとした面接すら受けたことがなく、ツイートしたこともない。そんな状態で突然こう考えることになる。わたしはあと30年何をやればいいんだろう?

突然に崖っぷちに落ちること、刺激的に思えること、自分のスキルレヴェルのこと、つぎにやろうと思っていたことがなくなってしまったときのこと。

選手たちはスマートだ。ほんの25年前でも、マネージャーやシニア選手たちはこんなふうに云っていたんだ。「ほら、契約にサインしろ。これはいい契約なんだぞ」。そしてキミはサインする。

いま選手はもっと賢くなった。第三者アドヴァイザーがいて、会計士と弁護士を雇っている。わたしは契約はエイジェントではなく、自分でやるべき派だった。でもリタイヤして8年で、わたしはようやく理解したんだ。なぜ選手たちがエイジェントやアドヴァイスを必要としているのかを。

もしわたしがまだ選手だったら、エイジェントがやるような大きなMTGには参加していただろうね。それは自分のためになっただろうから。つまり自分の2本の足で立てる人間になりたいということだ。

もしキミが16か17才で毎週£50を稼いでいたとして、それが1年か1年半かで突然に毎週£50k(※およそ700万円)を稼ぐようになる。彼らに助言は必要だろう! 宝くじを当てたひとのことを考えてみれば、聞きおぼえのあるホラーストーリーみたいだ。突然に大金を得て使いみちすらわからない。投資の仕方だってわからない。そして取り巻きにたかられる。

それがフットボーラーの暮らしぶりだ。彼らも天使ではない。みんなと同じ町の出身で、とても幸運だったのか、あるいはハードワークに見合う技術があったのか。

そこには相応の理解が必要になる。選手たちはまた違ったスキルを築く必要があるし、自分のいる環境を理解する必要がある。

ゲームはこれからどうなっていく?

「ゲイム・チェインジャー」、それはわれわれが気づく前からすでにそこで起きている。それは、すべてが記録されるようになったということだ。

フットボールがオンラインになり、ディジトーになり、毎日のどの時間でもだ。わたしはフットボールクラブがマネタイズのために、トレイニングのライヴ映像を世界中のファンにまだ届けていないことのほうに驚いている。

ファンは選手やコーチの話すことを聞きたがっていて、それは彼らの本来の仕事だけにとどまらない。そういう時代なんだ。

実際は戦術トレイニングについては、すべてがそうして記録されるわけではない。せいぜい20%か30%くらいだろう。しかしウォームアップ、パス、シュート、クロス、ちょっとしたファイヴ・ア・サイド(5 v 5)のようなものは記録されて、登録を希望するファンに向けてアピールされる。これはつぎの10年で起きるだろう。

選手はトレイニングまでの道のりでインタヴューがライヴ中継される。「今日は車中のウェイン・ルーニーと話そう。今日のトレイニングセッション、ゆうべのディナー、おもに気にしている栄養は……」。

これは起きる。もっと詳しく、もっと専門的になる。なぜならコンテンツがキングになるからだ。

まあそれはともかく、いまわたしが考えているのは、この国にある最大のチャレンジは、いまいる世界最高のコーチを確保しておくこと。なぜならこれまでに証明されてきたことは、いくら資金を投入しようとも、世界でベストのコーチはやはり必要だということ。それがここ数年で起きたことだ。

世界最高のコーチがここに来て、われわれはリウォードを得た。彼らをここにキープしておかねばならない。

以上。

3 Comments on “ギャリー・ネヴィルが語る。英プレミアリーグ10年の変化

  1. メディアへの対応はSNSもあってどんどん複雑化してますが、個人的には選手のコメントがどんどん画一化してるようなところは少し寂しいですね。みんな優等生というか。

    ニュアンス間違えるだけで炎上するような堪え性のない世の中になった気がしますが、ちょっと前で言えばイブラとかモウみたいなビックマウスもあってもいいと思ってます。人を傷つけるのはよくありませんが、あくまでエンターテイメントですからね。ちょっとした刺激もあっていいと思います。

    VARは運用初年度だし、課題が出るのは普通のことだと思います。方向性は間違ってないと思うので、次第に洗練されていくと思います。でも、数ミリ出てたからオフサイドとかもそのままなんですかね?ゴールラインテクノロジーと同じと考えたら同じ解釈なんでしょうけど。

  2. 私もVARは賛成派です。
    フィットネスの話が出てましたが、最近どこかで見たLFCのプレイヤーリクルートが「怪我しづらい」前提な点が興味深かったので、是非いつか「何故AFCの選手は怪我しやすいのか」を記事にしてください!
    (他力本願な上、既出だったらすみません)

  3. VARはチャレンジ制がいいのでは。何回チャレンジできるかは試行錯誤が必要でしょうけど、チャレンジしたことがわかれば、観客の盛り上がりに水を差すことは減るのかなあと。
    あとは、無駄に無機質な補助線(テクノロジー)で判定するのはなしにして、リプレイを見ながら肉眼で判定したらよいのでは。あくまでもVARは補助であって欲しいですね。

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