今朝読んだNUMBERの記事。『ぼくのプレミア・ライフ/Fever Pitch』で有名なグーナーで作家のニック・ホーンビィ氏のインタビュー。インタビュアーがフィリップ・オークレー(フィリップ・オクレール/Philippe Auclair)だった。彼の記事が日本語に翻訳されているのは初めて見たような気がする。
この人、昔の渋谷系音楽とか好きな人なら知っているはずだけれど、エル・レーベルにいた「ルイ・フィリップ/Louis Philippe」なのである。「You mary you」懐かしいだろう?
フィリップ・オークレーはArseblogの人たちと絡んでいたり、アーセナルがらみでときたま名前を見ていたから、アレっと思って調べたら本人だったのだ。この界隈、音楽好きな人もそうとう多いように思うが、彼に言及している人をほとんど見かけたことがない。気づいてない人が多いんだな。
90年代に、ビーチボーイズ(ブライアン・ウイルソン)に多分に影響を受けた、だいぶ趣味的でマニアックな音楽でおそらくイギリスとフランスとベルギーと日本でだけ評価された彼。いまはフットボールのジャーナリストになっているというわけ。
Welcome to Sunshine – The Louis Philippe Web Site
芸名のルイ・フィリップならともかく、本名のフィリップ・オークレーのほうでピンときてしまうおれもおれである。
さて肝心のニック・ホーンビィのインタビュー。
要約すれば、フットボールがアメリカナイズされてスタジアムにあった情熱が失われているという。たしかに入場料が高くて、スタジアムが高齢化しているというならばそれは問題だろうと思うが、SNSやネット社会まで批判するようでは、それらについていけない旧世代人の愚痴というか、始めから斜に構えた意見に見えてしまう。そういう冷笑的な態度もニック・ホーンビィらしいけど。
そういえばこの人って世界一有名なグーナーのひとりだと思うけど、あんまりメディアで名前を見かけない。このインタビューでも「いまもまだアーセナルのサポーターなのか?」と問われているあたり、向こうでもあんまり消息を知られていないんだろうか。フランスのメディアだからか。
チケット代金が高騰しているせいでスタジアムが高齢者に占拠されていたとして、若いファンたちがフットボールから離れていくようなきざしはあるんだろうか。そういう深刻な状況になったときにはこの手の論説がもっと注目されるんだろう。バブルはいつかは弾ける。そういう時代もいずれ来るんだろう。