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休暇中のアルテタが語るタイトル、移籍、将来。by Marca【2023夏】

こんにちは。

アーセナル界隈でここ数日は、あたらしいニュースがなく(ESRが2試合でG2!)ロマーノも毎日同じことを繰り返しtwしているような。

昨日のArseblogのデイリーエントリなんて週末の「グラストンベリー2023」の感想だけだったという。グラストンベリーは、今年もアツかったみたいですね。Elton Johnがすごすぎて“He’s 76”がUKでトレンドワードになったとか。アーセナルファンかな?

ここだけの話、ぼくはArseblogの中心人物たちとほとんど同年代なのだけども、「熱狂する若い観客に加わりたい気持ちとそうしなくてもいい自分」という一節にいたく共感してしまった。もうそういうライヴコンサートにも久しく行ってないのう。

さて、この週末は休暇中のアルテタがスペインメディアの単独インタヴューに応えていた。シティの選手への興味やハヴァーツに関することなど重要な発言が多かったからか、各所でコメンツが引用されていた注目のインタヴュー。

このブログでも全訳で記録しておこう。

Mikel Arteta: “En muchos momentos, sí me vi ganador de la Premier”



ミケル・アルテタのロングインタヴュー2023夏 by MARCA

2023夏のオフシーズン、マヨルカ島の別荘で数日を過ごしていたアルテタ一家。そんななか彼の取材をとりつけたのは、彼と20年の付き合いにもなるというHenry Calvo氏。

ではHere we go.

(消耗したシーズンでした。アーセナルのコーチはヴァケイションでなにをする?……)

アルテタ:なによりも、仕事から離れて家族といっしょに休むこと。彼らとほんとにいっしょにいられる時間は一年でもここしかないから。3人の子どもたち、妻と両親、友人たち……。もっともうちの子たちは、フットボールに夢中だけどね。家のなかではいつもボールが転がってるよ。

(それは理想的ですが……、切り離せている?……)

まず、それには手間がかかる。過大な緊張状態から、すこしだけ心臓の鼓動を下げる。電話は鳴りつづけている。そこははっきりしている。なぜなら、ことが起きるのは夏だから。

最初の週はもうちょっと休めたが、われわれはすでにマーケットのなかにいるし、決断をしなければならない。

(フットボールは観てますか?……)

いくつかの国際試合を観て、ナショナルチームを楽しんだ。しかし、自分たちのチームのことも観ていた。試合を観て、状況を観て、維持すべきことや進歩させるべきことを救う。自分も含めて。

(あなたがそこにいた3年半、アーセナルのウィニングスピリットの回復はいかがでしょう?……)

これは3年前に始まった。わたしがシティでペップのアシスタントをやっていたとき、われわれはアーセナルとプレイして、クラブの魂が失われているのを目撃したんだ。観ていて楽しいものではなかった。感じなかった。

そのすぐあとに、わたしは反対側のベンチにいるオプションがあることを知った。このクラブはたいそう大きくて、チームとファンをつなげる必要があった。やるのもやり直すのも難しい仕事だ…… そして、いまはわたしはハッピーを感じている。

われわれにははっきりしたアイデンティティがある。結束があり、エナジーに満ちている。それがもっとも大きい。トップからボトムまで、全員が同じ方向にプッシュしている。

われわれはファンに夢観られるものを与え、それが誇らしいと感じている。そしてこれからは、もっと手に入れなければならない。

(ヴェンゲル時代は非常に長期で、それが功を奏した。しかし根の深い欠陥もありました。なにが悪かったのだと思いますか?……)

それははっきりしていた。わたしは木と根っこの絵を描き、問題は自分たちのものだと述べた。それは治療されねばならないし、関与している人たちといっしょに治されなければならない。それなしでは、みんなのための楽しみにならないのだ。

(昨シーズンの話に戻りましょう。シティとPLを争ったことが偉業だったのか、それとも勝つことが偉業だったのか?……)

偉業は勝つこと。これはアーセナルであり、要求レヴェルは高い。PLでシティと10ヶ月も戦ったあとでPLを勝てなかったことは、今日までいまだに痛い。だがそれがスポーツだ。

そうは云っても、こんなにも若いチームで得たものは価値がある。そこもわたしにははっきりしている。

(勝つにはなにが欠けていたので?……)

たくさんのこと。3試合連続ドロウで罰せられたし(※LIV、WHU、SOU)、不運なことも起きた。そこから3-4人の重要な選手たちを失い、すべてが難しくなってしまった。

われわれにフルチームがあったとき、われわれは安定していた。問題が起きるやいなや、それがなくなった。

そして、われわれのライヴァルは世界のベストチームだった。世界のベストスクワッドがあり、世界のベストコーチがいて……  われわれには、それを受け入れてチャンピオンと握手するしか選択肢はなかった。

(あなたにとってここは疑いはないですか? ペップがベストだと……)

疑いない。すべてにおいて彼がベストだ。マネジメント、自分の考えでグループを納得させ、全員を引っ張り、彼らのベストを引き出す。試合中、試合前の決断。メッセージに賞味期限はない。ペップは天才さ。

(シティはグアルディオラの最高傑作だと思いますか?……)

比較するのはフェアじゃない。どの仕事にも素晴らしさがある。そしてこのシティはすごい。美しいし、違いのあるチームで、選手たちに適応している。結局は、彼らが主役なのだ。それに加えて、彼はタイトルを取っている。当然。

(わたしは前回のシティとの試合(4-1)をおぼえています。あなたは彼ととても熱のあるあいさつはしませんでした。あなたたちはいい関係はあるのですか?……)

グレイトな関係があるよ。3日前もペップと話した。だがわたしたちは、ふたりとも勝者であり競争が好きで、競技場にいるときは、お互いにとても集中している。わたしたちは、それが起きると自信マンマンであっても、つぎの日には連絡して労ったりする。それがなくなることは決してない。

(わたしとあなたは知り合って20年以上になります。そしてあなたはこういうひとではない。バンドのなかでほとんど笑わないひと! 内なるテンションがかなりある?……)

わたしは集中しているし、試合に関わっている。フィールドでなにが起きるべきかを気にしている。年齢とともに落ち着いてきたのかもね(笑い)。

(PLではどの試合もバトルです。あなたは、これから20年以上トレイニングをつづけていると思いますか?……)

これからなにが起きるかはわからない。しかし、わたしは毎日のトレイニングを楽しんでいる。自分たちの選手が大好きだし、クラブでわれわれがつくった環境も。わたしは、毎日早朝に起きて、心の底から仕事に行きたいと宣誓する。われわれは、素晴らしいグループをつくったし、どこでフィニッシュすればいいか方向もわかっている。

(どこかの時点でPLを勝つ自分を想像できる?……)

たくさんのときに。チームはわたしに議論をもたらしてくれるし、ひととのつながりもある。信頼だ。しかし、けが人が出始めたときは、わたしはこれは高くつくだろうという感じがした。要求のレヴェルを維持できなかった。

シティを相手にPLを勝ちたいのなら、4月か5月まですべての選手がいることだ。ベストな状態で。そしてわれわれは、ケガのせいで、そこへ到達できなかった。

(若くて、未経験なチームだった……)

われわれには、経験と若さのいいミクスがあった。より経験ある選手は、ボーイズの模範になった。そして、われわれがラッキーなことには、アカデミーからたくさんの可能性ある世代を連れてこられること。われわれも、チームに調和がもたらされるように、彼らの才能を伸ばすことができる。彼らは楽しみ、競い、いずれチームを勝利に導いてくれる。

(あなたの「宝石」がサカです。もし彼がマーケットに出るなら、100m以上はする?……)

わからないね。機械にすべてのデータと変数を入力して…… そして価格を教えてくれるとか。

サカはとてもいい。とても安定している。21才にして彼のパフォーマンスと数字はクレイジーだよ。

彼はとてもハングリーで、成長を望んでいる。そして彼はそれをかなえるための理想的な環境がある。もし彼がなにかを選ばねばならないのなら、それは試合に勝つ能力になるだろう。それは多くの選手にはない。マルティネリ、ガブリエル(ジェズース)、あるいはオーデガードもいる。

(どうやってオーデガードをスターにしたので?……)

それが彼の長所だと思っている。彼の自分への要求はヤバい。彼はすべてを理解し、学ぶのも非常に早い。われわれは、彼に責任を与えることで彼に手助けをしている。キャプテンにして自信も持たせた。

わたしは彼にこう説明した。「それによってキミはさらに要求されることになるだろう。キミの伝える力がカギになるのだ。自分になりなさい」と。

マーティンはとても控えめだが、彼がしゃべるとき、みんなが彼の話に耳を傾ける。

彼は求められるすべてをやる。自分の面倒をみるだけでなく、彼はほかの選手たちのことを気にし、進歩させる。彼には学があり、ゲイムへの愛情があり、コミットメントがあり……

そして、彼はエリアに近いところでプレイせねばならないとずっと思われている。少ないタッチでもっとリーチすること。彼の数字もとてもよい。ランパードと並んでPL史上最多ゴール(※MF)。それに、彼は24才でまだ成長できる。

(デクラン・ライスはアーセナルが€100m以上をかけて買うほどよい選手なのですか?……)

わたしは、クラブにいない選手については話せない。なにも云わないほうがよい。

(つまりハヴァーツについても話せないと……)

タレントは金がかかるものだ。そして、アーセナルはつねに経験ある若い選手に興味を持つ。

繰り返しになるが、わたしはほかのクラブの選手については話せない。だが、カイについては、彼はもうすでにたくさんのものを観せている。CLも含めて。彼は才能ある選手で、ヴァーサタイルで、まだ24才。

(アーセナルはマンシティの選手たちをかなり気にしているようです。なぜなら?……)

簡単。なぜなら、彼らはとても優秀だから。わたしは彼らを知っているし、4年も彼らをトレインしていた。ガブリエル・ジェズースとジンチェンコには人間性にもやられた。加えて、彼らのメンタリティと才能。

(この夏は投資のための資金もある。そこがカギです……)

われわれは、すでにスクワッドをほとんど再構築した。とても若い平均年齢で、パフォーマンスと価値を産んだ。われわれと歩調をあわせてくれるオーナーたちもいる。維持できるウィニングチームをつくること。そしていずれ多くの投資を必要としなくなること。

しかし要求は増しているので、市場へ行き、進歩をつづけていく必要がなくなるものを見つける。

(シティは毎年投資をするチームだと思われている。しかしそれは真実ではありません。事実として、いくつかのシーズンではアーセナルがもっとも投資したチームでもあった。これについては?……)

それは、なにが評価されるかに依る。一年での投資なのか、3年か、10年か? あるいはサラリーについても評価する。

投資ポイントもひとつであり、もしかしたら再評価がより問題かもしれない。買った選手がX年でいくらになるのか。リターンと再評価のある投資。それが自分たち自身を維持するための、われわれの戦略だ。

(まとめ:23-24にPLタイトルを取ることは可能?……)

もしそうでないなら、わたしはここにいない。それがわれわれの野心。その難しさはわかっている。世界でベストのリーグで、つぎのシーズンはPLの歴史でももっとも難しいリーグになるはず。なぜかって? 去年がもうすでにそうだったからさ。

わたしは、もう22年ここにいて、こんな競争レヴェルは観たことがない。とてもクオリティがあり、組織があり、リソースがあり、優秀なコーチがいて…… これからポッチェティーノとIraolaも来る。

それがレヴェルであり、PLを勝つにはベストでなければならない。それが、われわれが補強をせねばならない理由だ。

(PLを勝つためにいいプレイをする必要があるなどという議論は、イングランドではまったくされないのですか?……)

されない。そこではそんな議論はない。わたしは、自分たちのアイディアでベストなプレイがしたい。数日はこのあたりにいて、ほかの日はべつの場所にいて。しかし、ライヴァルは制圧されなければならない。

PLではミスをおかせばすぐに罰せられる。ここではいいプレイをするだけでは、たいしたものは得られない。マスターせねばならないことが、ほかに山ほどある。持っておく価値のないもの。

(あなたは自分の名前がチャントされることにまだ驚いている?……)

われわれは、みな自分たちのやることをほめられたり、特定されたりすることが好きだ。なによりも、わたしは「ガナーズ」ファンたちに楽しんでほしいし、チームとともにすべてのボールをプレイしてほしい。それが勝利の目的のひとつみたいに感じる。

(この夏にPSGからオファーされたのですか? この新聞がそれを報じています……)

わたしが唯一云えるのは、わたしはアーセナルでハッピーということ。愛情を感じるし、オーナーたち、スタンやジョッシュからも評価されていると感じる。それに、わたしにはこのクラブでやるべきことがたくさんある。わたしはハッピーで、アーセナルにいられることがとてつもなく光栄だ。

(PLの新シーズンに、4人のバスク出身コーチ(しかも全員Guipuzcoa)がいることは偶然でしょうか? ウォルヴズのロペテギ、ヴィラのエメリ、ボーンマスのAndoni Iraora、そしてあなた……)

ふつうのことじゃないと思う。われわれには、いくつかの共通パターンが観られるだろう。バスク人のまじめな性格と、英国のスタイルやありかたがつながっているかどうかはわからないけど……

(あなたは全員と仲がよい?……)

イエス。Iraolaとは、13か14才のころAntiguokoでパートナーですらあった。彼はミドフィールダーで、わたしは右のインサイドにいた。 Andoniもやりたがっていたことを知っていたし、彼がPLに来ることになっても驚かない。彼のためにもうれしいよ。25年前のチームメイツがいま……PLで。

(最近のラ・リーガは観ていますか? 試合を観る時間はある?……)

もちろん。とくに夜の試合は見やすい。それに、子どもたちがよく観ているから。TVにはいつもフットボールだ。

(チャビ・エルナンデスのことは好き?……)

彼のことはバルサでいっしょにプレイしていたときから知ってるよ。彼の性格と彼がゲイムに対して感じることを知っているだけでも、バルサが彼のような自分を必要としていたとわかる。

彼はプレッシャーにも対処できているし、自分のアイディにもつねに忠実。クラブと選手を守る。一年を通してとても信頼できるチームだ。

(バルセロナとレアル・マドリッド、もしいつかあなたがアーセナルを去るならどちらをコーチする?……)

スペインはわたしの国。もう何年も離れているし、ほかの経験も得るために、いつかはラ・リーガに戻るオプションもあるかもしれない。でもいまは……

(最後の質問です。もう自分のことを選手としてよりもコーチとしてのほうが優秀だと認めることはできる?……)

あー。難しい。わたしはまだこれを4年やっているに過ぎないし、わたしの目標は世界のベストになること。個人のレヴェルではなく、アーセナルで世界一のマネジャーになること。このクラブがベストになるために、選手たちを助けること。誰よりもいいプレイをすること…… そして勝てるようになること。

以上

最後の質問はちょっと意地悪だな(笑)。

コメントのなかには、いくつかピックアップしたいものがある。

ひとつは移籍に関すること。カイ・ハヴァーツ。自分たちの選手以外について話せないといいながら、これはほぼ取り引きを認めたも同然の発言だろう。

ライス、ハヴァーツ、ティンバー、ラヴィア。アーセナルが交渉していると云われる4人のなかでは、彼がもっとも早く決まるかもしれない。

それと、サカ=€100m超えの件。これは、いずれ独立したエントリで書こうと思っていたネタなのだけど、ちょうど話題に。

じつは最近のアーセナルのスクワッドのMV(市場価値)がやばくなっているのはご存知か? ためしにTMを覗いてみてほしい。サカの現在のMVは€120m! オーデガードやマルティネリ。

このMarcaの記事のリードによれば、3年前アーセナルのスクワッドのMVは€369mだったのが、現在€976m。2倍以上に急成長。シティにつぐリーグ2位の評価。これをいちばん喜んでいるのは当然オーナーで、ここ数年KSEが大きな投資を惜しまなくなったのもうなずける。

あとは、PSGとのリンク報道。しばらく前にありましたな。

でも、いまアルテタがアーセナルを去るというのはありえないなあ。彼はもうただのヘッドコーチではなくて、クラブの価値を取り戻した張本人というか、首謀者というか。ここまでクラブにコミットしているマネジャーがいくらビッグクラブ&古巣とはいえ、引っこ抜かれるという想像はできない。

シティでアーセナルと対戦して、抜け殻になったアーセナルを目の当たりにしてしまったミケル。それから4年。アーセナルの仕事を引き受け、紆余曲折ありながら、結局ここまでチームとクラブを連れてきてしまった。

新シーズンも期待しちゃおう。

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

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