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【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル & アストン・ヴィラ(18/Jan/2025)ホームで2ゴールのリード守れず。2ポインツ失う

試合の論点

アーセナル vs アストン・ヴィラのトーキングポインツ。

悪くはなかった。だが2ポインツ失う痛恨

後半60分、出し抜けに失点するまでのわれらはけっこうよかったんじゃないか。

アルテタも試合後にチームのパフォーマンスを称賛しているのは、けっこう同意できる。アーセナルが決めた2点はどちらもオープンプレイからだったし、クロスボールからちゃんと相手の守備をこじ開けた。トロサールはアシストがふたつで今回も仕事した。

このところ、フィニッシュ問題でずっと悪目立ちしていたハヴァーツがゴールを決めたのもとてもポジティヴだった。

そういえばおれは、UNEXTの中継映像に合わせて聴いているAFC公式ライヴオーディオが後半開始からかなり映像とズレていたことに10分ほど気づかず。先に音声でハヴァーツのゴールを知ったので、うれしさ半減だった。いったい何をやっているのか(笑)。

ぼくが個人的に注目したかったメリーノは、前半はあきらかにこの前の試合とは違ってチームプレイに関与していて、タッチもまともだった(前半タッチはオーデガードより多かったほど)。コーチたちにも反省があったのかもしれない。

それと、右サイドの偏りについては、今回むしろ右サイドにいつもよりもっと人数を集めていたように観えたのは、あれも意図的だっただろうか。エメリの右サイド対策をさらに上を行こうとして、より人数をかけて無理くりオーヴァロード(数的優位)しようとしたとか。右サイド偏重のバランス改善のために左サイドを活性化させるのとはべつのやりかただが、それも、けっこううまくいっていたように観えた。

その効果かどうかはわからないが、マルティネリのRWも思っていたよりも全然悪くなかった。アーセナルの最初のゴールは彼のもの。彼のタッチマップを見るに、ちゃんとより内側で仕事をしようとしている形跡もあり。エメリが後半からLBを変えてきたのは、もしかしたらネリのせいかも?と思ったほどだった。

だから、この試合はちょっと不思議な感じがしたものだ。最近指摘されていた問題点のいくつかは、この試合では改善のきざしが観られたし(フィニッシュしかり、積極的なシュートしかり)、そういう意味でのフラストレイションはあまりなかった。

が、そのあとエラー(あれをエラーと云うべきかはともかく)から立て続けに2失点し、2ゴールのリードを追いつかれ、最後はあれだけプッシュしても結局ゴールできず、ホームで2ポインツを失うことになったのだった。まさに痛恨。

アーセナルは、今シーズン勝ちポジションから12ポインツを落としているという。

この勝負弱さが、タイトル争いには致命的な影響を与えそうに思える。アルテタも毎度口を酸っぱくしてPLの「わずかな差」について言及しているように、結果がどちらに転ぶかは、ほんとうに毎回ギリギリだ。

今回も終盤ハヴァーツのディフレクションがハンドボール判定されていなければ、そしてメリーノのショットがポストにヒットしなければ、アーセナルが試合には勝っていただろうし、それはほんとうにほんの少しだけの違いしかない。

そういうわずかな差しかないときに、結果をもぎとる力。勝負を決めるサムシング。この日のリヴァプールはそれがあることを示し、われわれはそれがあることを示さなかった。

なんという無力感でしょう。

失点はサリバ効果? トーマス・パーティがギルティ?

今回サリバがケガで不在だったため、ティンバーRCBとパーティRBという右サイド守備の組み合わせになった。この判断が裏目に出たところはある。

まず、ティンバーはよかったと思う。とくにビルドアップでは、彼があのポジションにいる安心感は違う。さすが、彼の本来のポジションだけある。試合前、ぼくは、RCBにキヴィオールを入れて、ティンバーをRBに維持するやりかたもあると思ったが、アルテタがそれをやりたがらなかった理由もわからないでもない。

しかし、問題はRB。失点の場面で守備のまずさが露呈し、試合後のソーシャルメディアではトーマス・パーティへのネガティヴコメントがあふれた。

まず60分のヴィラの1点め。ラストパスになったクロスボールを送った相手LBについていたのがパーティで、彼はマーカーとしてはやや選手から離れていて、彼にゆうゆうとクロスボールを上げさせてしまった。それをティーレマンスがダイヴィングヘッダーでズドン。ボックス内で彼についていながら出し抜かれたメリーノのギルティという声もある。この試合のティーレマンスはかなりいいプレイをしていたな。2-1。

それと、68分の彼らの2点め。今度は右サイドからのクロスボールに対し、ファーポストにいたスコアラーのWatkinsを完全に離してしまったのもパーティだった。ボールがハヴァーツの頭上を越えたあとは、彼は完全にフリー状態。とはいえ、Watkinsも決して簡単じゃないショットをあの場面で決めたのは、さすがという気がする。2-2。

さて、Sky Sportsではポール・マーソンに「スクールボーイエラー」とまで云われたこの2失点、パーティの過失はどの程度だろう。

個人的には、そこまで彼を責める気にはなれなかった。もちろん、彼が結果を左右するような決定的なミスをやらかしたというそしりを免れるほどではないによせ、冷静に考えればあの2失点はどちらもむしろ相手を褒めるべきだとも思うから。スーパープレイだった。スーパープレイに対して、守備エラーという云い方は適切でないような。

1点めは、パーティはマーカーとしてもっとタイトに詰めていなければならなかったかもしれないが、LBがクロスを上げたポジションはどちらかといえば、アーリークロスに近い場所で、ふだんは守備側がそこまでクロスを警戒しなければならない場所ではないように思える。あのエリアからボックスにボールを放り込まれても成功率は低い。もし、あれがティンバーでも、ベンジャミンでも、似たような守備だった可能性はある。あの失点は、藪から棒という感じがかなりあった。

それと2点めは、たしかにパーティはクロスに警戒していたDFラインでひとりクロスボールに反応せず、やらかした感はある。あれは集中力? が、あれも、あの右からの絶妙なクロスボールのほうを褒めるべきかもしれない。2メーター近い長身のハヴァーツの頭上を越して、すぐ後ろにいた選手にインチパーフェクトで合わせるクロスボールは並のクオリティではない。

まあ、あの状況でDFならとにかくWatkinsにくっついていなければいけなかったのは確かだから、2点めの過失度は高いのは間違いない。バックラインにおける彼の拙さが露呈してしまった瞬間だった。彼はもちろんCDMとしてはプロフェッショナルだから、MFでの守備と最終ラインでの守備の違いかもしれない。彼がキャリア終盤で、いまからそれを身につけるのは厳しい。

しかし同時に、なぜ相手からあんなスーパープレイが単発的に出てきてしまうのかとも思う。アーセナル戦では珍しくないけど。こっちがゴールするまで100のショッツが必要なのに、相手は1つでそれを決めてしまうみたいな。これも不運?

これまでパーティのRBは、彼のCMとしての良さが活きないという意味でファンに不評だったのが、今回は守備が失格の烙印を押されてしまっているかたちである。少なくともバックスのひとりとしては。

試合後にredditで共有されていたのは、彼が今シーズンここまでRBとしてプレイした試合結果。ミケルの会見のやりとりにもあるように、なんと6試合で1度しか勝っていないという。3ポインツは、もっともイージーなホームのセインツだけ。W1 D4 L1という悲惨な結果である(7/18ポインツ)。これはひどい。

ただ、このスタッツに若干ミスリードがあると思うのは、彼がRBでプレイしているという時点ですでにチームはピンチ状態なのだよね。基本的にRBが全滅か、今回のようにCBに問題があったとき。彼はRBでは最後のオプションだろう。ケガ人の問題で、それをシーズンで6試合もやってしまっている。強いられている。この結果を彼だけのせいにはできない。

ということで、サリバが数週間の離脱とも云われるなか(2月2日のPLシティも危ないという噂)、アルテタにはまた悩みのタネが増えてしまった。RBのパーティは、結果が出ない。

それも頭が痛いが、サリバのケガももっと頭が痛い。サリバがいないと、失点が0.8から1.7に倍増するというデータ(試合平均)。もう頭が割れてしまいそうだ。

入れ替わりで、ベンジャミンが復帰するならなんとかなるだろうか。トミーも早く復帰しねえかなあ。このふたりが帰ってくるだけで、チームはだいぶ違う。

パーティの炎上からオーデガードも延焼

6万人が固唾をのんで見守るなか、最後のワンプレイ。3ポインツをかけたこの試合の最後のフリーキックは、エミマルがふつうにキャッチ。その瞬間に奇跡を信じて声をからしたファンの期待は、クソでかいため息に変換された。そのテイカーは、キャプテン・オーデガード。

この超絶フラストレイションのたまる試合のおかげもあってか、オーデガードの最近のパフォーマンスにもネガティヴな注目が集まるようになってしまった。とくに彼のゴール貢献の少なさ。彼の今シーズンのショッツをまとめた動画がシェアされていたのを観たひともいるかもしれない。シュート全部外すやつ。ゴール前であんなに危険だった漢が。まるでただのひとに。

彼はここまでPLで15試合プレイしてG1 A3。このうちゴール1はWHUでのペナルティなので、NPG(non-pen goals)はゼロである。彼は9月から11月まで2ヶ月近く離脱していたこともあり、アウトプットの少なさも影響を受けている部分は当然あるが、それでもここ数シーズンの彼がどれほど直接ゴールに貢献してきたかを思えば、あまりにも物足りない。

やはり、彼もまた自信に問題を抱えているのかもしれない。チャンスでシュートを躊躇したり、簡単に見えるシュートを外してしまったりというのは、自信欠如している選手に共通して観られる特徴で、最近はコーナーキックやフリーキックの質も振るわないように見えるし、先日はペナルティも外してしまった。彼のキャリアで初めて。

彼はキャプテンで、チーフクリエイターで、攻撃のキーパートを担っている。サカが離脱したいま、彼の双肩にかかるものはさらに大きくなっている。人一倍責任感も強いひとだろう。プレッシャーがないはずもない。

ファンのなかにはライスにキャプテンを譲るべきという意見もあって、それもひとつの解決策かもしれない。一時的にでも。

チームにクリエイターが実質ひとりしかいない状況は、もちろん彼のせいではない。そういう意味でも、このチームには最低でももうひとりは彼のタスクを分散できるクリエイティヴな選手がほしい。選手ひとりに負担をかけすぎることは健全ではないし、いざというときにも困る。それはもうこのチームが経験したことだ。

 

この試合については以上

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One Commnet on “【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル & アストン・ヴィラ(18/Jan/2025)ホームで2ゴールのリード守れず。2ポインツ失う

  1. トーマスのRBするよか3バックにするとかの柔軟性がほしい。頑固なのは髪型だけにしてくれよ…

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