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ブカヨ・サカとアーセナルの左右攻守バランス問題

こんにちは。界隈がしずかだと思ったら今週はCLか。やっぱりヨーロッパがないとすごく物足りないですね!!!

先日のリヴァプールの惨敗のあと、アーセナル界隈ではxGなどのスタッツをつかったチームパフォーマンスの分析がとても盛り上がっていた。課題は当然攻撃。リヴァプール戦のレヴューエントリでもちょっと触れたように、アルテタのチームは守備はともかく攻撃のほうが相変わらずかんばしくない。

われらはいちおう現在リーグテーブルでは5位という、ボトムテーブルから始まったシーズンにしてはなかなかの好ポジションにいるが、実際のパフォーマンスからすると、ほんとうにそこが適性な居場所なのかという。まあ、大いにあやしいというのが大方の見立てなのだけれど。

そういったもろもろの議論がありつつ、なかでもブカヨ・サカのパフォーマンスについて言及しているブログ記事が興味深かった。

Is something wrong with Bukayo Saka?

サカのパフォーマンスもアーセナルの攻撃の停滞に影響しているかも?していないかも?みたいな。短い記事だからお時間あれば読んでくだされば。

この件について、すこし思うところがあったので書いてみたい。



ブカヨ・サカは右サイドで苦しんでいるか?

この記事の内容は、おおざっぱにまとめるとこんな感じだ。

  • サカを観ていて、今シーズンは昨シーズンのようなインパクトを残せていないような気がする
  • 昨シーズンと今シーズンの攻撃スタッツの比較(P90)
  • npxG+xA(non-penalty xG + xA) 0.41 → 0.34 にダウン
  • SCA(shot-creating actions) 3.45 → 4.35 にアップ
  • GCA(goal-creating actions) 0.42 → 0.30 にダウン
  • あとの数字はあまり変わらない
  • 今シーズンはサカの役割が変わっている。昨シーズンはプリシッチ、ラフィーニャ、ペドロ・ネト、ハヴァーツのようなpasser-dribbler。今シーズンは、メイソン・グリーンウッド、ソン・フンミン、ハーヴィー・バーンズ、グリーリッシュ、アダマ・トラオレ、ザハのようなdribbler-passer
  • サカが要求(あるいは強制)されているのは、パスより自分でボールを運び、より決定的なチャンスを得ること
  • それが彼のSCAの数字が増えている理由かもしれないし、またディスポゼッションやパスの被インターセプションも増えている理由かも。それらは昨シーズン全体で22だったのが、今シーズンはすでに20もある
  • チームはサカにクリエイトを頼るようになっているっぽいが、サカはそれを自分だけでやらなきゃならない
  • アーセナルは左から攻撃するので、右サイドではぺぺのようにサカも孤立している。複数のDFに対しボールを持ったときにオーヴァーラッピングFBのサポートはない
  • オバメヤンは左に行きがちで、ESRは今シーズンは左サイドでプレイするようになった。アーセナルの右サイドで何かが起きることはかなりまれ
  • ほかのチームがサカの脅威に対応するようになったこともあるかも。相手はよりサカをキープレイヤーとみなすようになっていて、今シーズンはよくDFに囲まれている
  • サカは期待の重圧にも苦しんでいるかも。昨シーズンの活躍から期待が大きい
  • パス&コンビネイションから個人で打開というふうにプレイが変化していることで、ファンは「サカはあまりいいプレイができていない」と感じるのかも

推量っぽく訳したところが多いのは、この記事のオーサーも何か断定的なことを云おうとしているわけではないようなので。

記事中にも断りがあるように、今シーズンのスタッツといってもまだ12試合とサンプルサイズは非常に小さい。これをもってサカに絶望した!みたいなことを云うのはいくらなんでも早すぎる。

ぼくがこの記事を興味深いと思った理由は、そういうまだよくわからないことがありつつも、この筆者が指摘しているような傾向というのは、今シーズンのサカを観ていてなんとなく感じていたから。

サカはもちろん右サイドで(ぺぺと比べれば)だいぶいいプレイをしていると思うのだけど、どこか物足りないというのか。彼ならもっとできるはず、と思うことも多いというか。

今シーズンのサカは、夏にEUROもあって、シーズン当初の元気のなさは疲労の影響もあると思われていたり(EUROがああいう終わり方だったので、肉体的だけでなく精神的な疲労もあったろう)、あるいは右ではなく左サイドでプレイすることもよくない影響を及ぼしているというような議論もあった。

そういうこともあったので、彼には時間をかけてフォームを取り戻していってもらうことを期待していた。だが、最近の彼を観ていると、さすがにどこか問題があるような気がしていて、それで今回のこの記事を読んで、すこしなるほどと思うところがあったという。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

10 Comments on “ブカヨ・サカとアーセナルの左右攻守バランス問題

  1. これってサカが右サイドでプレイ分だけなのか今シーズン全部合わせてのスタッツなのかで話は変わってくる気がします
    序盤ぺぺを右サイドで使ってる時にサカは左で脅威になった記憶があまりないですけど
    右で出始めてからは昨シーズンレベルのプレイをしてる印象がありますね

    1. サカのスタッツは今シーズンまとめてだと思うので、おっしゃるとおりかもです。

      TMによると今シーズンのサカは左サイドでのプレイが計317分、右サイドでのプレイが計577分。

      ただ、“eye-test”と引用元のブログでも言及されているように、観る人によって印象が違うというのはあるように思います。文中にも書いたように、ぼくは個人的には、ボールを失いがちだったり、最近のサカは右サイドでちょっと苦労してる印象があったので、興味深く思った次第。

      右サイドでプレイしたときだけのデータを集めると、eye-testも評価できそう。

  2. お疲れ様です!
    Chanさんも仰る通り、基本戦術として左右アシンメトリーのシステムはデメリットしか無いと思うので、アシンメトリーの戦術を用いるのは自軍の選手の適正(もしくは相手チームとの相性)に合わせた結果でしかないと思うんですが。。だからアルテタがアシンメトリー戦術有りきで選手を選好しているということは無いと思っています。
    右FWが孤立するのだって、そうしたくてしているわけではなくて左サイドは自由にさせる代わりに右サイドはDFに自重させてバランスを取っているだけだと思います。
    それもメンバーの適性の結果そうしているだけで、左右どちらのサイドでも選手に自由にやらせて上手くいくのならアシンメトリーになんてやらせないと思います。
    サカの件も、昨シーズンはジャカがLBをすることがありましたが、その際は今と左右逆のシステムになるので右サイドの方が活性化されていたのではないでしょうか?(ぺぺは元々周りのサポートを上手く使えない選手ということで。。笑)
    データ分析したわけでもなくこちらも素人思考の一意見ですが、自分はアルテタがそこまで戦術妄信者だとは思わないですね。。

  3. 少なくとも右で使われてから、サカだけが調子の悪く見える試合は今シーズンなかったと思います。また、サカが孤立しているというのもラカゼットがいるので単に嘘ですね。ドリブルパサー、パサードリブラーの定義も挙げられている選手も含めて印象論にしか過ぎずよくわからない。
     アルテタがぺぺに対して行った過ちとは、外に張らせたことではなく彼を使い続けたことです。ぺぺの視野の狭さとコンビネーションの下手さではファイナルサード以外に中(トップの斜め下)をとらせるなんて危険だし、合っていない。そんなぺぺとは違ってサカは確かに中でも外でも活躍できる選手ですが、サカが中をとった際にはしっかりと冨安、あるいは入れ替わるようにしてラカゼットが幅を取っている(後に言及しますがラカがこの動きをさせられていることが問題かもしれません)。右サイドバックに中も外も取れる選手がいればなるほどベストかもしれませんが、どう考えても補強すべき最優先はそこではない。
     それから、トゥヘルが言っていたように、役割を固定することが選手から自由を奪うとか、攻撃を読みやすいものにするとかといえば、まったくそんなことはないと思います。そもそも去年アルテタは4231の一角にチェンバースを使い始めたあたりに、ここで書かれているように両サイドバックの役割を多様化しようとしていましたが、その結果両サイドバックが高い位置をとってしまって、ラカゼットやESRが無駄に下がらなくてはいけなくなった。現代サッカーでは攻撃時前線は基本5枚ですから4231で両サイドがあがると自ずと前線からひとりは選手が弾き出される。CHANさんが書いたような臨機応変さは、たとえばリヴァプールにはあるように思えるのですが、それができるのは433、つまり前線が3枚で、ウィンガーとサイドバックの位置を見てから自分が上がるか下がるかを判断できる賢いIMF(ヘンダーソン、ミルナー、チアゴ、ケイタ)がいるからです。
     今前線に問題があるとしたらむしろ、オーバとラカの位置な気がしています。オーバが評価を下げているのは、中央で背負いながら時間を作ったり、ポストプレーをしたりするという得意とは言えない役割をやらされていること。それが、世界でも指折りに巧いのがラカゼットなのだから彼を右に寄せてないで中央で使えばいい。オーバはラカが下がってきて空いたスペースを、いるのが好きらしい左から飛び出して使えばいい。サカと外と中を入れ替わりながら使うのは、ESRやウーデゴールの方が良いと思います。
     
     
     

  4. 少なくとも右で使われてから、サカだけが調子の悪く見える試合は今シーズンなかったと思います。また、サカが孤立しているというのもラカゼットがいるので単に嘘ですね。ドリブルパサー、パサードリブラーの定義も挙げられている選手も含めて印象論にしか過ぎずよくわからない。
     アルテタがぺぺに対して行った過ちとは、外に張らせたことではなく彼を使い続けたことです。ぺぺの視野の狭さとコンビネーションの下手さではファイナルサード以外に中(トップの斜め下)をとらせるなんて危険だし、合っていない。そんなぺぺとは違ってサカは確かに中でも外でも活躍できる選手ですが、サカが中をとった際にはしっかりと冨安、あるいは入れ替わるようにしてラカゼットが幅を取っている(後に言及しますがラカがこの動きをさせられていることが問題かもしれません)。右サイドバックに中も外も取れる選手がいればなるほどベストかもしれませんが、どう考えても補強すべきはそこではない。
     それから、トゥヘルが言っていたように、役割を固定することが選手から自由を奪うとか、攻撃を読みやすいものにするとかといえば、まったくそんなことはないと思います。そもそも去年アルテタは4231の一角にチェンバースを使い始めたあたりに、ここで書かれているように両サイドバックの役割を多様化しようとしていましたが、その結果両サイドバックが高い位置をとってしまって、ラカゼットやESRが無駄に下がらなくてはいけなくなった。現代サッカーでは攻撃時前線は基本5枚ですから4231で両サイドがあがると自ずと前線からひとりは選手が弾き出される。CHANさんが書いたような臨機応変さは、たとえばリヴァプールにはあるように思えるのですが、それができるのは433、つまり前線が3枚で、ウィンガーとサイドバックの位置を見てから自分が上がるか下がるかを判断できる賢いIMF(ヘンダーソン、ミルナー、チアゴ、ケイタ)がいるからです。
     今前線に問題があるとしたらむしろ、オーバとラカの位置な気がしています。オーバが評価を下げているのは、中央で背負いながら時間を作ったり、ポストプレーをしたりするという得意とは言えない役割をやらされていること。それが、世界でも指折りに巧いのがラカゼットなのだから彼を右に寄せてないで中央で使えばいい。オーバはラカが下がってきて空いたスペースを、いるのが好きらしい左から飛び出して使えばいい。サカと外と中を入れ替わりながら使うのは、ESRやウーデゴールの方が良いと思います。
     
     
     

  5. サカに関しては、サカに入ってるパスもあまり良くないと思う。特にサンビやAMNから出るパスは受け手が気を使うようなパスばかりで、ファーストタッチの選択肢がほぼないに近い。あんな連携の欠片もないパスを、完全に止めてから強引に突破できるサカはすごい。でもあれは望んでやってるわけじゃないと思う。

    サカへの最初のパスさえ良ければ、サカから早い段階でオーバに強いボールを入れるチャンスが増えると思う。サカが一番怖いのはファーストタッチかセカンドタッチ目で、ものすごい精度のプレーをダイレクトに繰り出してくる。あれを後ろ向き受けさせてちゃもったいない。
    また現状は角度のある強いボールが全然オーバに入ってないけど、そもそもオーバってそういうボールで勝負するストライカーだと思う。誰がそういうボールを入れられる?どのタイミングならやれる?って考えると、僕ならサカのファーストタッチかセカンドタッチ目あたりをオススメしたい。

    サンビにしろAMNにしろ、サカにそういうパスを入れるためにリスクを冒すのであればそれは必要なリスクだと思う。ジャカのようにギリギリのパスコースを抜くことはできなくても、自分がウイングに寄ることはできる。妥協せず攻撃に精を出してほしい。アーセナルの選手になるって事はそういう事です。たぶん。

  6. アルテタ政権の左サイドからの攻撃偏重は正直疑問ですね。相手に読まれてるし、何をするにも左サイド経由。これがクリエイト不足のは明白
    何せ見ててつまらない

  7. qualitative superiority は「質的優位性」で良いと思いますよ!実際にポジショナルプレーについて語られる文脈の中でよく使われますし、同様のものとして「位置的優位性」、「数的優位性」というものもあります。

  8. 「質的優位性」ってのが戦術的な用語にきこえづらい、包括してる意味合いが大きすぎるってのは同意です
    アイソレーション/オーバーロードやら色んな崩しの形あり、単純にデュエル勝率?比較してのロスト回数? 指数的に図りにくいです。

    ただアルテタがサカに「質的優位性」をもって相手を圧倒しろという原則かというと、そうではない気がします。
    サカ自身割となんでも出来る子で、ゴリゴリのドリブラーではないですが、いかんせん強引にでもはがしてボールを運ぶことができる面子が他にいないので、仕方なくって感じがします。
    昨季ならティアニーも少し強引にでも運んだり、ウーデゴールも少しやったりしたんですがね。
    ESRはそこも多少やって欲しいし、何よりジャカ離脱後はボールの動きがぎこちないですからねー。
    よくU字シェイプのパスマップはよくないとの論調がありますが、しかしU字気味に素早くサイドをかえることがサイドでの「優位性」確立をもたらすもので、今の中盤があんまりやれてないなぁと感じます。
    確実にCBとGKからの配給は昨季から大きく改善したと思いますが、中盤はって言われるとうーん。。

    大外のレーンにいるのがサカ限定ってわけじゃなく、ホントはオーバメヤン、ラカゼットにもサイドに流れつつボールを運ぶ役割も分担して欲しいとこですが、、
    ここらへんとプレスの逃げ場はシステマチックにもうちょい多少設定して欲しい。

    チームの既存リソースを活かすって意味で非対称型になるのは仕方ないかと!
    左サイドのティアニー(タヴァレス)+ESR+ジャカ+オーバメヤン(左流れてくる)ってのが既存のストロングポイントでしたし。
    まあそれに限定される必要はないってのは同意です。富安のとこに別の選手補強ってのも。
    あのポジション負荷モノ凄いから尚更。

    アーセナルのxG(被も含め)の話はホント考えさせられます。昨季から改善してない、同点時は数値が良いなど、、うーん。。シティ、リバプール、チェルシーが良すぎる。。

    戦術的な話題は好きなので、ついつい長文失礼しました。

    1. ワトフォード戦の前半にラカゼットが右大外のレーンに出てボールを受けて運ぶみたいなシーンは何回かありましたが、システマティックなものかどうかはまだ判断できませんね

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