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【マッチプレビュー】20/21UEL ラピッド・ヴィエナ vs アーセナル(22/Oct/2020)エジル禍

アーセナルにとってはこれで4シーズン連続となるUELもグループステイジが始まる。

昨シーズン土壇場でせっかく滑り込んで手に入れたELであるので、去年のような大惨事を繰り返さぬよう大切に戦ってもらいたいところだ。今年のアーセナルにとっても、ELタイトルが来シーズンのCLを得るためのベストウェイだという認識は変わらない。

それはともかく、エジルの件が燃えている。

昨日はUKのtwitterでも“Ozil”がトレンドになったそうで、アーセナルのファンのみならず一般的な関心も高かったようだ。それはそうだろう。誰でも知っているようなプロスポーツの人気選手が事実上の戦力外になっただけでなく、その理由が不明瞭・不可解かつcontroversialなものなのだから、ある種のスキャンダル的な興味を引いてもおかしくはない。

アルテタの試合前プレス会見でもかなり多くの部分がそれについての問答に費やされており、今回のエントリも試合プレヴューというより(ぶっちゃけ試合より関心が高いだろ)昨日のエントリにつづくエジル続報みたいになってしまうかもだが、書いてみよう。



PLスクワッド登録外に反応するメスト・エジル

アルテタのプレス会見に入る前に。

ざっくり訳すと。

これは、この数年に渡りプレイしてきたアーセナルのファンに伝えるには難しいメッセイジだ。ぼくはまじ超がっかりしてる。今シーズンの当面のPLに登録されなかったことに。2018年に新契約にサインしてから、ぼくは愛するアーセナルのために忠誠を誓ってきた。そして悲しいのは、これがやりとりなく行われたことだ。このことを知って、今日日、忠誠心というものは軽視されるようになったものだと。ぼくはいつだってずっとポジティヴであろうとトライしてきた。またスクワッドに戻れるならと。だからぼくはこれまで黙っていたんだ。

コロナヴァイラスのブレイク前は新コーチのミケル・アルテタの下でとてもハッピーだった。ぼくらはポジティヴなやり方でやっていたし、ぼくのパフォーマンスだっていいレヴェルにあった。だが、状況は変わり、またアーセナルでプレイさせてもらえなくなってしまった。

ぼくがほかに何を云える? ロンドンはいまもホームだと感じるし、チームにもたくさんの友人がいる。そしてクラブのファンとも強い絆がある。何があったとしても、ぼくはチャンスを得るために戦いつづけるし、ぼくのアーセナルでの8年目のシーズンをこんなふうに終わらせない。ぼくは約束できる。この決断はぼくの気持ちを何も変えることはない。ぼくはできる限りトレインをつづけて、ぼくの声を非人道・正義に対して使っていく。

メスト

“Loyalty is hard to come by nowadays”がキークォートとして各所で引用されている。ぼくはこんなにクラブに尽くしてきたのに、クラブはぼくのロイヤルティ(忠誠心)を軽んじていると皮肉っているわけだ。

皮肉というのは、アーセナルはずっと自分たちを「アーセナル・ファミリー」だと標榜していて、とくにここ数年はそれをよくPRに使っている印象があるから。

「ロイヤルティ」といういかにもなワードを使って、今回もまたエジルチームはクラブの痛いところをうまく突いている。

ゆえに、ぼくはこのメッセイジには感心しない。

彼の境遇にはたしかに同情できる部分があるし、クラブの対応はまるで不完全に見える。が、だからといって、ソーシャルメディアを使って公に訴えるこういうやり方はポジティヴなのか? このメッセイジにはいつものように好戦的なサムシングを感じる。それをファン向けに謙虚(健気)というオブラートで隠そうとしているのがまた。

アルテタの試合前プレスカンファレンス・エジルについて質問が集中

昨日行われた試合前記者会見。オフィシャルサイトのトランスクリプトより。

(メスト・エジルのステイトメントについて……)

アルテタ:誰でもが自分の気持ちを自由に表明できる。わたしのほうから何を云える? (エジルの登録外)これはフットボールディシジョンだよ。わたしの良心はとても落ち着いている。なぜならわたしは彼にとてもフェアにしてきたから。わたしと彼のコミュニケイションレヴェルはずっととても高かった。お互いに何を望むかもお互いにわかっていた。彼がこのチームをよくしてくれると信じるなら、つまりわたしがなぜこのクラブに雇われたか、マネージャーになったか、試合に勝つためであり、短期・中期・長期のプロジェクトを築きつくっていくためだ。彼にもほかの全員と同様にチャンスがあった。わたしはリストから3人外さねばならなかったことについては残念だったし、決して楽しいことではない。しかし、云わねばならないのは、そのために全員と顔を合わせようとした。メストについてもそう考えている。わたしは彼とはこのクラブに来てからずっと率直でいるから。

(エジルは契約が切れる前に退団する可能性がある……)

ノー(それについて話す段階ではない)。彼のようなキャリアの選手なら彼に起きることは周囲に対するインパクトが大きい。この8年間そうだった。新しいことは何もない。いま起きていることでは何もない。わたしの仕事はすべての選手の最高を引き出すことであり、チームとパフォーマンスに貢献すること。いまわたしが感じていることは、しくじったということだ。なぜならチームのためにベストのメスト・エジルがほしかったから。それに近づきかけたときもあったが、べつのときにはそれができなかった。なぜなら彼をスクワッドから外す判断をせねばならなかったから。それがフットボールの現実だ。なんでも起きうる。それがわたしが何年にも渡って学んだこと。それが現実で、われわれは向き合わねばならない。ベストなやり方は対面で話すことであり、正しい方法で行うこと。それがわたしのやり方であり、今後もつづけていくやり方だ。

(エジルはすでにクラブでのラスト試合をプレイしてしまった……)

正直、全責任はわたしが取る。わたしが選手のベストを引き出す責任者だ。それがわたしの責任であり、ほかには何も関係ない。(エジルの)行動やらなにやらの動機について読んだりしたが、ペイカットとか。それは真実ではない。わたしの決断だ。もし誰かがわたしを責めなければならないとしたら、それは試合に敗けたときだ。それはわたしの責任だから。スクワッドのベストを引き出すこと、試合に勝つこと、コンペティションにできる限り勝つことがわたしの責任だ。それをするために、彼とはフェアになろうとしているし、スクワッドのほかの選手たちも同じ。

(あなたの要求にエジルはピッチで応えなかった?……)

聞いてほしい。わたしはどの選手についても個人のパフォーマンスについて話はできないんだ。メストについてもそう。わたしは選手を外さねばならなかったのは苦痛だった。信じてほしい。パパにもだって同じ気持ちだ。ウィリアム(サリバ)もクラブに来てからここにいない。コンペティションの制限があるから。理解してもらっているように、わたしは選手について起用するしないのテクニカルな決断については明かせない。

(ここから数ヶ月のエジルのプラン……)

彼はチームとトレイニングしている。スクワッドルーティーンに参加している。われわれは彼が今後もトレインすると考えている。彼をよく扱わねばならないし、できるだけモチヴェイテッドさせておかねばならない。この状況ではそれも難しいが。ここから進んでいかねば。

(エジルのステイトメントには驚かされた……)

ノー。驚かなかった。

(個人と話しても似たような反応があったので?……)

選ばれないと伝えられた選手ががっかりするのは当然だ。彼らはプロフェッショナルのフットボーラーで、プレイするためにチャンスを欲しがっているのだから。そうでなければ難しくなる。しかし云ったように、むしろわたしは面と向かって難しい話をするほうを選ぶし、理由を説明する。そして時間がたってどうなっていくか見る。

(ロックダウンのときに何か起きたので? あるいはもっと最近……)

ノー。過去に何が起きたかについて、わたしはあまり深く考えない。わたしのここ6年のあいだはたくさんのことが起きているが、気にならない。わたしがここに来たとき、彼の周囲には難しい空気があったことは覚えているだろう。わたしはファンに彼をサポートするようお願いしたし、よりよいアトモスフィアをつくろうとして、2-3週間のあいだのエミレーツでの違いを思い出せるはずだ。それが、選手をサポートし可能なかぎりクラブの利益を求めていくことだと思う。しかしそうしてわたしは毎日の取り組み、インプット、パフォーマンスを見ていて、その選手がチームに何をもたらせるか、そこからわたしは決断をした。わたしはマネージャーで、試合に勝つために正しい選手を選ばねばならないから。

(外部の憶測に怒りを覚える……)

ノー。わたしは怒っていない。なぜなら彼らもまた状況がはっきりすることが必要で、それは理解できる。そしてわたしはあなたがたの質問に答えるためにここにいる。クラブやオーナーシップの誰かの後ろに隠れたくはない。結局われわれが話しているのは選手についてで、フィールドでプレイしているかどうかだ。われわれはクラブのすべての義務について答えるだろうと思うし、そしてわたしの責任は選手の最高を引き出すことで、試合でプレイできるパフォーマンスを得ること。しかし信じてもらいたいのは、それはボード、オーナーなどとは無関係であるということだ。

これだけツッコまれると、自民党でなくとも会見を途中で遮りたくなるでしょうね。

エジル質問に対するボスコメントのポインツ

  • エジルのPL登録外は「フットボールディシジョン」
  • エジルが冬に退団するかは不明
  • エジルのベストを引き出せなかったことに責任を感じている。失敗した
  • ペイカットなどフットボール以外の理由はない
  • フットボールディシジョンの詳細(選手の個人パフォーマンス)は話せない
  • エジルは引き続きチームとトレイニングを行う
  • 決断はボードやオーナーとは関係ない

という。

まあこの説明ではファンは納得はしにくいわな。

この質問のなかでもっとも核心を突いているのは「エジルがピッチで要求に応えなかったのか?」だと思うのだけど(みんなそこが聞きたいよね?)、そこをはぐらかして「フットボールディシジョンです、ボードもオーナーも関係ありません」と云われても。

もしほんとうにそうならば、はっきり云えばいいのに。エジルよりほかの選手のほうがチームをよくできる。だから彼ではなくほかの選手を選んだと。それでぼくは納得できる。や、できない部分も多少あるか。。No.10不在が叫ばれているいまならとくに。

それと、アルテタはほかの選手と同じように、エジルと面と向かって話したと主張しているが、だとしたらエジルのステイトメントと矛盾するところがある。エジルはこの決断を知ったとき、やりとりがなかったと云っているのだし(this has not been reciprocated)。

ファンの一部は、この対応でアーセナルはclassを失ったみたいに感じているようだが、仮にフットボールディシジョンとか、タクティカルリーズンとかでももっとはっきりとエジルの選手としての問題を説明していれば、いまのようなクラブに対する否定的な反応はなかったんだろうか。

モウリーニョみたいなマネージャーが同じ立場だったらどうしてただろうとつい考えてしまう。彼がエジルのファンとかそういうの抜きにして。公に選手個人を批判することも厭わない漢。

いまのアルテタのチームなら、ハードにプレッシングできない選手はチームに必要ない、チームメイツを助けない選手はいらないくらいは云っても誰も文句を云わなそうである。タクティカルリーズンとしては非常に明解。

エジルの件はひとまずここまで。

こんなふうに小さなバトルやすったもんだがあったところで、クラブとエジルの状況はこれまでと何も変わらない。絶望した。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

4 Comments on “【マッチプレビュー】20/21UEL ラピッド・ヴィエナ vs アーセナル(22/Oct/2020)エジル禍

  1. ヨーロッパスーパーリーグやFIFAの動きには全面的に反対できないです。
    今のUEFAに不満があるからです。
    バルセロナが10人でやっても勝てるんじゃないかというよく分からないチームに大勝する試合はヨーロッパのチャンピオンを決める大会に相応しくないです。
    通常の試合が開催できない情勢の国にビッククラブが行くことも理解できないです。
    それでも参加チームを増やしてさらに過密日程に拍車をかけようとするUEFAは間違っています。

  2. エジルは要求に応えなかった、だから戦力外なんだって公で言う必要はありますか?
    僕はそれこそ信頼関係が崩れると思います。
    アルテタがエジルに伝えることはエジルにだけ伝えれば良いわけでそれを第三者のメディアやファンに伝える必要はありません。ましてここにエジルはいませんから。ある意味アルテタはエジルを守っていると思いますしリスペクトしていると思います。

  3. 全てはピッチの上を見てくれ、的なアルテタのコメント。
    そしてどこも放送しないという。
    見れねーじゃん!w

    アルテタはどの選手のことでも欠点について語らないんで、フェアであろうとするならエジルについても言えないと思う。
    あと個人的には、世間で言われてるような面白い事情ではないと思う。

    たぶんエジルは今でもベンゲルイズムを信じてるし、極限までベンゲルイズムを体現した選手だと思う。
    自分の力でチーム全体の戦術を変えさせるくらいのインパクトがあった選手だし、今もそれを狙ってるんだろう。

    おそらく現実的にはその努力はかなり無謀で、経営者目線では非常に迷惑なんだろうけど。
    しかし明確な思想を持ち込んで選手をモチベートしてるアルテタが、カネがかかるという理由でエジルの努力を否定するわけには行かないと思う。

    1. 欲しがるクラブが無いというのがエジルの今の市場価値で、アルテタのやりたいサッカーではエルネニーより序列が下で私は納得する事にしました。

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