4、ハンパない成功を収めた例外的モデル:ファーガソンとヴェンゲル
<X 例外モデル>
ちなみにこのモデルはもう存在しない。
もうマンUもアーセナルもこのモデルは使っていないが、すごい成功を収めたこのモデルについて簡単におさらいしたい。
- このモデルではマネージャーが完全なフットボールにおける決定権を持っており、エグゼクティヴ・ボード・メンバーとの距離がめちゃ近い
- マンUではデイヴィッド・ギルとアレックス・ファーガソン
- アーセナルではデイヴィッド・ディーンとアーセン・ヴェンゲル
このモデルがもたらしたもの。
- 長期のマネージャーにも関わらず、ふたりの安定した成績はすごい
- 特筆すべきはこのふたりがフットボール部門のコントロールを完全に掌握していたということ
- もうひとつ興味深いのは、投票権がないのにボードには席があったこと
今日のアーセナルについて、われわれのオーガニゼイションチャートはこんな感じ。
- まずCEO、アイヴァン・ガジーディスがトップにいる
- その下にいるマネージャー(ヴェンゲル)がすべてのフットボールオペレイションの責任者。すべての部署はマネージャーにリポートする
- わたしはフットボール・オペレイションという部署にいる
- フットボール・オペレイションの仕事はCEOとマネージャー、それと契約チームのサポート
- スクワッド計画、契約交渉、代理人との交渉、選手の売買、アカデミーのコーディネイションも
- 契約チームのチーフ・ファイナンシャル・オフィサーや弁護士、クラブセクレタリとは密に仕事をする
- 一番重要な仕事はすべての契約が正しいかどうか、FAやFIFAのルールに抵触していないかの確認といったもの
5、ヨーロッパでのトレンド
最後はヨーロッパ。たくさんのマネジメントストラクチャがある。
- ユヴェントス、インテル・ミラン、FCバルセローナ、ヴァレンシアほかたくさんのクラブが、DoF(/TD)がスーパーヴァイザーとしてフットボール部門を統括しており、選手やコーチの雇用や解雇も彼らが行う。それが伝統的フットボールモデル
- 世界でもっとも成功しているクラブのひとつであるレアル・マドリッドにはDoFがいない。以前はいた
- 彼らはプレジデントとジェネラル・マネージャーがフットボールエリアも統括しているおり、誰かひとりの人格にそれを担わせることを避けている
以下が注目すべきトレンド。
- フットボール・ジェネラル・マネージャー、あるいはエグゼクティヴ・ディレクター、またあるいはフットボールCEOの存在
- これを採用しているのはメンヘン・グラッドバック、ローマ。モンチがセヴィーリャからローマに行って彼の仕事の一部はフットボールCEOになった
- バーゼルとベティスも
- このモデルを採用するクラブはこれからもっと増える
(後略&以上)
このあとはEPLがラ・リーガなどと比べていかにクラブ間格差がないか(1位と20位の賞金差。PLは1.5倍、リーガは10倍違う)等を説明して、PLの競争力と魅力の根拠としている。ブラジルの聴衆にもPLのいいプレゼンテイションになったようだ。
クラブ関係者から直接こういう話を聞けることはあまりないので、個人的にも大変に興味深かった。
※このエントリ全体カタカナが多いしレイアウトもアレで読みにくかったら大変申し訳ない。
今はエグゼクティブディレクター方式ですが、ガジディスやミズリンタートがいたときはコミッティ方式だったんですかね?
お、鋭い。。
また別で書こうと思って書かなかったんだけど、おっしゃるとおりガジディスとミズリンタットがかぶってる短い期間に、アーセナルはコミッティ方式を模索していた可能性があるようっす。
メンツはガジーディス、サンレヒ、ミズリンタット、エメリ、ファーミー(弁護士・契約担当)、ローゼンフェルド(StatDNAのCEO)、あとはヴェンカテシャン? そのあたりらしいっす。
ガジディスはともかくとして、ミズリンタートはコミッティ方式に移行する際の煽りを受けた可能性がありそうですね。コミッティ方式でいけば、ミズリンタートのポジションはサンジェイの下になりますからね。あれだけ補強を成功させたミズリンタートに役職を与えないとは考えづらかったのですが…あの退任劇の裏が何となく見えてきた気がしますね。