試合の論点
アーセナル vs チェルシーのトーキングポインツ。
この試合の勝因?
絶不調に陥っているアーセナルがこの試合で勝った理由はいろいろあるのだろうが、大きくふたつに分けて考えると、まずひとつは相手理由だなと。のっけから快勝気分に水を差すようですまんけども。
正直、いまのチェルシーがこの程度のクオリティだとはまったく思っていなかった。ぼくはアーセナル以外ほとんど知らない人間なので、てっきりすごく強いんだと思っていたら。どうも買いかぶりすぎていたようだ。FAカップファイナルでもわりとすごかったプリシッチとか、あんたいたの?というレヴェルだった。
とはいえ、まあ£200Mとかをかけているだけあって、選手のクオリティはさすがに高いと思うところはかなりあったのだが、重要なチームワークのほうはいかにも未完成のように見えた。強いチームはいい選手が何人もいて、1+1が2以上になっているものだが、どうも彼らは2人でも2以上になっているようには見えず。
ボールは持てるがあまり効果的な攻撃につながらなかったり、単純なパスミスをふつうにやったり、まるで最近のアーセナルを見ているみたいだった。クロスの多用もそう。チェルシーのようなチームにクロスを放り込まれてもそれほど脅威ではないというのか(いや最後は怖かったけど)、彼らのようなドリブルがめっさうまい選手がたくさんいるチームなら、ゴール前でどんどんショートパスをつながれるほうがよほどイヤだった。実際それでペナルティを取っているわけだし。
そもそもあんなふうにクロスボールを放り込むプレイをするなら、なぜジルーを入れなかったのかと。
と、ぼくはチェルシーの意外なクオリティの低さに試合が始まってから気づいたわけだけど、でも、思い返せば試合前の結果予想でも、あれだけ予想が割れたということは(BBCもSKYもアーセナルの敗け予想をしなかった)、やはりこの結果はぼくが思っていた以上にありえたものだったのかもしれない。ファンのくせに試合前から絶望的な展望ばかりしていて読者の皆さまにはほんとうに申し訳ない。敗けても自分が傷つかないようできるだけ期待はしたくなかったんだ。。
ということで、この勝利で浮かれてはいるが、このチェルシーのような相手でなければ、いい結果が得られたかどうかはわからないのも確かである。それがフェアな見方だろう。
そして、勝因のもう片方はなにかと云えば、当然自分たち理由である。
No.10ロールの重要性を再認識させたESR
アルテタがこのロンドンダービーというビッグゲイムで、思い切って若い選手たちを起用したことは英断だと云わざるを得まい。これまでの経緯を見ていて、ぼくはここでこんなことをしてくれるなど全然期待していなかったが、とうとうやってくれた。そしてそれで3ポインツという結果を出したのだから、最高に気持ちがいいじゃあないか。
それにしてもこのトリオ。なんというパフォーマンスだったのか。
この試合とこれまで数週間の低調な試合とのセットアップの違いはなにかといえば、やはりNo.10のスミス・ロウ。最近はNo.10のいないバック3でプレイすることも多く、またNo.10システムを使うときも、必ずしも最適な選手を使っていなかった。ESRのNo.10ぷりを見てあらためてそう思う。
No.10がこのチームの攻撃をワークさせる役割として非常に大きかった。勝因のひとつだろう。
Emile Smith-Rowe vs Chelsea pic.twitter.com/zZTAEn2VUH
— Aouartist (@AwarEsque) December 27, 2020
彼がライン間でボールを受け、パスを出し、また受けに動き、味方にスペイスをつくって、いろいろな場所に顔を出し、サカとマルティネリとポジションを替え、KTとリンクし、あきらかに潤滑油として機能していた。
彼のようにプレイする選手はエジル以降ではこのチームにおらず、あらためて必要なポジションとロールだったと実感したものである。ラカゼットはもちろん、ウィロックもウィリアンもNo.10としてもプレイできるというだけで、やはりピュアNo.10とは違う。
また守備面でも、彼が前半はカンテを、後半はジョルジーニョをしっかりマンマークしたこともとても効いていた。チェルシーはカンテを解放するために後半開始からジョルジーニョを入れざるを得なかったのだから、それだけESRのマークが効いたのだ。そういったところは、エジルにはあまり期待できないモダンNo.10の仕事っぷりだった。
ただ、この試合のESRはもちろんすごくよかったが、このチームでもっとも際立ったパフォーマンスだったと云えば褒めすぎだろう。No.10としてもチームプレイヤーとしてもまだまだ進歩の余地はある。この試合だけでブレイクしたと見るのは、さすがに少々早い。
ことクリエイティヴィティやプレイのアイディアに関しては、当然ながらエジルのような選手には及ばない(まあ全盛期のエジルのようなクリエイターはこの世に何人もいないわけだが)。そういったプレイは、そのポジションの選手には必ず求められるものであり、とくに引いた相手のときは、そこが問われることになる。今後そのような能力を発揮できるかは彼次第だ。
Emile Smith Rowe made more ball recoveries (6) than any other player during his time on the pitch and no Arsenal player created more chances (2).
An assist as a reward for his fine work. 😤 pic.twitter.com/xbJcdyuHOI
— Squawka Football (@Squawka) December 26, 2020
ここでより重要なことは、彼が今回No.10仕草でプレイをしたことで、チームの攻撃がずっと効果的にワークしたという事実のほうだ。
つまり、攻撃がずっと停滞していたいまのチームにとり、欠けていたピースがそれだったということ。もちろん複合的な要素があるので、そこだけが唯一の回答であるなどと無責任なことは云えないが、少なくともアルテタにとっては、このチームを進歩させるうえで大きなヒントにはなったはずだ。
エジルを外すようになってから、彼はずっとそのポジションの選手の起用を拒んでいたように見えたが、今後の試合でNo.10的ロールの選手を使わない選択をするのだとしたら、ちょっと驚くべきことだと思う。
アルテタがバック3に傾倒し、No.10のいるシステムに消極的になってしまったのは(ラカゼットにやらせるくらいだし)、やはり守備バランスのことを考えていたはず。
前掲のパスマップを見ればわかるとおり、これまでのアーセナルと比べれば、No.10を入れたということは、後ろから前にひとり選手を移動したようなものだ。ふつうに考えれば、それによって守る人数が減り守備が脆弱になるのが自然に思えるが、今回そのことでとくに守備がもろくなったようにも見えなかった。むしろ、前から積極的に守備をすることで、相手のミドフィールドを封鎖することになるというポジティヴな効果もあった。相手チームにHTにふたり交代させるなど、とくに前半のディフェンスのプランはほとんど大成功と云っていいはずだ。
要するに、No.10を起用するというのは、チームとしてそれだけ積極的なアプローチになるということで、それで今回むしろいい結果を出したのだから、今後もそうした前向きなアプローチで試合に臨むようになってくれれば、ファンとしてはそれ以上にうれしいことはない。
アーセナルがつねに後ろを気にした消極的アプローチを取るなんて、やっぱり間違えているんだと、思うようになってほしい。
この結果には動じちゃいましたね。
おれたちのガビは、まごうことなきネクストメッシ。早く10番あげたい。
最初から雰囲気が違ってましたよね。なんなんでしょう。
あのマウントのフリーキックが入ってたらまた違う展開だったかもしれませんが、それでも勝ってたと思えるパフォーマンスでした。
このフォームならツヅケラレルはず。
COYG
まさにKTは未来のキャプテンですね。いい奴過ぎて心配になるほどです。こりゃお母さんも自慢の息子でしょう。インタビューの内容がいつもまっすぐで、おじさんは涙腺弛みっぱなしです。
あと、シュート入らなかった後のロブホのいつものニヤケ顔もなんか好き。いつかゴールをぶちこんで、マイクが拾うほどの雄叫びを上げて欲しいもんです。
ジャカのFKとサカの一撃には変な声が出た。え?入った?的な。
ルイスとウィリアンがいなかったからのメンバーだったのかもしれませんが、結果的に最高でした。これがアルテタのチョイスに大きな影響を与える事を祈ります。
次の試合のスタメンを見るのが楽しみなような、怖いような…
マルティネリ、スミス・ロウがチームに良い影響を与えていたと思います。
中央で受けれるとやっぱり相手を崩しやすいですよね。
今回のを踏まえてトップ下の起用をどうするかがアルテタの課題になってくると思います。
あとは相手の前線のクオリティも影響していたと思います。こちらも危険なパスミスはいくつかあったので
ESRに関してはまったく同感。
ボールプレーの真価はこれからかも知れないけど、とにかくポケットで受けてたし、奪われても直後のチェイシングが素晴らしかった。
奪われた時に10番があれだけ敵の選択肢を極小化してくれるから、DMFがカウンターを気にせず前に出れるんだと思う。
しかし、たまげた。
走れて戦える10番。この発見は大きい。
前回のエントリに書かれていたように、ホントに世論も影響を与えるのなら声高に言いたいです。
KTをキャプテンに、スミスロウにNEXT No.10を。
ガビ推しの私はガビが11とかになったらユニ買いますわ。(確認できる範囲では14希望者が多いですが)
筆がなめらか!でもそりゃそうなりますよね。ちょっと信じられないものを見た感じです。
ティアニーサカマルティネリ。他のチームと闘える素晴らしい若手がようやく出てきた。ESRも期待充分。個人的に当落線上はロブホウィロックエンケティアですが、マルディーニならロブホは問題ないでしょう笑
難しいのは、これ1月にNO.10ロールの選手とるかですね。あるいは夏にアワールにトライアゲイン?
433やるつもりなら、もう1人NO.8ロール(ラムジーロール?)が必要でしょうか。パーティまだほとんど見れてないので、入った時が楽しみで仕方ないです。
攻撃の停滞の原因とも言われてたウィリアン、ぺぺを修正して結果出ましたから
ガビーとスミスロウにはもっとチャンス与えて欲しい
相手のFKが決まっていたら・・・こちらのPKがVARで取り消されていたら・・・たらればは色々ありましたが、素直に嬉しい!の一言ですね。わたしは相手よりも、選手のコンディションも良かったのかな、と思いました。ティアニーやベレリン、サカやジャカはしっかり休養があった、体のキレがあったというか。やっぱり今のPLだと3日の休養ではコンディション整えずらいのでは?もう、ガビとESRのプレスだけでも、見ていて感動します。ファンが一番見たい、気持ちの入ったプレーですよね。COYG
相手の前線が孤立気味になった上にいざ前線にボールが入っても一本調子で無理やり突っ込む感じだった印象ありますね。そういう状況を作ったのはアーセナルのプレスや攻撃でリズムを作れたこと、マルティネッリの守備(なんならESRを追い抜いてPAまで戻ったのもある)や要所でのESRのボール奪取にもあるように感じます。チェンさんも言ってますがCBのラインの高さも。
心配なのはESRが抜けた後のパフォーマンスですね。ウィロックになってから色々上手くいかなかった。なのでペペの評価もすごく難しい。
上に書いたような相手に上手くいかせない要因を作っていた部分がなくなってしまって立場が逆転したようなそんな印象を受けます。
まぁでもこの勝利は普通に嬉しいですね。
ジャカは相手ペナ付近まで上がったりミドル狙ったり良い意識見られましたね。全体としては心配な場面もあったのでなんともですが。
ティアニーも以前まではサイドまで持ち上がったら必ず同じようなタイミングでクロスを上げるしかなかったのが少し変わりつつあるのはいいですね。
ラカが受けに下りてきた時に周りが裏狙うのが決まりごとのようにも感じるくらい。
個人の意識で変わっていっている部分なのかアルテタの要求なのかは分からないですけど、そしてどっちがいいのかというのも難しいかもしれないですけど次の試合でこの辺りも注目したいですね。