今日はPLのリスタート&ロンドンダービーという特別な日。
そんななかで、昨日Sky Sportsがベンジャミン・ホワイトの独占インタヴューを公開していた。
チェルシーのマッチプレヴューエントリのなかに入れてもよかったのだけど、わりと量もあるし、ベニーのインタヴューは比較的珍しいので削りたくないなあと思って、個別のエントリにした。
ベンジャミンファンのきみに届け。
ベン・ホワイト独占インタヴュー by Sky Sports 2023年10月
『Sky Sports』より。コメント部分のみ。
「もちろん契約更新したい」
ホワイト:(シティでJeremy Dokuをナツメグした件)すごく疲れてたからちょっと時間稼ぎをしたくて。そしたら彼がすごく早く寄せてきた(にやり)。ターンしたら、すぐそこに彼がいたので出そうとしていたパスは出せなくて、自分でやったこともよくわからないんだ。できるだけ早くボールを手放したかった。
(クラブと契約更新したい?)イェア、もちろんさ。アーセナルにできるだけ長くいたい。最高レヴェルでプッシュしてクラブをいるべき場所に戻したい。
誰かに望まれているというフィーリングは、いつだってアメイズィングなものだ。ぼくのいまの契約はまだ数年は残っているのだから、それについて話すのはなおさらナイスなフィーリング。
(チームに定着)アーセナルは、ぼくが1年以上過ごした唯一のチーム。それが確実に役立ってる。もちろん、ぼくも年をとっているし、いまは妻もいて、若いころとはすこし違っている。ぼくの人生も変わってきているんだ。
妻はこのあたりの出身だから、彼女にも理想的。そしてすばらしいクラブでの毎日がある。ぼくがこれまでにいたすべてのクラブから得てきたものはあるけど、いまが断然お気に入りだね。
(2021のデビュー戦では疑う声もあったもののその後は自分を証明)毎年自分を証明しなければならないと思う。毎試合で。ここにはたくさんのいい選手がいる。彼らも100%でなければ、スポットを奪われてしまう。チームに残れるようベストを尽くすのは自分の仕事だ。できるだけ役に立つ。
クラブの外側から自分がどう観られているかは、よくわからない。でも、重要なひとたちが持つ意見だけがぼくの関心事だ。誰をプレイさせたいかはマネジャーの決断であり、幸運にも、現時点では、ぼくはチームシートに載っている。
(アルテタがあなたは毎回CLファイナルのようにトレインしていると)ぼくはいつだってそんな感じだと思う。ぼくは毎試合100%のフィットネスでプレイできる選手がいるとは思わない。とくに週に3回であれば。でも、一度試合に入ってしまえば、大きなステディアムで観客の歓声が聞こえて、痛みも忘れてしまうものだ。
ケガをしないことと、自分自身のケアをすることが、ぼくのこの数年での進歩の最大の鍵になっているかもしれない。(夜は自宅ジムでワーク)とくに理由があるわけじゃないけど、ただそれをやると気分がいいんだ。何が起きても備えになる。
(仕事と私生活をわけること)精神的に、トレイニング後は切り替えることにしている。だから、それ以外のときは完璧に休んでいるよ。誰もがうまくいくわけじゃないだろうけど、ぼくにはそれが効いてる。
アルテタの望むフルバックでのプレイ
(ライトバックへの適応?)まさに。とくにあのマネジャーだから。ぼくはフルバックでもプレイできるよ。バックラインならどこでもプレイできるし、CMでもプレイできる。でも、彼のやりたいようにフルバックでプレイすること、それはほかのマネジャーたちとは一線を画しているんじゃないかと思う。
彼の下でフルバックとしてプレイすること。それはCMであり、CBであり、ウィンガーであり、No.10でなければならないということ。だから、つまりぼくのゲイム全体の成長になっているんだ。ただフルバックやセンターバックでプレイするというだけでなく。
(フルバックでは守備的にさらされている)フルバックでのプレイは、より個人的なものになる。
それはほとんどメンタルなことだと思う。自分より速いとわかっているウィンガーと対峙するときのメンタリーなタフさ。だが、そこでいかに自分のベストを出して勝つかということ。相手を止めるのに必要なことを見つける必要がある。
(Zahaとのデュエル)あれはいい例だ。彼はすごくいい選手だから。彼がボールを持つのは、彼がもっとも期待されていること。彼だと何度かはかわされてしまうことはわかっている。でも、もし彼を止めることが何度かできれば、それはグレイト。
(土曜にはMykhailo MudrykやRaheem Sterlingとのバトル)誰だっていいけどね(にやり)。
なんて冗談を云うのは、試合前には誰と対戦することになるのかわかるから。でも試合も60分を過ぎて疲れ切っているときに、また別の同じくらい優秀な誰かが入ってくる。トップチーム相手なら毎度それだ。それに対処しなければならない。
サカとのコンビネイションとオーヴァラッピング
(右サイドでのブカヨ・サカとの相互理解)フェアに云って、楽だね。彼が、それをすごく楽にしてくれる。ぼくらはわかりあってるみたいなところがある。なぜかは知らないよ。でも、ぼくが見上げたとき、彼がなにをするか、どこへ行くかがわかる。
(PLでトップのオーヴァラッピング)彼のぶんも走ってあげてる(笑)。
そのためにぼくはそこにいる。彼が得意になれる場所に入っていけるよう、ぼくがそこで助ける。それが、ぼくがもっと走らなきゃいけないということなら、そうするだけだ。
それを10回やったとして、ゴールできるのは1回かもしれない。でも、それをやることによって、本来ピッチの高いところにいなきゃいけないウィンガーを連れていける。そしてもっとも危険な場所にいける。
彼もまた、ぼくといっしょに走って戻らなければならないし、ぼくがよけいに走れるくらいフィットしていて、最初にそこへたどり着けばぼくがチャンスをもらう。そこが鍵だと思う。
インサイドのマーティンとも、うしろにいるサリバとも同じ。
アルテタについて
(アルテタは特別なマネジャー?)彼の一貫性からして、そう思う。毎日最高レヴェルまでプッシュする。
ぼくらは、こんなに若いグループで、すごく才能があって、でもガイダンスも必要としている。だって、いくら才能にあふれていたって、正しい方向にプッシュしてくれる誰かが必要だから。
彼は、個人個人に対してそれぞれ違うやりかたでやっているのだと思う。彼はどの選手からも最大を引き出していて、そこが彼のもっとも重要なところかもしれない。
(昨シーズンのくやしさ)ぼくらは、昨シーズンを振り返っている。ポインツを得ているべき試合でそうできなかった試合。そうした試合が重要だった。それでトップに行けたし、つぎの試合でもそこまで神経質にならずに済んだから。
ぼくが思うに、それこそがマンシティが何年もやっていることだ。彼らはキツい試合にもなんとか勝利している。自分たちがどうプレイしようが、試合がどう流れようが、絶対に3ポインツを得る。それがぼくらが目指すもの。そこが大きなインパクトになる。
(20年ぶりのPLタイトルの夢)もちろん興奮している。加わった選手たちがすごく大きい。
以上
じつは読むついでに訳したのだけど、これはおもしろかった。
個人的にはアルテタのフルバックの役割の特殊さを語る部分は興味深かった。
ハヴァーツの件では、アルテタの下でのNo.8の役割の複雑さがよく指摘されていたが、同じように複雑なのはやはりフルバックだろう。左右でも役割がまったく違うし、おそらくアルテタは選手のキャラクターによっても違うインストラクションをやるのだろう。たとえばベンジャミンとトミヤスにまったく同じことをやらせるとは思えず。
そしてホワイトも述べているように、とにかくやることが多い。攻撃ではオーヴァーラップしてクロス、守備ではバックラインに入ってみたいな古典的FBしぐさとは全然違うモダンFBのロール。
FBでやることはCBよりも「より個人的」と述べているのも興味深かった。つまり、おのれの判断に委ねられる部分が大きいということと理解した。とくに攻撃だろう。
右サイドのオーヴァーラッピングについては、サカとのコンビでは報われないシーンもわりと多くて同情したくなることもあるが、それでも繰り返しランをつづけるメンタリティ。フィジカリーなタフさ。すばらしい。なにより動きと意図がピタリとあったときの気持ちよさったらない。
現在アーセナルは、スクワッドの市場価値が世界トップになったりして、キープレイヤーたちがとても注目をされているなか、ホワイトは過小評価されているともいわれがち。今シーズンも、CLのLensを除いてすべての試合でプレイしていて、ボスからの信頼は絶大である。
ぜひ、これからも活躍を期待したい。
彼の新契約については、ロマーノが毎日同じ内容のtwを繰り返しているように(笑)、もう時間の問題か、あるいは発表待ちかという状況。そういうタイミングで、いまPLでも注目の選手のひとりということで、このインタヴューも行われたのだろう。
A new look for Ben ???? pic.twitter.com/GKV3JvrODV
— Arsenal (@Arsenal) October 20, 2023
ロンドンダービーでは、プラチナヘアもお披露目されるはず。試合が待ち遠しいぜ。
おわり
いつも楽しく読ませていただいてます。
自分より速いと分かっているウィンガーに対峙することへの向き合い方、クールですね。