チェルシーについて
PLでここまで8試合消化して、11ポインツの11位。去年は12位でフィニッシュなので、今年も低空飛行。選手補強にあれだけ巨額を投じてこの結果では、ファンのフラストレイションは凄まじいものになっていると想像できる。
ただ、アルテタも述べていたように直近では3連勝していて(※彼らの3連勝は今年3月以来)、急速にフォームを立て直しているという見方もある。
じつはあなどれないチーム?
直近の3連勝(PLでは2連勝)はともかく、アルテタが「これまでの彼らの結果はふさわしくないもの」と述べていたのは、あながち間違いではないのはデータでも示されている。
直近のxGDでは、彼らはアーセナルつぐリーグ4位の成績だったりする。
— The xG Philosophy (@xGPhilosophy) October 16, 2023
これでテーブル11位ということは、結果が内容にともなっていない、いわゆるアンダーパフォーミングが著しい状態。
とくに攻撃でその傾向がある。Understat.comによると、xG(チャンス)と実際のゴールの差は、リーグでワースト4位。それだけチャンスをゴールに結び付けられていないということで、彼らがつくっているチャンス自体は、アーセナルのそれと0.01ポインツしか差がない。これはほぼ同等である。ちなみにゴール数はアーセナルが16で彼らが11。
つまり、なにかのきっかけで、劇的にフォームが好転する可能性がある。そうなってもおかしくないのが、いまの彼らといえる。発展途上でありつつ、3連勝はそのきざしかもしれない。という。
もっとも、PLにおいては彼らのここまでのフィクスチャの難易度から(※いくつかの調査でも20チーム中ほぼ最低難易度評価)、その恩恵もあるので、これまでのチャンスクリエイション能力を鵜呑みにしてよいかは意見の分かれるところではある。
逆に、これまで楽だった彼らのフィクスチャは今のあと突然に厳しくなる。今週からの5試合の評価では、彼らが20チーム中もっとも難易度が高かったりする。チェルシーのチームクオリティの真価が問われるのは、これからだろう。
フォーム
PL直近6試合のフォームは、WLDLWW。
シーズンのスタートから6試合でたった1勝というバッドフォームながら、現在は2連勝中(※リーグカップのブライトンHを含めて3連勝)。もっともホームでのPL試合は2連敗中である。
PL2連勝のなかみは、フラム(A)2-0勝ち、バーンリー(A)4-1勝ち。2試合で6ゴールを決めている。
チームニュース
Malo Gustoが3試合バンから復帰。
2ヶ月アウトのReece Jamesがトレイニングを再開。チームセレクションに入るかどうか。
IB中にケガをしたAxel DisasiとNicolas Jacksonがダウト。
Armando Broja, Trevoh Chalobah, Carney Chukwuemeka, Ben Chilwell, Christopher Nkunku, Wesley Fofana and Romeo Laviaが全員アウト。
チェルシーは、現在PLのなかでももっともケガ人の多いチームのひとつである。たくさん買っておいてよかったね!!!
Head to head
アーセナルはチェルシーとのPL直近7試合で、W5 D1 L1。
Arsenal have won five and lost just one of their last seven Premier League matches against Chelsea.#CHEARS
— Orbinho (@Orbinho) October 19, 2023
アーセナルはスタンフォード・ブリッジでPL3連勝中。4連勝をやれば新記録。
Arsenal have won their last three Premier League away games against Chelsea. No team has won four consecutive away games at Stamford Bridge in the history of the competition.#CHEARS
— Orbinho (@Orbinho) October 19, 2023
近年は、意外に相性がいいんだよなあ。
それもそのはずで、アーセナルはすべてのコンペティションでチェルシーに7試合で6勝しているところ。それ以前の25試合と同じ勝利数という。ヴェンゲル/モウリーニョの時代からは、急速に立場が入れ替わっているといってもいい。
また、今シーズンのアーセナルはPLアウェイ3試合でクリンシーツを継続中。ここで4試合連続クリンシートを達成するとこれまたPL初。記録がかかっている。
Arsenal have kept three clean sheets in three Premier League away games this season. Only three teams in the history of the competition have managed to go four games without conceding from the start of a season.#CHEARS
— Orbinho (@Orbinho) October 20, 2023
アーセナルのネガティヴ記録をひとつだけ。ポッチェティーノはPLのホーム試合でアーセナルに敗けたことがないということ(W3 D3 L0)。ToT時代ということですかね。
Mauricio Pochettino has never lost a home Premier League game against Arsenal (W3 D3)#CHEARS
— Orbinho (@Orbinho) October 20, 2023
チェルシーの戦術について by エイドリアン・クラーク
AC:3-4-2-1と4-2-3-1の併用から始まり、マウリシオ・ポッチェティーノはEnzo FernandezをNo.10とする実験から、いまはスタンダードな4-3-3に着地している。このセットアップで、彼はRaheem SterlingとCole Palmerをとてもワイドにおいている。中央には力強いCMのMoises CaicedoとConor Gallagherがいて、そのあいだにFernandezがいる。
チェルシーはボールを持ちたがるチームだ。忍耐強さを観せ、昨シーズンと比較しても試合平均のパスは60も増えている。彼らの平均ポゼッション(63.5%)を上回るのはマンシティだけ。
Fernandezは彼らのチーフプレイメイカーである。このワールドカップウィナーは、彼らの移籍金記録であり、相手ハーフに318ものパスを成功させている。リーグでもロングパスの成功数ではここまでトップだ。
彼は、そうしたパス先にたいていSterlingを選ぶ。彼はインフォームだ。彼はバーンリーでの4つのゴールすべてに関与したし、PLでは彼より相手ボックスのなかでタッチの多い選手はいない。それは、彼がもたらすペネトレイションの結果だ。マネジャーの信頼に応え、Sterlingはチェルシーのチームメイツの2倍は多くドリブルもしようとする。
チームはとてもオーガナイズされている。だが、ポッチェティーノの下で一貫した戦術的グルーヴを見つけるまでは、彼らはSterlingやFernandezといった個人の才能に頼っていくことになる。
Enzo Fernandezは、この試合に際してデクラン・ライスをだいぶリスペクトするコメントをしていて好感が持てた。ライスを観て学んでいるらしい。
マウリシオ・ポッチェティーノの試合前コメント「ミケルは17才でもうコーチだった」
アニキの昨日のプレス会見。『Sky Sports』より。
MP:(3連勝中にIBに突入)勢いを持続できず残念だった。ここからは、あらためて勢いを築いていかねば。
自信はある。選手たちも数ヶ月まえとはムードが違う。ケガにも苦しまされているが、解決策をみつけるためにとてもハードワークしている。いまはとてもポジティヴだ。
わたしはタフなフィクスチャのほうが好きだね。明日は勝つ必要があると考える。
アーセナルのことはリスペクトしているよ。グレイトなチームだ。ミケルはわたしの家族のひとりだ。
試合はタフになるだろう。彼らはグレイトな仕事をしている。彼らはすべての候補だよ。PLだけでなくCLでも。しかし、われわれも自信がある。ベストを出していい試合にする。
(ミケルはPSG時代の友人)素晴らしいおもいでがある。わたしたちはフットボールへの価値観も情熱も共有している。
彼は最初からわたしの家族だった。いっしょにパリに到着して、ホテルではうちの家族とも過ごした。そのあともかなり近所に住んだ。
素晴らしい思い出だ。彼がいまやっていることに驚きはない。だって彼は17のときにはもうコーチだったのだから! 彼のフットボール観は素晴らしい。世界最高のマネジャーのひとりになれる。
もちろん、いまもお互いにメッセージをやりとりする仲だ。シーズンスタートの前も。ふたりともチームの準備に忙しくて時間はなかったが。
なかよし。