アルテタ「チェルシーのウィニングメンタリティを見習いたい」
そして恒例のプレスカンファレンス後のインタヴュー。『GOAL』より。
アルテタ:(チェルシーのウィニングメンタリティをなぞらえたい)まったくだ。彼らはウィニングチームにコアになるとても重要な選手が何人かいて、それが一貫性を保つプラットフォームになっているのだと思う。
彼らにはとてもいいマネージャーたちがいて、選手たちがいて、ストラクチャがある。
(アブラモヴィッチ)以前のことを云うなら、彼らはウィニングチームではなかった。しかし彼らはそのマインドセットをなんとか変えて、選手たちにプレッシャーを与え、このクラブで許される唯一のことは勝利だと納得させた。
それが起きてから、明らかに彼らのパフォーマンスはよくなった。
(試合結果が財政へ影響)それに関しては選手たちに話す必要はない。彼らもわかっているし。
それに関して余計なプレッシャーは与えたくない。彼らは今週とてもよく準備しているし、準備もできているように見える。90分後にはカップを掴む野心とエナジーに向かって、自分たちを鼓舞しなければならない。
ぼくはチェルシーというチームが大嫌いなのだが、アブラモヴィッチ後の彼らが見事なのは認めざるを得ない。
アブラ氏が青いチームを買ってから16年で12人ものマネージャーがチームを率いているというが、悔しいことに(いっとき落ちたシーズンがあっても)一貫して競争力を持ちつづけていることは疑いない。
オイルマニーだとか、金満だとか、これまで彼らについてファンはいろいろ云ってきたが、もう近年のフットボール世界ではそういった批判は若干廃れてきたようにも思う。金を持っているオーナーが潤沢な資金をチームに投資するのが当たり前になってきていて、もはやそんなことを云っていては置いていかれてしまうからだ。
いまはどれだけ金をつぎ込むかというよりは、ある程度金を使うのは当然で、そこからどれだけ確度をもってプロジェクトを成功させるかがより重要になっているだろう。
ウィニングメンタリティについて、このブログのELファイナルのレヴューを読み返していたら、ペトル・チェクのコメントが紹介されていて(ナイスおれ)興味深いのであらためて。
チェフ:これはへんなふうに聞こえるかもしれないけど、アーセナルでは全般的にプレッシャーが少ないんだ(generally at Arsenal there is not enough pressure)。(中略)
チェルシーでは、ドローになったときなんかは、ドレッシングルームは葬式みたいだった。あれはヤバかった。ビッグチーム相手でもホームでドローをやったらこんなふうになる。「オーノー、ホームで勝てないとかマジあり得ない」。それがいろんなところから聞こえてくる。選手から、コーチからも。わたしがそこにいたときからずっと、毎試合でプレッシャーがあったよ。
エメリとチェクが揃ってアーセナルでの(いい意味での)プレッシャーのなさを指摘していて、逆にそれが競争力においては問題なんじゃねえのと。思ったわけです。
いまはアルテタが来て、こんなことになっていないことを祈りたい。
エミ・マルティネスのコメント「いまの自分がいるのは父と母のおかげ」
エモすぎるとおれのなかで評判のエミマルのコメント。オフィシャルサイトより。
EM:(セミファイナルでウィッスルを聞いたとき)ちょっとエモウショナルだったね。シティを倒したからじゃなくて、彼らはぼくのなかではヨーロッパのベストチームだけども、ていうよりは、愛するクラブでファイナルをプレイするためにぼくはどれだけずっとファイトしてきたかっていう。
ぼくがこのクラブに来てから10年で、最後のウィッスルでそのことが頭のなかをよぎったんだ。ファンや家族にはファイナルに来てほしかった。80,000とか90,000とかだよ。毎日プレイできる場所じゃない。
家族みんなに来てほしかった。云ったように、ぼくのうちはすごくプアな家で彼らのために9万人の前でトロフィを掲げるところを見せたかった。メダルをもらうときなんかすごかっただろうに。
CLデビューになったアンデルレヒトを思い出す。(父が)27時間かけて試合に来てくれて95分間叫びっぱなしだった!
ぼくは実家からはだいぶ離れている。ロックダウンのおかげで1年も母にも父にも会えていない。つらいよ。でもプレイするときはいつも彼らのことを思っているんだ。
いつかのことを思い出す。ぼくと弟が食べているのに、母と父が何も食べないでいる。だから彼らがどれだけのことを乗り越えてきたかよくわかる。ぼくはブエノス・アイレスに住んでいて、ぼくが遠征するときは月に2度しか会えなかった。彼らは旅費がなかったから。ぼくはいまトップにたどり着いているが、それが父母のおかげだということがわかるんだ。
あー、シティ戦の最後はピッチにぶっ倒れてたな。そういう思いがあったのですな。苦節10年。。
そして家族。きっと彼のためにお金も全部つかったんでしょうなあ。泣けるよ。
ぜひエミにはトロフィを掲げてほしい。
ラカゼットのコメント「去年のことをみんなが忘れないでいてほしい」
オフィシャルサイトより。
ラカゼット:(バクでの敗戦)誰も話さなかった。長いフライトだったよ。ほんとうに静かだった。ぼくのなかではワーストのフライトかも。
ファイナルに敗ければ、誰かと話したり笑い合ったりしようとするのもキツい。もちろんみんながっかりしていた。
願わくば去年のファイナルでプレイした全員が去年のことを忘れないでいてほしいね。みんながそれぞれ自分のモチヴェイションを見つけなければならない。
過去や将来について考えることだったり、あるいはただこの試合に勝ちたいでもいい。この試合に勝ちたい理由なんてどうでもいいんだ。まあふつうはみんな勝ちたいんだけど。
コロナで長いあいだストップしたし、マネージャーも変わった。プレイする選手もたくさん変わった。少しヘンだった。でも最後にはぼくらはファイナルにいてただトロフィを取りたいだけ。
難しいシーズンだった、ぼくのキャリアでは一番難しかったかもしれない。しかし今シーズンからメンタリーにもたくさんのことを学んだし、もっとチームについて考えるようになった。長いこと得点できなかったから、得点意以外の部分でも。
だからこのシーズンについて語ればスタティスティクスは最高ではなかった。でもぼくのキャリアのなかでもただの1シーズンであり、来シーズンはまったく違うものになっているとわかっている。
ぼくはポジティヴだし、期待している。これからよくなることはわかっている。
彼の今シーズンを振り返れば、このタイミングでラカゼットが調子が上がっているというのは助かった。
スタートで使うかどうか迷っているみたいなことにならなくてほんとによかったと思う。
フランク・ランパードのコメント「アルテタの仕事のやり方を大いにリスペクトしている」
アルテタについて語る青いほうのボス。試合前プレスカンファレンスより。
ランパード:彼はあそこに行ってからとてもいい仕事をしていると思う。メッセイジを伝えようとか、ものごとを教えようとか、関係を築こうとかそういうのはわかる。クラブを前進させたい。外側からだが、わたしは彼がやっている仕事のやり方には大きなリスペクトがあるね。
彼ら試合に勝ったのも驚きはなかったよ。マンシティはおそらく本命視されていたが、アーセナルにもチームとして個人としてもタレントがいるし、あんなふうに試合に勝つことは可能だったんだ。
これはいまわたしがもっとも集中している試合だが、どの試合も違う。彼らは最近違う結果のときもあったし、違うフォーメイションでもプレイした。だから、どんなやり方にも対応できるように準備している必要がある。いずれにしてもアーセナルとの試合はとてもタフな試合になることを知っておかねばならない。
コメント集は以上。
試合の展望については追って。