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【マッチレビューその2】18/19EPL アーセナル vs ニューカッソー(1/Apr/2019)ついに3位へ【マッチスタッツと論点】

遅くなった。。ゆうべ力尽きた。。

トップ4フィニッシュをかけて戦うシーズン終盤のPL8連戦。

勝てば3位のアーセナルは、みごとホームで2-0とニューカッスルに勝利し幸先の良いスタートを切った。

レビューエントリ前半にひきつづいて、後半は試合のスタッツと論点についてまとめていこう。



試合について

アーセナルのファースト11

予想外だったのが、コシエルニとオバメヤンのふたりがそれぞれ故障と病気でスターティンに名を連ねなかったこと。

PEAはフィットしていてもイウォビでスタートした可能性はあるが、ムスタフィはおそらくコシエルニがプレイできればベンチだったのではないか。いずれにせよ4-2-3-1というぼくの事前の予想は今回もまただいぶ外してしまった。まあいつもどおりである。

マッチスタッツ

ポゼッションは試合を通して圧倒。70%となった。

NCは前からときにプレスをかける時間帯もあったが、プレスに行く時間と後ろでブロックをつくる時間とメリハリのある戦い方をしていたように感じた。チャンスがあれば前から積極的に行くが、基本は引いてカウンターという戦略で、自陣でハイプレスに詰められれば迷いなくロングボールを選択。

アーセナルよりも劣る戦力でリスクをかけずに効率的に戦おうとするラファ・ベニテスのやり方は十分理解できるものだが、今回はとても成功したとは云えなかった。

そしてベニテスの戦略を見るに、現在のアーセナルのハイインテンシティ&ハイプレッシングな傾向が浸透していることもあらためて感じたものだ。

よってポゼッションの優位に関しては、毎回五分五分のロングボールを蹴らされたNCの消極的戦略のおかげだと云える。

それにビルドアップがまともにできないのだから彼らの攻撃が停滞するのも当然だ。シュート3本に枠内1本。

xGについては、もう差は歴然だった。90分を通してここまで低いxGも珍しい。SoTが1で、0.07xGということは、NCがアーセナルのゴールを脅かしたシーンはほとんど皆無に近かった。

一方でアーセナルのxGも云うほど高くはないが(1.25)、後述するように今回はレフェリーの不可解にも思えるいくつかのNC寄りの判定があり、彼らにとって2失点で済んだことはだいぶラッキーだった。

シュート数とコンヴァージョン

ちなみにこの試合、PLのなかでも記録的にシュート数の少ない試合になったそうだ。

Opta社のなかのひとでグーナーでもあるOrbinho氏のツイートによれば、2003年からのOptaのデータベースにおけるPLの試合でもっとも少ないシュート数は「9」。この試合は残り10分になって「6」しかなかったというのだから。どんだけ。

試合終了間際には、アーセナルがいくつかのチャンスをつくったせいもありシュート数はいくらか増えたが、それでもフルタイムのシュート数の記録は両チーム合わせて「10」。もうちょっとで記録をつくるくらいにシュート数の少ない試合となった。

併せてOrbinho氏の指摘しているところによれば、今シーズンのアーセナルはこの15年で最小の平均シュート数となっている。

そのくせ、ここまで1試合平均約2点(※31試合で65得点。シーズン終了時には79点になる計算で04/05の87得点に次ぐ数字)取っているのだから、今季アーセナルの攻撃の効率の良さ/コンヴァージョンの高さは特筆すべきものだ。

これもエメリの特徴のひとつだということになるのだろうか。

試合の論点

ノースロンドン is RED。ガナーズはついにToTを抜いて3位へ

ほんの数週間前には、ノースロンドンの宿敵とは10ポインツ以上の差がついていた。それがどうだ。一気に追い詰め、ついにひっくり返すことに成功。

右端のフォームを見てもらうとわかるように、2試合前の直接対決で(PEAがペナルティを決めて)アーセナルが勝っていれば、やつらは5連敗だった。そしてポイント差も今頃は65 vs 60と5ポインツ差がついていたのだ。クーッ。6ポインターってのはそういうことなんだよなあ。悔やまれますなあ。

この試合が終わったあとのr/GunnersやSNSなどを見ると、人気のサブはToT関連のものばかりで”Mind The Gap”や”Totteringham Day”といったいつものワードにあふれていた。

勝ったことより、負かしたことのほうがもっとうれしいみたいな。みんなほんとにあいつらがキライでキライでしょうがないといった感じだ。

しかしモチベーションはどうあれ、それは強ければ強いほうがいいに決まっている。ぜひやつらをCLから追い出して新スティディアムをCLナシで迎えさせよう。

 

ところで、じつは個人的には現時点であまり浮かれるすぎるのもどうかとも思っている。

エメリが云うようにまだまだこの先は難しいアウェイの試合が残っているし、それに今日明日のミッドウィークに4~6位チームがそれぞれ試合があるので暫定ながらまた順位が入れ替わる可能性は十分ある。ユナイテッドはウォルヴズ(A)、チェルシーはBHA(H)、ToTはCP(H)となっている。。

※このエントリを書いている最中にユナイテッドがウォルヴズに敗けていた!!! ざまあ m9(^Д^)プギャー

好調をつづけるホーム・フォーム。エミレーツが要塞化。アウェイとの差は何か?

プレビューでも触れたように、アーセナルがホームで10連勝するのはじつに97/98シーズン以来。およそ20年前のハイベリー時代に遡らなければならないほどの記録だった。

しかもそれは奇しくもアーセン・ヴェンゲルのファーストフルシーズン(アーセナルで初タイトルを取ったシーズン)だったということで、これがエメリのファーストシーズンであることは不思議な符合でもある。吉兆と捉えたい。

それにしても、初戦のシティ戦以来敗け知らずというのだから、さすがにここまで強いというのはちょっとどうかしている。

公式サイトの情報によると、2019年に入ってホームでポイントを一切落としていないのは英国92クラブでたった3チームしかなく、そのひとつだそう。つよい。

しかし、どうかしているといえば、もっとどうかしているのが悲惨なアウェイフォームである。今シーズンのPLでここまでアウェイでクリンシートを一度もやったことがないのはアーセナルだけだそうだ。3位なのにだぜ?

エミレーツステディアムが要塞化していることが、対称的にアウェイでの極端な内弁慶ぶりを際立たせている。いったいなんなんだ。

今後ここからシーズン終了まで7試合のうち5試合がアウェイということで、アーセナルの今季のアウェイフォームがあらためて注目されており、それに関する記事などもいくつか見かけた。

とにかく失点が多いというのが一番の問題であることは間違いはないが、また別の理由には、オバメヤンとラカゼットという2大ストライカーがホームほどにはアウェイで得点できていないということがある。当たり前だが、得点しないことには試合には勝てない。失点するならなおのこと、それ以上の得点が必要なのだ。

なお、今シーズンのアウェイでの平均失点は1.93(※リーグで16位)。平均得点とほとんど並んでいるのだから勝てないわけだ。

アーセナルのアウェイ問題については、トップ4争いに関する別のエントリをアップしようとしているので(今季何度目かわからない笑)、そちらでまた改めて考えよう。

エジル、ラムジーの同時起用に舵を切るエメリ

PEA・ラカゼット・エジル・ラムジーを同時にスタートさせるというマンU戦での予想外な積極采配。

それ以降、エメリは逆転勝ち抜けをかけたELレンヌ、そして今回と、絶対に敗けられない重要な試合でしばらく使っていなかったエジルとラムジーの同時スタートをつづけて選択している。

この3試合はクリンシートかつ複数得点で連勝しており(2-0、3-0、2-0)、チームの調子は明らかに上向いているように見える。

今回もEPL公式とSky Sportsはエジル、BBC SportsはラムジーをMOTMに選んでいるので、名実ともにこのふたりは勝利の立役者である。

もちろん、ジャカやトレイラといったレギュラー選手の不在という原因はあるものの、一度は諦めたと思われたファン待望の彼らの同時起用がうまく行っていることは、現在のチームのフォームに大きな影響を及ぼしている。

なんならAMNが語っていたように、ほかの選手たちからも愛されるシニアプレイヤーふたり、ここぞという場面で活躍すべき選手が活躍する姿にチーム全体の士気が上がっているようにも思える。だって彼らのような選手たちが毎試合ベンチに座っているなんてやっぱりおかしい。

このふたりの好調なパフォーマンスがいまのチームのポジティヴなムードをつくっていると云っても過言ではあるまい。

ラムジーはいまがキャリアで最高潮に思えるし(チームへの影響力は13/14以上か?)、エジルもようやくエメリのスタイルに慣れつつあるという論調もメディアで見られ始めた。

Mesut Ozil is adapting to Unai Emery’s demands at Arsenal

BBCでは、エメリの「メストはわれわれの望みどおりのプレイをしている」というコメントを強調している。

Mesut Ozil is ‘playing like we want’, says Arsenal manager Unai Emery

エジルの処遇については一時は戦術的というだけでなく政治的な理由で干されているだとかさまざまな噂があったが、ラムジー同様、夏にどうなるにせよいまいる有能な選手を使わない手はない。それで結果を残しているのだから、結局選手もチームもWin-Winなのである。

今後、ジャカやトレイラが戻ってくるチームでふたりがどういう扱いになるのかはわからない。しかし、トップ4フィニッシュあるいはELタイトルに向けて、このふたりにはあと2か月のあいだ大きな仕事が待っていることは間違いない。

トップ4を争っているほかのチームの現在を見ると、シーズンのなかでもいまという決定的な時期にベストチームを見つけたことは、これもエメリの強運というべきなのか。。持ってるなあ。



拙すぎるレフェリー

試合内容については、いまいち語りどころのない試合だったが唯一書いておきたいのはやはりレフェリー。アンソニー・テイラー。ToTでトレイラにレッドを出した男。あの試合も疑問に思えるジャッジメントがそこここにあったし、今回もまた議論を呼ぶジャッジメントを何度かやった。アーセナルに何か恨みでもあるのか。

ひとつはもちろん、12分のラムジーのゴール取り消し。

コラシナツをニアに走らせヘッダーでボールをそらすというサインプレイをまたやった。ちょうどよくファーに流れてきたボールをラムジーがインサイドキックで押し込むというファインゴールだったはずが、レフェリーはこれを認めず。

リプレイではたしかにゴール前でソクラティスが相手DFとつかみ合って倒してしまっていたので、試合を観ていたときはまあやむを得ないかとも思われた。

しかしである。

今季から?エミレーツに導入されているという「インテル挿入っテル」でお馴染みIntel®最新テクノロジである「Intel True View」による360°映像でよく見ると、レフェリー視点ではDFが倒れた場面は全然見えていないじゃないか。

赤丸部分の向こう側である。どうしてこれをすぐにファールだと判断できた? 仮に見えていたとしても、DFが大げさに転倒してアピールしているというだけで、レフェリーによってはファールを取らなくてもおかしくはないくらいにはソフトなものだ。1得点を損した。

もうひとつは63分。

カウンターでラカゼットがひとり抜け出すとボックス内に侵入。着いてきたDFをかわそうと切り返すとスライディングタックルしてきたDFの手に当たりボールは外へ。

手がなければズザーっときれいにかわされて大ピンチを招いていたに違いないのだから明らかにハンボーだろう。レフェリーはこれも認めず。ペナルティを一個損した。

85分。この日のもっとも不可解判定はこれだろう。

まあ100歩譲ってキーパーチャージのファールならわかる。ここでレフェリーがコールしたのはなんとハンボー。レフェリーの節穴にはラカゼットが手でボールを扱ったように見えたらしい。どう見てもGKが自分でキャッチしそこねているようにしか見えないが。

「ミー?」呆れるラカゼット。

ここでまた1得点だ。この試合あと3点は入ってたね。VARが待ち遠しいよ。

試合については以上。

つぎは日曜のエヴァートン(A)。勝つとマンUに5ポインツ差がつくそうで。今日のチェルシー、ToTも負けるといいな。ちょっと五寸釘買ってくるね。

COYG

PS: 今日のきづき

ムスティのインスタより。これアレのことよね? 「宇宙開発」ってグローバルで通用すんだなあと。

ムスタフィはこの試合、序盤でパスミスを何度かやったりあのクロスを盛大にふかした場面が悪目立ちしてるけど、それ以外はけっこうよかったよ。フースコではこの試合もトップレイティング

以前なんでもないとこでコケたときのやつ。あ、これもニューカッソー戦だった。。

彼はなかなかジョークのわかる漢だよね。チームにいてほしいとは思わないけど(笑い)。

🔙🔛🔝

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

5 Comments on “【マッチレビューその2】18/19EPL アーセナル vs ニューカッソー(1/Apr/2019)ついに3位へ【マッチスタッツと論点】

  1. 勝ち点75がひとまずのCLラインでしょうか。そのためにもアウェイ5つで8ポインツは少なくとも欲しいですな。ホームで2つとも勝てばいいんでしょうけど、そろそろやらかしちゃいそうな気がしますwどちらにせよCLが本格的に視野に入って来ましたね!!
    残り1ヶ月と少し。今シーズンは最後の最後まで楽しめそうです!COYG!!

  2. 全チームが欧州杯と並行しての日程で、まさに天王山
    その中でユナイテッドチェルシースパーズは満身創痍の感が
    就任一年目でここまでやれば十分以上だけど、この後苦手なアウェイでも勝利して、来季のCLを確実にして欲しい

  3. ここ最近プレミアリーグも判定の精度が落ちてますね
    VARが導入されますが、テクノロジーに頼りすぎることなく、判定自体の精度を上げていくことも求められると思います。世界最高峰のリーグですからね。

  4. ラカのゴールやばい…。
    4点も5点もとっちゃうとおれたち強すぎってなってこけちゃうかもなんでこのくらいのスコアが緊張感あっていいのでわ(って自分に言い聞かす)。
    アウェイ5試合はやっぱきついですが、勝てなかったころのフォームとは明らかに違うと思うので、きっとやってくれるはず。

    ユナイテッドもチェルシーも白いのも、トップ4逃してもヨーロッパからCL狙えるルートをまだ持ってるのが実はけっこうすごいことのような。
    プレミア最強時代の幕開けにブレクジット問題が水を差すとゆう…。
    とにかくおれたちは回りを気にせず試合から試合です。
    COYG

  5. >>ぜひやつら(TOT)をCLから追い出して新スティディアムをCLナシで迎えさせよう。
     ※このエントリを書いている最中にユナイテッドがウォルヴズに敗けていた!!! ざまあ m9(^Д^)プギャー

    何という欲望に素直なコメント・・・、いやーw 最高ですなww 酒がうまいwww
    晩年のヴェンゲル時代だと、この手の大一番で肩透かしを食らい続けていたので、非常に不安でしたが、エメリに代わってからはトップ6との対戦成績といい完全にチームは変わりましたね。
    審判に関してはクリカンばりに「殺していい?」状態でしたが、今は勝利の美酒に酔い続けたいところですわw

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