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【マッチレビュー】23/24 EPL アーセナル vs ToT(24/Sep/2023)ホームで痛恨のドロウ。自ら勝ちを捨てる

試合の論点

アーセナル vs ToTのトーキングポインツ。

アーセナルはなぜにこの試合であんなパフォーマンス??

どうしてアーセナルはよりによってこのNLDのような超重要試合で、いつもどおりのパフォーマンスじゃなかったのか。シーズンのこの流れのなかで。以前の悪かったときのアーセナルのように、自分たちから試合を投げ出してしまったみたいですらあった。そこがフラストレイションになっている。

ジェズースとエンケティアのフロントのコンビ? ライスの不調? アルテタが云ってたみたいに選手たちがNLDに興奮しすぎた(too hyped)?

ToTは、事前の評価どおりかなりモダンなプレイをしようとしていて、つねにショートパスにこだわってバックからプレイし、パスも正確。全体的にアグレッシヴで、アーセナルがやりたいことと真っ向勝負という感じだった。

アーセナルにしてみれば、PL試合でディープブロックをやらないこういう積極的スタイルの相手は今シーズンほとんど初めてで、相手のハイラインのうしろに大きなスペイスがあるだけ、そこを利用できれば一方的な試合にするチャンスだってあった。

それなのに、アーセナルがこの試合で相手を圧倒したという気はあまりしない。もちろんホームでいつもどおりのいいプレイをしていたときもあったが、それがまとまった時間帯としてあったようにも思えない。

彼らのこだわりのバックからのプレイはリスキーでもあるため(それこそBHAのように)、実際にアーセナルは高いエリアでボールを奪うこともすくなくなかった。だが、そのチャンスをなかなか活かせず。

ハイプレスからのチャンスで最大のフラストレイションは、やっぱり31分のジェズースか。ハイプレスからマディソンのボールを奪ったのはボックス内。あとはゴールへパスすればいいだけだったのに、ショットは宇宙へ打ち上げられた。あんなに力いっぱい足を振り切る必要もなかった。せっかく云うほどBCを外さない選手だと証明する絶好の機会だったのに。

あとは15分のエディ。相手のパスミスに乗じたアレに関しては、彼らしいチャンスだったと思うし、もちろんGKの股間でも抜いて決めてほしかったけど、まあ云うほど簡単な場面ではなかった。あの映像をもう一度観ればわかるが、ヴィエラにパスすべきだったという意見には賛成できない。ストライカーならあそこでの勝負は支持できる。

そうしたゴールチャンスはともかく、すでに書いたように、あの「ボールを奪ったらまたすぐ奪われる」というのはいったいぜんたいなんだったんだろうか。あんなに、効率の悪いアーセナルのポゼッションの失いかたは観たことがない気すらする。ToTのCMコンビ(ビスーマとサー)が優秀だったにせよ、それにしてもボールを奪った直後に失いすぎだった。観ていて、ため息が何度ももれた。

ジョルジーニョのアレがなければ、アーセナルは2-1で勝っていたかもしれない。辛勝と云われるような勝利でも。だが、そんなことは慰めにもならない。この試合内容は、アーセナルのファンとしてはけっこうショックだった。このクオリティじゃあ、シティには遠く及ばない。少なくともこのままでは、今年もPLタイトルは無理だろう。

ToTのモダンなパフォーマンスをベンチマークにして、いまのアーセナルのレヴェルの未熟さが観えてしまった気がしている。

あらためて掘り起こされるチームの課題

ケガ人などやむを得ない部分もあるから、この試合のアーセナルのパフォーマンスにそこまで悲観する必要はないという見方もあるかもしれない。パニックになる必要はないと。

だが、結局チームのちからはバックアップも含めて総合力で測られるべきだろうと思う。去年スクワッドデプスは大きな問題で、それは夏の補強でそれなりに改善されたはずだった。

最近アーセナルのチームは好調だったのであまり言及されてこなかったというだけで、これまでにも解決されたわけではなかった課題があらためて取り沙汰されている。

まず、ストライカー。

今回もそうだったように、ジェズースもエンケティアもチャンスでゴールを決めてくれない。メインストライカーがこういう、ここぞという重要な試合で違いを生み出してくれないという。

昨シーズンは、なんだかんだみんなでゴールを共有して、ストライカーのエンドプロダクトについては、うやむやにされたみたいなところがある。が、今回のような試合ではやはりゴールを決めてくれるストライカーの必要性を痛感せざるをえない。

結局、アルテタの彼らへの信頼度ゆえ、この夏もそこはあえて観ないようにしてきたようにしてきたところがあるが、このような試合のあとは、その課題がこのチームのなかに依然として残っていると実感する。

たとえば、シティにはむしろそこに怪物がいる。だからギャップがすごい。いずれアーセナルで「ゴールできるストライカーが必要」論が再燃してしまうのは、必然だったかもしれない。アーセナルにも、毎年ゴールデンブーツを競うようなストライカーがやっぱり必要なんじゃないかと。

この問題をしばらく放置しているアルテタだから、この状況をどこまでシリアスにとらえているかわからないが、アーセナルが1月にIvan Toneyに本気になっても驚かないし、彼以外のストライカーを探しても驚かない。ハリー・ケインに動いたら驚く(笑い)。

それと、スクワッドデプスというか、バックアップのクオリティ。

今回はエンケティア、ネルソンあたりが批判の標的になっている感がある。彼らはチームのスタンダードに達していないんじゃないかという。

まあたしかに、エディもネルソンもこの試合ではパッとしなかった。エディなんかは、全体的にハイプレス以外での存在感は薄く、GKと1 v 1のビッグチャンスを外した(あのショットはアングルもなかったから簡単じゃなかったけど)。それに今回は相手GKへの殺人タックルはレッドカードの危険もあった。アウェイならセントオフは十分ありえただろう。そして、ネルソンはいつもどおり。なかなかブレイクしてくれない。

ハヴァーツも。ずっと批判されている彼はあらためてというほどではないものの、やっぱり£65mの働きはいまだに観せてもらっていない。アルテタもスタートから外すようになってきたし、もうそろそろいい訳できなくなってきた。左8として守備はよくても、そのほかの部分の貢献度が問われている。

左8については、そもそもジャカは売るべきじゃなかったんじゃないかという意見にはわりと賛成できる。もし彼がいままだチームにいたら、左8は彼のポジションだったに違いない。それはもしかしたら、ハヴァーツにも恩恵があったかもしれない。チームへの適応に時間をかけられた。

というふうに、ToT相手にあんな試合をしてしまったばかりに、あらためてチームに潜在していた課題が掘り起こされている。

個人的にバックアップのクオリティについては、まだチームビルディングの最中でしかたない部分はあると思うし(※五カ年計画)、試合数と限られたプレイ機会を考えるとバックアップにどこまで投資するかは議論の余地がある。

ただ、ストライカーについては、結果に直結するわりとシリアスな問題に思える。

アルテタはどうにかしなきゃいけない。

いつの間にかアーセナルはケガ人続出でピンチ

ほんとにいつの間にかだよ。気づいたらピンチになってた。

  • ライス(6)
  • パーティ(6)
  • マルティネリ(LW)
  • トロサール(LW)
  • ティンバー

ケガの5人全員レギュラークラス。6(CDM)とLWというそれぞれのポジションでふたり同時というのも大きな問題。

なかでも痛すぎるのがライス。彼はぜんぜんケガをしないひとだったのに、ここでやっちまうとは。

しかも背中。アーセナルファンとしては去年を思い出してギクリとしてしまう。背中をやって離脱したサリバは、去年タイトルを競っていたアーセナルの失速の直接の原因だっただろう。

もしライスが長期離脱なら、パーティが復帰するまではおそらくジョルジーニョがレギュラーでプレイすることになる。彼は今回あんなことがあったが、実際は頼れるシニア選手であり、そこまでは心配はしていない。だが、それでも彼になにかあると、あとはもうエルネニーしかいない。

シティのRodriがレッドカードでアーセナル戦でいないやったーとか無邪気に云ってられなくなっちゃった。

このあと万が一サカがケガしたらと想像すると、アーセナルは終わるかもしれない。この試合でもサカは痛んでいたし、ありえないことじゃない。

夏にRWを取らなかったことをひどく後悔する日がこないことを祈る。※そういえば、アーセナルはPedro Netoをいまもあきらめてないという噂も

 

この試合については以上

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6 Comments on “【マッチレビュー】23/24 EPL アーセナル vs ToT(24/Sep/2023)ホームで痛恨のドロウ。自ら勝ちを捨てる

  1. 交代が遅いと遅すぎると批判して、ハーフタイムにメンバーを入れ替えたらセレクションに問題があるなんて色々な意見があるんだと勉強になります。

  2. アルテタは主力メンバーの使い過ぎで疲労蓄積でパフォーマンス落として故障させるし、交代遅くてサブメンバーの経験値が上がらないので育たず、選手層が薄いまま自滅するというのを繰り返してますね。
    モチベーターだけど戦術家ではないのかも。
    PLやCL優勝を目指すには今のアルテタでは無理じゃないかと思い始めてます。

  3. ヴィエイラは前プレが緩く、明らかにトッテナムはそこから起点を作っていたのでハヴァーツに代えた、ということは明らかじゃないですか。ヴィエイラは、強度は置いといて、普段守備をサボる選手ではないのに、今回の前半はなんだかいつも通りじゃなかった。なので納得できるいい交代だったと思います。
     まぁヴィエイラだけじゃなくいプレスの連携が今回悪かった。トッテナムがうまくビルドアップしたとかではなくて、アルテタが選手に求めるタスクが複雑で多いんじゃないかな。それは今シーズンずっとかもしれない。去年のいい時みたいにもっとシンプルにやればいい。敵はシティだけじゃないんだから。

  4. そもそも今シーズン相手を圧倒した試合ってなかったと思いますね
    ホームではなんだかんだ失点してヒヤヒヤさせられてるし、アウェイでも完璧に主導権を掴んで離さないみたいな試合もなかったような。PSV戦もチャンス結構作られてましたしね

    それと昨日のノーロン、フワフワしてませんでしたかね?選手もスタジアムのサポーターも
    CLでいい試合したその余韻みたいなのが残っていたようにも見えました

    あとジャカが居なくなって得点後に集合するやつやらなくなっちゃいましたね
    ああいうのも勝つ方に入っていくには必要なんだろうなぁと昨日見てて思いました

  5. 今シーズンはしょっぱい試合ばかりで悲しいですな
    GK論なんか吹き飛ぶくらいの低パフォーマンス
    攻撃がパターン化されすぎてるような、全然流れから点取れてないですから

  6. 相変わらずの、試合を終わらせることが出来ないチーム。
    もう1点取れば終わる試合で、その機会を決めきれず、勝ち点を失う。見慣れた光景。
    せっかくゴール前のプレスで奪っても、決めきれない。
    ハーランドなら、100%以上(?)決める。
    100%とは言わないが、半分は決めて欲しい。
    シティの強さを、改めて分からせられた夜でした。

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